ホロスコープスのスイッチャー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 15:10 UTC 版)
「仮面ライダーフォーゼ」の記事における「ホロスコープスのスイッチャー」の解説
「ゾディアーツ」などの設定は用語を参照。 それぞれのゾディアーツの変身者はそれぞれの星座のアナグラムとなっているが、我望とユウキと蘭までは手が回らなかったという。 我望 光明(がもう みつあき) / サジタリウス・ゾディアーツ 学園都市を建設し、若者の育成に尽力する天高の理事長。1964年生まれ。賢吾の父・緑郎や江本とはかつて志を同じくした仲間である。一人称は「私(17年前は「俺」)」。 自身の書いた著書『遙かなる銀河の呼び声』はユウキの夢に大きな影響を与え、NASA・ロシア航空宇宙局を始めとする国内外の宇宙開発組織との強いコネクションを持つなど、「日本で一番宇宙に近い人」と呼ばれるほどその社会的立場は大きいが、その一方でホロスコープスの司令塔という裏の顔も持つ。プライベートでは特製の野菜スープを作るのが得意。このスープは最終回にて天高の食堂の新メニューに加わっており、弦太朗も最終決戦に赴く直前に食している。 普段は「赤い部屋」と呼ばれる理事長室の裏にある隠し部屋で、丸いドーム椅子に居座って暗躍する幹部たちに指示を煽っている。時折瞳を赤く光らせ、催眠効果と思われる現象を起こすことがある。また、ホロスコープスに「超新星」を与えることが可能な他、立神と同じく他のホロスコープススイッチも使用可能。 優秀な働きをするホロスコープスには比較的寛容な態度を向け、敵であるフォーゼ=弦太朗に対しても一定の評価を示すなど、柔軟で器が大きい。反面、失敗を繰り返した者は容赦なく切り捨て、生徒たちを実験用のモルモット程度にしか見ていない上に、己の目的のためならば周囲にどんな被害が起きようとも意に介さないといった冷酷な一面も持つ。星座の力と学園を比喩する節があり、初期の時点でフォーゼの存在を知っていた。一方でメテオの存在は認知していなかったようで「予想外のことが発生するのは宇宙では必然」と静観していたが、メテオの支援者(反ゾディアーツ同盟)の存在を知ったときには怒りを見せていた。 少年時代に「星からの声」を聞き、必ずプレゼンターに会いに行くと誓っている。そのため、自分自身がプレゼンターに会うことに拘り、ゾディアーツスイッチによる人類の強制的な進化を主張した。しかし、フォーゼシステムによる安全な航行方法を主張する緑郎と対立し、ゾディアーツスイッチが完成した直後に強硬手段により研究成果を強奪、自分を支持する江本を差し向けて緑郎を死に追いやった。なおこのときのことを賢吾に対して「君の父は私が殺した」とそのまま告白しているが、賢吾は「仲間の死に対する自責の念」の発露だと受け止めていた。 緑郎や江本、ライダー部らが提唱する「友情」「絆」を真っ向から否定し、ホロスコープスも「自分を守る衛星」且つ自らが全ての頂点に立つことを当然のこととしか認識していない。その一方で、江本が処刑された後に彼のことを想い、人知れず悲哀の表情を浮かべるなど、完全に友情を否定しきれていない一面も見せる。 最終話ではコアスイッチを破壊し賢吾を消滅させ、ラビットハッチを壊滅した翌日の始業式の日、天ノ川学園内にて最後のスピーチで自らの正体と目的を明かし、再度プレゼンターの元へ向かおうとする。しかし、弦太朗によってそれを阻止され、ライダー部員による彼からの「卒業式」を執り行う中でフォーゼと対決。青春銀河大大大ドリルキックを受けて倒れた。 その後、弦太朗と友情のシルシを交わして和解したが、超新星の影響で肉体はすでに消耗しきっており、最後の望みとして自らの願いを弦太朗たちに代わりに果たしてくれるよう託し、弦太朗がそれを引き受けると安心したようにライダー部の前から姿を消す。その後、星空を見上げながら、プレゼンターの元に向かうという約束を守れなかったことを悔やみながらも生徒たちが成し遂げてくれると確信。