悲しみ
悲しみ(かなしみ、英: sadness)とは、感情表現のひとつ。脱力感、失望感や挫折感を伴い、胸が締め付けられるといった身体的感覚と共に、涙がでる、表情が強張る、意欲・行動力・運動力の低下などが観察される。さらに涙を流しながら言葉にならない声を発する「泣く」という行動が表れる。
一般的に愛情、友情、依存、共栄の対象が失われた時に見られる。悲しみは「深い、浅い」と表現され、対象と自身とのつながりが強い程、深い悲しみが訪れる。そういった意味では最大の悲しみは身近な人の死である。しかし「対象が失われる」とは死だけではなく、存在が遠くなる、つまり恋人との別れや夫の単身赴任といったことや大事にしていた物が壊れる、楽しみにしていた行事がなくなるといったことも含まれる。対象が失われる程度についても、悲しみの深さに大きく起因する事項である。
最初は怒りによるその事実の否定からはじまり、自身の脳でその現実を受け止めるとともにこみ上げてくる感情である。事実を否定するほどでもない悲しみの場合は、怒りによる拒絶は発生しない。
喪
親類を亡くした際、葬式の後に「喪に服す」期間があるのが一般的であるが、これは悲しみを克服するための期間であり、フロイトはこの期間で己がなすべきことを「悲哀の仕事」と名づけている。
悲しみを克服する期間が十分に与えられない場合、人間は抑圧状態となり、うつ病、引きこもり、不感症、多幸症などといった症状があらわれたり、それらが引き金となり、悲しみを忘れようとして他の物事に熱中し、過労になったりする等、悲しみという感情は時に怒りや憎しみ以上に感情や行動に狂いを生じさせてしまう事がある。
関連項目
関連文献
- 小此木啓吾『対象喪失 ― 悲しむということ』中公新書、1979
「悲哀」の例文・使い方・用例・文例
- 悲哀に満ちた心
- 知識を増す者は悲哀を増す。
- 彼女は人生の悲哀を味わってきた.
- 彼の一生は悲哀に満ちている
- 人生の暗黒面は悲哀に満ちている
- 歓楽極まって悲哀生ず
- 歓楽極まって悲哀多し
- 悲しみ、悲哀、または不満を経験する、悲しみ、悲哀、または不満がある、あるいは、悲しみ、悲哀、または不満を引き起こすさま
- 悲哀に満ちた
- 悲哀と苦悩でいっぱいのまたはそれに影響される
- 痛切な悲哀がいつまでも続くことはない
- かつて腎臓または脾臓によって分泌され、悲哀と憂鬱を起こすと信じられていた体液
- 悲哀の偽善的な表示
- 悲しみと悲哀の叫び
- 深い悲しみと後悔あるいは悲哀を表現すること
- 偽りの悲哀感
- ローマの詩人で、愛に対する悲哀の詩で知られる(紀元前43年−紀元後17年)
- 悲哀を感じる程度
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