抗炎症効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:14 UTC 版)
糖質コルチコイドは、その原因が何であれ、全ての炎症反応に影響する。転写因子を調節することでlipocortin-1 (annexin-1) 合成を誘導し、これが細胞膜に結合することで、ホスホリパーゼA2とその基質であるアラキドン酸とが結合するのを阻害する。これによってエイコサノイド産生が低下する。シクロオキシゲナーゼ(COX-1とCOX-2の両方)の発現も抑制され、抗炎症効果が増す。 糖質コルチコイドはlipocortin-1を細胞外に漏出させ、それが白血球膜受容体と結合することで、上皮細胞接着、遊出、走化性、食作用、呼吸性バースト、好中球、マクロファージ、マスト細胞からの様々な炎症伝達物質(リソソームの酵素、サイトカイン、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、ケモカインなど)の放出などを抑制する。特に重要なサイトカインとしては腫瘍壊死因子α、インターロイキン1、インターロイキン4などである。 臨床的には好中球遊走能が低下し、末梢血白血球の見かけ上の上昇、一般化膿菌や真菌に対する免疫の低下がおこるをはじめとした、免疫抑制がおこることが重要である。
※この「抗炎症効果」の解説は、「免疫抑制剤」の解説の一部です。
「抗炎症効果」を含む「免疫抑制剤」の記事については、「免疫抑制剤」の概要を参照ください。
- 抗炎症効果のページへのリンク