「いつか生徒たちがそちらに行ったらよろしく頼む」と呟き消滅した。自身の消滅前にアクエリアスに変身してコアスイッチを修復したことで、消滅した賢吾の肉体は復活することとなった。名前の由来は「我れ、亡き月の王、日と月、二つの光を持つ」と満月を表す「望」の二つの意となっている。当初は太陽にしようと思っていたが、十二宮に収めることとなったことから、射手座ということとなったため、射手座のアナグラムにはなっていない。 江本 州輝(えもと くにてる) / ヴァルゴ・ゾディアーツ 元OSTO研究員で緑郎や我望の旧友。現在は宇宙京都大学の教授となり、宇宙物理学の権威として京都上空にあるザ・ホールを研究している。一人称は「私」。 京都の修学旅行を利用して訪問した賢吾を迎え入れ、ザ・ホールの秘密について解説した。ややくたびれた感じの風貌で柔和な人柄だが、研究者気質なため周囲が見えなくなる癖があるようで、連絡をした上で部屋に入っていた賢吾の気配にも気づかなかった。賢吾とは彼が修学旅行で京都に来るまで直接的な面識はなかったが、かつての緑郎と同じ言葉を自然に発した賢吾を見て彼の息子だと実感した。 我望とは現在でも年に一度合流し、3人が出逢った京都の庭園で緑郎の慰霊をする仲であり、彼のことを「太陽」、緑郎のことを「地球」、そして自身のことを「月」と評している。 第39話にて我望の要請で、宇宙特待生の特別講師として天高に招かれ、友子に興味を持たれた。 その正体はホロスコープスの一員で、実質的な一味のNo.2である。物語冒頭において、月面で研究成果の入ったトランクをめぐり緑郎と争っていた人物であり、我望同様に時折瞳が赤く光る。 自らを「裁判官にして処刑人」と自負し、失敗した幹部の監視や処罰、ホロスコープスにとって邪魔者と判断した第三者の排除を任されている。また後半からは幹部がフォーゼに倒された際のスイッチャー・スイッチの回収とスイッチャーの記憶消去という後始末も担当している。創設期からのメンバーであるからか、我望から絶大な信頼を受けており、表向きは彼に対して対等の関係で接しているが、ホロスコープス内では「様」付けで呼んで敬っている。 その立場から他の幹部からも恐怖の対象として一目置かれているが、当人は「裁判官」であるためか、至って対等な接し方をする。そのため、速水にとっては我望と並ぶ恐怖の対象でありつつもさしたる屈託もなく話せる存在でもある。また、鬼島に対しては、未覚醒のころから対立している速水と違い、彼の素質を評価しており、冷静かつ的確な助言をしていたが、彼がメテオストームに敗北したことを知った速水の策略によって、ゾディアーツ事件を調査する刑事の姿に擬態させられた鬼島をダークネビュラに転送した。 実は緑郎を裏切ってしまったことをずっと悔いており、我望に忠誠を誓う裏でラビットハッチから保護したコアチャイルドである賢吾を緑郎の息子としてその養父に預けていた。そして、反ゾディアーツ同盟のタチバナとして秘密裏に活動し、密かに彼の野望を阻止する存在を育成するため成長した賢吾にゲートスイッチとフォーゼシステムを、流星にメテオドライバーを託していた。スイッチ回収に協力していたのも、前述のサジタリウスの弱点を突きとめていたためであり、この我望を倒す一瞬のチャンスにかけていたことが第46話で明らかとなった。また、処刑対象となった幹部たちも密かにM-BUSに転送してその身を守っていた。 江本がヴァルゴであると知った友子をダークネビュラ(M-BUS)へ転送した後にフォーゼがコズミックステイツに変身できなくなったため、友情が今後の戦いの障害になると判断し、ヴァルゴとしてライダー部の賢吾を除く部員たちを忠告という形で襲い、ライダー部を一時解散へと導いた。その後、タチバナとしてラビットハッチに現れ、「単独でコズミックステイツになるためには、非情になるしかない」と弦太朗に特訓を行うが途中、ヴァルゴであることが露見し逆上したメテオをダークネビュラ(M-BUS)送りにした。