八人将
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 21:17 UTC 版)
シンドリア王国内で最強の八人の戦士で、その内の七人はシンドバッドの眷族。有事には先頭に立って戦い、シンドリアの守護神として国民の人気が高い。その下には八人将に次ぐ強さと特殊な戦闘能力を持つ直属の戦闘部隊がいる。八人将の内、ヤムライハ・シャルルカン・ピスティ・スパルトスは同盟国からの食客である。また、ドラコーン、ヒナホホ、ジャーファルの3名は既に半分眷族と同化している。 最終章では食客達は自国へ戻って国家元首に就任している。 ジャーファル 声 - 櫻井孝宏 八人将の一人。シンドリア王国政務官→シンドリア商会会長室室長。元暗殺者。 年の割に童顔であり、白い肌とそばかすが特徴。普段から袖余りの官服を着ているため、私服は14歳の時にシンドバッドから貰った一着(もう小さくて着られない)だけしか持っていない。暗殺組織の出身で、出会った当初はシンドバッドに差し向けられた刺客であったが、今ではシンドバッドに対し高い忠誠心を持ち、彼を侮辱した人間には我を忘れて殺意を向けるほど。だが、一方でシンドバッドの奔放ともいえる行動に頭を抱えたり、時には卒倒しそうになったりと気苦労が絶えない。王であるシンドバッドが例えどんな道を進もうと付き従うことを明言しているが、一方でシンドバッドの目的のための手段として利用されている者(紅玉など)に対して少なからず心を痛めているような節も窺える。普段は穏やかな性格だが、怒りっぽい所がある。また、子供に対しては甘やかす傾向にある。25歳→26歳→27歳→30歳。身長172cmで体重65kg。趣味は仕事で、仕事が切れると蕁麻疹が出る。好きな食べ物はコーヒーで嫌いな食べ物は酒。好きなタイプはシンドリアに貢献してくれる女性で嫌いなタイプは忠誠心のない従者。 特殊な暗殺術の名手で、眷属器である2本の縄鏢を武器に使い相手を縛って捕まえることもできる。それを基本スタイルとして明晰な頭脳と巧みな戦術で戦う。また、わずかな霧の色や匂いにも気付くなど、研ぎ澄まされた非常に敏感な感覚の持ち主。外伝では蛇を食用に捌いたりとサバイバルに強い一面も覗かせている他、特殊な孔を突き自分の意思で一時的に仮死状態となる技も使っている。 バルバッドへ赴くシンドバッドにマスルールと共に同行している。アラジン達をシンドリアに招いた際には、友人を失った彼らを励まそうと御馳走してアラジン・アリババの2人を激太りさせた。夏黄文は上述の嫌いなタイプに当てはまるため、彼が紅玉を利用してシンドバッドを陥れようとした計画が露呈した後に夏黄文に唾を吐くほど敵意を露わにしていた。 最終章では八人将で唯一シンドバッドの元に残り、シンドリア商会の会長室室長を務めている。本社に来たアリババが生きていたことに驚きながらもシンドバッドのスケジュールを調節して彼への面会を通した。煌帝国と鬼倭王国が国際同盟から離脱を表明した後、シンドバッドにそれを阻止するよう進言するが、遠い未来までも守るために聖宮に行こうとするシンドバッドに対し、築いたものを後の世代に任せることに怯える弱い男だと指摘した上で暗殺者時代の口調に戻って「王の器としての自分の限界から目を背けるな」と叱責した。一連の事件後も聖宮と共に消滅したシンドバッドの帰還を信じて待ち続けている。 外伝にも登場。11歳→12歳→13歳。当時は11歳の子供ながらにパルテビアの暗殺集団・シャム=ラシュの筆頭を務める。シャム=ラシュの風習で同じ組織に属していた両親を殺しており、それが原因で「堕転」が進行していた。