カンボジア 経済

カンボジア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/16 06:45 UTC 版)

経済

カンボジアの農村では高床式住居が主流である

国際通貨基金(IMF)によると、2014年のカンボジアのGDPは約165億ドルである[17]。一人当たりのGDPは1,080ドルであり、世界平均の10%に満たない水準である。 2011年アジア開発銀行が公表した資料によると、1日2ドル未満で暮らす貧困層は828万人と推定されており、国民の半数を超えている[18]国際連合による基準に基づき、後発開発途上国に位置づけられている[19]

主要産業は農業漁業林業などの第一次産業である。近年は観光産業縫製産業が成長し、最貧国ではあるものの外国からの投資も大きな伸びを示している。おもな鉱物資源として(未開発)、マンガン(未開発)、宝石がある。を4万トン生産する。経済成長率は、2004年に10%、2005年に13.4%、2006年には10.4%に達した(カンボジア政府の統計)。

また、首都プノンペンの経済発展は著しく、2020年現在、先進国に匹敵する量の高級車が街中を走っている。

農業

国土の約3割が農地として利用されており、その8 - 9割は水田である。次に多いのは「チャムカー(畑)」と呼ばれる畑地で、およそ農地の10 - 15%程度とみられている。さらに、「チャムカー・ルー(上の畑)」と呼ばれる畑があり、農地の10 - 15%程度を占めているとみられている。これら3種の農地のほかに、焼畑ゴムの木プランテーションがある。

食料作物と主要な工芸作物の作付面積を見るとが圧倒的に多い。トウモロコシキャッサバ甘薯野菜類、緑豆などの食料作物、落花生大豆胡麻サトウキビタバコジュートなどの工芸作物の作付面積は非常に狭い[20]

カンボジアの国土に占める農地面積は21.6%に及び、人口の34%が農業に従事している。生産年齢人口が人口の55.8%であることを考慮に入れると、カンボジアの主産業は農業である(以上、2002年時点)。しかしながら、労働生産性が低いため、農産物は国内需要を満たすにすぎない。主要穀物では米(417万トン)の生産に特化している。商品作物の生産では葉タバコと天然ゴム(4.6万トン)が目立つ。

外国貿易

主要輸入品目は、石油製品(8.2%)、タバコ、オートバイ。主要輸出品目は衣類(77.8%)、天然ゴム、木材である。主要輸出先はアメリカ合衆国(36.8%)、シンガポールタイ王国。主要輸入先はタイ(15.6%)、香港、シンガポールである。

カンボジア製の衣類は日本にも2000年代以降多く輸出され始めている。たとえば、ユニクロを運営するファーストリテイリングの子会社であるジーユーが販売している一本990円という低価格のジーンズなどがカンボジア製である。人件費の安さなどを武器とし、経済成長の緒に就いている。

隣国とのGDP比較
GDP(単位:100万ドル)
タイ
ベトナム
カンボジア
ラオス
出典:IMF[21] 2014年の名目GDP

近年、中国が経済進出し、カンボジア首相府のビル建築や南部シアヌークビルのインフラ整備にも多額の資金援助を行っている。

法環境

一方、ソフト面でのインフラストラクチュアというべき法律分野における法整備支援では、民法および民事訴訟法の起草や裁判官、弁護士の人材育成を支援する日本のプレゼンスが大きい[22][23]

通貨

通貨リエルが存在するが、カンボジア経済の実情と比較してリエルの為替レートは高い。特に輸出に不利なため、一部を除いては通常は米ドルが使用される。カンボジアではポル・ポト政権下の1978年に、原始共産主義的政策の一環としてすべての通貨が廃止された。同政権崩壊後の1980年にリエルは復活した。地方、シェムリアップ西部のクララン周辺以西、以北、アンロンベンやプレア・ヴィヘアなどのタイ国境に近い地域ではリエルよりもタイの通貨バーツが使用される場合もあるが、1B=100Rで使用できる。




  1. ^ a b c d World Economic Outlook Database, April 2014” (英語). IMF (2014年4月). 2014年10月4日閲覧。
  2. ^ 岡田知子「インドシナの枠組みの中で」/ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 173ページ
  3. ^ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 205ページ
  4. ^ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 207ページ
  5. ^ 大虐殺の審理始まる2009年2月18日『しんぶん赤旗
  6. ^ キュー・サムファン大虐殺罪で訴追『しんぶん 赤旗』2009年12月19日(土曜日)版
  7. ^ ここまで上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 217ページ
  8. ^ カンボジアで見たしなやかな、強権政治に対する抵抗”. 2019年3月10日閲覧。
  9. ^ Khmer Rouge、KRと略、フランス語、元来はシアヌークが左派を一まとめにして呼んだ言葉、近年は国際社会でポル・ポト派を指す用語となっている。天川直子「誰をどう裁くのか」/上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 210-213ページ
  10. ^ 宮崎朋紀「各国法整備支援の状況-カンボジア」
  11. ^ カンボジアが新しい民法を公布 | プレスリリース(2007年) | ニュースとお知らせ - JICA
  12. ^ カンボジアで民法の適用開始 | トピックス(2011年度) | ニュースとお知らせ - JICA
  13. ^ 世界で最も腐敗している国 ワースト29 | BUSINESS INSIDER JAPAN
  14. ^ 高橋美和「季節のリズム」/ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 78-80ページ
  15. ^ カンボジアの国土政策の概要”. 国土交通省国土政策局. 2020年2月4日閲覧。
  16. ^ カンボジア住所の日本式表記について”. 在カンボジア日本大使館. 2020年2月4日閲覧。
  17. ^ カンボジアのGDP World Economic Outlook Database, April 2015
  18. ^ アジア開発銀行 Poverty in Asia and the Pacific: An Update
  19. ^ 外務省 後発開発途上国
  20. ^ 天川直子「米をつくる」/ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 344ページ
  21. ^ IMFの2014年の各国のGDPデータ
  22. ^ 「特集 法整備支援の課題」『法律時報』2010年1月号(日本評論社)
  23. ^ 特集 日本の法整備支援
  24. ^ 「砲弾などを鐘として使わないで」 カンボジア政府、各学校に指示AFP、2018年7月30日閲覧。
  25. ^ 【グローバル時代をひらく】カンボジア・キリロム工科大学 英語でITを学ぶ『日本経済新聞』朝刊2018年10月31日(大学面)2018年11月5日閲覧。
  26. ^ Valerie Ooka Pang & Li-Rong Lilly Cheng. Struggling to Be Heard: The Unmet Needs of Asian Pacific American Children. SUNY Press (1998), p51. ISBN 0-7914-3839-2.
  27. ^ 岡田知子「ウサギの裁判官」/ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 52ペー
  28. ^ インドの『ラーマーヤナ』のカンボジア版で「リアム」(ラーマ)王子の栄光という意味。
  29. ^ 最終話第547話「布施太子物語(モハーウェサンドー)」、釈迦前世の物語
  30. ^ カンボジア、タイ、ラオス、ミャンマーにのみ残る
  31. ^ 岡田知子「天界の喜びから農民の苦しみまで」/ 上田広美・岡田知子編著『カンボジアを知るための60章』明石書店 2006年 58ペー
  32. ^ 転倒現場で追悼式=死者347人に修正―カンボジア 朝日新聞 2010年11月25日





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