ハンガリー
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マスコミ
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文化
食文化
トルテやクレープに似たパラチンタなど、食文化はオーストリアと共通するものが多いが、ハンガリーの食文化の特色は乾燥させて粉にしたパプリカの多用と種類の豊富なダンプリングにある。パプリカを用いた煮込み料理グヤーシュは世界的に有名である。ドナウ川西岸のドゥナーントゥール地方では、古くからフォアグラの生産が盛んである。
ワインの生産も盛んで、トカイワインなどが有名である。また、伝統的な蒸留酒にパーリンカがある。フランスのオー・ド・ヴィやイタリアのグラッパなどと似た、果実から造られる蒸留酒である。
ハンガリー固有種の豚、マンガリッツァは国宝の指定を受けて保護されているが、保護のために利用を禁じるのではなく、むしろ高品質の食肉として利用することを通じて飼育頭数を増やす方針を採っている。飼育にあたっては伝統的な放牧または半放牧が行われているが、一頭一頭にマイクロチップや標識を取りつけて管理することでトレーサビリティを確保するなど、現代的な手法も取り入れられている。日本にはピック社が伝統的な製法で作られたサラミなどを輸出している。
文学
- ジプシー男爵 - 原作がヨーカイ・モールのオペレッタ作品(作曲はヨハン・シュトラウス2世)。
哲学
ハンガリー出身の哲学者として、『歴史と階級意識』でソビエト連邦のマルクス=レーニン主義に対する西欧マルクス主義の基礎を築いたルカーチ・ジェルジの名が特筆される。このほか、社会学者のカール・マンハイムや、経済人類学者のカール・ポランニー(オーストリア=ハンガリー帝国時代)がいる。
音楽
ハンガリーは多様な民族性に支えられた豊かな文化を持ち、特にハンガリー人の地域ごとの各民族集団(ロマなど)を担い手とする民族音楽は有名である。
また、リスト・フェレンツ(フランツ・リスト)、フランツ・レハール、コダーイ・ゾルターン、バルトーク・ベーラなど多数の著名なクラシック音楽の作曲家も輩出した。多様な民族音楽にインスピレーションを受けて作曲した音楽家も多い。
指揮者の分野では、ハンス・リヒター(指揮者)、アルトゥル・ニキシュ、ジョージ・セル、ユージン・オーマンディ、フリッツ・ライナー、フェレンツ・フリッチャイ、イシュトヴァン・ケルテス、ゲオルク・ショルティといったビッグネームが並ぶ。
ピアニストでは、リリー・クラウス、ゲーザ・アンダ、ジョルジュ・シフラといった歴史的大家、アンドラーシュ・シフ、ゾルターン・コチシュ、ラーンキ・デジェー、アダム・ジョージといった現役(2019年現在)が挙げられる。これらの中にはドイツ人植民者家系も含まれることもあり、ドイツ人名を名乗ってドイツ楽派やウィーン音楽で指導的な役割を果たした者も少なくない。
映画
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服飾
ハンガリー全土で伝統的に刺繡が盛んであり、カロチャ刺繡やマチョー刺繡など、地域ごとに特色ある刺繡が分布している[27]。
温泉
ハンガリーでは温泉が湧き出し、温泉文化が古くから伝わっている。ブダペストにおける温泉文化は2000年近くある。ブダペストのオーブダ地区にある古代ローマ時代のアクインクム遺跡に、ハンガリー最初の温泉浴場が建設された[28]。当時の浴場跡を今日でも見ることができる。オスマン帝国に支配されていたときに、ドナウ川河畔に発達した。
1937年国際沿療学会議ブダペスト大会でブダペストは国際治療温泉地に認定され、世界的に温泉に恵まれた首都と呼ばれるに至った[28]。オスマン帝国時代の建物をそのまま残すルダシュやキラーイなどの浴場は、今日でも親しまれている。1913年に作られたセーチェーニ温泉は湯量毎分3,700リットル[28]という豊かな湯量と豪奢な建物で知られている。
温水湖であるヘーヴィーズ湖は、自然温水湖である。ハンガリーにおいてもっとも古くから知られており、古代ローマ時代の記録にさかのぼり、2000年の歴史がある。4.4ヘクタール、水深38メートル、泉質は硫黄、ラジウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルを含む。泉からは大量に湧き出し、48時間で水が入れ替わる。水温は冬は23 - 25°C、夏は33 - 36°Cである。
建築
ハンガリーは建築における歴史が長いことでも知られている。その起源はローマ帝国の属州時代に遡るほど古いが、現在に至るまで様々な建築形式の影響を受けつつも独自の技法を開発している。
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世界遺産
ハンガリー国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された文化遺産が6件存在する。さらにオーストリアにまたがって1件の文化遺産が、スロバキアにまたがって1件の自然遺産が登録されている。
祝祭日
日付 | 日本語表記 | ハンガリー語表記 | 備考 |
---|---|---|---|
1月1日 | 元日 | Újév | |
