リヨセルとは? わかりやすく解説

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リヨセル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/13 13:15 UTC 版)

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リヨセルLyocell)は、再生セルロース繊維の一つ。アセテート繊維などのように、誘導体化というプロセスを経由せずに、セルロースそのものを溶剤に溶解させた溶液を紡糸して得られる。

1988年イギリスのコートルズ(Courtaulds)社が試験生産を始めた。コートルズ社は、テンセル®Tencel®)の商品名で販売していた。その後、オーストリアのレンチング・ファイバーズ(Lenzing Fibers)が生産している[1][2]

製法

レーヨンなどと同様に、木材ユーカリなど)等のパルプが原料である[3][1]。これらを、N-メチルモルホリン N-オキシドの水溶液に溶解させて紡糸原液(ドープ)とし、N-メチルモルホリン N-オキシドの希薄溶液中に押出、繊維とする。

二硫化炭素を用いるビスコース法などと違って、完全クローズドシステムを構築できる[1]ため、環境負荷が比較的低いと言われている。

特徴

リヨセルは、誘導体化などのプロセスを経ないため、セルロース分子の重合度の低下が少なく、強度面で優れている。しかし紡糸時に、繊維長軸方向に分子が高度に配列させられているため、ストリングチーズの様に繊維が裂ける(フィブリル化)という欠点が生じ易い。また、粗剛な感触や染色性が多少劣るなどの欠点があるため、そのままで使用することは通常無い。なお、紡糸時に液晶状態を経由すると言われており、単に低分子量のセルロースを原料としても本質的な改善はなされないと言われている。

これらの欠点を補うためにしばしば用いられる方法が、繊維や編織布に対し、「もみ処理」や「たたき処理」を加え、表面にミクロなフィブリルを意図的に形成させた後、セルラーゼなどの酵素を使用してこれらを除去する方法である。場合によっては、さらに架橋処理が施されたりもする。

脚注

  1. ^ a b c TENCEL®” (日本語). www.lenzing-fibers.com. 2018年5月8日閲覧。
  2. ^ テンセル | FAST RETAILING CO., LTD.” (日本語). www.fastretailing.com. 2018年5月8日閲覧。
  3. ^ リヨセル(テンセル)│素材の知識|商品と素材の基礎知識|株式会社ワールド(WORLD)” (日本語). corp.world.co.jp. 2018年5月8日閲覧。

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