ばいすう‐せい【倍数性】
倍数性
倍数性
倍数性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/08 23:52 UTC 版)
・上段: 一倍体 (x=3) の例。二倍体の生殖細胞に相当。
・下段: 二倍体 (2n = 2x = 6) の例。二倍体では体細胞、四倍体では生殖細胞に相当[1]。
倍数性(ばいすうせい、ploidy)とは、細胞内に含まれる完全な染色体組の数を指す用語である。染色体組(chromosome set)とは、母親由来と父親由来の相同染色体の組を意味し、生物の体細胞における遺伝的な基本単位である。倍数性は、染色体上の遺伝子にある対立遺伝子の数に影響を与える。生物の体細胞や組織、個体は、含まれる染色体組の数(倍数性レベル、ploidy level)に基づいて分類される。たとえば、一倍体(1組)、二倍体(2組)、三倍体(3組)、四倍体(4組)、五倍体(5組)、六倍体(6組)[2]、七倍体(7組)[3]などがある。3組以上の染色体組を持つ細胞または個体は、一般に多倍数体(polyploid)と呼ばれる[4][5]。
ほとんどの有性生殖生物は、二倍体またはそれ以上の倍数性を持つ体細胞から構成される。しかし、倍数性レベルは生物種間だけでなく、同一個体内の組織や生活環の段階によっても異なることがある。既知の植物属の約半数には多倍数種が含まれており、イネ科植物の約3分の2は多倍数体である[6]。多くの動物は一様に二倍体であるが、無脊椎動物や爬虫類、両生類では多倍数性が比較的よく見られる。ある種では個体ごとに倍数性が異なる場合があり(例:社会性昆虫)、また別の種では体の大部分が二倍体である一方、特定の組織や器官が多倍数体となることがある(例:哺乳類の肝臓)。植物や真菌では、世代間で倍数性レベルが変化することが、種分化の主要な要因となる。一方、哺乳類や鳥類では倍数性の変化は通常致命的である[7]。しかし、現在二倍体とされる生物にも、多倍数化(polyploidization)と再複相化(rediploidization)の痕跡が確認されており、多倍数性が動植物双方における進化的多様化に寄与した可能性が示唆されている[8][9]。
ヒトは二倍体生物であり、通常、体細胞に2組の染色体を持つ。すなわち、23対の相同染色体にはそれぞれ父親由来と母親由来の染色体が1本ずつ含まれ、合計で46本の染色体からなる完全な染色体構成を形成する。単一の染色体組に含まれる染色体の数は一倍体数(x、monoploid number)と呼ばれる。配偶子(卵細胞または精子)に含まれる染色体総数は単数体数(n、haploid number)と呼ばれ、通常、体細胞染色体の半分である。二倍体生物では一倍体数 x と単数体数 n は等しく、ヒトでは23である。ヒトの場合、生殖細胞の減数分裂により、二倍体の46本の染色体は半分に分割され、単数体(haploid)の配偶子が形成される。受精によって雄性配偶子と雌性配偶子が融合すると、再び46本の染色体からなる二倍体の接合子(受精卵)が形成される。
ある生物の典型的な配偶子に含まれる染色体数の整数倍を持つものは正倍数体(euploid)と呼ばれる。それ以外の数を持つものは異数体(aneuploid)である。たとえば、ターナー症候群では性染色体(XまたはY)の1本が欠損しており、(46,XX)または(46,XY)ではなく、(45,X)の核型になる。これは異数性の一種である。
語源
起源
ploidy(倍数性)という用語は、haploidy(単数性)および diploidy(二倍性)から逆成されたものである。「ploid」という語基は、古代ギリシア語の -πλόος(-plóos、「倍の」)と -ειδής(-eidḗs、「~の形をした」)を組み合わせたもので、後者は εἶδος(eîdos、「形態、類似性」)に由来する。ギリシア語のᾰ̔πλόος(haplóos)の主な意味は「単一の」であり[10]、接頭辞 ἁ-(ha-、「一つ」「同一の」)に由来する[11]。διπλόος(diplóos)は「二重」「二倍の」を意味する。したがって、diploid(二倍体)は「二重の形をした」という意味である[注釈 1]。
歴史
