サツマイモ 歴史

サツマイモ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 20:02 UTC 版)

歴史

原産地は中央アメリカメキシコ中央部からグアテマラにかけてとする説が有力である[3][6]。紀元前3000年以前から、メキシコ地域で栽培化されていたとみられている[6]。その後は南米ペルーに伝わり、古代ペルーの遺跡からサツマイモの葉や花、根を描いた土器や綿布が発見されていることから、重要作物になっていったと考えられている[6]

15世紀末にクリストファー・コロンブスが新大陸を発見し、スペインイザベル女王へ献上したこと契機に、アメリカ大陸からヨーロッパへと広まった[3][6]。しかし、もともと熱帯作物であったため、ヨーロッパではジャガイモのように普及することはなかった[6]イギリスではエリザベス朝の頃に、その甘さから好意的に受け入れられた。イギリス人はこの芋をペルーでの塊茎を意味する言葉 batata から patate と呼んだ。18世紀末に甘くないジャガイモ(potato)が一般化するにつれ、サツマイモは sweet potatoと呼ばれるようになった[14]

大航海時代の1498年に、コロンブスがベネズエラを訪れて以降、1519年にはポルトガルフェルディナンド・マゼランスペイン船隊を率いて南端のマゼラン海峡を発見。16世紀に頻繁に南アメリカ大陸にやってきたスペイン人あるいはポルトガル人により東南アジアに導入された。ルソン島フィリピン)から中国を経て、17世紀の初め頃に琉球九州へと伝わった。アジアにおいては外来植物である。

ニュージーランドへは10世紀頃に伝播し、「クマラ」(kumara) の名称で広く消費されている。西洋人の来航前に既にポリネシア域内では広く栽培されていたため、古代ポリネシア人は南米までの航海を行っていたのではないかと推測されている。

日本へは中国から宮古島に渡ったのが最初との説もあるが、それとは別系統で17世紀初めに琉球にもたらされ、やがて薩摩へ伝わり、九州南部で栽培されたのが「薩摩の芋」として、全国へ広まり定着した[3][6]。西日本の大飢饉の折に、鹿児島で餓死者を出さなかったことから、凶作の年でも収穫が見込める救荒作物として重要視されるようになる[6][15]。飢饉対策に腐心していた江戸幕府8代将軍・徳川吉宗の命によって、1735年、蘭学者青木昆陽が薩摩から江戸に種芋を取り寄せて、小石川御薬園(現:小石川植物園)などでサツマイモを試作し、これをきっかけに東日本各地でも栽培が広がった[6][15]。20世紀の第二次世界大戦太平洋戦争)中は、軍事統制下の深刻な食糧難からサツマイモ栽培が大いに奨励された[6]


注釈

  1. ^ ニュージーランドではkumaraと呼ぶ。
  2. ^ 種まきとは種子(特に真性種子)に対して使われる言葉であり、種芋やツル苗あるいは球根などの栄養繁殖の場合は定植(ていしょく)という言葉が一般的。
  3. ^ 「アカイモ」がサトイモを差す場合もあるため注意。
  4. ^ 当時はイギリス(グレートブリテン王国)と呼ばれる国家は存在せず、イングランド王国スコットランド王国同君連合であったが、便宜上「イギリス」の呼称を用いる。
  5. ^ ここまで各地で栽培に成功しており、また、近年になって利兵衛の孫の口上書が発見されたが、それに拠れば流刑先は壱岐島で、1746年(宝暦3年)に赦免され帰国したことになり、以降に栽培した場合、江戸幕府試験場での栽培試験のほうが先であったことになる。
  6. ^ 1833年(天保4年)城北百拙老人・著『世のすがた』によれば「ほうろく焼き」、すなわち壺焼き。
  7. ^ 「みやこのひるね」。旅先の江戸やその道中の風俗を、著者の地元である京・大阪と比較している。
  8. ^ ジャガイモナガイモ(長芋)、サトイモ(里芋)を主原料とした焼酎も存在する。これらは「芋」を使った焼酎であることには違いないが、通常、芋焼酎とは区別され、ジャガイモ焼酎、長芋焼酎、里芋焼酎などと呼ばれる。したがって、芋焼酎といえばサツマイモを主原料とした焼酎と考えてよい。
  9. ^ 静岡県榛原郡白羽村は、御前崎村と合併し、1955年に御前崎町が設置された。
  10. ^ 1954年、茨城県那珂郡前渡村の一部は那珂湊町に編入され、前渡村の残部は勝田町に編入された。

出典

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