3月15日 | 1848年の革命と自由戦争記念日 | Nemzeti ünnep | 1848年の3月革命を記念 |
移動祝日 | イースターおよびイースター・マンデー | Húsvétvasárnap, Húsvéthétfő | |
5月1日 | メーデー | Munka ünnepe | |
移動祝日 | ペンテコステ | Pünkösd | 復活祭から50日後 |
8月20日 | 建国記念日(聖イシュトヴァーンの祝日) | Szent István ünnepe | |
10月23日 | 1956年革命、および共和国宣言の記念日 | Az 1956-os forradalom ünnepe, A 3. magyar köztársaság kikiáltásának napja | 現在のハンガリーでは1956年の動乱は革命と呼ばれている |
11月1日 | 諸聖人の日 | Mindenszentek | |
12月25日、26日 | クリスマス | Karácsony |
スポーツ
サッカー
ハンガリー国内で圧倒的に1番人気のスポーツはサッカーとなっており、1901年にプロサッカーリーグの「ネムゼティ・バイノクシャーグI」が創設された。中でも名門クラブのフェレンツヴァーロシュTCはリーグ最多32度の優勝を誇り、UEFAカップの前身大会であるインターシティーズ・フェアーズカップでは1964-65シーズンに優勝している。
サッカーハンガリー代表は古豪として認識されており、FIFAワールドカップにはこれまで9度出場している。1938年大会と1954年大会では準優勝に輝いており、当時マジック・マジャールと呼ばれ世界屈指の強豪国としてその名を轟かせていた。さらにUEFA欧州選手権には4度出場しており、初出場となった1964年大会では3位入賞を果たした。
近年では、リヴァプールFCに所属しているソボスライ・ドミニクや、RBライプツィヒに所属しているグラーチ・ペーテルが世界的に有名な選手である。
オリンピック
近代オリンピックには、夏季・冬季ともにオーストリア・ハンガリー二重帝国のころからハンガリー王国として第1回大会から参加している(1920年のアントワープ五輪と、1984年のロサンゼルス五輪は不参加)。
2012年ロンドン大会までのハンガリーの獲得メダル数は482個であり、211の歴代参加国・地域のうち獲得総メダル数は8位である。特に水球、陸上競技、フェンシング、競泳、近代五種競技においてもその活躍が見られ、中でも水球は獲得金メダル数が世界最多となっている。特にハンガリー史上初の金メダルをもたらした競泳での獲得メダル数は42個で、これは歴代8位である。
その他の競技
モータースポーツでは、1986年から「F1・ハンガリーグランプリ」がブダペスト郊外のハンガロリンクで開催されており、ルイス・ハミルトンが通算6度の最多勝利を挙げている。ハンガリー国内には雪山が殆ど無いためウインタースポーツは盛んではないが、2018年の平昌五輪ではショートトラックスピードスケートの男子5000メートルリレーで冬季オリンピック初の金メダルを獲得している。
注釈
- ^ ハンガリー語: ékezet(アクセント)
- ^ ナチス・ドイツ主導によるチェコスロバキア共和国(Second Czechoslovak Republic)解体(チェコスロバキア併合)の課程でカルパト・ウクライナは独立しカルパトのシーチ軍が守っていたが、独立直後にハンガリー王国はカルパト・ウクライナへ侵攻し、併合した。
- ^ 観光客は推計1067.5 万人、観光の経済効果はおよそ5,1億米ドル。 (2013年)“UNWTO World Tourism Barometer”. World Tourism Organization. 2016年9月20日閲覧。
- ^ 下戸遺伝子とは、アセトアルデヒド脱水素酵素 (ALDH) の487番目のアミノ酸を決める塩基配列がグアニンからアデニンに変化したもので、モンゴロイド特有の遺伝子であり、コーカソイド(白人)・ネグロイド(黒人)・オーストラロイド(オーストラリア原住民など)には存在しない。よってこの遺伝子を持つということは、黄色人種であるか、黄色人種との混血であることの証明となる原田勝二 (筑波大学社会医学系助教授) (2005年). “北海道・東北・九州・沖縄に酒豪が 中部・近畿に下戸が多いそのわけは…。”. at home. 2016年9月20日閲覧。。
出典
- ^ a b “UNData” (英語). 国連 (2021年10月). 2021年11月5日閲覧。
- ^ a b c d e f “Report for Selected Countries and Subjects: October 2021”. 2021年11月5日閲覧。
- ^ 農林水産省. “ハンガリーの農林水産業概況” (HTML). 2008年8月9日閲覧。
- ^ 在ハンガリー日本国大使館案内. “ハンガリーの国名変更” (HTML). 2012年1月15日閲覧。
- ^ Kristó Gyula – Barta János – Gergely Jenő: Magyarország története előidőktől 2000-ig (History of Hungary from the prehistory to 2000). Pannonica Kiadó, Budapest. (2002). ISBN 963-9252-56-5