1905年、ポーランド系ドイツ人の植物学者エドゥアルト・シュトラスブルガーが、単数体(haploid)と二倍体(diploid)という用語を造語した[注釈 2]。一部の研究者は、シュトラスブルガーがこれらの用語をアウグスト・ヴァイスマンの「id(イド)」(生殖質、germ plasm)の概念に基づいて考案したことから[14][15][16]、haplo-id(ハプロイド)とdiplo-id(ディプロイド)という形になったと示唆している。これらの二つの用語は、シュトラスブルガーと共同研究者が1906年に出版した教科書を、ウィリアム・ヘンリー・ラング(William Henry Lang)が1908年に英語へ翻訳したことにより、ドイツ語圏から英語圏へ導入された[17]。
現在の用語
「ploidy(倍数性)」は、染色体の倍数性の状態を指す名詞として使われる(例:haploidy, diploidy)[18]。一方、「ploid(倍数体)」は主に染色体数を示す形容詞の接尾辞として、特定の倍数性(例:haploid, diploid)を表すために用いられる[19]。
倍数性の種類
単数体と一倍体
1) 左は単数体優性、右側は二倍体優性の生活環
2~3) 単数体の配偶子 (卵細胞と精子) には顕性遺伝子 (紫色) と潜性遺伝子 (青色) が含まれる。
4~5) 二倍体生物の配偶子は減数分裂によって形成され、染色体数が半減する。
6) 単数体生物の短命な二倍体接合子は、配偶子融合により生じる。
7) 受精直後の二倍体接合子。
8) 単数体生物では、二倍体接合子が減数分裂して単数体を再生する。
9) 二倍体生物では、接合子が有糸分裂で成長し、新しい二倍体生物を形成、顕性遺伝子 (紫色) のみが発現する。
単数体(haploid、旧称:半数体[注釈 3])という語には、2つの異なる意味がある。最も一般的な意味では、配偶子(卵細胞や精子)に見られる染色体組の数を指し[22]、これを単数体数(n、haploid number)と呼ぶ。有性生殖では、2つの配偶子が結合して1つの接合子を形成し、その後体細胞が生じる。このため、健全な配偶子は常に体細胞に見られる染色体組数の半分を持つ。すなわち、単数体数 n は体細胞の染色体数の半分に相当する。
もう一つの定義では、単数体とは各染色体が1本ずつ、すなわち1組の染色体のみを持つ状態を指す[23]。この定義に基づき、1組の染色体を持つ細胞は一倍体(monoploid)と呼ばれ、その染色体数を一倍体数(x、monoploid number)として表す[24]。単数体と一倍体は、この文脈では互換的に使われることもある[注釈 4]。
配偶子は単数体細胞である。ほとんどの生物では、単数体の配偶子同士が結合して、合計 2n 本の染色体を持つ接合子を形成する。このとき、卵細胞と精細胞からそれぞれ1本ずつ由来する染色体対を相同染色体(homologous chromosome)といい、これらを持つ細胞や生物は「二倍体」と呼ばれる(詳細は後述)。ほとんどの動物は二倍体であり、単数体の配偶子を形成する。減数分裂の過程で、染色体対の片方が無作為に選ばれ、染色体数が半減して単数体配偶子が生じる。相同染色体は通常遺伝的に異なるため、配偶子も互いに遺伝的に異なる[28]。
すべての植物と多くの真菌類および藻類は、単数体状態と二倍体状態を交互に繰り返す。この現象は「世代交代」と呼ばれる。多くの菌類や藻類は生活環の主要な段階を単数体で過ごし、コケ類などの原始的な植物も同様である。進化的に新しい植物、たとえば裸子植物や被子植物では、生活環の大部分が二倍体段階である。ほとんどの動物は二倍体であるが、雄のミツバチ、カリバチ、アリは未受精の単数体卵から発生する単数体生物である。このシステムは「半倍数体(haplodiploid)」と呼ばれる[要出典]。(詳細は後述)
単数体セット内の染色体数が、もともとの染色体組の重複によって生じている場合もある。たとえば、普通コムギ(パンコムギ)の染色体は、それぞれ単数体配偶子に7本の染色体を持つ3つの異なる祖先種に由来すると考えられている。したがって、一倍体数 x は7であり、単数体数 n は 3 × 7 = 21 となる。一般に、n は x の倍数である。普通コムギの体細胞では、7本の染色体からなる6組(2×3組)の染色体組があり、卵細胞由来の3組と精子由来の3組が融合して、計42本の染色体を持つ接合子が形成される(2n = 6x = 42)。普通コムギの配偶子は体細胞に比べ遺伝情報が半分であるため単数体であるが、3組の完全な染色体組(n = 3x)を持っているため一倍体ではない[29]。
二倍体