その後、速水の「ラプラスの瞳」がスイッチの位置を特定するまでに進化したことで彼が実質自身の役割である「裁判官」を引き継いだことを感じ取り、焦りを見せ始める。その後も弦太朗に特訓を行い、ついに単独でコズミックステイツに変身させることに成功するが、「非情になったからではなく、仲間との絆で変身した」と語る弦太朗に対して彼らの友情の力を認め友子とメテオストームをM-BUSから解放すると、自分の正体と目的を明かし弦太朗と「友情のシルシ」を交わす。 しかし、その裏切りを知った我望の制裁を受けて重傷を負い、仮面ライダー部を避難させる。自らは賢吾に過去の過ちを告白し、さらに重大な情報を彼に伝えようとするが、自分を追ってきたリブラとレオから賢吾を守るために満身創痍の状態で戦い、レオに止めを刺される。その後、安らかな笑顔を浮かべ息を引き取った。その亡骸は弦太朗たちによって月面に埋葬された。名前の「江本」は乙女(OTOME)のローマ字を逆読みしたもの。 タチバナについてはその他の人物(仮面ライダー部の関係者)の項を参照。 速水 公平(はやみ こうへい) / リブラ・ゾディアーツ 天高の校長。物理学の博士号を持つ若きエリートで、レザージャケット・スポーツカーを愛用する爽やかでお洒落な二枚目。人柄も穏やかで理知的なため特に保護者からの評判が良く、天高の人気の一因となっている。一人称は基本的に「私」。物事や相手の印象を天秤のように「重い」「軽い」と評する。 その正体はホロスコープスの一員。10年前、宇宙物理学者を目指して研究を進めていたころに、それに目を留めた我望からスイッチを手渡された。7年前に、天高の生徒であった園田をスコーピオンへと覚醒させ、ホロスコープスに加えており、園田がフォーゼに敗北した後、彼女に替わって生徒へのスイッチ配布・観測を一任された。 彼のスイッチ配布は周囲に不満を抱いている生徒たちに無作為に大量配布していた園田とは違い、素質のある生徒(中には不満や願望がある者も含まれている)にスイッチを配布して自ら直接指導する形を執っている。元より面倒見のいい性質や後述する慢心的な感情ゆえに、敵であるはずの仮面ライダーに対しても直接指導したこともある。指導にはあえて本人たちが敵意を向ける人物に成り済まして、その感情の暴走を見定めるなど念入りに行い、彼らからは「マスター・リブラ」と呼ばれている。 表向きの人柄とは裏腹に、その本性は功名心や自己顕示欲の塊のような非常に屈折したものであり、天高の生徒を我望ひいては自分の駒としか見ておらず、見込みが無くなれば冷酷に切り捨て、自分より下の立場の者には常に横柄な態度で接している。プライドや虚栄心・自己過信も強く、自分の失敗を自覚しながらも仲間の前では虚勢を張るため、軽蔑を買うことも少なくない。また、自分の立場を脅かす者を毛嫌いしており、敵味方問わず気に入らない者はどんな手を使ってでも排除しようとする。上記の性格からか、他の幹部とは基本的に折り合いが悪く、特に天高生徒のホロスコープスからは表と裏のギャップからか反発されることが多い。また、「星からの声」を聞いた経験がないことから、我望からも見下されているようである。 園田がダークネビュラに送られた後、表面上は平静を装いながら自分を監視するヴァルゴを警戒。さらに度重なるゾディアーツの進化の失敗、予想だにしなかった鬼島の覚醒など自分の立場の危うさに焦りの表情を見せる。当の鬼島からも完全に舐めきった態度を向けられており、自身も彼のなぞかけを「下らない駄洒落」とあからさまに嫌悪するなど敵意を隠すことなく対立し、表面上は同志ながら常に一触即発の状態であった。また、我望が自分よりも鬼島を信頼することにも「私の扱いが非常に軽い」とフラストレーションを増幅させていた。後に鬼島がメテオストームに敗北した際には、好機とばかりにその隙を突き、彼が落としたキャンサースイッチを奪い取る形で回収。それまで幾度も苦汁を舐めさせられた意趣返しとして、幻覚能力でヴァルゴを欺き、独断でダークネビュラに転送させ、排除に成功した。