エンジェル伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/12 13:47 UTC 版)
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このフィクションに関する記事は、ほとんどがあらすじ・登場人物のエピソードといった物語内容の紹介だけで成り立っています。
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| エンジェル伝説 | |
|---|---|
| ジャンル | 少年漫画、学園漫画、ヤンキー漫画 |
| 漫画 | |
| 作者 | 八木教広 |
| 出版社 | 集英社 |
| 掲載誌 | 月刊少年ジャンプ |
| レーベル | ジャンプ・コミックス 集英社文庫 |
| 発表号 | 1993年2月号 - 2000年3月号 |
| 巻数 | 全15巻 文庫:全10巻 |
| 話数 | 全84話 |
| OVA | |
| 原作 | 八木教広 |
| 監督 | 貝澤幸男 |
| キャラクターデザイン | 伊藤尚往 |
| アニメーション制作 | 東映動画 |
| 製作 | 東映ビデオ |
| 発売日 | 1996年9月13日 |
| 話数 | 全2話 |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | 漫画・アニメ |
| ポータル | 漫画・アニメ |
『エンジェル伝説』(エンジェルでんせつ)は、八木教広による日本の漫画作品。月刊少年ジャンプ(集英社)1993年から2000年にかけて連載された。全15巻。集英社漫画文庫が全10巻。OVA化(1996年9月13日発売[1])もされた。
初期から中期以降にかけて絵柄が洗練されていったが、変化はかなり大きく、比較すると殆ど別物になっている。日常的な描写と異色なギャグで人気を博し、長期連載となった。舞台は「某県」とあるが、白雲高校の番長である児島の定期券には「那覇交通」と記載されているため、沖縄県とされる(なお、作者の八木教広は沖縄県出身)。登場人物の名前は有名な画家をもじったものが多い。
あらすじ
とある地方の碧空高校に一人の少年・北野誠一郎が転校してくる。北野は見る者を怯えさせる悪魔のような人相を持つが、性格は極めて善良で天使のような少年である。誠実かつ真面目な優等生だが、その外見による誤解から初対面の相手からは不良や犯罪者のように思われることが日常茶飯事だった。
碧空でも早々にその顔から不良と誤解され、また偶然から番長の黒田をシメた形となったために無自覚に碧空の新番長となってしまう。以降、同級の不良少年・竹久や他校の不良も意図せずノシたことで北野の「伝説」が広まっていく。
登場人物
主要人物
作中終盤では(時山と大下を加えて)悪魔番長こと北野が従える北野軍団と呼ばれる。声優はOVA版による。
- 北野誠一郎
- 声 - 飛田展男
- 主人公。碧空高校生。1年11組。
- 見る者に恐怖を抱かせる異様な凶相(凶悪な人相)を持つ少年。本性は極めて善良で真面目な優等生だが、その外見により悪魔などと呼ばれ恐れられる。目のクマなどから薬物中毒者(ジャンキー)の可能性も疑われ、誰にも襲いかかる狂人にすら思われる。また、驚いたり感情が昂ぶるとちゃんと発声できずに「きえええええっ」と奇声になる癖があり、それも誤解を招く要因となっている。しかし、善良な性格ゆえに自分に何か問題があるのではないかと真剣に悩み、怒ることがない。周りの勝手な勘違いと、後述する類稀な身体能力が合わさって、自覚なく碧空の番長となり、数々の「北野誠一郎伝説」が生まれていくことになる。碧空の「悪魔番長」と呼ばれ、終盤では自身は友人と思っている竹久や小磯も含めて「北野軍団」と呼ばれて高校の内外から恐れられる。