二倍体(diploid)とは、同じ種類の染色体を2組持つ細胞または生物を指す[30]。各染色体は母親と父親に由来する1本ずつの相同染色体から構成され、二倍体細胞では各遺伝子の対立遺伝子(アレル)が通常2つずつ存在する。
ほとんどの動物および多くの植物は二倍体生物であり、その体細胞は通常、二倍体状態である。ヒトの体細胞には46本の染色体(2n)が含まれ、うち22対が常染色体、1対が性染色体である。ヒトの配偶子(卵細胞および精子)は減数分裂によって形成され、染色体数が半減して単数体(n=23)となる。
哺乳類のほとんどの種は二倍体である。一部の齧歯類が四倍体である可能性がかつて指摘されたことがあるが[注釈 5]、これらの種の大きなゲノムサイズは多倍数性によるものではなく、反復配列の増幅や分散によって説明できると考えられている[33]。
ただし、二倍体個体の体内にも一部の細胞では多倍数性(polyploidy)が観察されている。たとえば、ヒトでは、肝細胞[34]や心筋細胞[35]の一部が多倍数性を示し、これは細胞の成長や代謝活性の維持に関与していると考えられている。
ウイルスの中には、2本のRNAゲノムを持つことから「二倍体」と呼ばれるものがある。たとえば、レトロウイルスに属するヒト泡沫状ウイルス(Simiispumavirus pantrosch)、ヒトTリンパ好性ウイルス(HTLV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などが挙げられる[36]。
多倍数性
多倍数性(polyploidy)とは、細胞または生物が基本染色体組(通常 x で表される)を2組以上、通常は3組以上持つ状態をいう。たとえば、三倍体(3組)、四倍体(4組)、五倍体(5組)、六倍体(6組)、七倍体(7組)などがある[注釈 6]。さらに高い倍数性の例として、十六倍体(16組)、三十二倍体(32組)、六十四倍体(64組)なども存在する。植物では多倍数性が一般的であるが、動物ではまれである。
多倍数性の極端な例は、シダ植物のハナヤスリ属(Ophioglossum)で観察され、この属では染色体数が数百本、少なくとも1例では1000本を大きく超える多倍数性が報告されている。動物では、ショウジョウバエの多糸染色体は1024倍体に達することがある[42][43]。唾液腺、エライオソーム、胚乳、栄養膜などの器官系の倍数性はさらにこれを上回り、商業用カイコ(Bombyx mori)の絹糸腺では最大1,048,576倍体に達する[44]。
二倍体生物(diploid organism)においても、多くの体細胞は核内倍加(endoreduplication)と呼ばれる過程によって多倍数性となる。これは、有糸分裂(細胞分裂)を伴わずにゲノムが複製される現象である。
多倍数性が進行すると、いくつかの生物では、半数化(haploidisation)によばれる過程によって、後に低い倍数性の状態に戻ることがある。
異質倍数体
染色体組は同一種に由来する場合もあれば、近縁種に由来する場合もある。後者の場合、これらは異質倍数体(allopolyploid)として知られ、通常の二倍体のようにふるまう異質倍数体は複二倍体(amphidiploid)と呼ばれる。異質倍数体は、2つの異なる種の交雑によって形成される。植物では、これは主に減数分裂で減数しなかった配偶子の対合によって起こると考えられており、二倍体間の交雑後に染色体が倍加することで形成されることはまれである[45]。いわゆる「禹の三角形(Triangle of U)」は異質倍数性の代表例であり、3つの異なる親種がすべての組み合わせで交雑し、3つの新種が生じた例である[46]。
細菌および古細菌
細菌デイノコッカス・ラディオデュランス(Deinococcus radiodurans)[47]および古細菌ハロバクテリウム・サリナルム(Halobacterium salinarum)[48]では、多倍数性が特徴的である。これらの種は、電離放射線や乾燥によって生じるDNA二本鎖切断に対して高い耐性を示す[49][50]。この耐性は、効率的な相同組換え修復によって説明されると考えられている。
可変倍数性(不定倍数性)
原核生物では、成長条件によって染色体のコピー数が1~4の範囲で変化する、部分的に複製中の染色体を含むため、実際のコピー数は端数となることが多い。これは、指数関数的に増殖する条件下で、細胞分裂の速度よりもDNA複製の速度が速いために起こる。