なお、回収したスイッチは「彼がメテオに敗北した際、偶然回収した」とヴァルゴに報告している。 第34話で、京都でのザ・ホール消滅任務を成功させたもののフォーゼに敗れたことでダークネビュラ送りにされそうになるが、その際の極限の恐怖心により「超新星」が覚醒、他人の星の運命を見るラプラスの瞳を会得したことで処分保留となり、翌話から早速、今まで滞っていたはずのホロスコープスの覚醒をいとも容易く成し遂げるという成果を見せ、同時に自己過信や傲慢さをますます増長させたため、立神から時折そのことを踏まえた皮肉や嫌味を吐かれていた。一方で、古参でありながら我望の目的やコアスイッチの存在、ヴァルゴの素性および変身者である江本については一切知らされておらず、我望にたびたび疑念を抱くようになる。 終盤、自己保身と罪悪感からピスケスの候補者である蘭が覚醒しないよう保護するために我望を裏切り、仮面ライダー部に寝返る素振りを見せるが、後にライダー部を騙すための芝居であることが判明。その一連の行動は(ピスケススイッチの性質上)蘭に自らスイッチを押させるための策謀であり、レオと協力して蘭からスイッチを奪取し、12個のスイッチを揃えることに成功する。 だが最期はプレゼンターへのワープを試みて無防備になったサジタリウスを庇いライダー超銀河フィニッシュを受け、自身の存在の「重さ」を我望に訴えつつ、本物のダークネビュラの衝撃波に飲み込まれ爆死した。 立神 吼(たつがみ こう) / レオ・ゾディアーツ 我望を護衛する、彼の秘書兼ボディーガード。一人称は基本的に「俺」だが、我望との対話の際は「私」になる。 ホロスコープスの一員になる以前はアウトローとして生きてきたが、我望の持つスイッチの力に魅了され、現在に至る。我望に絶対服従を誓っており、彼へ危害や裏切り、あるいは無礼を働いたと判断した対象は独自の判断で徹底的に排除する。彼のためならば自分が死ぬと分かっていても惜しまない覚悟を持ち、流星からは「自ら滅びを認める男」と評された。「酒は静かに1人で飲む」というワイルドにして一匹狼気質な雰囲気を持つ。常に右手に持つ胡桃を弄っており、これに彼の感情が表れている。本人曰く、手加減は性に合わないらしい。 他の幹部のスイッチも扱える特異体質の持ち主で、自身の戦闘力によって元の持ち主よりもその能力を引き出すことが可能である。生身での戦闘力も速水の変身したリブラと数名のダスタードを相手に取っても上回るほど。さらに冷静な判断力も兼ね備えており、既に数体のホロスコープスが倒された事実を受け止めて、フォーゼを警戒しており、未だにフォーゼを軽視する速水に忠告している。また、カプリコーンの能力によって、コアスイッチの探索が可能となると考え、我望に提案し、コアスイッチが現存することの証明に貢献している。その一方で、自分以外の人物が我望に高く評価されることを嫌うなど彼自身も自信過剰な気があり、弱者と見なしたメテオに対して己の力を過信して反撃されたり、我望に馴れ馴れしく接していながら彼から賞賛の言葉を得た弦太朗に対して、普段の冷静さを失うほどの怒りを見せ襲撃したこともある。 古参である速水のことを軽蔑しており、互いに相性は良くないが「我望への忠誠心」という面は共通していることから、互いにある種の仲間意識はあり、共闘時は息の合った連携を見せることも少なくない。しかし、我望にわずかでも疑問を抱くだけで怒りを露にするため、その異常な忠誠心を「単細胞の忠犬獅子公」と評されている。 組織を裏切った江本を粛清する前は処刑人の役割、粛正した後はNo.2の座をそれぞれ引き継ぎ、終盤には、速水の情報からラビットハッチの場所を突き止め、我望と共に破壊する。我望を除くホロスコープスメンバーの中では最後まで彼に追従し続け、最終決戦のメテオとの一騎討ちでも、劣らぬ戦闘力で圧倒するが、カウンター攻撃で怯んだ隙にメテオストライクを受けて敗北。