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高橋睦郎

高橋睦郎の俳句

あらたまの魑魅や分入れば
つくづくと黴面白き墨の尻
みちをしへいくたび逢はば旅はてむ
棹ささむあやめのはての忘れ川
水戀ふは母戀ひなりし冬霞
鎌倉の晴つづきけり七五三
 

高橋睦郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/10 04:15 UTC 版)

高橋 睦郎
文化功労者顕彰に際して公表された肖像写真
誕生 (1937-12-15) 1937年12月15日(86歳)
福岡県八幡市
職業 詩人歌人俳人
言語 日本語
国籍 日本
教育 学士教育学
最終学歴 福岡教育大学教育学部国語科卒業
主な受賞歴
ウィキポータル 文学
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高橋 睦郎(たかはし むつお、1937年12月15日 - )は、日本詩人歌人俳人日本芸術院会員、文化功労者文化勲章受章者。

経歴

福岡県八幡市(現北九州市)生まれ。貧しい母子家庭に育ち、新聞配達と奨学金で福岡県立門司東高等学校に学ぶ[1]。高卒後は就職を希望していたが母子家庭ゆえに就職試験で落とされ、家庭教師のアルバイトをしつつ福岡教育大学教育学部国語科に学ぶ[2]。大学卒業半年前に肺結核と診断され、生活保護を受けて結核療養所に入り、2年間の療養生活を送る[2]。1961年に快癒して療養所を出たが、結核歴のために教員への道を閉ざされる[3]。大学卒業後、1962年上京し、日本デザインセンターにアルバイトで雇われ、1966年にはサン・アドに移る。以後、40歳代半ばまでコピーライターとして広告会社に勤務。

中学時代から「毎日中学生新聞」に作文・詩・短歌・俳句を投稿[4]。在学中、処女詩集『ミノ・あたしの雄牛』を自費出版。また、『現代詩手帖』に作品を投稿し、採用される。1974年、学生時代の俳句をまとめた句集『舊句帖』の出版を機に安東次男に師事[4]。現代詩も短歌・俳句の伝統詩も同じく詩であるという立場から各ジャンルを平行して制作[4]。「非個性の詩、普遍的な詩」を志し、作風は端正かつ放胆[4]。伝統詩においては定型を守りつつ、時代を超えた悠然とした詩作を試みる[5]。詩のみならず、オペラ新作能などの分野で精力的に芸術活動を続ける。詩の朗読でも知られる。