繊毛虫では、大核はゲノムの一部のみが増幅されるため、ampliploid(増幅倍数性)と呼ばれる[51]。
混倍数性
混倍数性(mixoploidy)とは、二倍体と多倍数体の細胞系統が同一生物内に共存する状態(キメラ)を指す。これは細胞学の研究対象であり、ヒトでは成人および小児において確認されている[52]。多倍数性の個体は通常生存できないが、混倍数性は二倍体と三倍体(46染色体と69染色体)[53]、または二倍体と四倍体(46染色体と92染色体)の細胞が混在する例が知られている。
二ゲノム性単数性と倍数性単数性
二ゲノム性単数性(dihaploidy)および倍数性単数性(polyhaploidy)は、多倍数体の半数化(haploidisation)によって染色体数を半減させることで生じる。二ゲノム性単数体(dihaploid)は、四倍体作物(特にジャガイモ)の育種で重要であり、二倍体の方が四倍体よりも選抜が容易であるため利用される。四倍体は、体細胞融合などにより二倍体から再構成できる。
二ゲノム性単数体という語は、1963年にベンダー(Bender, K)によって、ゲノムコピー数(二倍体)と起源(単数体)を統合して表す目的で造られた[54]。現在では本来の意味に加え[55][56]、倍加単数体(doubled monoploid、doubled haploid)を指す場合にも用いられる[57]。
正倍数性と異数性
正倍数性(euploidy、ギリシア語の eu、「真の」または「均等な」)とは、細胞または生物が同一の染色体組を1組以上持つ状態(性決定染色体を除く)を指す。たとえばヒトの多くの細胞は、23組の相同染色体をそれぞれ2本ずつ持つ(計46本)。23本の正常な染色体組を1組余分に持つ細胞(実質的には三倍体)も正倍数体とされる。
異数性(aneuploidy)は、正常な染色体組のうち1本以上が欠失または余分に存在する、すなわち部分的な染色体数の異常を指す。完全な染色体組の増減が生じる場合は正倍数体とされ、異数体とは区別される。ヒトでは、余分な染色体を持つダウン症候群(21番染色体が3本)や、染色体が1本欠失するターナー症候群(性染色体が1本のみ)などが知られる。
異数体の核型を表す際には、「-ploidy」ではなく「-somy」の接尾辞が用いられる。たとえば三染色体性(trisomy)や一染色体性(monosomy)などである[要出典]。
同倍数性
同倍数性(homoploidy)とは、「同じ倍数性レベル」、すなわち同数の相同染色体を持つことを指す。同倍数体交雑とは、子孫が両親と同じ倍数性レベルを持つ交雑である。これは、交雑に伴って染色体倍加が生じる一般的な多倍数体植物とは対照的である。
同様に、同倍数体種分化(homoploid speciation)は、多倍数体種分化(polyploid speciation)とは区別される。
接合体性と非接合体性
接合体性(zygoidy)とは、染色体が対合し減数分裂を行う能力を持つ状態を指す。接合体性の細胞は、種によって二倍体または多倍数体である場合がある[58][59]。これに対し、非接合体性(azygoidy)では染色体は対合せず、この状態は一部の無性生殖種で自然に観察されるほか、減数分裂後にも生じることがある。二倍体生物では、非接合状態は一倍体に相当する(二ゲノム性単数性については前述)。
特別な場合
1つの細胞に複数の核がある場合
厳密な意味での倍数性は、細胞全体ではなく、単一の核に含まれる染色体組の数を指す。通常、1つの細胞には1つの核しか存在しないため、「細胞の倍数性」という表現が一般的である。しかし、1つの細胞に複数の核が存在する場合には、倍数性の定義がより厳密に求められる。
合胞体(シンシチウム)の場合、細胞膜内の全核の合計倍数性が報告されることもあるが[44]、通常は各核の倍数性を個別に記述する。たとえば、二つの独立した単数体核(haploid nuclei)を持つ真菌の二核体は、染色体を同一核で保持し組換えが可能な二倍体細胞(diploid cell)とは区別される[60]。
祖先の倍数性レベル
まれに、生殖細胞系列で倍数性が増加し、多倍数体の子孫が生じることがある。この現象は動植物双方において重要な進化機構であり、種分化の主要な推進力の一つである[8]。そのため、現在の繁殖種や品種の倍数性と、祖先の倍数性を区別することが望ましい。