自分を破った流星に怒りを抱きつつ、進行しつづけるゾディアーツ化の影響で、ゾディアーツ・スイッチが消滅したことによって黒い粒子状の塵となって霧散した。 園田 紗理奈(そのだ さりな) / スコーピオン・ゾディアーツ 物語開始時点での2年B組の担任で、22歳。担当は古文。天高の卒業生(平成16年ごろ)で、速水の教え子でもある。一人称は「私」。 容姿端麗で、この学園では珍しくどんな生徒に対しても対等に接する優しい性格のため、生徒からの評判は良いが、「園ちゃん」の愛称で呼ばれるなど、教師というよりも友達のような感覚で見られている。個性的過ぎる生徒たちに手を焼かされている上に、愛称で呼ばれることを快く思っておらず、呼んだ生徒には常に注意・訂正させているが、一向に止まないことも悩みの種の一つである。 その正体はホロスコープスの一員。天高の生徒だった7年前に、速水から資質を見出され、カニスミノル・ゾディアーツとして変身を繰り返した末、スコーピオンとして覚醒した。 生徒に見せる顔とは正反対に、その実エリート意識が強い選民思想の持ち主である。上昇志向が強く、ホロスコープス内では教育係である速水を見下して煙たがっている一方、我望を「王」もしくは「救世主」、「太陽」と比喩して崇拝している。また、速水からはかつてのゾディアーツの姿から「子犬ちゃん」とも呼ばれているが、本人は嫌がっている。 物語開始時点でスイッチを散布する役割を受け持っており、めぼしい相手を見つけてはスイッチを配って回り、ゾディアーツ化した生徒を支援。障害であるフォーゼへの妨害行為も行っていた。 後にフォーゼの存在に業を煮やし、直接的な排除を計画。毒針攻撃でライダー部員たちを苦しめ、戦闘においても我望から授けられた「超新星」によってスコーピオン・ノヴァに変身し、フォーゼを圧倒するが、ライダーロケットドリル大宇宙キックを受けて敗北。リブラの能力で正体の露見は免れたが、その失態から我望にスイッチを没収され、前線から外される。その後も今まで通り温厚な教師を装いつつもフォーゼ=弦太朗を逆恨みするようになり、速水の「再教育」を受けながら幹部への返り咲きを狙い続けていた。 やがて名誉挽回を我望に訴え出て再びスイッチを手にするも、今度は新たに出現したメテオに圧倒され、スターライトシャワーを受けて敗北。元の姿に戻った際は後ろ姿しか見えなかったため、賢吾らには正体が女性であることしか露見しなかったが、この失態によって我望に完全に見切りを付けられ、ヴァルゴによってダークネビュラへ転送された。残されたスイッチは我望が回収している。 表向きは「病欠→体調不良による辞職」扱いとなり、ライダー部に正体を知られぬまま姿を消したが、後に速水がライダー部に寝返るふりをした際に彼女の正体も話している。 かつてはユウキのように素直で純粋な性格だったらしい。名前は脚本の中島による「サソリナノダ」の暗号化であり、塚田によれば「彼女がスコーピオンじゃないか」と予想されたとのこと。 『小説 仮面ライダーフォーゼ』 スコーピオンゾディアーツになるきっかけを作ったのが、共に宇宙飛行士を目指していた親友の天野 ツバサ(あまの つばさ)の死であることも明かされており、エリート意識の強い選民思想の性格は彼女ではなくツバサの死によって形成された彼女の別人格が生み出したもの。それをM-BUSに隔離されている間にヴァルゴ=江本に付着したSOLUの欠片に負の感情を吸収するモデルにされた。フォーゼとメテオに救出された後、ホロスコープスの壊滅により意気消沈するが、実家の定食屋の手伝いをするため、種子島に向かった。仮面ライダーイカロスらが引き起こした事件では、事情を知り種子島を訪れた弦太朗によって自身が抱えるトラウマと向き合うことを決心する。 鬼島 夏児(きじま なつじ) / キャンサー・ゾディアーツ 天ノ川学園高校2年で、落語研究会部長。芸人として磨いた観察力とイメージ力によって他人の動きを模倣して習得することができる。 落語をこよなく愛しているからか普段から江戸弁、噺家口調であり、一人称は基本的に「あたし」だが時々「俺」になる。 