- ^ “「鉄のカーテン」 撤去までの道のり”. AFP (2020年11月7日). 2020年5月12日閲覧。
- ^ 先週のハンガリー 2008年7月6日~12日 (北海道大学ハンガリー文化センター)リンク切れ
- ^ 外務省 ハンガリー基礎データ
- ^ “ウクライナ軍事支援を拒否 ロシアに融和的―ハンガリー首相”. 時事通信 (2022年3月26日). 2022年3月27日閲覧。
- ^ “EUなのに親ロ路線?「ハンガリーのプーチン」のしたたかな外交戦略”. JBpress (2022年4月22日). 2022年5月26日閲覧。
- ^ “Hungary:A Growing Tolerance for Anti-Semitism”. 名誉毀損防止同盟 (1991年). 2016年9月20日閲覧。
- ^ “ANALYSIS - Hungary in the Organization of Turkic States: A Bridge between East and West”. www.aa.com.tr (2021年11月18日). 2022年12月22日閲覧。
- ^ “Search – Global Edition – The New York Times”. International Herald Tribune (2009年3月29日). 2009年9月20日閲覧。
- ^ “Magyarország közigazgatási helynévkönyve, 2012. január 1.” [Gazetteer of Hungary, 1st January 2012]. Hungarian Central Statistical Office. 2022年2月22日閲覧。
- ^ 独立行政法人日本貿易振興機構 (2019年12月25日). “EU 基礎的経済指標” (Excel). 2020年1月22日閲覧。
- ^ 世帯調査からの推計に基づく貧困ライン以下で生活する人口の割合。“Poverty headcount ratio at national poverty lines (% of population)”. 世界銀行. 2016年9月20日閲覧。
- ^ “赤と白と緑”. ハンガリー政府観光局. 2016年9月20日閲覧。
- ^ “[https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hungary/data.html ハンガリー(Hungary) 基礎データ]”. 外務省 (2018年6月1日). 2019年3月10日閲覧。
- ^ 科学朝日『モンゴロイドの道』朝日選書 (523)、1995年。より。北方モンゴロイド特有の酒が飲めない下戸遺伝子 日本人: 44%、ハンガリー人: 2%、フィン人: 0%
- ^ 木村正人 (2015年9月11日). “難民の子供を蹴ったハンガリーの女性カメラマンが陥った「恐怖」と「嫌悪」のワナ”. オリジナルの2021年8月14日時点におけるアーカイブ。
- ^ ドナウ挟み国民争奪 ハンガリー、国籍与える新法 スロバキアは二重国籍禁止法案可決 朝日新聞 2010年7月21日朝刊9ページ
- ^ 『ルーマニア』 - コトバンク
- ^ ハンガリー語はヨーロッパで最も話者の多い非インド・ヨーロッパ語族の言語である Globally speaking: motives for adopting English vocabulary in other languages – Google Books. Judith Rosenhouse、Rotem Kowner (編). Google Books. p. 82 2016年9月20日閲覧。
- ^ Doppelt so viele Ungarndeutsche - Endergebnisse der Volkszählung 2011 in Ungarn veröffentlicht im Funkforum
- ^ a b c Fercsik Erzsébet: The Traditional and Modern Forms in the Naming of Hungarian Women., In: Maria Giovanna Arcamone – Donatella Bremer – Davide De Camilli – Bruno Porcelli (eds). Atti del XXII Congresso Internazionale di Scienze Onomastiche Pisa, 28 agosto – 4 settembre 2005. vol. IV. Antroponomastica. Edizioni Ets. Pisa., pp. 131-140.
- ^ “ハンガリー 安全対策基礎データ”. 外務省. 2021年10月10日閲覧。
- ^ チャルカ『ハンガリーのかわいい刺しゅう』産業編集センター、2011年、19頁。
- ^ a b c 田代文雄『東欧を知る事典』平凡社、2001年、692頁。
固有名詞の分類
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