祖先の染色体組(非相同)における染色体数は一倍体数(monoploid number、x)と呼ばれ、現在の繁殖種の単数体数(haploid、n)とは異なる。普通コムギ(Triticum aestivum)は、一倍体数 x と単数体数 n が異なる生物である。体細胞は6倍体(総染色体数 2n = 6x = 42、一倍体数 x = 7、単数体数 n = 21)で、配偶子は単数体である。進化上の祖先と考えられるヒトツブコムギは三倍体である。
四倍体(染色体4組、2n = 4x)は多くの植物種に広く見られるほか、両生類、爬虫類、昆虫にも存在する。たとえば、ツメガエル属(Xenopus)の種では二倍体から12倍体までの倍数性系列(ploidy series)が知られている[注釈 7][61]。
染色体多型(chromosomal polymorphisms)が進化の長い時間スケールで蓄積すると、核型上で識別が難しくなる場合がある。ヒトは一般的に二倍体であるが、脊椎動物の初期祖先では全ゲノム重複が起こった可能性がある(2R仮説)[要出典]。
半倍数性
半倍数性(haplodiploidy)とは、雄が未受精卵から単数体で発生し、雌が受精卵から二倍体で発生する性決定システムである。同一種でも個体間や生活環の異なる段階で倍数性が変化することがある[62][63]。社会性昆虫では、カースト(caste)によって倍数性が異なることがある。ヒトでは配偶子のみが単数体であるが、アリ、ミツバチ、シロアリなどの多くの社会性昆虫では、雄は未受精卵から発生するため、成虫になっても単数体である。
半倍数体種であるオーストラリアブルドッグアリ(Myrmecia pilosula)では、単数体個体は n = 1、二倍体個体は 2n = 2 の染色体を持つ[64]。エントアメーバ属(Entamoeba)では、単一集団内で倍数性レベルが4nから40nまで変化する[65]。ほとんどの植物では世代交代があり、個体は生殖生活環の異なる段階で倍数性レベルを交互に変化させる。
組織特異的な多倍数性
大型多細胞生物では、異なる組織・器官・細胞系統間で倍数性レベルが異なることが一般的である。染色体数は通常、減数分裂によってのみ減少するため、体細胞は有糸分裂により染色体数を維持する。しかし、多くの場合、体細胞は細胞分化の過程で核内倍加により染色体数を増やす。たとえば、ヒトの2歳児の心臓では二倍体核が85%、四倍体核が15%存在するが、12歳までにその割合はほぼ均衡し、成人では二倍体核27%、四倍体核71%、八倍体核2%が確認されている[35]。
倍数性変動の適応的および生態学的影響
異なる倍数性レベルの適応的・生態学的影響は、依然として研究が進められている。絶滅危惧種や侵入植物の核型を近縁種と比較した研究では、倍数体であることは絶滅リスクの14%低下および侵入種になる可能性の20%上昇と関連していることが示されている[66]。多倍数性は成長性や環境適応性の向上に寄与する可能性がある[67]。一方で、宿主種では二倍性が、寄生種では単数性が選択的に有利である可能性も報告されている[68]。多倍数化(polyploidization)は、転位因子(トランスポゾン)含有量増加や[69][70]、有害な潜性遺伝子に対する選択圧の緩和とも関連している[71][72]。
減数分裂において染色体が娘細胞に均等に分配されない場合、異数体配偶子(aneuploid gamete)が生じる。たとえば、三倍体生物は通常不妊である。この性質は農業で利用され、バナナやスイカなどの種なし果実の生産に三倍体が広く活用されている。ヒトでは、受精によって3組の染色体組が生じた場合、この状態は三倍体症候群(triploid syndrome)と呼ばれる。
単細胞生物では、栄養制限が倍数性に与える影響に関して「栄養制限と倍数性の関係仮説(ploidy nutrient limitation hypothesis、NLH)」が提唱されてきた。これは、栄養が制限された環境下では、単数体が高倍数体より有利になるとする仮説である。単数体は表面積対体積比が高く、栄養素の取り込みが効率的であることがその根拠である。しかし、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)の研究では、栄養が十分な条件下では二倍体の成長が単数体より速いことが報告されており(Mable、2001年)、この仮説とは一致しない結果が得られている。さらに、Gersteinら(2017年)の研究では、単数体・二倍体・多倍数体の真菌においてもNLHが検証され、結果は複雑であることが示された。リンやその他の栄養素が制限された条件下では低倍数性が選択される一方、通常の栄養条件や窒素制限のみの場合には高倍数性が選択されることもあった。これらの結果から、NLHの単純な仮説は再考を要すと考えられる[73]。