落語家らしく朗らかな半面、自分の力を愉しみ、他者を蹂躙する腹黒い本性を持つ男。また、「笑わせるね」の口癖と共に相手を嘲る癖を持つ。 ある日、たまたま通りかかった2年B組の後任教師・宇津木遙に扇子が当たったことでそれを取り上げられ、これを期に彼女を憎むようになる。そして、リブラが紛失したスイッチを偶然拾い、彼女の動きを模写するためにキックボクシングのトレーニングを重ね、ペガサス・ゾディアーツとなって様々な格闘家を襲撃し、その罪を宇津木に擦り付けようとしていた。だが、流星の推理により正体を暴かれ、直後にラストワンに到達する。リードする宇津木の型を真似たフォーゼの攻撃に怯み、マグネットステイツのライダー超電磁ボンバーを受けて一度は敗北したが、その直後にラストワンを超越し、抜け殻となっていた鬼島自身の体をヴァルゴが吸収させたことでキャンサーへと進化を遂げ、新たなホロスコープスの一員となった。 我望には忠誠を誓うものの傲慢かつ不敵な性格な上、ホロスコープスとなる過程で全く助力を受けていない速水には「十二使徒になった以上は同格」と不遜な態度を取っており、相性は非常に悪い。 ホロスコープスとなってから短期間でキャンサーの力を引き出す異能ぶりを我望に評価され、卒業式開始寸前で直接のスイッチ配布を許されるようになる。不満を抱えつつもゾディアーツとしての素質を持つ生徒に配布するのは速水と一緒だが、スイッチャーに対して直接指導を行う速水と異なり、彼の場合は、自ら手を下さず生徒自身の力で成長させ、ライダーとの戦闘時にそのゾディアーツを護衛するという形式をとっている。ただし、新参者であるためか、リブラが配布したスイッチであっても護衛を任されている。 自身の正体を暴いた流星に対しては当初こそ怒りを見せていたが、彼の本質を見極めると同時に「流ちゃん」と呼び仲間にしたいほど能力を買うようになり、さらには流星がメテオであることを突き止めた。しかし、最終的にはメテオストームに圧倒され、メテオストームパニッシャーを受けて敗北し負傷。何とか逃走して我望にメテオの正体を報告しようとするが、その際に落としたスイッチを対立していた速水に取られてしまう。「メテオの正体」という情報を盾にするも速水には通じず、リブラの能力によって我望に追求している刑事の姿にされた鬼島は「これ以上、我望様の手を煩わせたくない」というリブラの進言を聞き入れたヴァルゴによって刑事の姿のままダークネビュラへ転送されてしまったが、テレビシリーズ終了後にフォーゼとメテオの手によりM-BUSから救出された。レギュラー陣では登場した期間が最も短い幹部だったが、個性豊かなホロスコープスの面々でも特に異彩を放っていたことから注目を浴び、12人のうちで唯一、直筆サインプレゼントの機会が設けられたほどである。 『小説 仮面ライダーフォーゼ』 フォーゼとメテオに救出された後、後にタウラスとなった杉浦と共に天高に復学。M-BUSに隔離されている間に意識があったためか、卒業式の前に天野ツバサ=仮面ライダーイカロスと牧瀬 弘樹(まきせ ひろき)=ピクシス・ゾディアーツら5名が起こした事件に気づくことになり、プロム当日には避難誘導を買って出る。流星との関係はホロスコープス時とは違い関係は修復されている。 山田 竜守(やまだ たつもり) / アリエス・ゾディアーツ 交換編入生として流星と入れ替わりで昴星高校に編入した弦太朗たちの元クラスメイト。第31・32話に登場。一人称は「僕」。天高では演劇部に所属していた。 交換編入生として授業に臨む一方、うさぎ座のゾディアーツとして昴星高校に潜伏していたが、後にアリエスとして覚醒。昴星高校の教師・生徒全員を支配下に置き、自分の脚本に沿った役柄を半強制的に演じさせ、演技の拙い、あるいは自分に逆らった人間を「眠りの刑」に処す恐怖政治を布いていた。 かつては大人しい性格の本の虫だったが、スイッチの力に魅せられて、人の尊厳を無視する傲慢な性格に豹変した。