タイガーマスク アニメ

タイガーマスク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/19 00:44 UTC 版)

アニメ

東映動画製作でアニメ化され、よみうりテレビ日本テレビ系列にて1969年10月2日から1971年9月30日まで全105話が放映された。

原作の連載とほぼ同時進行で放送されていたが、中盤でアニメ版の進行が漫画連載に追いついてしまったため、徐々にオリジナルストーリーが目立つようになっていき、終盤では一部原作の要素は取り入れているものの、まったく別の展開となった。

原作との差異

「虎の穴」からの刺客と対決するという大筋は原作と同じ。原作は、派手ではあるが荒唐無稽な「虎の穴」との対決と、リアルだが地味な実在レスラーなどとの対決と、違った要素が混在した内容になっている。これに対し、アニメ版は「虎の穴」との孤独な戦いにほぼ絞った展開となっており、凶器を隠し持つ刺客レスラーばかりか本物の殺し屋による襲撃まで仕組まれることで、直人の危険な立場が鮮明に描かれている。ザ・ピラニアンなど、原作では虎の穴と関係ないレスラーが虎の穴出身レスラーと変更されている件も見られる。一方で、ミスター・カミカゼは原作では虎の穴出身レスラーで空手家あがりだが、アニメ版では嵐虎之介門下の柔道出身の非虎の穴レスラーと設定が異なる。

実在する日本人レスラーは、原作ではジャイアント馬場の見せ場だけが目立っていたが、アニメではそれ以外のアントニオ猪木、大木金太郎などにもスポットが当たっており、中盤には坂口征二も登場した。反面、外国人レスラーは架空のレスラーが多く、原作での実在外人レスラーを、アニメでは架空名に変更した場合もある。例えば、バディ・ロジャースは「ラジャー」、ボボ・ブラジルは「ポポ・アフリカ」に名前が変更されている。

また原作の孤児出身という要素を大幅に発展させ、当時の社会問題も正面から取り上げた。

原作と最も大きく異なっているのが最終話である。アニメ版の最終話は、「虎の穴」のボスが自らマスクを被り、最強最後の悪役レスラー「タイガー・ザ・グレート」として、タイガーマスクの前に現れ、直接対決の試合に挑む。タイガーは、最初はいつものように反則技に耐えてクリーンな試合をするが、タイガー・ザ・グレートは裏切り者であるタイガーを抹殺しようと殺意剥き出しで凶悪な反則技を連発する。そして、タイガーは、グレートの顔面への凶器攻撃を間一髪で避けるが、その時にマスクが完全に脱げてしまい、正体が伊達直人であることが白日の下に晒されてしまう。素顔をさらされた伊達直人は、涙を流しながら高々と笑い、グレートに対し「虎の穴からもらったものをたたき返してやる。それで俺は伊達直人に返るのだ」と宣言し、グレートを上回る容赦ない反則攻撃を繰り出し、ついにはジャイアント馬場、アントニオ猪木の制止すら無視して止めを刺してしまう。だが、試合後に冷静になり、リングにおける自らの行いを恥じた伊達直人は、日本を去るという形で物語は終わる。

「キザにいちゃん・伊達直人としては死亡したが、子供達の心の中にヒーローとして生き続けたタイガーマスク」という原作の最終回に対し、アニメ版は「伊達直人としては生存したが、皆のヒーロー・タイガーマスクとしては死ぬ」という、奇しくも対照的な最終回となった。

制作エピソード

本作は日本のテレビアニメで初めて、原画からセル画へ絵を転写するトレースマシンを導入した作品である。このため線の多い劇画をアニメ化することに成功した。

最終回「去り行く虎」は(当時の)通常の3倍の作画枚数が費やされたという。制作サイドは後半部がかなりオリジナルストーリーになっていた上に、原作とはかけ離れた結末にしたことで、原作者である梶原一騎の反応を非常に気にしていたが、梶原一騎はこのアニメ版の最終回を非常に気に入り、「こういう最終回が書きたかった」と語ったという。また、作画監督を務めた小松原一男はこの最終回の放送当日、新婚旅行で青森に行っており、地元の青森放送で同時放送されていることを新聞のテレビ欄を見るまでは知らなかった為、新婚旅行そっちのけで急遽、タクシーを使って宿泊先の旅館へ駆け込んで最終回を見たと言う。その騒ぎが元で旅館の関係者、宿泊客からのサイン攻めにあったとの事。

主題歌の歌詞にある顔面への拳による攻撃は、プロレスでは基本的にルール違反である。しかし、一般的なプロレスでは5カウント以内の反則はルールで認められており、梶原作品ではベビーフェイスのレスラーもよくパンチを使う。

作画も、漫画版とは違ったタッチになっているが、DVDの特典として収録されているパイロット版の作画は漫画版と酷似している。 脚本を担当した辻真先によると、当時は「テレビアニメは滅んだかもしれない」という大変な時期だった。これは1968年のマルサン商店、1969年の今井科学の両社の倒産が影響している。両社はキャラクター玩具で業績を拡大したが、キャラクター玩具の急速な需要の変化に耐えきれず倒産した。このため玩具業界では「キャラクターは危険」という認識が根付いた。『鉄腕アトム』以来、アニメ制作会社は高額なテレビアニメ制作費の赤字を、玩具などの関連商品の商品化収入で補っていたが、玩具業界が商品化してくれないため、制作費が調達できずテレビアニメの制作本数は減っていた。だが本作は約2年間と長期間放映された。これは本作の高視聴率もあるが、中嶋製作所のタイガーマスクのソフト人形がヒットしたためで、本作は当時のアニメではトップレベルの商品化収入を誇った。この成功が『仮面ライダー』に影響を与えた。仮面ライダーは仮面の主人公、悪の組織からの逃亡者であること、環境破壊を訴えること、バンダイから発売された仮面ライダーのソフト人形が中嶋製作所のタイガーマスクのと同じギミック(人形のマスクを外すことができる)を持つ、などの影響を受けた。

スタッフ

最高視聴率は、1970年3月19日放送(第25話「黄金仮面との死闘」)の31.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

主題歌

オープニングテーマ「行け!タイガーマスク」
作詞 - 木谷梨男 / 作曲・編曲 - 菊池俊輔 / 唄 - 新田洋 / スクールメイツ
エンディングテーマ「みなしのバラード」
作詞 - 木谷梨男 / 作曲・編曲 - 菊池俊輔 / 唄 - 新田洋

各話リスト

放送局

劇場版

テレビアニメの内、第1作が3本『東映まんがまつり』内で上映されている。

読売テレビ制作・日本テレビ系列 木曜19時台前半枠
前番組 番組名 次番組
意地悪ばあさん
(ドラマ第1作)
タイガーマスク
【当番組のみアニメ



注釈

  1. ^ 宮城県では、1974年に東北放送[7]、1977年にミヤギテレビ[8]、1979年に東日本放送[9]でも再放送されており、宮城県の民放4局すべてで放送実績がある。

出典

  1. ^ 豊福きこう 『水原勇気0勝3敗11S』 情報センター出版局、1992年
  2. ^ 北海道新聞』(縮刷版) 1971年(昭和46年)3月、テレビ欄。
  3. ^ a b 河北新報』1971年8月5日 - 9月30日付朝刊、テレビ欄。
  4. ^ 『河北新報』1971年8月2日 - 10月11日付朝刊、テレビ欄。
  5. ^ 『河北新報』1971年8月7日 - 10月16日付朝刊、テレビ欄。
  6. ^ 福島民報』1969年10月13日 - 1971年10月4日付朝刊、テレビ欄。
  7. ^ 『福島民報』1974年3月8日付朝刊テレビ欄。
  8. ^ 『福島民報』1977年3月29日付朝刊テレビ欄。
  9. ^ 『福島民報』1979年2月27日付朝刊テレビ欄。
  10. ^ 『福島民報』1969年10月27日 - 1971年10月25日付朝刊、テレビ欄。
  11. ^ 『福島民報』1969年10月23日 - 1971年1月28日付朝刊、テレビ欄。
  12. ^ a b 北國新聞』1969年10月2日付朝刊、テレビ欄(8面)。
  13. ^ 北日本新聞』 1971年10月18日付朝刊、テレビ欄
  14. ^ 中国新聞』 1971年4月4日付朝刊、テレビ欄
  15. ^ タイガーマスク - 文化庁日本映画情報システム
  16. ^ 映画『タイガーマスク』作品情報”. 映画.com. 2012年10月26日閲覧。
  17. ^ 「劇場アニメ70年史」(徳間書店)52頁 1989年
  18. ^ タイガーマスク ふく面リーグ戦 - 文化庁日本映画情報システム
  19. ^ 映画『タイガーマスク ふく面リーグ戦』作品情報”. 映画.com. 2012年10月26日閲覧。
  20. ^ 「劇場アニメ70年史」53頁
  21. ^ タイガーマスク 黒い魔神 - 文化庁日本映画情報システム
  22. ^ 映画『タイガーマスク 黒い魔神』作品情報”. 映画.com. 2012年10月26日閲覧。
  23. ^ 「劇場アニメ70年史」55頁
  24. ^ 故・梶原一騎氏の実弟、真樹日佐夫氏が『タイガーマスク』実写映画化を明言”. ORICON STYLE (2011年2月11日). 2012年10月26日閲覧。
  25. ^ ウエンツがタイガーマスク! 初の実写映画化で変身”. スポーツ報知 (2011年11月27日). 2012年10月26日閲覧。
  26. ^ 実写版「タイガーマスク」ビジュアル初公開!ウエンツ瑛士、渾身のアピール映画.com 2013年6月19日
  27. ^ アニメ王の称号は誰の手に!? auが「アニメ王決定戦」開催 - ケータイwatch 2011/2/23 14:22”. インプレス. 2016年11月25日閲覧。
  28. ^ ウエンツ瑛士主演、実写版「タイガーマスク」主題歌がAAAに決定!シネマトゥデイ 2013年8月13日(2013年8月18日閲覧)
  29. ^ アスキー・メディアワークスの前身であるメディアワークスとは無関係の映像作品制作会社。
  30. ^ 近未来が舞台の「タイガーマスク」&バケモノが主役の新連載2本、サードで”. コミックナタリー (2015年10月6日). 2016年10月16日閲覧。
  31. ^ 漫画『TIGER MASK ーシャドウ・オブ・ジャスティスー』公式ページ”. ヤングマガジン公式サイト|無料試し読みと作品情報満載!. 2016年10月16日閲覧。
  32. ^ タイガーマスクW、新日本プロレスと「完全連動」,日刊スポーツ,2016年9月7日
  33. ^ 「歌と体操 母子に人気 フジテレビ系『ピンポンパン』のヒット」『読売新聞』1971年11月5日付朝刊、23面。
  34. ^ 特別2.タイガーマスク運動支援プロジェクト(前橋市ホームページ)2017年12月15日閲覧
  35. ^ 'I didn't want glory. I wanted money'”. ガーディアン (2006年8月4日). 2012年10月26日閲覧。
  36. ^ NHK朝ドラ「なつぞら」主人公が描くアニメの原作は何だ?日刊ゲンダイ)2019年9月10日、2019年9月22日閲覧





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