進化の過程で生じた古代の全ゲノム重複(whole genome duplication、WGD)も研究対象である。Marcet-Houben と Gabaldón(2015年)は、パン酵母における古代の全ゲノム重複が異質倍数体であることを示した。真菌における、新生倍数性(neopolyploidy)および中間倍数性(mesopolyploidy)の進化上の意義は、未だ完全には解明されていない[73]。
二倍体段階における自然選択の効率低下
二倍体段階では、潜性遺伝子の効果が顕性遺伝子によって覆い隠されやすく、その結果、自然選択の効率が単数体段階と比べて低下する可能性がある。この現象は「マスキング理論(masking theory)」として知られる[74]。
マスキング理論を支持する証拠として、単細胞酵母を用いた研究や[75]、ヨーロッパアカマツ植物において単数体組織に特異的な遺伝子に強い純化淘汰が作用することが報告されている[74]。
倍数性に関する用語集
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| 数性 (ploidy number) (p) | 基本染色体セット (x) のコピー数。例: 2 (二数性), 3 (三数性)。 |
| 一倍体数 (monoploid number, basic number) (x) | 単一の完全な染色体組に含まれる染色体の数。種に固有の値。 |
| 染色体数 (chromosome number) | 体細胞または配偶子に含まれる染色体の総数。n や 2n などで表される場合が多い。 |
| 接合体染色体数 (zygotic number) | 接合体 (zygote) に含まれる染色体数。通常 2n に相当。 |
| 単数体数 (haploid number, gametic number) (n) | 配偶子に含まれる染色体数。n = p × x (p = 数性) |
| 二倍体数 (diploid number) | 二倍体生物の染色体数 |
| 四倍体数 (tetraploid number) | 四倍体生物の染色体数 |
ジャガイモによる一倍体数と単数体数の例
天然ジャガイモ(Solanum tuberosum)は、4組の染色体を持つ四倍体生物の例である。有性生殖において、各ジャガイモ植物は花粉親から12本の染色体を2組、胚珠親から12本の染色体を2組受け継ぐ。これら4組が合わさることで、合計48本からなる完全な染色体構成が形成される。単数体数(n)は24であり、一倍体数(x)は総染色体数を体細胞の倍数性レベルで割った値で、48÷4 = 12 である。したがってこの例では一倍体数(12)と単数体数(24)は異なる[要出典]。
栽培ジャガイモ(および他の多くの商業用作物)は、一般的に栄養繁殖(有糸分裂による無性生殖)によって増殖される[76]。この場合、配偶子や受精を介さずに単一の親から新たな個体が生成され、すべての子孫は染色体数を含め、互いに、また親と遺伝的に同一である。これらの配偶子は、栄養繁殖による子孫形成には関与しない。
具体例
| 種 | 倍数性 | 染色体数 |
|---|---|---|
| ユーカリ Eucalyptus | 二倍体 | 2x = 22 |
| バナナ (Mouse) | 三倍体 | 3x = 33 |
| Arabic Coffee | 四倍体 | 4x = 44 |
| セコイア (Sequoia sempervirens) | 六倍体 | 6x = 66 |
| ウチワサボテン (Opuntia ficus-indica) | 八倍体 | 8x = 88 |
| 種 | 染色体数 | 倍数性 |
|---|---|---|
| ショウジョウバエ | 8 | 2 |
| コムギ | 14, 28 または 42 | 2, 4 または 6 |
| ワニ | 32, 34 または 42 | 2 |
| リンゴ | 34, 51 または 68 | 2, 3 または 4 |
