グッド・ヴァイブレーションとは? わかりやすく解説

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グッド・ヴァイブレーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 15:17 UTC 版)

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グッド・ヴァイブレーション
ザ・ビーチ・ボーイズシングル
初出アルバム『スマイリー・スマイル
B面 少しの間
リリース
録音 1966年2月18日 - 9月
ジャンル ポップスサイケデリック・ロック
時間
レーベル キャピトル・レコード
作詞・作曲 ブライアン・ウィルソンマイク・ラヴ
プロデュース ブライアン・ウィルソン
ゴールドディスク
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 1位(アメリカ)
  • 1位(イギリス)
ザ・ビーチ・ボーイズ シングル 年表
素敵じゃないか
b/w
神のみぞ知る
(1966年)
グッド・ヴァイブレーション
(1966年)
英雄と悪漢
(1967年)
ミュージックビデオ
「Good Vibrations」 - YouTube
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グッド・ヴァイブレーション」(Good Vibrations)は、ザ・ビーチ・ボーイズ1966年に発表したシングル。バンドにとって最大のヒット曲の一つである。

ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2010年版)では6位にランクされている[2]。第9回グラミー賞において最優秀ボーカル・グループ賞にノミネートされた。

解説

アルバム『ペット・サウンズ』(1966年)のためのレコーディング・セッションが行われていた1966年2月18日に、最初のレコーディングが行なわれた[3]。この時のセッションでは、ラリー・ネクテル(オルガン)やハル・ブレイン(ドラムス)等のスタジオ・ミュージシャンが参加している[4]。しかし、ブライアン・ウィルソンの意向により『ペット・サウンズ』には収録されず、複数のスタジオでレコーディングが繰り返され、90時間に及ぶテープを編集して、3分半のマスター・テープが完成された[4]マイク・ラヴは、「2秒から5秒ぐらいしかない同じパートを、25回から30回ヴォーカル・ダビングした」と回想している[3]

リード・ボーカルは、制作当初はブライアン・ウィルソンが担当したが、最終的にはカール・ウィルソンがリード・ボーカルを担当した形でリリースされた。

レコーディングの早い時期からテルミンが使用され、その後、マイク・ラヴによる低音域のコーラスや、チェロによる三連符のリズム等も加えられていった。また、歌詞も大幅に変更されていった。ブライアンは、この曲を「ポケット・シンフォニー」と呼んでいる[3]

1966年10月、『ペット・サウンズ』収録のインストゥルメンタル「少しの間」をB面に収録したシングルとしてリリースされると、本国アメリカでは、発売から4日で29万枚以上の売り上げを記録し[3]、全米1位に達し、最終的にはゴールド・ディスクに認定された。イギリスでも、ビーチ・ボーイズとしては初めて全英シングル・チャート1位獲得を果たした[5]。しかし、その後『スマイル』の制作が難航し、最終的には発売中止となったため、本作に続くシングル「英雄と悪漢」は、本作から9か月を経てようやく発売され、「グッド・ヴァイブレーション」は、『スマイル』に使用予定だった音源の断片を集めたアルバム『スマイリー・スマイル』(1967年)に収録されることとなった。

この曲の(本当の意味での)リアル・ステレオ・バージョンはいまだに発表されていない。2012年に『スマイリー・スマイル』がモノ&ステレオの2 in 1で発売された際も「グッド・ヴァイブレーション」はモノラル・マスターからボーカルと各楽器を抽出して左右に振り分けた疑似ステレオ・バージョンが収録された[6]。その理由は、ボーカルトラックのみのマスター・テープが行方不明になっているからである。ただし、バッキング・トラックのマルチトラック・テープは現存しており、シングルがCD化された際に、リアル・ステレオ・バージョンのカラオケとして、このバッキング・トラックが収録された。

別ヴァージョン

1990年に発売された、『スマイリー・スマイル』と『ワイルド・ハニー』の2 in 1による再発CDで、「グッド・ヴァイブレーション」の別ヴァージョン2曲がボーナス・トラックとして収録された。「ヴァリアス・セッションズ」と題されたヴァージョンは、様々なレコーディング・セッションからの音源を編集したもので、「アーリー・テイク」は、シングルおよび『スマイリー・スマイル』で発表されたものとは、歌詞が大幅に異なる。

ブライアン・ウィルソンは、後にソロ名義で『スマイル』を再録し、2004年に発表。同作に収録された「グッド・ヴァイブレーション」のセルフ・カヴァーは、前述の「アーリー・テイク」に近い歌詞で歌われ、『ペット・サウンズ』でブライアンと共同作業を行ったトニー・アッシャーが、ソングライターとしてクレジットされている。

2011年に発表された『スマイル・セッションズ』のディスク1では、ブライアン版にほぼ即した形での編集となっているが、歌詞およびヴォーカルはオリジナルのままとなっている。また同作コレクターズ・ボックスのディスク5は、本曲のセッションのみで占められている。

カヴァー

その他

  • 日本では、NTTサンクスフェアのコマーシャル・ソングに使用された[7]

脚注

  1. ^ 45cat - The Beach Boys - Good Vibrations / Let's Go Away For Awhile - Capitol - USA - 5676
  2. ^ The Beach Boys, 'Good Vibrations' | 500 Greatest Songs of All Time | Rolling Stone
  3. ^ a b c d CD『スマイリー・スマイル』英文ライナーノーツ(デイヴィッド・リーフ、訳:宮治ひろみ、1990年)
  4. ^ a b 『ビーチ・ボーイズ ペット・サウンズ・ストーリー』(キングズレイ・アボット著、雨海弘美・訳、ストレンジ・デイズ、2004年、ISBN 4-902342-01-4)p.184, 付録p.4
  5. ^ ChartArchive-The Beach Boys-
  6. ^ Good Vibrations: Beach Boys hit remixed in stereo”. YouTube. 2012年11月10日閲覧。
  7. ^ EMI Music Japan
先代:
ザ・ニュー・ボードビル・バンド
「ウィンチェスターの鐘」
Billboard Hot 100 第1位
1966年12月10日(1週)
次代:
ザ・ニュー・ボードビル・バンド
「ウィンチェスターの鐘」
先代:
フォー・トップス
「リーチ・アウト・アイル・ビー・ゼア」
全英シングルチャート 第1位
1966年11月17日 - 11月24日(2週)
次代:
トム・ジョーンズ
「思い出のグリーン・グラス」

グッド・バイブレーション (曖昧さ回避)

(グッド・ヴァイブレーション から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/24 03:28 UTC 版)

グッド・バイブレーション (Good Vibrations)

英語で「心地よい振動」「良い響き」などを意味する表現の音写。中黒を用いるか否か、「V」音の表記にウ濁点を用いるか否か、複数形の「s」の音を表記するか否かで、グッドバイブレーショングッドヴァイブレーショングッドバイブレーションズグッドヴァイブレーションズグッド・ヴァイブレーショングッド・バイブレーションズグッド・ヴァイブレーションズなどの表記の揺れが生じる。

音楽

その他

  • グッドバイブレーション - 櫻井しゅしゅしゅの画集[1]
  • グッドバイブレーション - 銀製装飾品のブランド[2]

脚注

  1. ^ 櫻井しゅしゅしゅファースト画集グッドバイブレーション”. エフ・プラット. 2016年10月27日閲覧。
  2. ^ おしらせ”. Good Vibrations. 2016年10月27日閲覧。



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