口汚く部下にもかなり高圧的で、礼儀正しい青年となっている現在からは想像のつかない性格をしている他、食事をよく噛まずに食べていたせいか成長が遅く、キキリクやマスルールといった年下の面々に身長を抜かれてストレスを感じることもあった。ドラコーン率いるシンドバッド追跡部隊に加えられ、イムチャックでシンドバッドの寝込みを襲うも敗走する。その後ドラコーンや部下達と共に「ブァレフォール」に挑む。ブァレフォールの最後の試練の後、ファーランの魔法道具により部下のヴィッテル・マハド共々魔獣にされるが、シンドバッド達によって救われる。同時に「堕転」からも解放され、シンドバッドの仲間になった。シンドバッドの部下となってからはルルムを師に読み書き計算や礼節を学ぶ。慣れない勉強に四苦八苦しながらもルルムの厳しくも愛情に満ちた教育を受け、次第に心を開いていく。後にルルムが産んだキキリクの子守りをすることになり、当初は邪険に扱っていたものの、レーム帝国のナーポリア近郊の森で剣闘場から逃げ出したマウレニアヒヒから「キキリクを守りたい」という気持ちによりシンドバッドの2番目の眷族として目覚めた。シンドバッドが奴隷としてマリアデル商会に捕えられた際には、ルルムの助言を受けラシッドの力を借りるためにレマーノに向かい、そこでシンドバッドを救うための一つのヒントを得、ルルムと共にマーデルを自分達が嵌められたのと同様の罠に嵌め、無事にシンドバッドの身柄を取り戻した。シンドバッドが起こした暴動の後、皮肉にもマーデルと同じやり方で奴隷達を操り犠牲者を出したことで半ば自暴自棄に陥ったシンドバッドに対しかつての口調に戻って叱責した。旧シンドリア王国建国時には八人将として認定される。式典失敗後の撤退戦では国民の避難を助けていたが、元上司のシャカに襲撃されて右腕を失い、苦肉の策で敵を押さえつけたヴィッテルやマハドごと眷属器の魔力で倒そうとする。止めを刺しきれず部下2人は落命するも、眷族同化を果たして失った右腕を再生させ、その力でシャカの首を切断して勝利する。 名前の由来はアッバース朝の宰相ヤフヤー・イブン=ハーリドの次男・ジャアファルから。双蛇鏢(バララーク・セイ) バアルの眷属器。2本の縄鏢にそれぞれ蛇の形をした電撃を纏わせて攻撃する。鏢全体に電流が流れ、触れたもの全ての動きを封じ、電撃によるダメージを与える。 技 鏢操術(ひょうそうじゅつ) シャム=ラシュ式暗殺術技。外伝で使用。魔力操作で2本の縄鏢を自在に操り、相手を貫く。 マスルール 声 - 細谷佳正 八人将の一人。モルジアナと同じファナリス。 赤髪短髪の男性。普段からあまり話さず、無表情かつ無愛想。シンドバッドや先輩に対しては語尾に「〜っスね」と付けるなどの敬語を使う。小さい頃はレームで流行っている格闘競技の戦士である剣闘士(剣奴)だった。私室を与えられているが、頻繁にそこから抜け出す。よく先輩であるシャルルカンに絡まれるが、尊敬する人物の言うことしか聞かない(現在言うことを聞くと確定している人物はシンドバッドとジャーファル)。一方でシンドバッド一人が全てを背負い込んで事を決めるのには疑問を抱いている。20歳→21歳→22歳→25歳。身長195cmで体重105kg。趣味は昼寝。好きな食べ物は肉全般で嫌いな食べ物はなし。好きなタイプは胸がでかい女性で嫌いなタイプはうるさい人。子供が弱点。 ファナリス故に魔力量は少ないが、桁外れな身体能力を生かした肉弾戦を得意とする。また、剣闘士だった名残りで腰に大剣(外伝ではより巨大な大剣を武器にしていた)を差しているが、奴隷時代を思い出すので特別な時しか使わず、腕も当時より鈍っている。 バルバッドから自国に帰還した後はモルジアナの武術の師匠として彼女の指導を行っており、モルジアナが「ザガン」攻略後にアラジン達を襲ってきたアル・サーメンのズルムッドに殺されそうになった時には本気で怒り、彼を撃破した。