| ヒト | 46 | 2 |
| ウマ | 64, 65 または 66 | 2 |
| ニワトリ | 78 | 2 |
| 金魚 | 100以上 | 2または多倍数体 |
脚注
- ^ 英語版 Ploidy の記事では「ヒューマノイド」(”humanoid")が「人間の形をした」("human-shaped")を意味することに例えられている。
- ^ ドイツ語の原文は以下の通りである: "Schließlich wäre es vielleicht erwünscht, wenn den Bezeichnungen Gametophyt und Sporophyt, die sich allein nur auf Pflanzen mit einfacher und mit doppelter Chromosomenzahl anwenden lassen, solche zur Seite gestellt würden, welche auch für das Tierreich passen. Ich erlaube mir zu diesem Zwecke die Worte Haploid und Diploid, bezw. haploidische und diploidische Generation vorzuschlagen."[12][13]
- ^ かつて「半数体」は原語 haploid の訳語として用いられていたが、その後の議論を経て、遺伝学用語改訂 (2019年) では「一倍体」と呼ぶことが推奨され[20]、また日本学術会議による高等学校の生物教育における重要用語も同様に改訂されるに至った[21]。
- ^ 一倍体数の他に、染色体基本数 (basic number)[25][26]、基数 (cardinal number)[27]、または基本染色体数 (fundamental number) と呼ばれることもある。
- ^ 四倍体(4組の染色体組を持つ)であると疑われるプレーンズ・ビスカーチャネズミ (Tympanoctomys barrerae)およびゴールデン・ビスカーチャネズミ(Pipanacoctomys aureus)は[31]、2004年時点では既知の唯一の例外と考えられていた[32]。
- ^ 具体的な用語として, 三倍体 (triploid, 3組), 四倍体 (tetraploid, 4組), 五倍体 (pentaploid, 5組), 六倍体 (hexaploid, 6組) [2], 七倍体 (heptaploid または septaploid, 7組) [3], 八倍体 (octoploid, 8組), 九倍体 (nonaploid, 9組), 十倍体 (decaploid, 10組), 十一倍体 (undecaploid, 11組), 十二倍体 (dodecaploid, 12組), 十三倍体 (tridecaploid, 13組), 十四倍体 (tetradecaploid, 14組) などがある[37][38][39][40]。さらに高い倍数性には, 十六倍体 (hexadecaploid, 16組), 三十二倍体 (dotriacontaploid, 32組), 六十四倍体 (tetrahexacontaploid, 64組) [41]などがあるが, 可読性を考慮してギリシア語表記を省略する場合もある (例:16倍体, 16-ploid) [39]。
- ^ 二倍体: ネッタイツメガエル (X. tropicalis、2n=20)、 四倍体: アフリカツメガエル (X. laevis、4n=36)、 八倍体: X. wittei (8n=72)、 12倍体: X. ruwenzoriensis (12n=108)
出典
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外部リンク
真核生物のゲノム規模やゲノムサイズのデータベース、および多くの生物の倍数性レベルを記載しているその他の情報源。
- Animal genome size database - 動物ゲノムサイズデータの包括的なカタログ
- Protist genome-scale database - 原核生物ゲノムサイズのデータベース (Ensembl Genomes)
倍数性
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