岡本眸とは? わかりやすく解説

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岡本眸

岡本眸の俳句

おでん屋に同じ淋しさおなじ唄
かたまつて同じ事務服日向ぼこ
きのふより今日枯深し飯白し
さみしさのいま声出さば鴨のこゑ
はつふゆという籠り音を愛すかな
はろかなるものに昨日と桐の花
ひかり飛ぶ時間のひまの更衣
わが十指われにかしづく寒の入
わが町や雀隠れにすずめ居て
ポピー咲く帽子が好きで旅好きで
初電車待つといつもの位置に立つ
喪主といふ妻の終の座秋袷
大寒の明日へきちんと枕置く
寒卵狂ひもせずに朝が来て
山枯るる音なき音の充満す
日傘さすとき突堤をおもひ出す
日脚伸ぶ亡夫の椅子に甥が居て
春菜束購ふ裏返しうらがえし
柚子湯沁む無数の傷のあるごとく
梅筵来世かならず子を産まむ
火と話し水と話して冬ごもり
炎昼のきはみの櫛を洗ひけり
白玉や子のなき夫をひとり占め
目の前の些事こそ大事日照草
秋深むひと日ひと日を飯炊いて
立冬の女生きいき両手に荷
螢籠螢の死後も闇に置く
覚めてまだ今日を思はず白障子
雲の峰一人の家を一人発ち
霧冷えや秘書のつとめに鍵多く
鰯雲二人で佇てば別れめく
 

岡本眸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/26 05:34 UTC 版)

岡本 眸(おかもと ひとみ、女性、1928年1月6日 - 2018年9月15日[1])は、俳人。本名・曽根朝子。

梗概

東京生まれ。戦時に青春期を過ごしたため、少女時代は勤労動員のために費やされた。自宅は空襲で二度焼けている。戦後、聖心女子専門学校国語学科を卒業。日東硫曹に就職し、社長秘書として句会の幹事を任されたことをきっかけに俳句をはじめる。1951年、職場句会を通じて富安風生に師事、1956年に風生の「若葉」に入会。1957年、岸風三楼の指導を受け「春嶺」に入会。のち両誌の同人。1961年に句友の曽根けい二と結婚するが、けい二は1976年に脳溢血のため急逝した。結婚を機に長く葛飾区金町金町駅前に在住し、同地の風景を多数詠んだ[2]。1980年「朝」を創刊・主宰。1989年より毎日俳壇選者(2000年まで)。

代表句に「残りしか残されゐしか春の鴨」「雲の峰一人の家を一人発ち」「秋風や柱拭くとき柱見て」など。「俳句は日記」を信条とし、日常生活に真摯に向かい、写実を基本としつつ叙情性のある句を詠んでいる。

受賞歴

著書

  • 『岡本眸集』俳人協会 1979
  • 『俳句実作セミナー』牧羊社 1983
  • 『母系』牧羊社 1984
  • 『十指』角川書店 1985
  • 『岡本眸の俳句を始める人のために』池田書店 1987
  • 『川の見える窓 随想集』牧羊社 1988
  • 『矢文』富士見書房 1990
  • 『季のある暮らし 俳句の読み方・味わい方』牧羊社 1990
  • 『現代俳句入門 つくり方と上達法』家の光協会 1990
  • 『手が花に』牧羊社 1991
  • 『自愛』ふらんす堂 1992
  • 『岡本眸』花神社 1995 (花神コレクション)
  • 『流速』朝日新聞社 1999
  • 『岡本眸読本』富士見書房 1999 (俳句研究別冊)
  • 『俳句は日記』日本放送出版協会 2002
  • 『一つ音』ふらんす堂 2005
  • 『午後の椅子』ふらんす堂 2006
  • 『栞ひも』角川学芸出版 2007
  • 『四季逍遥 岡本眸写真集』ウエップ 2010.

参考文献

  • 塩野谷仁 「岡本眸」 『現代の俳人101』 新書館、2004年、84-85頁
  • 西村和子 「岡本眸」 『現代俳句事典』普及版、三省堂、2008年、113-114頁

外部リンク

出典

[脚注の使い方]
  1. ^ 俳人の岡本眸さん死去niftyニュース 2018年9月26日
  2. ^ 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第3回】葛飾と岡本眸 | セクト・ポクリット”. sectpoclit.com. 2021年8月22日閲覧。
  3. ^ 「秋の叙勲 晴れの受章者 勲四等-勲七等(都内分)」『読売新聞』1999年11月3日朝刊



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