コルヒチンとは? わかりやすく解説

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コルヒチン【(ドイツ)Kolchizin】

読み方:こるひちん

アルカロイドの一。イヌサフラン鱗茎(りんけい)や種子含まれる黄色結晶細胞分裂中の染色体倍加させる作用をもつので、植物の品種改良用いる。


コルヒチン

分子式C22H25NO6
その他の名称コルチシン、コルヒチン、コルチセインメチルエーテル、Colchicine、Colchiceine methyl ether(-)-N-[(S)-5,6,7,9-Tetrahydro-1,2,3,10-tetramethoxy-9-oxobenzo[a]heptalen-7-yl]acetamide、コルヒソール、コルヒネオス、NSC-757、Condylon、Colsaloid、Colcin、Colchisol、Colchineos、コルチネオス、コンディロン、コルサロイド、コルチン(S)-7-Acetylamino-6,7-dihydro-1,2,3,10-tetramethoxybenzo[a]heptalen-9(5H)-one、コルキシン、(7S)-(-)-コルヒチン、(7S)-(-)- Colchicine、(7S)-1,2,3,10-Tetramethoxy-7α-(acetylamino)-5,6,7,9-tetrahydrobenzo[a]heptalene-9-one、(7S)-コルキシン、(7S)-Colchicine、N-[[(7S)-1,2,3,10-Tetramethoxy-9-oxo-5,6,7,9-tetrahydrobenzo[a]heptalene]-7α-yl]acetamide(-)-Colchicine、(-)-コルヒチン、(-)-コルキシン
体系名:N-[[(S)-1,2,3-トリメトキシ-9-オキソ-10-メトキシ-5,6,7,9-テトラヒドロベンゾ[a]ヘプタレン]-7α-イル]アセトアミド、(7S)-5,6,7,9-テトラヒドロ-1,2,3,10-テトラメトキシ-9-オキソ-N-アセチルベンゾ[a]ヘプタレン-7α-アミン(S)-7α-アセチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1,2,3,10-テトラメトキシベンゾ[a]ヘプタレン-9(5H)-オン(S)-7-アセチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1,2,3,10-テトラメトキシベンゾ[a]ヘプタレン-9(5H)-オン(-)-N-[(S)-5,6,7,9-テトラヒドロ-1,2,3,10-テトラメトキシ-9-オキソベンゾ[a]ヘプタレン-7-イル]アセトアミド、(7S)-1,2,3,10-テトラメトキシ-7α-(アセチルアミノ)-5,6,7,9-テトラヒドロベンゾ[a]ヘプタレン-9-オン、N-[[(7S)-1,2,3,10-テトラメトキシ-9-オキソ-5,6,7,9-テトラヒドロベンゾ[a]ヘプタレン]-7α-イル]アセトアミド


(+)‐コルヒチン

分子式C22H25NO6
その他の名称(+)-Colchicine、(+)-コルヒチン、(-)-N-[(R)-5,6,7,9-Tetrahydro-1,2,3,10-tetramethoxy-9-oxobenzo[a]heptalene-7-yl]acetamide(R)-7-Acetylamino-5,6,7,9-tetrahydro-1,2,3,10-tetramethoxybenzo[a]heptalene-9-one
体系名:(-)-N-[(R)-5,6,7,9-テトラヒドロ-1,2,3,10-テトラメトキシ-9-オキソベンゾ[a]ヘプタレン-7-イル]アセトアミド(R)-7-アセチルアミノ-5,6,7,9-テトラヒドロ-1,2,3,10-テトラメトキシベンゾ[a]ヘプタレン-9-オン


コルヒチン

同義/類義語:コルセミド, コルヒチン処理,
英訳・(英)同義/類義語:colchicine, Colchicine, Colcemid

コルヒチン、コルセミドノコダゾールビンクリスチンなど、チューブリン結合して微小管形成阻害する物質細胞骨格研究や、細胞分裂M期停止させることから染色体研究利用される

コルセミド

同義/類義語:コルヒチン
英訳・(英)同義/類義語:colcemid, colchicine

微小管(チューブリン)の重合阻害と脱重合作用を持つアルカロイド、コルヒチンの誘導体がコルセミド。実験ではチューブリン重合阻害直接用いるほか、細胞周期M期同調するために用いられる

イヌサフラン

イヌサフラン
科名 ユリ科
別名: コルヒチン
生薬名: コルヒクムシコルヒクム子
漢字表記 犬泪夫藍
原産 ヨーロッパ北アフリカトルコ
用途 球根薬用としてリウマチなどに用いられました。球根含まれるコルヒチン成分染色体倍加するので、品種改良応用され種無しスイカなどが誕生しました有毒植物ですから注意が必要です。
学名: Colchicum autumnale L.
   