自らを指導した速水はおろか我望をも見下しており、何時まで経っても我望に謁見しなかったため、ヴァルゴの能力で強制的に引き立てられた。しかし、当の我望からは独創的な演出であることを理由に評価され、引き続き昴星での活動を許可された。DC版では他の構成員と比べて温和なヴァルゴにさえ「自分勝手な男」と陰ながら批評され、違反行為を見逃しながらも赤い目で釘を指す我望を前に全く動じないという、その不遜さをさらに強調される。 二郎の意識を回復させることを条件にフォーゼから自分を守るよう流星と取引し、彼が弦太朗の命を奪う要因を作った。その後、約束どおり二郎を回復させ、さらに自分に逆らう仮面ライダー部を処刑しようとする。 しかし、友との絆により復活を遂げた弦太朗が新たに変身したコズミックステイツの怒涛の攻撃に成す術もなく圧倒され、ライダー超銀河フィニッシュを受け敗北。スイッチはヴァルゴに回収され、自身はスイッチの力に飲み込まれた影響で記憶の殆どを失い、病院で長期間の眠りにつくこととなった。 五藤 東次郎(ごとう とうじろう) / カプリコーン・ゾディアーツ 天高に転入して来たJKの中学生時代の友人で、「ゴッド」と名乗るロックンロール好きなギタリスト。一人称は「俺」。第35・36話に登場。 頭髪を逆立ており、ファストフードが好物の大食漢である。かつてJKとともにバンド「ジーンゴッド」を結成していたが、共に才能がないことを周囲から酷評され、挫折した過去を持つ。 リブラの「ラプラスの瞳」によりこと座の奥に隠れていたやぎ座の「星の運命」が見えたことで覚醒を遂げ、その力を利用してJKと再び「最高のバンド」を組もうと持ちかけた。スイッチの力に魅入られてしまってはいるが、その行動原理は純粋に「親友JKとの夢を叶えること」である。再会したときには何の躊躇も無く幹部クラスのスイッチを自慢げに見せており、JKが異論を唱えてもあくまで夢を後ろ盾にするだけで直接的な暴力で従えようとせず、JKとの友情を大切に思う心だけは失っていなかった。 天高の生徒たちを洗脳し、「ジーンゴッド」再結成ライブを行おうとするがJKの心変わりにより阻まれた上、復活したフォーゼ コズミックステイツに圧倒され、ライダー超銀河フィニッシュを受けて敗北。直後、スイッチと共にヴァルゴに回収された。しかし「コアスイッチが現存することを証明する」という大きな働きを我望が評価したため、ダークネビュラ行きは赦免され、ホロスコープスに関する記憶を消された状態で元の学校生活に戻っていった。その後も一緒に学園を散策するなどJKとの親友としての交友は続いている。 エリーヌ 須田(エリーヌ すだ) / アクエリアス・ゾディアーツ 天高3年生。アメリカからの転校生で、成績・スポーツ・容姿共に優れた才女。一人称は「私」。第37・38話に登場。宇宙飛行士選抜試験を間近に控えた弦太朗と出会い、意気投合する。日本語には慣れておらず、片言で話したり、よく言い間違いをする。 生半可な覚悟で宇宙飛行士を目指す人間を嫌悪しており、成績優秀で誠実な賢吾には仲間意識を持つ一方で、一見軽そうなユウキは資格がないと言い、初対面のときから敵視している。 弦太朗と出会った時点で既に覚醒を遂げており、ゾディアーツの力は「人間が宇宙で生きるための体」として受け入れている。自分の能力で賢吾を治癒したり、正体を知った弦太朗に「人間の実力で試験に臨む」と約束したりとホロスコープスの中でも良心が垣間見え、その親友となった弦太朗がフォーゼであると知ったときは「聞かされてなかった」と速水に怒りを露にした。また「私は我望先生の部下」と発言するなど、速水には従わないスタンスを掲げつつも、フォーゼとメテオとの対戦の際に素直に共闘している。 選抜試験中にユウキが不正を働いたと怒りに燃え、最終試験でユウキを陥れるが、これは宇宙飛行士への適性を見るための試験官からの指示であったことを弦太朗に知らされたことで自分の過ちに気付き、怪我を負わせてしまったユウキを治癒して真剣勝負を行う。結局試験には同時に合格しわだかまりを解く。 