製造小売業とは? わかりやすく解説

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せいぞう‐こうりぎょう〔セイザウこうりゲフ〕【製造小売業】

読み方:せいぞうこうりぎょう

自ら製造した商品店舗により、その場個人または家庭用消費者販売する事業所

アパレル業界で、企画製造から販売まで一貫して行う業態をいう。SPAspecialty store retailer of private label apparel)。


製造小売業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/09 00:42 UTC 版)

製造小売業(せいぞうこうりぎょう)とは

  1. 日本標準産業分類における大分類の、卸売小売業に含まれる一業態。大まかにいうと、その場で商品を製造して消費者個人へ販売する事業所の形態。
  2. アパレル産業における、SPA (speciality store retailer of private label apparel) の訳語の一つ。

日本標準産業分類での取り扱い

同一事業所で商品製造及び、個人への商品販売を行う形態のこと[1]。例示としては菓子屋、パン屋[2]、弁当屋、豆腐屋、調剤薬局等[3]が挙げられる。分類は取扱商品により行われる[4]ため、中分類、あるいは小分類では「製造小売業」という分類は生じておらず、細分類において製造小売とそうでないものが区分されている(以下を参照)。

  • 5861 菓子小売業(製造小売)
  • 5862 菓子小売業(製造小売でないもの)

ただし、その場で製造する形態であっても、例えば寿司屋など飲食店で注文を受けてから商品を製造する場合、大分類Mの「持ち帰り飲食サービス業」に該当する場合がある。また、消費税の簡易課税制度における事業区分のように、基本的には産業分類に準じていながらも製造小売の区分が違う(この場合は製造業に区分)場合もある[5]

ちなみに、ここでの分類適用単位は「事業所」であり「企業」ではない[6]。そのため、後述のSPAのように、ある企業が別々の場所に製造工場と小売店舗を持ち、商品の製造から販売まで一貫して行っている場合、製造工場が「製造業」、小売店舗が「小売業」に分類される。菓子でも単店から中堅または大企業化したような和洋菓子メーカー(虎屋モロゾフユーハイムなど)は多くがこの形態である。産業分類を企業に対し同じ考え方で準用することはできる[7]

なお、産業分類が統計のためのものであるため、事業当事者が持っている業態への意識とは必ずしも一致しない。

SPA

speciality store retailer of private label apparel (SPA) は衣料品業界における業態の一種である。自社アパレルブランドに特化した専門小売業、すなわち衣料品ブランド・製品を自社で企画し自社専門ストアで直販する、メーカーと小売が一体化した業態である。

SPAは1986年GAPが自らを定義する用語として生まれた[8]。従来の日本の衣料品業界の商習慣から見て目新しい業態を指すものであったが、GAPの成功により「SPA」あるいはその訳語である「製造小売業」という用語および業態が普及するようになった。

典型的な衣料品サプライチェーンには、メーカー/ブランド - 卸 - 小売がある。すなわち衣料品メーカーがそのブランドで企画・製造をおこない、それが卸売業者を経て、百貨店などの小売店で委託販売される。その場合は多めに仕入れて売れ残りは返品するという商習慣が日本では一般的であった。

これに対しSPAでは衣料品ブランド・製品の企画開発製造から販売までを単一の業者が行う。日本では[要出典]小売業が企画・製造に進出する場合のほか、衣料品メーカー(製造卸)が自らブランドを確立し小売に進出する場合もSPAと呼ばれている。なお、商品企画・製造と小売とを結びつける物流機能などについては「製造小売」業者が自ら手がけなくても「SPA」である。

SPAの訳語としては他に、「総合製造小売業」「企画製造小売業」「製造型小売業」など、「製造」の意味を弱めたものもある。

ちなみに、SPAを営む企業へ日本標準産業分類を準用するのであれば、企業の持つ各部門における付加価値額あるいは産出額が一番大きい部門の業態へ、当該企業は分類されることになる[9]

SPAを行う企業

アパレル産業

それ以外

その他

  • 上記の他、単行本『製造小売業革命―最強の販売システム』のように、メーカーが直接小売する業態を「あえてSPAと分けて」製造小売業と呼ぶ場合もある。[独自研究?]
  • 「タイヤ直販はSPAとは異なる製造小売業である」とする単行本も出版されている。[独自研究?]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 「製造した商品をその場所で個人又は家庭用消費者に販売する」日本標準産業分類 大分類I-卸売業,小売業 総説 小売業 2.(2)より
  2. ^ 日本標準産業分類(平成19年改定)
  3. ^ 商業統計(経済産業省)
  4. ^ 日本標準産業分類 大分類I - 卸売業,小売業 総説 小売業 1を参照。
  5. ^ 消費税法基本通達 第13章2節
  6. ^ 産業分類上における事業所の定義は、日本標準産業分類 一般原則 第2項を参照
  7. ^ 日本標準産業分類 一般原則 第5項
  8. ^ 「speciality store retailer of private label apparel」という言い回しの初出については、同社会長が自ら口にしたなど諸説ある。
  9. ^ 日本標準産業分類一般原則 第6項を準用

参考文献

関連項目

外部リンク


製造小売業

出典:『Wiktionary』 (2012/07/01 01:00 UTC 版)

語源

名詞

せいぞうこうりぎょう

  1. 小売業態一つ衣料品などの販売店商品企画を自ら手がけ、製造外注したり自社内製造部門を持つ場合を指す。


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