バグルスとは? わかりやすく解説

バグルス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/10 08:23 UTC 版)

バグルス

1980年 デュオ体制時代(左ジェフ・ダウンズ、右奥トレヴァー・ホーン)
基本情報
出身地 イングランドロンドン
ジャンル
活動期間
レーベル
メンバー トレヴァー・ホーン
旧メンバー

バグルスThe Buggles)は、イングランド出身の音楽ユニット。楽曲「ラジオ・スターの悲劇」のヒットで知られる、ニュー・ウェイヴ期の代表的グループ。

概要

トリオ時代(1970年代 - 1979年)

1970年代トレヴァー・ホーン(ベース)、ジェフ(ジェフリー)・ダウンズ(キーボード)、ブルース・ウーリー英語版(ギター)の3人は、イギリスのシンガー、ティナ・チャールズ英語版のバック・バンドとしてキャリアをスタートさせている。

1977年、ホーン、ダウンズ、ウーリーによりバグルスを結成。トレヴァー・ホーンは当初よりプロデューサー志向であり、3人で多くのCM関係の音楽を制作している。後にハリウッドで映画音楽作曲家として活躍するハンス・ジマーも裏方として参加しており、ホーンとジマーは後に映画『トイズ』で共作もしている。

以降、ウーリーは自身のグループ、ザ・カメラ・クラブ(Bruce Woolley & The Camera Club)に注力するため離脱。残ったホーン、ダウンズの二人はその後、メジャーレーベル アイランド・レコードとの契約にこぎ着けた。

デュオ体制期(1979年 - 1982年)

1979年に、デビュー曲の「ラジオ・スターの悲劇Video Killed The Radio Star)」が全英1位の大ヒットを記録。初出はザ・カメラ・クラブのアルバム収録曲であったが(共作者のウーリーも権利を有するため)、バグルスのバージョンは秀逸に計算した音作りに仕上げ、ニュー・ウェイヴの時代を象徴する一曲となった。

ファースト・アルバム『ラジオ・スターの悲劇』(The Age of Plastic)発表後の1980年、ホーンとダウンズの2人はそろってイエスに加入する(バグルスはイエスと同じくブライアン・レーンのマネージメント・オフィスに所属していた関係があった)。ホーンがボーカル、ダウンズがキーボードを担当したイエスはアルバム『ドラマ』を発表し、欧米のツアーを行なった。しかし、従来のイエス・ファンからはボーカリストの交代が不評をもって迎えられ(ステージに登場したホーンに対してのかなりの罵声があったと言われている)、ツアー終了後にホーンが脱退し、イエスは解散状態になった[5]

1981年、2人は再びバグルスとしてセカンド・アルバム『モダン・レコーディングの冒険』を発表するが、まもなく活動を停止した。モダン・レコーディングの冒険を編集している頃は、ダウンズは既に制作から去ってエイジアの結成に参加しており、ホーン一人での作業だった。このため、当時、実質的にバグルスはホーンの個人バンドであったと認識されるに至っている。

その後、ホーンは売れっ子プロデューサーとして一時代を築き(後の再結成イエスのプロデュースも担当し「ロンリー・ハート」などのヒット曲を制作)、ZTTレコーズの設立にも名を連ねた。一方、ダウンズはエイジアの中心人物として活動を継続している[6]

その後

楽曲「ラジオ・スターの悲劇」は、1981年8月1日にアメリカで開局したMTVが、記念すべき一曲目のミュージック・ビデオに採用。そのほか多くのアーティストによってカバーされた。2000年6月、ブロード・バンド(The Broad Band)によるパロディー音楽「ビデオ・スターの悲劇(Internet Killed The Video Star)」としてカバーされ、Shockwave.com英語版Flashアニメーションとして配信された。

2004年11月11日、ホーン、ダウンズ、ウーリーはウェンブリー・アリーナで行われたチャールズ皇太子信託基金(プリンス・トラスト)英語版のチャリティーコンサートに再びバグルスとして参加し、「ラジオ・スターの悲劇」他を演奏した。

2010年にホーンはバグルスの再結成を宣言し、9月28日、ロンドン郊外にあるThe Supperclub Londonにて、31年目にして初のフルライブ「The Lost Gig」が行われた(ダウンズ、ウーリーも参加)。この頃、3枚目のアルバム制作についても示唆されている。

2011年、イエスのアルバム『フライ・フロム・ヒア』に、ダウンズがメンバーとして参加し、ホーンがプロデュースを担当した。表題曲は2人がイエスに参加していた頃に作られた楽曲をベースに再構成されている。原曲のバグルス・ヴァージョンは2010年に発売された『モダン・レコーディングの冒険』再発CDにボーナストラックとして収録されている[7]。そして前年に続き、一夜限りの再結成ライブを10月25日に開催した。