- 武術の心得は皆無で、武術家から見てもその肉付きは格闘向きではない。しかし、父親譲りの頑丈な身体と、驚異的な反射神経を持ち、相手の攻撃に対して無意識にその方向に避けることで攻撃を受けているのに見た目ほどダメージを少なくすることができる。このため相対する方は倒すことが出来ない不気味さに怯えてしまう。また、基本的に反撃しないが、軽い抵抗の意思表示としての相手を突き飛ばす目的の両手突きが、相手が宙に浮くほどの強力な双掌打となり、決め手になることがある。
- 小磯良子(こいそ りょうこ)
- 声 - 櫻井智
- 碧空高校生。1年7組。
- 長い黒髪を三つ編みにした髪が特徴の美少女。父が古武術師範で幼少より手解きを受け、並の不良数人相手なら容易く倒せる武道の腕前を持つ。このため男勝りなところがあり、当初は自分と対等に戦える男を探して勝負を挑もうとしていた。持ち前の正義感から不良を嫌う。後述の経緯から敵視していた北野の本性を知ると、碧空高校における彼の最大の理解者となり、また好意を抱く。
- 物語序盤、北野を許してはいけない不良と誤解して決闘を挑む。北野の強運で攻撃を回避され、ますます誤解を深める中で公園で決闘に挑み、そこでようやく彼の本性を知る。直後に別件で恨みを抱かれていた不良・堅山に襲われたところを北野に救われ、好意的に接するようになる。やがて北野からも好意を抱かれ、相思相愛となるものの、互いに奥手で関係は進まない。ただし周りからは交際しているとみなされ、番長の恋人として他校にも知られた存在になる。
- 武術家としては俊敏な動きと蹴りを多用した足技を得意とし、相手のアゴを捉える蹴り上げを決め技とする。このため、足を負傷すると危機に陥りやすい。作中でも屈指の戦闘力で幾奶とはほぼ互角。また、武術家として目が良く、北野の戦闘力の本質を作中で最初に見抜く。
- 竹久優二(たけひさ ゆうじ)
- 声 - 津久井教生
- 碧空高校生。1年11組。2話より登場。
- 派手な金髪が特徴の不良生徒。小柄だが中学時代は「海千中の暴れん坊」と評された喧嘩慣れした武闘派で、並の相手なら容易く倒す。義理堅く忠誠心の厚い性格であり、自分が見込んだ相手には尽くす。また頭の回転も悪くなく、北野と良子の関係を進めようと気を利かすことも多い。
- 北野の少し前に転向してきた少年で、番長の黒田を倒すも、生徒指導の岸田を殴ったために停学となる。復帰後、北野が番長になっていることに驚き勝負を挑むが、様々な誤解から負けを認めて、その舎弟となる。北野が次々と新たな伝説を打ち立てていくため、さらに強い敬意を抱いていく。また北野も自分に気兼ねなく話しかけてくれる友人として親しく接する。
- 物語終盤で北野より自分は不良ではないと告げられショックを受けるも、不良ではなく友人として今の関係を続けることを決意する。直後に飛輪高の北野への襲撃を招いてしまうが、仲間たちと協力してこれを撃退する。
- 黒田清吉(くろだ せいきち)
- 声 - 石井康嗣
- 碧空高校生。3年4組。1話より登場。
- かなりの巨体でパンチパーマの不良生徒。碧空の番長を名乗るものの喧嘩の弱い小心者であり、現在の地位も先輩が卒業したからに過ぎない。その見た目で相手を威圧したり、底の浅い悪知恵を発揮するのがせいぜいで、舎弟の時山と大下からも呆れ返られている。また、頭も悪く単純な思考回路のため、他者に簡単に乗せられやすい。
- 第1話にて噂の転校生である北野をシメようとするも、その容貌に恐れをなした上に、偶然から殺されかけたような形となり、北野に番長を渡し、舎弟となることを誓う。以降は基本的に北野の威を借りて他校の不良を脅すようになるが、荻須の件など、チンケなプライドから自分が上であるように嘘をついたことで窮地に追い込まれることも多い。
- 初期より良子にベタ惚れしており、その彼氏とされる北野を恐れつつも、横取りしようと悪知恵を働かせることが多い。脈がないことは周知の事実であり、いくら手痛い目にあっても諦めないため、かえって感心されることもある。