コルヒチン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/30 02:22 UTC 版)

コルヒチン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
  • X
法的規制
  • RX/POM
識別
CAS番号
64-86-8
ATCコード M04AC01 (WHO)
KEGG D00570
化学的データ
化学式C22H25NO6
分子量399.44 g·mol−1
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コルヒチン: colchicine)とはイヌサフラン科イヌサフランColchicum autumnale)の種子や球根に含まれるアルカロイドである。化学式はC22H25NO6リウマチ痛風の治療に用いられてきたが、毒性も強く下痢嘔吐などの副作用を伴う。また種なしスイカなどの倍数体植物種の生産や品種改良の[1]作出にも用いられる。

イヌサフランはシチリア出身のローマ帝国の医者ペダニウス・ディオスコリデスの『デ・マテリア・メディカ』(『薬物誌』)において痛風に効くと記載されている。その有効成分であるコルヒチンは1820年にフランスの化学者ピエール=ジョセフ・ペルティエジョセフ・ビヤンネメ・カヴェントゥによって初めて分離され[2]、のちにアルカロイドとしての構造が明らかにされた。

マウスにおける半数致死量(LD50は、約3mg(経口)。

生物作用

微小管の主要蛋白質であるチューブリンに結合して重合を阻害し微小管の形成を妨げる。細胞分裂を阻害するほかに、好中球の活動を阻害し抗炎症作用をもたらす。痛風における疼痛抑制と抗炎症効果はこれによると考えられている。

医薬品としての利用

日本での厚生労働省認可の適応は「痛風発作の緩解および予防」、「家族性地中海熱」である。痛風発作の発現後、服用開始が早いほど効果的である。予防投与では、発作が予感されるかなりの初期でないと効き目が少ないのが特徴であり、痛風発作以外への鎮痛・消炎作用はほとんど認められない。長期にわたる(予防投与も含めて)服用は副作用発現の可能性が高くなるので、医師(できれば専門医)に受診しながらの服用が重要である。副作用には胃腸の不快感や好中球減少症等があり。投与量過多により骨髄抑制、貧血を起こすことがある。2016年、高田製薬が家族性地中海熱に対し公知申請し、承認された[3]。他に適応外で心膜炎アミロイドーシス強皮症ベーチェット病等に用いられる。

毒性

中毒症状はヒ素中毒に類似する。服用後2–5時間で口腔・咽頭灼熱感、発熱、嘔吐、下痢、背部疼痛、腎不全などの症状が発現する。呼吸不全により死亡することもある。解毒剤はない。致死量は種子の場合、数グラムである。

その他の応用

コルヒチンは植物の細胞分裂時に染色体の倍加(染色体異常)を誘発する作用がある。これを利用して種なしスイカ、あるいはその他の育種のための四倍体や倍化半数体の作出にも用いられる。また、細胞分裂を阻害し、細胞分裂中期で分裂を停止させる性質を利用して核型の診断にも用いる。

コルヒチンが含まれる植物

イヌサフラン(コルチカム)のほか、グロリオサの球根(ヤマイモの球根に相似)にも含まれており、誤食による死亡事故が起こっている。グロリオサには、コルヒチンのアセトアミド基ホルムアミド基に置き換わったグロリオシンも含まれている[4]

脚注

  1. ^ 鈴木勉、田中真知『学研雑学百科 毒学教室 毒のしくみから世界の毒事件ま簿まで 毒のすべてをわかりやすく解説』株式会社学研マーティング、2011年、40ページ、ISBN 978-4-05-404832-4
  2. ^ Pelletier, P. S.; Caventou, J. Ann. Chim. Phys. 1820, 14, 69.
  3. ^ コルヒチン錠 0.5mg (PDF) 高田製薬
  4. ^ Gloriosine

コルヒチン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 02:55 UTC 版)

はたらく細胞BLACK」の記事における「コルヒチン」の解説

抗炎症作用を持つ。

※この「コルヒチン」の解説は、「はたらく細胞BLACK」の解説の一部です。
「コルヒチン」を含む「はたらく細胞BLACK」の記事については、「はたらく細胞BLACK」の概要を参照ください。


コルヒチン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 21:16 UTC 版)

COVID-19に対する薬剤転用研究」の記事における「コルヒチン」の解説

2021年1月22日、カナダ・モントリオール心臓研究所英語版)(MHI)は、痛風治療薬コルヒチンが、新型コロナウイルス感染症治療効果的で、合併症リスク減少させることが、PCR検査陽性だった患者のうち4159人に投与した大規模臨床試験治験)で明らかになったと発表したMHIは、コルヒチンが「在宅療養中コロナ患者の治療使用できる世界初経口薬」と説明し治験の結果重要な科学的発見で、サイトカインストーム呼ばれる危険な炎症性症候群発生防ぎ合併症発症率下げ効果がある、としている。

※この「コルヒチン」の解説は、「COVID-19に対する薬剤転用研究」の解説の一部です。
「コルヒチン」を含む「COVID-19に対する薬剤転用研究」の記事については、「COVID-19に対する薬剤転用研究」の概要を参照ください。

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