その後はホーンがソロで名義を受け継ぎ、2023年にはシール (歌手)のツアーでバックバンドが協力してサポートアクトを務めた。

歴代メンバー

(インディーズ時代、再結成のみ)

  • ブルース・ウーリー英語版(Bruce Woolley) - ギター(1977年–1979年、2004年、2010年、2011年)

ディスコグラフィ

アルバム

発表年 タイトル(邦題) タイトル(原題) 最高順位(UK)
1980年 ラジオ・スターの悲劇
(かつての邦題は『プラスティックの中の未来』)
The Age of Plastic 27
1981年 モダン・レコーディングの冒険  Adventures In Modern Recording -

シングル

曲目 音楽チャート最高位 アルバム




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1979 "Video Killed the Radio Star" 1 1 1 1 2 1 1 16 2 1 40 6 ラジオ・スターの悲劇
1980 "Living in the Plastic Age" 16 5 29 29
"Clean Clean" 38 60
"Elstree" 55
1981 "I Am a Camera" 46 モダン・レコーディングの冒険
"Adventures in Modern Recording (song)" 27
1982 "On TV"
"Lenny" 17
"Beatnik"
"—" チャート圏外

脚注

出典

  1. ^ a b c Ankeny, Jason. Buggles | Biography & History - オールミュージック. 2021年6月13日閲覧。
  2. ^ Long, Pat (2012). The History of the NME: High times and low lives at the world's most famous music magazine. Pavilion Books. p. 177. ISBN 978-1-907554-77-3. https://books.google.com/books?id=DG6_CAAAQBAJ&pg=PT177 
  3. ^ Plagenhoef, Scott (2003年10月5日). “Belle and Sebastian: Dear Catastrophe Waitress”. Pitchfork Media. 2021年6月13日閲覧。
  4. ^ Lester, Paul (2016年8月18日). “The Outer Limits: How prog were Buggles?”. TeamRock. Future Publishing Limited. 2021年6月13日閲覧。
  5. ^ トレヴァー・ホーン 来日記念特集~40年間第一線で活躍してきた稀代の才能”. billboard-japan (2017年8月2日). 20121/2/1閲覧。
  6. ^ エイジアのデビューアルバム『詠時感〜時へのロマン』はプログレの再評価につながった記念すべき一作”. OKMusic (2014年6月6日). 20121/2/1閲覧。
  7. ^ 隠れ名盤!バグルスの2ndアルバムがリマスター復刻、ボーナス・トラック付き”. CDjournal (2010年1月22日). 2021年2月1日閲覧。

外部リンク


バグルス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 17:34 UTC 版)

コレクター・ユイ」の記事における「バグルス」の解説

iちゃん 声 - 津村まこと 第2期キーパーソン。愛の父・晋太郎愛娘のために開発した少女型のメールソフト少女型とはいえ、バグルス事件10年前から存在するソフトなので、コレクターズのソフトたちより年上。あずさが自作した絵本主人公モデルにしている。 愛へのメール届け途中で黒川良捕らわれて彼の開発したコンピューターウイルス曝されているうちに、自らがバグルスと化してしまう。篠崎あずさの手助け黒川の元から脱出することはできたものの、メール届け先記憶失っていたためにネット当所なく放浪、彼女の涙に含まれているバグルスによって、知らず知らずのうちにバグルスをコムネットばらまく感染源となっていた。 最後はコレクター・アイによってイニシャライズされ、バグルスは消滅し、愛にメール送り届けたクマちゃん 声 - 三石琴乃 第2期登場。iちゃんがいつも抱いている熊のぬいぐるみだが、iちゃんが意識失っている時には自らの意志動き、彼女を危険から守る役割与えられている。iちゃんをバグルスから解放するため、新たに作られた黒のコムコン盗み篠崎愛託した岡本コミックによると、「iちゃんの守護者ガーディアン)」。iちゃんがさらわれた際、犬養博士によっていつでも動けるように改造された。 黒川 良くろかわ りょう) 声 - 辻親八 第2期黒幕コムネット開発時の研究スタッフ一員であったが、「ソフトに感情必要ない」という設計思想違いから犬養博士篠崎夫妻対立し開発陣から外された。その恨みから、コムネット消滅させ新たなネット作ろう画策、iちゃんを利用してバグルスを開発することに成功するが、あずさのせいで逃げられてしまったため、執事行方を追わせた。 実はバグルスの実験事故死亡しており、バグルスに感染した意識だけがコムネット世界に留まっている状態であるが、本人無自覚。そのため、最終決戦イニシャライズされたことによって怪物化すが、ファイナルエレメントスーツパワーアップした結のハイパーイニシャライズで完全に消滅した執事 声 - 小形満 第2期登場黒川配下のソフトで、フリーズ隠され能力であるウイルス探知能力のことを知っており、フリーズ雇ってiちゃんを捜させていた。だが実際には、鼻につけられ機械によって黒川操られていた。

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