- 喧嘩が弱いことについては臆病な性格と余計なことを考えすぎるためともされており、荻須程度であれば、本来はその恵まれた体格によるゴリ押しで有利に戦うこともできる。また、物語序盤では北野への恐怖が勝って多勢の白雲の不良たちに挑んで勝つなど、ポテンシャルはあるように描写される。
- 荻須高志(おぎす たかし)
- 碧空高校生。1年7組。
- 赤髪、三白眼が特徴の不良生徒。第22話で転校してきた腕自慢の問題児。後述の経緯から自信を喪失し、自分を高めるべく研鑽するようになるが、基本的にはやられ役が多い。黒田の最初の嘘をいつまでも信じ続け、黒田が番長で北野がナンバー2、かつ黒田が碧空で最強だと思い込んでいる。
- 転校早々に番長を倒して成り代わろうとする。ところが運の悪さもあって戦う相手が竹久や良子といった格上ばかりで自信を喪失し、さらに黒田にすら騙されて良いように扱われる。様々な偶然から北野や黒田には敵わないと思い込み、大人しく舎弟となることを選ぶ。ただし、いくら手酷い目にあっても幾奶に何度も挑むなど根性はあり、良子に頼み込んで平三にも師事する。碧空の中では相対的に弱いだけで決して喧嘩が弱いわけではなく、最後の飛輪高校との戦いでは無双している(また碧空のナンバー8と名乗る)。
- 白滝幾奶(しらたき いくの)
- 碧空高校生。1年12組。白滝の娘。
- 茶色のボブヘアで無表情な美少女。感情がない淡々とした言動が特徴。教育委員会「影の七人」の次期候補で父親より実践的な格闘術を伝授されてきた。普段の言動と同様に、その戦闘スタイルは溜めや予備動作のない淡々としたもので裏拳による不意打ちを得意とする。非常に好戦的で自分の実力を高めることに余念がない。また、「影の七人」の仕事のために転校が多く、前の学校の制服や体操着を着用し続けている。
- 父・白滝の命令を受けて北野を倒すべく碧空に転校してくる。当初、北野に恐怖を感じて萎縮してしまい、そこで恐怖を克服して北野を倒すことが自分の技術を高めることに繋がると考える。そのために男子生徒を手当たり次第に闇討ちする暴走を始め、最終的に良子に止められて敗北し、自分の行動原理が敗北への恐怖であったことを教えられる。
- 父の方針転換によって碧空に長く留まることになり、北野や良子のグループと行動をともにすることが多くなる。クールな態度や歯に衣を着せぬ発言は変わらないものの、穏やかさを持つようになり、同級生たちからも親しまれるようになる。北野に惚れているような素振りを見せることもあり、北野と良子との関係を認めた上で自分は愛人でも良いと本気とも冗談ともつかないことを平然と言う。
碧空高校
碧空高校生徒
- 時山五郎と大下次郎(ときやま ごろう / おおした じろう)
- 声 - 志賀克也 / 有馬克明
- 碧空高校生。3年4組。黒田の舎弟。
- ステレオタイプなモブ的な不良生徒。時山はオールバック、大下はパンチパーマ。基本2人1組で行動し、常に黒田に従う。黒田の命令を聞くが敬意を抱いているわけではなく、あまりの黒田の情けなさに嘆息し、愚痴を言い合うことが多い。
- 本来は平山と同様に名前が設定されていないようなキャラクターであったが、須田編において名前が設定されていること自体をギャグにされ、名前が明かされる。
- 平山郁子(ひらやま いくこ)
- 碧空高校生。1年7組。良子の親友。
- ショートカットの女子生徒。常識人で良子の良き話し相手で、共に登下校することが多い。当初は他の人物たちと同様に北野に恐れを抱くも良子の説明を受けて彼の人となりを理解し、普通に接するようになる。良子と北野の仲を応援することも多い。
- 良子と共に最初期から作中に登場していたが名前が設定されておらず、作中でも黒田から「小磯良子の友人A」と呼ばれ、登場人物紹介でもネタにされる。8巻で名前が登場し、フルネームは第13巻の登場人物一覧で初めて登場した。
- 佐伯祐美(さえき ゆみ)
- 碧空高校生。1年11組。北野のクラスメイト。
- 平凡な女子生徒。他の同級生と同様に転校してきた北野に恐怖する一人。幕間や巻末のオマケ漫画などに登場し、北野に恐怖する様子が描かれる。
碧空高校職員
- 校長
- 声 - 土師孝也
- 碧空高校の校長。名前不明。
- 側頭部を残して禿げ上がった初老の男性。普段は年相応に落ち着いた言動だが、教師としての長年の経験から、自分は外見で人の内面まで判断できると過剰な自信を持つ。この結果、北野に対しては容貌で大悪人と決めつけ、白石に反論されても一切省みない。北野に対し、異常な敵意を持ち、彼を退学に追い込むべく「影の七人」を招聘する。
- 白石(しらいし)
- 声 - 泉尚摯
- 1年11組担任。
- 中肉中背の眼鏡の教師。北野の容貌に恐れつつも、前校での優等生の評判を聞いていることもあって、先入観にとらわれずに北野を評価する。一向に認識を改めず、暴走していく校長のツッコミ役になっている。
- 岸田(きしだ)
- 生徒指導教諭。
- 粗暴な中年男性。対不良のみならず、風紀チェックの名目で女子生徒に公然とセクハラを行うためエロ岸田などとあだ名され嫌われる問題教師。いつものノリで北野に絡んで彼に恨まれたと勘違いする。その後、北野が別件で職員室に来たところ、自分に報復に来たとさらに勘違いを重ね、自身がパニック状態に陥ったことから北野にカッターで切りつけられるような形となって茫然自失となる。以降、北野を極度に恐れるようになる。
- 竹久が停学になった原因の殴られた教師でもある。
- 岩田(いわた)
- 生徒指導教諭。
- スキンヘッドの中年男性。問題児とされる北野の指導をしようと指導室に呼び出すが、たまたまポマードの効きが弱かった日であり、途中で整髪が解けて髪が立ったことを、自分に対して怒髪天を衝いて激怒したと勘違いし、怖気づいて逃げ出す。
影の七人
教育委員会直轄の不良更生の7人のエキスパート。直接的に暴力を振るうなど、手段を問わず退学に追い込むことも厭わないため、非公表の存在で「影の」と付く。作中は4人登場し、途中で白滝が辞めたため、6人体制となる。
校長が北野退治のため碧空高校に招聘し、表向きは新任の生徒指導員として転任してくる。
- 入江(いりえ)
- 最初に登場した「影の七人」。第7話に登場。
- 中肉中背の若い男。碧空町出身の元不良であり、寅年生まれであることから「碧空町の虎」と呼ばれていたと自称する。このため対不良にかなりの自信を持つ。
- 標的の北野を確認しようとした際に竹久と勘違いした上、さらに竹久の北野への丁寧な挨拶を自分にされたものと誤解する。このため北野は元不良である自分に敬意を抱いていると思い込んで安穏とした状態で、本物の北野を指導室に呼び出す。そのため、その相貌に虚を突かれてパニック状態に陥り、自ら窓を突き破って部屋の外に転落する。このまま碧空高校を去ることになり、さらに暴力で教師を追い出したという北野の伝説が増えることになる。
- 熊谷(くまがい)
- 2番目に登場した「影の七人」。第20話に登場。
- 常に空手着を着込んだ強面の大男。「影の七人」で最も武闘派と評され、どう見ても教師に見えない風貌を持つ。その名前から「熊殺し」の異名も持つ。
- 体育のサッカーにおいて事故に見せかけて北野に直接暴力を振るって退学に追い込もうとする。しかし、風邪気味の北野にすべての攻撃を躱された上に、逆に本物の事故で北野からの一撃を受けて昏倒し、敗れる。
- 白滝元(しらたき はじめ)
- 3番目に登場した「影の七人」。幾奶の父。のち正式の碧空高校生徒指導教師。第28話より登場。
- 頭髪が薄い、冴えない風貌の中年男。実は実践的な武術の手練れで、かつて熊谷を殺しかけたこともあるという実力者。普段の言動や表情は穏やかだが、強敵を相手にすると形相が変わり、本気になる。一方で既に引退を考えており、武術の手ほどきをした娘・幾奶を後任にしようと考えている。
- 3人目の刺客として碧空高校に赴任してくる。当初は幾奶を研鑽するために全面的に北野退治を任せるつもりであったが、勘違いもあって北野を強敵と認識し、自分が倒したいと思うようになる。幾奶が起こした暴漢騒ぎでほぼ無人となった校内にて北野に一騎打ちを挑み、追い込んでいく。しかし、最終的には白滝を噂の暴漢だと勘違いしていた北野の不屈の正義感の前に敗れる。
- その後、幾奶が良子との戦いで成長したこともあって碧空高校に留まることを決意し、「影の七人」を辞職し、正式に生徒指導員として碧空に赴任する。三者懇談で来た平三と龍一郎と三つ巴の戦いを繰り広げるなど、その後もしばしば登場する。
- 菱田春華(ひしだ はるか)
- 4番目に登場した「影の七人」。第42話より登場。
- 若い美人教師。登場した他の「影の七人」と異なり、極めて善良で真面目に不良更生に取り組む性格で、また武術や運動は苦手。しかし、その熱意が空回りして全ての行動が裏目に出てしまい、対象者にとっては不幸な結果に終わる天性の才能を持つため、「影の七人」になっている。また、自身のせいで不本意な結末になっていることに、まったく自覚がない。白滝をして苦手と言わしめる。
- 「影の七人」を辞めた白滝の確認として碧空高校にやってくる。なりゆきで北野の指導を行うようになるが、まったく無自覚に(あくまで心からの善意で)その相貌を罵倒し続けた挙げ句、勝手に気絶し、自らが落としたコーヒーカップの破片で手首を切る事故を起こす。ところが、これが北野がナイフで教師を襲ったという決定的証拠とされてしまい、(やはり菱田本人としては無自覚に)彼を停学さらには退学寸前にまで追い込む。しかし、自身を心配した北野の発言から自分が気負い過ぎていたことを自覚し、自らの証言で北野の退学を取り消させ、学校を去る。
主要人物の家族
- 北野龍一郎(きたの りゅういちろう)
- 北野の父親。サラリーマン。
- とてもカタギには見えない目つきの悪い偉丈夫。黒いスーツを好む上に、目が強い光に弱いため屋外ではサングラスが必須でさらにヤクザと誤解されやすい。また身体が非常に頑丈で集団でタコ殴りにされても、メリケンサックで殴られても、殴った方がダメージを負って諦めるほど強い。本性は息子・誠一郎と同様に争いを好まない平和的な性格であり、外見から誤解を受けやすい。また感情が高ぶると「ごおおお」という奇声をあげる。
- 過去編では他校の不良たちから靑山高校の「悪魔番長」と呼ばれ、襲撃にあっては返り討ち(相手が勝手に疲弊するだけ)にしていた。朔風高の不良たちを返り討ちにしたことでその番長・浅井忠次に目をつけられ、さらにその彼女の浅井碧と出会うことになる。碧の頼みで忠次を倒したような形となってそのまま結ばれ、誠一郎が生まれることになる。
- 北野碧(きたの みどり)
- 北野の母親。専業主婦。旧姓:浅井。
- 端正な顔立ちの美人。性格はおっとりしており、優しく気が利く。ただ、通常状態は無表情のために怖い印象もあり、良子は初対面時に「怖いくらい綺麗」「怖くて綺麗」と評する。
- 過去編では悪名高い朔風高の番長・浅井忠次の彼女として登場する。忠次とはいとこで幼馴染であったが、暴力に飲まれた彼に困り果て、噂の「悪魔番長」こと龍一郎に「倒してほしい」と頼み込む。間もなく龍一郎の心優しい性格を知り、頼んだことを後悔する。紆余曲折あって龍一郎が忠次を倒したことで結ばれ、結婚する。
- 小磯平三(こいそ へいぞう)
- 良子の父親。小磯流古武術師範。
- 武闘家然とした体格の良い大柄な中年男性。早くに妻を亡くし、男手一つで良子を育て、武術を教え込む。髭面で強面のため、ヤクザだと誤解されやすい。娘を溺愛するあまり、暴走することがある。黒田など碧空の生徒からは「平三」呼ばわりされる。自宅に立派な道場を持つものの基本的に弟子は取らないとしており、また併設している何らかの店を営んでいる。
- 初期から良子の回想で登場していたが、本格的な登場は◯話から。良子のお見舞いに来た黒田ら不良達に驚きつつ、特に凶相の北野を「悪魔」と罵倒する。良子との良好な関係から北野を特に敵視し、ぶちのめす機会を伺う。このこともあり、娘から北野と付き合っていることは伝えられていない。三者面談では龍一郎、白滝と三つ巴の戦いになり敗れる。
ハルフォード家
第66話(第13巻)で北野家の向かいに引っ越してきた家族。
- 玲雄・ハルフォード(れお ハルフォード)
- ハルフォード家の長男。中学生。
- アメリカ人の血が濃く出たハーフの少年。外見は特異だが中身は普通の日本人少年であり、年相応の感性を持つ。英語は全く喋れない。いつの間にか自分以外が北野家と仲良くなったことで、家族が悪魔(北野)に騙されていると思い込み悩む。偶然出会った幾奶を天使に擬え、北野打倒を依頼する。その結果、北野に戦いを挑んで、心中で葛藤する幾奶の様子を感じ取り、自分の誤りを認め謝罪する。また幾奶に恋心を抱く。
- 沙南・ハルフォード(さな ハルフォード)
- ハルフォード家の長女。中学生。玲雄の妹。
- アメリカ人の血が濃く出たハーフの少女。自室の窓から最初に北野を目撃し、悪魔がいたと騒ぎ立てる。下校中に偶然出会った北野から逃げようとして無人の工事現場の穴に落ち、結果として北野に助けて貰ったことから、以降は「いい悪魔さん」と呼んで懐くようになる。
- パパ・ハルフォード
- 玲雄と沙南の父親。アメリカ人。サラリーマン
- 体格の良い中年男性。人好きのする陽気な性格で社交的。日本で20年過ごしているが日本語や箸の使い方は苦手。特に日本語は時に失礼になるような言い回しを平然とするなど、天然ボケな一面を持つ。
- 沙南が行方不明となったエピソードで、北野と協力して工事現場から脱出する。以降、打ち解け、北野を「悪魔くん」と呼ぶ。
- ママ・ハルフォード.
- 玲雄と沙南の母親。日本人。専業主婦。
- ごく普通の日本人の専業主婦。引っ越し初日から北野碧と仲良くなる。
白雲高校
- 児島猛(こじま たけし)
- 声 - 中田和宏
- 白雲高校3年。白雲番長。
- 偉丈夫の青年。元ボクサーという来歴を持つ近隣の不良高校生の中で喧嘩最強として名高い人物。北野に舎弟が倒されたことのお礼参りとして北野を狙うようになる。また落とした財布を見つけた北野が返すために児島を探したことで話がややこしくなる。最終的に公園での北野との決闘においては一方的に追い詰めるものの、疲弊したところを、彼の強烈な双掌打を浴びて敗れる。
- その後は北野との直接の絡みはないが、後にもしばしば登場する。
- 速水舟一(はやみ しゅういち)
- 声 - 陶山章央
- 白雲高校2年。
- リーゼントヘアの不良然とした青年。児島の側近でナンバー2。児島に財布を渡すために白雲高校にやってきた北野を単身でカチコミに来たと誤解し、返り討ちにしようとする。しかし、雰囲気に飲まれて逃げの一手を取り、ナイフまで出して応戦しようとする。
- その後は北野との直接の絡みはないが、後にもしばしば登場する。
飛輪高校
- 堅山(かたやま)
- 飛輪高校生徒。
- 剃り込みをいれたスポーツ刈りの大柄な体格の不良。常に木刀を持つ。喧嘩が強い上位者ではないが、何度敗れてもリベンジを挑み、どんな手を使ってでも勝とうとするしつこい性格。最強と評される児島からは何度やっても自分が勝つものの、面倒くさすぎて相手にしたくないと言わしめる。
- 黒田に絡んだところを良子に倒されたことをきっかけに、以降、彼女を執拗に狙うようになる。そのため、良子と北野の決闘において、良子を不意打ちして負傷させた上に、北野が一般人であることも知って2人を相手に優位に戦う。しかし、良子を守りたいという北野の天性の戦闘センスを前に疲弊したところを倒される。
- 最終盤に再登場して児島と会話し、互いに北野とは2度とやりたくないと感想を言い合う。
- 塩田(しおだ)
- 飛輪高校2年。最終エピソードの登場人物。
- 竹久の中学時代の先輩。悪魔番長として恐れられる北野が実は普通の人という噂を確かめるべく竹久に探りを入れる。そこで竹久から確証を得られるものの、普通の人と知ってなお悪魔番長を倒したという名声を得ようとしたことで、北野の「友人」として激昂した竹久にのされる。
- 中西(なかにし)
- 飛輪高校3年。飛輪番長。最終エピソードの登場人物。
- 左眼と口に切り傷がある強面の青年。実力は児島を凌ぐといい、顔の傷はヤクザと一歩も退かず喧嘩した痕だと噂される。舎弟の塩田が倒されたことを口実に北野を狙い、思い出の公園に偶然やって来た北野と良子に大勢の手下と共に襲いかかる。影から2人の進展を見守っていた竹久や幾奶ら北野軍団の面々もいたことから最終戦争となり、部下たちは倒された末に、自身も北野の双掌打を浴びて倒される。
各編の登場人物
上記以外の登場人物
須田編
- 須田(すだ)
- 碧空高校生徒会長。
- 腰の低い朗らかな美男子。頭の回転が早く、誰からも信頼されるが、その本性は人気を得るためには手段を選ばない策謀家。北野たちが行った碧空公園不良退治の功績を横取りした上、ついでに番長の北野を潰そうと企てる。やがて良子の存在を知ると、彼女を好く黒田をけしかけて北野と潰し合わせ、反撃した北野を暴力行為で退学に追い込もうとする。しかし、そもそも北野が暴力を行おうとしないこと、極めつけに公衆の面前で良子から不良退治が嘘だと指摘され、そのまま人望を失う。
- 小出(こいで)
- 碧空高校副生徒会長。
- 眼鏡の平凡な青年。須田の側近として忠実に動く。須田の命令に従うものの、どこか間が抜けた行動を取り、時に須田を苛つかせる。
鏑木編
- 鏑木清美(かぶらぎ きよみ)
- 早蕨学園高校生徒。写真部部長。
- ロングヘアの黒髪の美人生徒。写真部部長としてカメラの扱いに長けている。「生」を表現するために「凶行」の写真が大事という持論を持つ。そのため、不良たちの喧嘩を撮影しようとする中で碧空の北野の存在を知り、さらにその相貌を写真に収めたいと暴走していく。一方で、普段の北野の恐ろしい相貌はファインダー越しでは一般人にしか感じられないことにも気づく。最後は部員の菊池たちを動員して相貌に感情が乗った北野を撮影しようとするが、トラックに轢かれそうになったところを北野に助けられ、自分の勘違いに気づく。
- 菊池(きくち)
- 写真部部員。
- 鏑木を好いている青年。そのため、他の部員とともに彼女の無茶な要求に唯々諾々と従う。
- 山崎(やまざき)
- 写真部部員。
- 男子部員の中では顔がよい。鏑木部長の頼みで碧空の制服を調達する。
- 野口(のぐち)
- 写真部部員。
- メガネの学生。良子と幾奶を捕まえようとして逆にやられる。海千中学出身で竹久のことを知っている。
過去編
北野の両親である龍一郎と碧の出会いを描いた過去編の登場人物
- 浅井忠次(あさい ちゅうじ)
- 朔風高校の番長。浅井碧(後の北野碧)の彼氏。
- 暴力を好む粗暴な性格。元は優しい性格であったが幼馴染のいとこで彼女の碧を守るために喧嘩をしていたところ、自身の強さに気づき、暴力に飲まれていった。番長として不甲斐ない舎弟に暴力を振るって統制し、また碧以外にも彼女を複数作っていた。
- 「悪魔番長」こと北野龍一郎に目をつけ、彼が普通の人とわかった後も、倒せば名声を得られるとして付け狙う。しかし、メリケンサックを使うという卑怯な手を使っても龍一郎の頑丈さには通用せず、難儀する。最後は止めようとした碧に暴言をはいたことに激怒した龍一郎の張り手の一発でふっ飛ばされ倒される。
単行本
- コミックス[2]
-
巻数 サブタイトル 発売日 ISBN 1 伝説の幕あけ!!の巻 1993年8月4日 ISBN 4-08-871105-X 2 天使の鉄槌の巻 1994年2月4日 ISBN 4-08-871107-6 3 蒼穹公園不良一掃作戦の巻 1994年8月4日 ISBN 4-08-871145-9 4 告白の場景の巻 1995年1月11日 ISBN 4-08-871146-7 5 伝説崩壊の巻 1995年7月4日 ISBN 4-08-871147-5 6 闘いの淑女の巻 1995年12月1日 ISBN 4-08-871148-3 7 勝利者の柩の巻 1996年3月4日 ISBN 4-08-871149-1 8 碧き空の人々の巻 1996年8月2日 ISBN 4-08-871150-5 9 はるかなる虚空の果ての巻 1997年2月4日 ISBN 4-08-872339-2 10 闘う者たちの午後の巻 1997年8月4日 ISBN 4-08-872360-0 11 魔郷の十字路の巻 1998年2月4日 ISBN 4-08-872522-0 12 強く儚い者たちの巻 1998年8月4日 ISBN 4-08-872596-4 13 悪魔への月の巻 1999年2月4日 ISBN 4-08-872676-6 14 美しき天使たちのかけらの巻 1999年8月4日 ISBN 4-08-872753-3 15 最後の聖戦の巻 2000年4月4日 ISBN 4-08-872857-2
- 漫画文庫[3]
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巻数 発売日 ISBN 1 2007年2月16日 ISBN 978-4-08-618604-9 2 2007年2月16日 ISBN 978-4-08-618605-6 3 2007年4月18日 ISBN 978-4-08-618606-3 4 2007年4月18日 ISBN 978-4-08-618607-0 5 2007年5月18日 ISBN 978-4-08-618608-7 6 2007年5月18日 ISBN 978-4-08-618609-4 7 2007年6月15日 ISBN 978-4-08-618610-0 8 2007年6月15日 ISBN 978-4-08-618611-7 9 2007年7月18日 ISBN 978-4-08-618612-4 10 2007年7月18日 ISBN 978-4-08-618613-1
OVA
1996年9月13日に東映ビデオが東映Vアニメとして製作。原作でのACT.1からACT.2まで(コミックス第1巻分)のアニメ化である。
スタッフ
- 原作 - 八木教広
- 監督 - 貝澤幸男
- 脚本 - 酒井直行
- キャラクターデザイン・作画監督 - 伊藤尚往
- 美術監督 - 谷口淳一
- 撮影監督 - 若尾卓見
- 編集 - 西山茂
- 音楽 - 勝又隆一、TSUYOSHI
- 音響監督 - 三間雅文
- プロデューサー - 嶋津毅彦
- 製作協力 - 東映動画
- 製作 - 東映ビデオ
主題歌
- オープニングテーマ「転がる石のように」
- 歌 - JUN SKY WALKER(S)
- エンディングテーマ「忘れないで」
- 歌 - JUN SKY WALKER(S)
各話リスト
| 話数 | サブタイトル |
|---|---|
| ACT.1 | 最「恐」
|
| ACT.2 | 伝説の幕あけ!! |
サウンドトラック
OVA作品のサントラ盤が1996年9月1日に発売された。全18曲(OP曲とED曲はそれぞれ最初と最後の曲目に収録)で、レーベルはエピックレコードジャパン。
脚注
- ^ 『アニメージュ アニメポケットデータ2000』(徳間書店、p89)
- ^ 集英社 エンジェル伝説コミックス一覧
- ^ 集英社文庫 エンジェル伝説全10巻
固有名詞の分類
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