西洋古典文学にも深く関わり[6]ギリシャ悲劇王女メディア」「オイディプス王」の蜷川幸雄演出の上演台本を作成した。

2017年、文化功労者日本芸術院会員に選出。

2024年、文化勲章受章。

受賞歴

著作

  • 『ミノ・あたしの雄牛』砂漠詩人集団・私家版 1959
  • 『がらすのお城』降旗美術印刷 1963
  • 『薔薇の木 にせの恋人たち』現代詩工房 1964
  • 『眠りと犯しと落下と』草月アートセンター 1965
  • 『愛の教室』新書館 1965
  • 『汚れたる者はさらに汚れたることをなせ』思潮社 1966
  • 『17のこもりうた』新光美術 1966
  • 『高橋睦郎詩集』思潮社〈現代詩文庫〉 1969 
  • 『十二の遠景』中央公論社 1970
  • 『頌 ほめうた』思潮社 1971
  • 『暦の王』思潮社 1972
  • 『日本芸能独断 附戯曲「美しかりしわれらがヘレン」』大和書房 1972
  • 『聖三角形』新潮社 1972
  • 『動詞 1』思潮社 1974
  • 『語り手と聞き手ともうひとり』女子パウロ会 1974
  • 『善の遍歴』新潮社 1974
  • 『私』書肆林檎屋 1975
  • 『詩から無限に遠く』思潮社 1977
  • 『詩人の血』小沢書店 1977
  • 『荒童抄』書肆林檎屋 1977
  • 『球体の息子』小沢書店 1978
  • 『男の解剖学』角川書店 1978
  • 『地獄を読む』駸々堂出版 1978
  • 『風にいろをぬりたいな』偕成社 1978
  • 『動詞 2』思潮社 1978
  • 『聖という場』小沢書店 1978
  • 『言葉の王国へ』小沢書店 1979
  • 『新選 高橋睦郎詩集』思潮社〈新選現代詩文庫〉 1980
  • 『王国の構造』小沢書店 1982
  • 『鍵束』書肆山田 1982
  • 『花遊び』小沢書店 1984
  • 『分光器』思潮社 1985
  • 『兎の庭』書肆山田 1987
  • 『稽古飲食』私家版 1987 不識書院 1988
  • 『恋のヒント』小沢書店 1989
  • 『詩人の食卓』平凡社 1990
  • 『鷹井』筑摩書房 1991
  • 『球体の神話学』河出書房新社 1991
  • 『爾比麻久良』思潮社 1992
  • 『青春を読む 日本の近代詩二十七人』小沢書店 1992
  • 『旅の絵』書肆山田 1992
  • 『私自身のための俳句入門』新潮選書 1992
  • 『友達の作り方 高橋睦郎のfriends index』マガジンハウス 1993
  • 『加賀百景』筑摩書房 1993
  • 『金沢百句』筑摩書房 1993
  • 『詩人の買物帖』平凡社 1993
  • 『遠い帆 オペラ支倉常長』小沢書店 1995
  • 『姉の島 宗像神話による家族史の試み』集英社 1995
  • 『旅の身仕度』創樹社 1995
  • 『続・高橋睦郎詩集』思潮社〈現代詩文庫〉 1995
  • 『読みなおし日本文学史 歌の漂泊』岩波新書 1998
  • 『この世あるいは箱の人』思潮社 1998
  • 『百人一句 俳句とは何か』中公新書 1999
  • 『日本二十六聖人殉教者への連祷』すえもりブックス 1999
  • 『柵の向こう』不識書院 2000
  • 『花行』ふらんす堂文庫 2000
  • 『倣古抄』邑心文庫 2001
  • 『恢復期』書肆山田 2001
  • 『小枝を持って』書肆山田 2002
  • 『十二夜 闇と罪の王朝文学史』集英社 2003
  • 百人一首 恋する宮廷』中公新書 2003
  • 『すらすら読める伊勢物語講談社 2004
  • 『起きあがる人』書肆山田 2004
  • 『歌枕合』書肆山田 2005
  • 『語らざる者をして語らしめよ』思潮社 2005
  • 『未来者たちに』みすず書房 2005
  • 『虚音集』不識書院 2006
  • 『漢詩百首 日本語を豊かに』中公新書 2007
  • 『遊ぶ日本-神あそぶゆえ人あそぶ』集英社 2008
  • 『永遠まで』思潮社 2009
  • 『百枕』書肆山田 2010
  • 『季語百話』中公新書 2011、巻末に川瀬敏郎との対談
  • 『詩心二千年』岩波書店 2011
  • 『何処へ』書肆山田 2011
  • 『和音羅読 詩人が読むラテン文学』幻戯書房 2013、新装版2016
  • 『歳時記百話』中公新書 2013
  • 『高橋睦郎歌集 待たな終末』短歌研究社 2014
  • 『続続・高橋睦郎詩集』思潮社〈現代詩文庫〉 2015
  • 『句集 十年』角川書店 2016
  • 『在りし、在らまほかりし三島由紀夫』平凡社 2016
  • 『詩人が読む古典ギリシア 和訓欧心』みすず書房 2017
  • 『つい昨日のこと 私のギリシア』思潮社 2018
  • 『季語練習帖』書肆山田 2019
  • 『深きより 二十七の聲』思潮社 2020
  • 『歌集 狂はば如何に』角川書店 2022

翻訳(再構成)

作詞

沢田研二のアルバムへの作詞提供

脚注

  1. ^ 『友達の作り方』p.58-59
  2. ^ a b 『友達の作り方』p.59
  3. ^ 『友達の作り方』p.62
  4. ^ a b c d 『現代俳句大事典』p.326
  5. ^ 『現代の俳人101』p.185
  6. ^ 大家の呉茂一に師事した。
  7. ^ a b c 会員詳細 - 高橋睦郎”. 日本藝術院. 2023年7月12日閲覧。
  8. ^ 平成24年春の叙勲 旭日小綬章等受章者 神奈川県” (PDF). 内閣府. p. 1 (2012年4月29日). 2013年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月12日閲覧。
  9. ^ ちばてつやさん、漫画家初の文化勲章 文化功労者に青木功さんら”. 朝日新聞デジタル (2024年10月25日). 2024年10月25日閲覧。

参考文献


高橋睦郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:28 UTC 版)

三島由紀夫」の記事における「高橋睦郎」の解説

詩人三島詩集薔薇の木、にせの恋人たち』を送って認められ交友した。三島自身多く先輩作家から恩恵受けてきたためか、新人若い人にとても優しかった高橋によれば三島サービス精神旺盛であったため、親交持った誰しも自分こそが三島と最も親しかった思い込ませてしまうところがあったという。ワイルドばりの逆説好きな三島は、高橋に「小説というものは、精神なんかで書くんじゃなくて、肉体で書くんだよ」「不健全な精神健全な肉体にこそ宿る」と教えたという。

※この「高橋睦郎」の解説は、「三島由紀夫」の解説の一部です。
「高橋睦郎」を含む「三島由紀夫」の記事については、「三島由紀夫」の概要を参照ください。

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