モルジアナとはよく兄妹と間違われ、彼女から直接言われたことこそないものの本当の兄のように慕われており、後にモルジアナがアリババの眷族として思い悩んでいた時には眷族の役目は「どんなことになっても主の精神的な敵にならずに居られるか」と諭していた。 最終章ではシンドリア商会では自分の仕事がないと判断したこと、白瑛(アルバ)が側近となったことなどからシンドバッドの元を離れ、レーム帝国のファナリス兵団に身を寄せている。2人の妻を娶り、4児の父となっている。レーム帝国を訪れたアリババと再会し、ティトスの元へと連れて行った。 外伝にも登場。7歳→8歳。当時は7歳の幼い子供にしてマリアデル商会の奴隷だったが、ファナリスとしての誇りを持っていたことから心底からマーデルの「子供」にはなりきれておらず、他の奴隷とは違い重りの付いた足枷を嵌められて剣闘士として働いていた。リア・ヴェニス島で100人以上の剣闘士を倒しており、特別試合でシンドバッドと戦い彼を一撃で沈めた。自身の姿を見て誇りを取り戻したシンドバッドから自分の生きる世界を選択するように告げられ、他の奴隷達を率いて反乱を起こす。奴隷から解放されてからは自身が異質であるという自覚から単独で行動していたが、ヒナホホの体を張った説得で心を開く。自身の故郷を見たいと願いを持ち、暗黒大陸への旅に同行する。そこで辿り着いたトランの村の村長から暗黒大陸にファナリスはもういないことを告げられ、シャルルカンと共にトランの民を奴隷にしようとする奴隷商人を捕まえた後もう故郷に戻らないことを決意し、シンドリア商会に戻った。旧シンドリア王国建国時にはジャーファルやシャルルカンよりも背が伸び、八人将として認定される。建国式典失敗後はルルムと共に避難民のために行動し、彼女の戦死後もその場でシャム=ラシュと戦い続けた。 名前の由来はアッバース朝第5代目カリフ、ハールーン・アッ=ラシードに仕えた首切り役・マスルールから。金剛鎧甲(バララーク・カウーザ) バアルの眷属器。電流によって筋収縮のリミッターを外す金色の鎧。ファナリスとしての力を最大限発揮することができるが、筋肉への負担が大きく使用後には動くこともままならない。よって使用はその発動が必要とされる時かマスルールが激情に駆られた時のみである。 ヤムライハ 声 - 堀江由衣 八人将の一人。ムスタシム王国出身。新マグノシュタット学院学長。 黒い三角帽子を被り、水色のロングヘアを胸の前で結んでおさげにした巨乳美女。魔法には強い思い入れとプライドがあり、剣士であるシャルルカンとはしょっちゅう喧嘩をしている。魔導士としての腕はまさに天才だが、教え方が大雑把で教え子の適性より自分の好みを優先するなど、指導者としての腕前は微妙な所。意中の相手の前では魔法の話しか出来ない程緊張するため、ピスティからは「魔法使いの男の人と付き合えばいい」と提案されていた。寝起きに弱い。23歳→24歳→25歳→28歳。身長160cmで体重49kg。趣味は魔法アイテム収集。好きな食べ物は酒で嫌いな食べ物はコーヒー。好きなタイプはヒゲの年上の男性 で嫌いなタイプは魔法をバカにする人。 珊瑚と真珠で出来た杖を持ち、主に水の魔法を使用する。耳と胸に着けた貝殻の形をした装身具は全てが自身で発明した世界で唯一の魔力蓄蔵装置となっており、普段から身につけておくことで魔力を蓄え、組み合わせ次第では大魔法を発動することもできる。また、シンドバッドと共にシンドリア上空を覆う「防御結界」と「転送魔法陣」を発明している。 魔導士だったがために両親から捨てられ処分されそうになっていた所をマグノシュタットの学長・モガメットに保護され、育てられた。かつてはマグノシュタット学院創始以来の天才といわれていたが、自身はムスタシム王家に忠誠を誓っており、10年前の反乱の際にはシンドバッドらが手を尽くしシンドリアに保護した。 アラジンのシンドリア滞在以降は彼の魔法の師匠となり、アラジンからは「ヤム(おねえ)さん」と呼ばれている。「ザガン」攻略後にアラジン達を襲ってきたアル・サーメンとの戦いではアポロニウスを撃破した。「黒の神」との戦いではシンドバッドやドラコーン、七海連合と共に参戦しアラジンのソロモンの知恵で依り代の核となっていたモガメットと再会、彼が王宮から自身を攫って育てたことを謝罪されるが、「私は幸せだった」と返しモガメットが依り代と共に消える際には涙を流した。その後、モガメットの意思を受け継いだアラジンにモガメットの杖を託した。 最終章ではマグノシュタットの学長に就任。未だ良縁には恵まれず周囲にばかり幸せが訪れることに忸怩たる思いを抱いており、とうとう独り身の寂しさに負けて子犬を飼い始める。復活したアリババに商談を持ちかけられ、転送魔法陣の魔法道具化という物流に革命を起こしうる研究に興味を示し、共同研究を申し出る。 外伝にも登場。当時はまだ子供で、バルバロッサに呼び出されたモガメットに同行してパルテビアに訪れており、その帰りでシンドバッド達を見かけている。それから2年後、自分の魔法や自分自身を誰かに利用されることを恐れ、学院から脱走。その際にヤンバラの元で魔力操作の修行をしていたシンドバッドと出会い、彼と共にシンドリア商会に身を寄せることになる。 イメージは人魚姫。魔法 隠者の水膜(シャラール・マグド) 水蒸気による光の屈折を操り、他者の視界から姿を消す魔法。「水を集める」「水蒸気に変換する」「光の屈折を操作する」という3つの命令式をルフに与えることで使うことができる。 真実の水人形劇(シャラール・ラケーサ) 透視魔法の一種。血を混ぜ込んだ水に魔法をかけて人形を作り、あらかじめ作っておいた建物の模型の中でルフに語りかけ見えないものや離れた場所や昔のことを教えてもらう。 ルフの瞳(ルフのひとみ) マグノシュタット学院在学中に考案した魔法道具。遠隔透視魔法が込められており、2人が同じものを持てば大気中のルフを介して情報を伝達できる。持つ者の魔力量に応じて交信できる距離が変わる。 シャルルカン・アメン・ラー 声 - 森久保祥太郎 八人将の一人。元エリオハプト王国王子→エリオハプト王国第37代国王。エリオハプト第35代国王・アテンクメンと正妻パトラの息子で、第36代国王アールマカンは異母兄。 浅黒い肌をした銀髪の剣士。尊敬するシンドバッドを真似た服装で、砲丸の付いた鎖 を身につけている。楽観的かつ目立ちたがり屋な性格だが、剣術の修行になると激烈な性格に変わる。勤務時間外は仕事をしない主義で終業後にはよく飲みに行く。剣術には並々ならぬ思い入れがあり、ヤムライハとよく衝突しているが、実際には少年時代パルテビアで一目見たヤムライハに一目惚れしている。彼女がシンドバッドに手を出されたと聞いた時は動揺したり、17巻のオマケでヤムライハの好みのタイプを聞き自分の髭を伸ばそうとするなど、彼女を想うようなシーンもある。現在の性格は、ヤムライハの興味がシンドバッドに向いていることを知り、彼の女性に対する接し方を見てマネした結果である。一方のヤムライハには心から「剣術バカ」と呼ばれており、弟のようにしか思われていない。幼い頃にはかっこいい所を見せたいあまり、好きな女の子を剣の鍛錬場へ連れて行く癖があった。先輩(年上)が苦手。21歳→22歳→23歳→26歳。身長180cmで体重70kg。趣味は宴会。好きな食べ物は酒で嫌いな食べ物は肉全般。好きなタイプは玄人女性で嫌いなタイプは剣術をバカにする人。 エリオハプトの王宮剣術の達人で、その腕前は巨大な南海生物を一瞬で解体して盛り付けるほど。蛇行しながら隙をついて翻弄する柔軟な剣捌きを使って相手の攻撃を外へ受け流すのを得意とする。体内の魔力の量は少ないため、眷属器は一日につき数分しか発動できない。 かつてエリオハプト王国を追われて家名・継承権を剥奪された。シンドバッドが煌帝国に滞在した際、共に付いて行った人物の一人。アリババのシンドリア滞在以降、彼の新たな剣術の師匠となり彼を厳しく指導する(後にオルバ達の師匠にもなる)。「ザガン」攻略後にアラジン達を襲ってきたアル・サーメンとの戦いではビョルンを撃破した。レームに武者修行へいったアリババに自分以外に2人の師匠(ムーとシャンバル)ができたことを知った時には嫉妬し憤慨していた。 最終章では世界に平和が訪れエリオハプトの内輪揉めも安定したことから八人将を辞めて自国へ戻ってエリオハプト国王となっており、巨大な蛇を体に巻いている。帰国の夢を叶えてくれたシンドバッドには非常に感謝しているが、煌帝国の内乱直後に彼が言った「国という、小さなことに囚われずに生きなさい」という言葉には納得しておらず、国王としてその責務を果たす覚悟をしている。「世界をルフに還す魔法」の発動後、エリオハプトに現れて天使達と戦うアリババの前に国王軍を率いて現れる。ルフに還ることが正しいと思いながらも、自分の国を守った先に何があるのかと不安を感じつつ、自分以上の剣士に成長した弟子との勝負に敗北、正しいかは分からずともアリババのことを信じると決め、エリオハプトを守るよう頼んで意識を失った。 外伝にも登場。当時は9歳の子供で、父である第35代国王・アテンクメンの死に伴い第一王妃により傀儡として祭り上げられており、現在と比べ物静かな性格だった。幼少故に母親に従っていたが本心では兄との対立を望んでおらず、兄弟仲が悪くなることに心を痛めながらも兄を王位に着かせるためあえて挑発的な言動を取っていた。自国を訪問したシンドバッド達に母の目を盗んで接触し、政情不安を解決するために迷宮攻略を頼んだ。迷宮攻略後、先王派が失脚したことで国内での立場が危うくなり、兄が混乱を収めるまでシンドリア商会が食客として身柄を預かることになった。暗黒大陸への旅では、事情に詳しいトランの村への案内役を申し出るが、自分より年下のマスルールに上から目線で見られていることに釈然としない気持ちを抱いており、奴隷商人捕縛後互いの力を認めた上で自分のことを先輩と呼ぶようにして現在のような関係と性格になった。シンドリア王国建国時にはまだ眷属器も秀でた能力も無いため仮の八人将として認定される。旧シンドリア王国建国式典直前に母が心労で体調不良になっていると聞かされて一時帰国しており、パルテビアとの戦争の時は仲間の元を離れていた。 名前の由来はオマル・ビン・アル・ヌウマン王と二人の息子シャルルカンとザウ・アル・マカンの物語に登場するネマーン王の息子・シャルルカンから。流閃剣(フォラーズ・サイカ) フォカロルの眷属器。一度放った斬撃を数秒間空間に留めることができる細身で黒い刀身の曲刀。さらにその軌道を鞭状にコントロールして長くしならせることも可能。 ピスティ・ディアノス・アルテミーナ 声 - 大久保瑠美 八人将の一人。新アルテミュラ王国女王。アルテミュラ女王・ミラの末娘。 見た目はアラジンと変わらぬ小柄で幼児体型な少女だが、実はアリババより年上。足元には一番好きな鳥の羽を飾っている。その容姿からか、セクシーな女性への複雑な感情があり、胸の大きさと意義についてモルジアナに語っていた。王宮内には多くの恋人がおり、手玉に取っている状態のオオカミ少女(嘘つきの意)で、宮中で問題の種となっている(一方で、女友達はヤムライハのみである)。嘘泣きが得意だが、ジャーファルにはもう通用しない。18歳→19歳→20歳→23歳。身長140cmで体重35kg。趣味は歌。好きな食べ物は甘い物で嫌いな食べ物は牛乳。好きなタイプはこだわり無しで嫌いなタイプは特に無し。 笛を吹くことで動物とルフの波長を合わせて、懐柔する能力を持つ。鳥が一番懐柔しやすいが、逆に海洋生物は苦手。 アラジン達が第61迷宮「ザガン」に行く時、途中まで同行している。マグノシュタット編後、ついにアラジンと身長が並んでしまったことにショックを受ける。最終章では八人将を辞めて自国へ戻り、アルテミュラ女王となっている。 外伝にも登場。当時はまだ5歳で、精神的にも幼い子供だったにも拘わらず現在とほとんど変らない姿をしており、巨大鳥を操れる力を持っていた。また、この頃から好奇心旺盛で積極的な性格だったらしく、シンドバッドを一目見て気に入り、彼に幸運の羽根をプレゼントしている。 スパルトス・レオクセス 声 - 羽多野渉 八人将の一人。新ササン王国騎士王。 ターバンと鎧、白いマントで身を包み、左目を前髪で隠している。冷静沈着かつ真面目な性格。祖国の教義の関係で人付き合いの幅が狭くなりがちで、家族と許嫁以外の女性と目を合わせるべきではないとされている ため、女性が苦手(唯一、自分と対照的な性格であるピスティとは仲が良い)。後述の家族以外にも弟がいる。22歳→23歳→24歳→27歳。身長179cmで体重68kg。趣味はお祈り。好きな食べ物は精進料理で嫌いな食べ物は教義で禁止されているもの。好きなタイプは明るい人で嫌いなタイプは下品な人。 ランスと円形の楯を武器に持ち、槍術を得意とする。任務では主に槍のリーチを活かせる商船警護に就いている。 兄・ミストラスの死後、彼の後任として八人将の地位を引き継ぎシンドバッドに仕えている。シンドバッドが煌帝国に滞在した際、共に付いて行った人物の一人。最終章では八人将を辞めて自国へ戻り、ササンの騎士王となっている。 外伝にも登場。当時は8歳の子供でササン騎士王・ダリオスの第二子。外の世界に憧れそのための努力を惜しまないミストラスのことを尊敬し慕っており、彼がシンドバッドと共に旅立つ際には悲しんでいたが、ミストラスから大きくなって立派な騎士になった時に一緒に旅をしようと約束された。 ドラコーン 声 - 杉田智和 八人将の一人。シンドリア国軍大将軍→シンドリア王国第二代国王。元パルテビア帝国軍人。 元々は特徴的な形に整えた緑色の長髪 を持つ普通の人間だったが、眷族と同化したことで現在は緑色の皮膚を持つ竜人のような姿をしている。シンドバッド曰く誠実な男。26歳の時に結婚した美人の妻・サヘルがいるが弱点でもある。軍務が特技。29歳→30歳→31歳。身長226cmで体重202kg。趣味は部下の教育で、「後進の育成」という言葉に弱い。好きな食べ物は嫁・サヘルの手料理で嫌いな食べ物はアバレオトシゴ。好きなタイプはサヘル(言わされた)で嫌いなタイプは若い女(言わされた)。 バアルの眷族で眷属器は左耳のピアス。巨大化して口から雷の光線を吐くことができ、同化の影響で定期的に脱皮する体質になってしまっている。外伝では剣術も得意としている。 最終章ではシンドバッドから国王の地位を引き継ぎ、シンドリア国王に就任している。年に一度のシンドリア王国の古株達が集まるシンドリア建国の英霊達への墓参りでは、八人将の労をねぎらうシンドバッドに対して「シンドバッドこそが国と世界のために力を尽くした人間」だとし、他の仲間と共に自分達の誇りだと評した。一連の事件後は金属器の消滅に伴い同化が解け、シンドバッドに頼りすぎていたことを反省して国の再建を目指して頑張っている。 外伝にも登場。本名はドラグル・ノル・ヘンリウス・ゴビアス・メヌディアス・パルテヌボノミアス・ドゥミド・オウス・コルタノーン。シンドバッドとは同い年の14歳→15歳→16歳→17歳で当時の身長は158cm。パルテビア将軍家・ドラグル家の末子で、年少ながら西方辺境部隊小隊長を務める。秘かに慕っていた皇女・セレンディーネを助けるべく力を求め、総勢100名の部隊を率いて「バアル」攻略に臨むが、半数とは迷宮到着時にはぐれてしまい、残り半数も迷宮生物の攻撃によって全滅したため、シンドバッドと共に行動することになる。バアルとの契約を賭けたシンドバッドとの決闘で敗れ帰還してからは、失態の責任のためジャーファルら3人を率いて海に出たシンドバッド捜索に臨み、「ブァレフォール」攻略に挑む。魔獣となったジャーファル達との戦いでは、ファーランを通して兄・バルバロッサに自身が切り捨てられたことを知り、彼からセレンディーネを救うために復讐を誓いシンドバッドの仲間になったが、迷宮から帰還後に彼女を助け出すべくシンドバッド達と別れ単身パルテビアへ向かう。なお、この時には既にシンドバッド及び世界で最初の眷族に目覚めており、四天将軍の一人・ロッターとの戦いで眷属器を発動させサヘルと共に彼を撃破するも、半身魔装状態のバルバロッサには敵わず瀕死の重傷を負わされる。しかし、セレンディーネを守るためのさらなる力を求めたことで眷族と同化し現在の竜人の姿となり、セレンディーネ達を連れてパルテビアから逃亡する。その後はシャム=ラシュに追われる逃亡生活を送っていたが、その異形の姿から周りの者に「化け物」と恐れられ精神的に追い詰められていき、レームに入国して港を目指す中でセレンディーネ達とは別行動を取り町の郊外に身を潜めていた。しかし、逃亡資金も底をついてしまい、食糧を得るため襲ったキャラバンでシンドバッドの冒険書を見つけ、シンドバッドの助力を得るためサヘルと相談してシンドリア商会に辿り着く。そこでセレンディーネを守ってほしいとシンドバッドに懇願するが、「お前自身が最期まで守るべきだ」と言われると同時にこのような姿になっても人間であり仲間と認められていたことに涙を流した。その後はシンドリア商会の一員として身を置き、シンドバッドが奴隷としてマリアデル商会に捕えられた際にはルルムの頼みで商会の仕事の補佐を務める。セレンディーネ達が去った後も商会に残り、旧シンドリア王国建国時には八人将として認定される。旧シンドリア王国建国式典の直前に初代八人将の1人に任命され、式典の失敗によるパルテビア帝国軍との戦いの中で防衛戦から撤退戦へ移行する戦況に対応するべく指揮を執り、沈みゆく島からの脱出船を守るため、眷族の力で敵戦艦を轟沈させる。拳銃型の魔法道具 正式名称は不明。外伝で「バアル」帰還から眷属器発動までの間使用していた。雷の力を瞬時に収束した矢を発射する銃で、雷の収束を切り替えることでより力を収束させた貫通力のある雷矢や収束を弱めた拡散する矢を放てる。前者は人体に使用すれば神経に激痛が走り、しばらく動けなくなる。 剛神鱗甲(バララーク・バラシーフ) バアルの眷属器。外伝で発動し、左耳のピアスに宿る。肉体(主に両腕)を竜の鱗で覆い、受けた衝撃を防いで攻撃に転化する。また、電流により神経を活性化された筋組織は常人ならざる肉体強化をドラコーンに与える。 ヒナホホ 声 - 藤原啓治 八人将の一人。新イムチャック族首長。極北の秘境・イムチャックの戦士。 青色の長髪を持つ見上げるほどの巨漢で、左頬から肩にかけて傷がある。濃い藍色のバンダナ状のターバンを頭に巻き、生まれた時に親から授かった一族固有の頭飾りの角を付けている。パルテビアとの戦争で妻のルルムを亡くし、4人の子供を持つ男やもめ。絵が上手い。35歳→36歳→37歳。身長240cmで体重155kg。趣味は子供の世話。好きな食べ物はステーキで嫌いな食べ物は腹にたまらない食べ物。好きなタイプは嫁・ルルム(故人)で嫌いなタイプは家族を大切にしない人。 イムチャック族の伝統的な武器である、アバレイッカクの角から削り出された独特の形状の赤い棍棒を武器に持つ。イムチャック人として泳ぎと狩りが得意で、外伝では水中戦において無類の強さを発揮し、強靭な身体と地面を抉るほどの怪力の持ち主でもある。一方で出身地の関係からか暑さに非常に弱く、アルテミュラのような高温多湿な環境ではすぐに疲れ果てる(砂漠の高温乾燥な気候も熱帯気候ほどではないが苦手)。 最終章では八人将を辞めて自国へ戻り、イムチャックの首長となっており孫も産まれている。自分がシンドバッドと比べて国民をまとめる王であることに力不足を痛感している。 外伝にも登場。当時は21歳の青年でイムチャック族族長の息子。21歳→22歳→23歳。現在とは違ってかなり気弱な性格で、成人の儀であるアバレイッカクを討ち取ることができず、一人前の戦士になって幼馴染であるルルムにプロポーズすることを望んでいた。シンドバッドの協力によって儀式を成功させ、「大海のごとく清らかな」という意味の「ヒナホホ」の名を授かる。しかし、止めを刺したのがシンドバッドであったために戦士としての自信を欠くことになり、それを知らない周囲から向けられる賛美から生じる重圧に耐えかね、本当の戦士になる力を手にするべく単身「ブァレフォール」攻略に臨む。ブァレフォールの元に辿り着いた時はバアルの金属器を所持しているにも拘わらずさらに力を得ようとするシンドバッドに不信感を抱くも、魔獣になったジャーファル達を救おうとする彼を王の器と認めてシンドバッドの仲間になり、同時に荒々しく強気な性格に変わった。帰還後は閉鎖予定の迷宮に勝手に侵入した責任を負ってイムチャックを去ろうとしていたが、ルルムの想いを受けシンドバッドと共にラメトトを説得しルルムと結婚する。後に彼女との間に長男のキキリクと双子の女の子を儲ける。マリアデル商会崩壊後、周囲と馴染めずにいたマスルールをかつての自分と重ね、彼のわだかまりを解いた。「ゼパル」攻略ではゼパルの試練としてミストラスとの試合を言い渡され、シンドバッドの「最強の矛」を決める戦いの最中でシンドバッドの眷族として目覚めた。シンドリア王国建国時には八人将として認定される。式典の失敗に伴うパルテビア帝国軍との戦争では、四天将軍のザイザフォンを撃破するという戦果を上げるも、魔力を消耗していた自分を助けたミストラスが戦死、さらに国民の避難誘導を行っていた最愛の妻まで喪い眷族の力を暴走させかける。ドラコーンの説得で落ち着きを取り戻し、息子達を守るために戦うことを決意し、眷族同化した力を振るいパルテビアの艦隊を全滅させた。技 一番銛(いちばんもり) 漁の栄誉とされるイムチャック人最大最強の攻撃。外伝で使用。「気」や魔力操作に近い技で、全てのパワーを棍棒に込めて相手に投げつける。後に発動が早い分、コントロールが難しいとされる素手による「一番銛」も放てるようになる。 氷海一坤(ガルフォル・ロロムス) ブァレフォールの眷属器。外伝で発動。棍棒の穂先に大気中の水分を凍らせるほどの冷気を纏った巨大な氷の狼を出現させ、一直線に敵を飲み込む。 ミストラス・レオクセス スパルトスの兄で彼の前任の八人将。外伝に登場。故人。詳細はササン王国を参照。 ヴィッテル 元八人将。外伝に登場。詳細はパルテビア帝国を参照。 マハド 元八人将。外伝に登場。詳細はパルテビア帝国を参照。
※この「八人将」の解説は、「マギの登場人物」の解説の一部です。
「八人将」を含む「マギの登場人物」の記事については、「マギの登場人物」の概要を参照ください。
- 八人将のページへのリンク