サツマイモ 原料・飼料としての利用

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サツマイモ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 20:02 UTC 版)

原料・飼料としての利用

日本における用途別消費量と割合(2018年[61]
用途 消費量(トン) 割合
生食用[62] 387,200 48.6%
アルコール用 213,400 26.8%
でん粉用 95,800 12.0%
加工食品用 71,500 9.0%
種子用 9,600 1.2%
飼料用[62] 2,200 0.3%
減耗・その他 16,800 2.1%
総生産量 796,500 100.0%

サツマイモは、調理素材としての食用他、以下のとおり、原料・飼料として利用されている。用途別の消費量は右のとおり。

デンプン

サツマイモからはデンプンを取ることができる。このデンプンは、春雨水飴などの原料となる。また、沖縄県ではサツマイモから取ったデンプンがイムクジ(芋くず)という名前で市販されており、生産量が少なく高価な葛粉の代用品として使われている。家庭でもくず餅ジーマーミ豆腐など料理の凝固、とろみ付けに使用される。

焼酎

サツマイモは焼酎の原料としても利用され、サツマイモを主原料とした焼酎を芋焼酎といい[注釈 8]、鹿児島県や宮崎県を中心に製造されている。デンプンを糖化するための原料としても、米と共に芋が使用される。

鹿児島では江戸時代から芋焼酎が作られており、法律によって自家醸造が禁止されるまでは、広く家庭で作られていた[63]。よって、鹿児島では「味のよい焼酎を煮れる女が立派な主婦」などといわれていた[64]。当時の作り方は、サツマイモを蒸してからで潰し、それに加水して2 - 5日放置し、そこに黄麹を加えて攪拌して放置して作ったを、ツブロ式蒸留器で蒸留するというものだった[63]

2000年代には焼酎ブームによりサツマイモ不足に陥った。また、中小建設業者が多角化の一環としてコガネセンガン(黄金千貫)の栽培に取り組む例もみられる。

中国の白酒 (中国酒)には、サツマイモを原料とする製品もある[65]

芋蜜

鹿児島県南九州市知覧町頴娃町には「あめんどろ」と呼ばれるサツマイモを煮詰めて作ったが伝わっていた。伝統的な製法を守ってきた最後の職人が廃業し、伝統が消滅する寸前であったが、後継者が現れ全国展開を進めている[66][67]

原料イモの品種

食用としても広く消費されるベニアズマや紫芋の1種でアヤムラサキ、焼酎専用品種のジョイホワイトなど様々な品種が使用されており、耐病性、単位面積あたりの収穫量、デンプンの含有率、貯蔵性を良くすることに主眼が置かれた品種改良が行われている。

  • 農林2号 1970年昭和45年)頃まで中心品種として栽培されていた。
  • コガネセンガン 1966年(昭和41年)に命名登録され1967年(昭和42年)より用いられ1980年(昭和55年)過ぎまでは中心品種として栽培された。これは、農林2号よりデンプンの含有率が高く1株当たりの収量が1.5倍であったことによる。
  • シロサツマ - 1985年(昭和60年)頃から。収穫後も傷みにくい。
  • シロユタカ - 1985年(昭和60年)頃から。耐病性があり高デンプン含有率。
  • ムラサキマサリ(農林54号) - 2001年(平成13年)頃から。アントシアニンを含有した紫芋で、蒸留後、芳香性や甘みを与える。

この他にも多種の品種が使用される。

飼料

サツマイモは、飼料として家畜に与えられることもある。ブタにサツマイモを与えることを義務付けているブランド豚肉もある。そうして育てる千葉県産「いも豚」は、獣臭さが少なく、脂が甘く食べると口溶けが良いことが特徴である[68]かごしま黒豚の定義では、肥育後期に飼料含量あたり20%のサツマイモを与えるよう定めている。

燃料

痩せ地での栽培に適し、デンプンを多く含むサツマイモは、しばしバイオエタノールの原料として注目されることがある。第二次世界大戦中の日本では、不足する航空機用燃料のためにバイオエタノールの製造が研究された[69]。現代においても、環境志向の高まりと将来起こるであろう化石燃料の不足に備えて、研究が進められている[70]


注釈

  1. ^ ニュージーランドではkumaraと呼ぶ。
  2. ^ 種まきとは種子(特に真性種子)に対して使われる言葉であり、種芋やツル苗あるいは球根などの栄養繁殖の場合は定植(ていしょく)という言葉が一般的。
  3. ^ 「アカイモ」がサトイモを差す場合もあるため注意。
  4. ^ 当時はイギリス(グレートブリテン王国)と呼ばれる国家は存在せず、イングランド王国スコットランド王国同君連合であったが、便宜上「イギリス」の呼称を用いる。
  5. ^ ここまで各地で栽培に成功しており、また、近年になって利兵衛の孫の口上書が発見されたが、それに拠れば流刑先は壱岐島で、1746年(宝暦3年)に赦免され帰国したことになり、以降に栽培した場合、江戸幕府試験場での栽培試験のほうが先であったことになる。
  6. ^ 1833年(天保4年)城北百拙老人・著『世のすがた』によれば「ほうろく焼き」、すなわち壺焼き。
  7. ^ 「みやこのひるね」。旅先の江戸やその道中の風俗を、著者の地元である京・大阪と比較している。
  8. ^ ジャガイモナガイモ(長芋)、サトイモ(里芋)を主原料とした焼酎も存在する。これらは「芋」を使った焼酎であることには違いないが、通常、芋焼酎とは区別され、ジャガイモ焼酎、長芋焼酎、里芋焼酎などと呼ばれる。したがって、芋焼酎といえばサツマイモを主原料とした焼酎と考えてよい。
  9. ^ 静岡県榛原郡白羽村は、御前崎村と合併し、1955年に御前崎町が設置された。
  10. ^ 1954年、茨城県那珂郡前渡村の一部は那珂湊町に編入され、前渡村の残部は勝田町に編入された。

出典

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