テクノポップ テクノ歌謡など

テクノポップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/17 02:34 UTC 版)

テクノ歌謡など

テクノ歌謡
歌謡界でもっとも初期にシンセドラム(en:Electronic drum)を使用した楽曲はピンク・レディーサウスポー」(1978年3月)であり、もっとも初期にYMOを「編曲」に起用したのは、近田春夫「エレクトリック・ラブ・ストーリー」(1979年)である。また沢田研二「TOKIO[注 8]や、筒美京平[注 9]が初めて手がけた「テクノ歌謡」が、榊原郁恵の「ROBOT」(編曲:船山基紀、1980年6月1日)である。このあたりから「テクノ歌謡」は出現する[18]
この当時のシンセドラムは、アメリカのPOLLARD社のSYN-DRUMS。そして日本製のULT-SOUND(アルトサウンド)といった機材であり、本格的ドラムセットの体をなすというよりは、あくまでも効果音的な使われ方をしていた。今の電子ドラムのように「ドラム・セット」然とした電子ドラムの登場は、シモンズen:Simmons (electronic drum company))のシンセドラム(en:Electronic drum)の登場を待たねばならなかった。
イモ欽トリオの「ハイスクールララバイ」(1981年)はミリオンセラーとなり、川上さんと長島さん「きたかチョーさんまってたドン」(1983年)ほか、当初コメディアンに多く楽曲が提供される。その後、アイドルの楽曲でもテクノポップ調の伴奏をバックに歌唱するスタイルが確立。のちにこれらは「テクノ歌謡」と呼ばれた。当初は打ち込み演奏+生演奏でニュー・ウェイヴやテクノを意識したものと定義された。
フューチャーポップ
テクノを始めとするダンス・ミュージックにメロディアスな歌詞やシンセリード演奏を加えた派生音楽の1つ。SUPERCARの「YUMEGIWA LASTBOY(映画『ピンポン』の挿入歌)」が例である。他にRAM RIDER元気ロケッツなど。
チップチューン
チップチューンを演奏する際の機材構成の例。ゲームボーイ (1989年) の内蔵音源を楽器として使用。
ファミリーコンピュータなどFM音源以前のゲーム機・PCの音源(PSG波形メモリ音源など)をメインに用いた電子音楽の1つ。日本では桃井はるこ(代表曲・「ワンダーモモーイ」「きみはホエホエむすめ」)や高橋名人(代表曲・「スターソルジャーのテーマ」)などのチップチューン伴奏によるテクノ歌謡が有名。

注釈

  1. ^ たとえばこのサイトではELECTROの別名とされている。
  2. ^ エレクトロヒップホップビッグビートの派生ダンスミュージックであり、スタート段階ではアンダーグラウンド音楽として始まったものである。
  3. ^ 2009年のリマスター新装版ではタイトルを『TECHNO POP』に戻している。
  4. ^ ただし初期のTMはテクノポップの曲もリリースしている。
  5. ^ 当時一般の間ではヤマハEOSシリーズすなわち「小室哲哉のキーボード」やローランドDTM音源がよく売れていた。
  6. ^ 巻上は東京キッドブラザーズ出身だった。
  7. ^ 『コピー』という曲では欧米で批判の対象となっていた、日本人による猿真似」について開き直っているように受け取られ、イギリスのライブツアーが当地のプレスから過剰なほどに叩かれた。
  8. ^ 1980年1月1日発売。この曲がきっかけで井上バンドがジュリーのバックバンドをやめることになった。
  9. ^ ブルー・ライト・ヨコハマ」「また逢う日まで」などヒット曲が非常に多い和製ポップス・歌謡曲の巨匠。

出典

  1. ^ "Hot Butter: "Popcorn"". Keyboard. Vol. 21. 1995. p. 30. ISSN 0730-0158.
  2. ^ 1981年にキーボード・マガジンがクラフトワークへ行ったインタビューより(2010年1月号 WINTERに再録)。
  3. ^ 出典:田中雄二『電子音楽 in JAPAN』(アスペクト、2001年 ISBN 978-4757208711
  4. ^ テクノポップの起源 - All About
  5. ^ テレビ番組『新堂本兄弟』(フジテレビ)内のコーナー「堂本ベストヒットたかみー」より。
  6. ^ 『ニッポンの音楽』 - ISBN 4062882965
  7. ^ 太田克彦「追っかけインタビュー 細野晴臣 『YMOはただのロックバンドじゃないワケ。だから解散はないんだな。』」『シティロード』1981年1月号、エコー企画、 12頁。
  8. ^ 外山恒一 青いムーブメント(5) (ファシズムへの誘惑・ブログ)
  9. ^ 『テクノデリック—鏡でいっぱいの世界』椹木野衣、集英社、1996年 ISBN 978-4087741292に収録
  10. ^ 出典:美馬亜貴子『テクノ・ポップ (THE DIG PRESENTS DISC GUIDE SERIES)』(シンコーミュージック、2004年 ISBN 978-4-401-61851-4
  11. ^ 出典:『はじめてのシンセサイザー』(講談社現代新書)古山俊一 1988年。
  12. ^ Buggles* - Clean, Clean (Vinyl) at Discogs
  13. ^ 出典:『YMO GLOBAL YMOから広がるディスクガイド』(シンコーミュージック・エンタテイメント、2007年、ISBN 978-4401631162)。この本の中で、ライターの佐久間英夫は「テクノは日本で生まれたジャンルだと声を大にして言いたい」と述べている。
  14. ^ フューチャーポップのルーツとしての渋谷系” (日本語). [テクノポップ] All About. 2022年7月4日閲覧。
  15. ^ 東京NWofNWを再検証” (日本語). [テクノポップ] All About. 2022年7月4日閲覧。
  16. ^ Perfume、アメリカ野外フェス「Coachella」出演決定” (2019年4月11日). 2019年4月12日閲覧。
  17. ^ a b (日本語) 【巻上公一】ヒカシューのリーダーに、ホーメイとラモーンズとデヴィッド・バーンとプラスチックスとP-MODELとYMOとラジオの話を聞いたよ, https://www.youtube.com/watch?v=ri7RM9eBBk0 2022年6月1日閲覧。 
  18. ^ Music calender、および1242.comの昭和アイドルテクノ歌謡を閲覧。閲覧日2019年10月3日閲覧 http://www.1242.com > TOP > ニュース 一覧


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