抗炎症作用とは? わかりやすく解説

抗炎症薬

(抗炎症作用 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/12 06:21 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

抗炎症薬(こうえんしょうやく、Anti-inflammatory)とは炎症を抑える医薬品の総称である。炎症そのものは異物の侵入や組織の障害といった生体組織にとって好ましくない刺激が発生した時に免疫系が引き起こす局所的な防御反応であるが、生体にとっての非自己の排除を助ける一方で自己である生体そのものにも一定の損傷や苦痛を引き起こす性質も持つ。医療に際して、生体の引き起こした炎症が過剰に人体を傷つけているアレルギー疾患や、外部から炎症を引き起こす生理活性物質が注入されることによって起こるスズメバチ刺傷、ドクガ刺傷などの治療に際してはこの炎症のデメリットを抑制する必要があり、そうした目的で用いられる医薬品が抗炎症薬である。主にステロイド系抗炎症薬と非ステロイド系抗炎症薬の2種類に分類される。

ステロイド系抗炎症薬

ステロイド系の抗炎症薬は副腎皮質ホルモンの糖質コルチコイド、合成糖質コルチコイドのことである。 ステロイドは非常に優れた抗炎症作用を持つ一方、免疫抑制作用や副腎萎縮、胃腸障害、白内障、緑内障、ムーンフェイスなど多くの副作用も持つ。

長期間にわたってステロイドを大量投与することにより副腎萎縮が生じることがあり、急にステロイドを中止することによって副腎不全を起こすことがある。

非ステロイド系抗炎症薬

非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs:Non Steroidal Antilnflammatory Drugs)には抗炎症作用のほか、鎮痛作用、解熱作用を併せ持つものが多い。

非ステロイド系抗炎症薬はさらに酸性抗炎症薬と塩基性抗炎症薬に分けることができる。 酸性抗炎症薬は一般に広く使用されておりアスピリン、イブプロフェン、インドメタシンなどがこれに分類される。

酸性抗炎症薬はアラキドン酸からプロスタグランジンを合成する酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することによってケミカルメディエーターの一種であるロイコトリエンやプロスタグランジンの合成を阻害し、炎症が起きるのを抑える。

胃腸障害、肝障害、腎障害、造血障害、SJ症候群、アスピリン喘息が共通の副作用として知られている。

関連項目


抗炎症作用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 14:19 UTC 版)

PPARγ」の記事における「抗炎症作用」の解説

PPARγ活性化によりもたらされる抗炎症作用については数多く報告されている。中でも特筆すべき事項として炎症免疫関連転写因子であるNF-κB活性化抑制作用挙げられる関節リウマチ気管支喘息などの炎症性疾患ではNF-κB活性化報告されており、NF-κB炎症性遺伝子プロモーター領域結合して各種サイトカイン細胞接着分子などの産生促すPPARγリガンド依存的NF-κBDNA結合抑制することで炎症反応に対して抑制的に働く。

※この「抗炎症作用」の解説は、「PPARγ」の解説の一部です。
「抗炎症作用」を含む「PPARγ」の記事については、「PPARγ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「抗炎症作用」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「抗炎症作用」の関連用語

1
ステロイド剤 デジタル大辞泉
100% |||||


3
100% |||||

4
ビサクロン デジタル大辞泉
100% |||||

5
糖質コルチコイド デジタル大辞泉
100% |||||



8
92% |||||



抗炎症作用のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



抗炎症作用のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの抗炎症薬 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのPPARγ (改訂履歴)、デキサメタゾン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS