被服 被服の種類

被服

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/28 14:44 UTC 版)

被服の種類

被服には様々な分類方法があり、例えば文化を基準として、民族服洋服和服等に分けることができる。あるいは、着用部位や素材によって分けることもできる。衣類は重ねて着ることが多いものであるが、日本語では上側(外側)に着る着物を「上着(うわぎ)」と言い、下側(内側)に着る着物を「下着(したぎ)」と言う。英語ではアウターウェアインナーウェアなどと言う。また、上半身に着るものをトップス、下半身に着るものをボトムスと言う。また対象とする年齢や性別によって、子供服紳士服婦人服といった区分も行われている。

民族服

世界各地には、その地域で取れる素材をもとに、現地の気候や生活様式に合わせたさまざまなタイプの民族服が存在する。民族服の形態は、主に腰に衣服を巻き付ける腰布型、肩から全身に布を巻き付ける巻垂型、布の中央に穴を開け、そこに頭部を通して着る貫頭型、衣服の前方が割れており、着た後でそこを合わせる前開型、そしてあらかじめ体型に合わせて服を仕立てる体形型の5種類が存在し[45]、それぞれ気候や生業に合わせた分布を示している。縫製をしない腰布型と巻垂型を懸衣、ゆったりと仕立てる貫頭型と前開型を寛衣としてそれぞれまとめ、体に密着する体形型を窄衣として3種類にまとめる分類法も存在する[46]

また、衣服が皮膚を覆う面積も気候によって大きく異なる。寒冷地域においては、寒さから身を守るため体形型の衣服で全身を覆うことを基本とし、毛皮などの防寒性の高い素材を主に使用する[47]。温暖で冬季湿潤のヨーロッパ中央アジアでは体形型で上半身と下半身の衣服が分かれており、素材は亜麻と羊毛を基本とする[48]。温暖で夏期湿潤の東アジアでは前開型の衣服が基本となり、本来は麻を、後には綿も素材として使用することが多い[49]。高温多湿の南アジア東南アジア南太平洋においては巻垂型や腰布型の地域が多く、綿や麻といった通気性と吸水性のよい素材を主に使用する[50]。高温で乾燥した砂漠地帯では貫頭衣が基本であり、暑熱と砂塵から身を守るために全身を覆うことが多い[7]

こうした民族服は風土に合わせたものではあるが不変というわけではなく、より気候風土に適した素材の伝来や文化の変容によって変遷を重ねてきた。特に19世紀以降、洋服が世界に普及すると、この影響を受けて民族服の中にも変容するものが現れた[13]。また、さほどの歴史を持たない衣服がある民族内に急速に普及し、ナショナリズムと結びついて新たな伝統衣裳として定着することも珍しくない[51]




注釈

  1. ^ 白衣が実用的な役割というよりも、むしろ心理操作のために使われている、ということ、そのカラクリについては、ロバート・S. メンデルソン 著『医者が患者をだますとき』(草思社、1999)で解説されている。

出典

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  3. ^ 「衣服と気候」(気象ブックス039)p98-102 田村照子 成山堂書店 平成25年12月18日初版発行
  4. ^ 「衣服と気候」(気象ブックス039)p103-104 田村照子 成山堂書店 平成25年12月18日初版発行
  5. ^ 「衣服と気候」(気象ブックス039)p132 田村照子 成山堂書店 平成25年12月18日初版発行
  6. ^ 『アフリカを知る事典』、平凡社、ISBN 4-582-12623-5 1989年2月6日 初版第1刷 p.37
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  8. ^ 「衣服と気候」(気象ブックス039)p122-124 田村照子 成山堂書店 平成25年12月18日初版発行
  9. ^ 「衣服と気候」(気象ブックス039)p129 田村照子 成山堂書店 平成25年12月18日初版発行
  10. ^ 「衣服と気候」(気象ブックス039)p171-173 田村照子 成山堂書店 平成25年12月18日初版発行
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  15. ^ 「日用品の文化誌」p83-87 柏木博 岩波書店 1999年6月21日第1刷
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  20. ^ 「新版アパレル構成学 着やすさと美しさを求めて」(生活科学テキストシリーズ)p56-57 冨田明美編著 朝倉書店 2012年8月30日初版第1刷
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  26. ^ a b 「図説 人類の歴史 別巻 古代の科学と技術 世界を創った70の大発明」p274 ブライアン・M・フェイガン編 西秋良宏監訳 朝倉書店 2012年5月30日初版第1刷
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  28. ^ なお、縄文土器(狭義)の縄目文様は撚糸を土器表面で回転させてつけたもので、糸の存在を裏付けるものでもある。
  29. ^ 「新・木綿以前のこと 苧麻から木綿へ」p15 永原慶二 岩波書店 1990年3月25日発行
  30. ^ https://www.nabunken.go.jp/nabunkenblog/2015/09/tanken111.html 「(111)古代の休暇願」奈良文化財研究所・なぶんけんブログ 2015年9月17日 2020年7月18日閲覧
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  35. ^ 「新・木綿以前のこと 苧麻から木綿へ」p11 永原慶二 岩波書店 1990年3月25日発行
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  37. ^ 「日用品の文化誌」p80-82 柏木博 岩波書店 1999年6月21日第1刷
  38. ^ 「ファッション産業論 衣服ファッションの消費文化と産業システム」p124-125 富澤修身 創風社 2003年10月20日第1版第1刷発行
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  40. ^ 「ファッション産業論 衣服ファッションの消費文化と産業システム」p125-126 富澤修身 創風社 2003年10月20日第1版第1刷発行
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  42. ^ 「衣生活学」(生活科学テキストシリーズ)p83 佐々井啓・大塚美智子編著 朝倉書店 2016年1月20日初版第1刷
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  46. ^ 「新版アパレル構成学 着やすさと美しさを求めて」(生活科学テキストシリーズ)p6-7 冨田明美編著 朝倉書店 2012年8月30日初版第1刷
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  50. ^ 「衣服と気候」(気象ブックス039)p150-151 田村照子 成山堂書店 平成25年12月18日初版発行
  51. ^ 「文化人類学キーワード」p79 山下晋司・船曳建夫編 有斐閣 1997年9月30日初版第1刷
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