しかし敬愛する我望を裏切ることはできず、自分がホロスコープスである限り弦太朗たちと友人になることは許されないと自覚もしていたため、試験直後のフォーゼとの一騎討ちで本気で戦わず、自ら倒されることを選んだ。その後、タウラスの特定に貢献したことでダークネビュラ行きは免れ、ホロスコープスになってからの記憶を消された。これにより弦太朗たちのことも忘れてしまうが、宇宙を愛する者同士として改めて出会い、友人となった。その後、経緯は不明だが試験合格を辞退した模様。 杉浦 雄太(すぎうら ゆうた) / タウラス・ゾディアーツ 天高3年生で天高生徒会副会長。エリーヌ同様宇宙飛行士選抜試験の参加生徒の一人として第37話より登場。特技はゴルフ。一人称は「僕」。 試験の際に「ラプラスの瞳」によって牡牛座の「星の運命」が見えたことで覚醒。元々は生真面目で生徒の個性を尊重する人物だったが、とある札付きのワルと称される不良4人組に怪我を負わされ入院した生徒会会長・壬生 彩加(みぶ さやか)の代行として会長の職に就任するや独裁者的性格に変貌。彼女の「学校とは本来ルールを守るよう教えるところである」という理念を受け継ぎ、「天ノ川学園法度」という異常に厳格な校則を制定し、全校生徒に規律遵守を強制する恐怖政治を敷くようになった。秩序を重んじる性格ゆえか、速水には従順。その一方でメテオとのゴルフ勝負に敗北した際には、事前に取り決めていた筈の約束を反故にしてメテオを操るなど卑怯な一面も見せた。 スイッチの影響かは不明だが、劇中で人間離れした身体能力を見せており、ブレイクダンスでJKを、ダブルダッチで弦太朗を上回る技術を披露している。 実は彩加に恋愛感情を抱いており、自分が不良たちに対し学園の校則に肖った寛大な処置をとったばかりに、非行が増長した彼らを止めようとして彼女が重傷を負ったことで、その罪悪感や後悔が法度制定やホロスコープス加入へと走るきっかけとなった。弦太朗によりその事情が明かされると同時に、彩加自身から説得されたことで自分の過ちに気づき、ライダー部一同と和解したが、直後に現れたヴァルゴに反抗したため、ライダー部員と彩加の前でダークネビュラに送られてしまい、スイッチはヴァルゴにより回収されたが、テレビシリーズ終了後にフォーゼとメテオの手によりM-BUSから救出された。 闇ユウキ(やみユウキ) / ジェミニ・ゾディアーツ 双子座の「星の運命」を持つ者であることが判明したユウキが、レオとリブラによって無理矢理ゾディアーツスイッチを押させられた結果、彼女から分裂した闇の人格。一人称は「あたし」。 容姿はユウキそのものだが、白い仮面のような不気味な顔を持つ。立場が逆転すると闇ユウキが本物と同様の顔になり、本物のユウキは白い仮面のような顔になる。 性格は無邪気ないたずらっ子だが、ユウキの願望を歪んだ形で実現させ、自分が本物に成り替わろうとする凶悪さも秘めている。「星からの声を聞いた」というオリジナルのユウキの言葉に対し、我望が何かを見い出したらしく、その分身である彼女をいたく気に入り、ヴァルゴに変わる新たな宇宙へ行くパートナーと考えていた。 立場が逆転したユウキを生け贄にジェミニ誕生の儀式を開始するが、弦太朗に阻止された挙げ句、本物のユウキが元に戻ってしまう。そのことから自暴自棄になりフォーゼと対峙するものの、最期はコズミックステイツのライダー超銀河フィニッシュを受け消滅し、スイッチは立神に回収された。『仮面ライダーフォーゼ ファイナルステージ』 超銀河王の姿を象った宇宙の闇によって、再生されフォーゼたちと戦うも利用されていただけであり切り捨てられそうになる。フォーゼたちと友情を結び、事件の解決後は宇宙へ旅立った。 城島ユウキについては仮面ライダー部の項を参照。 黒木 蘭(くろき らん) / ピスケス・ゾディアーツ 詳細は仮面ライダー部の項を参照。
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