パスタ パスタの概要

パスタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/01 06:15 UTC 版)

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イタリアヴェネツィアの店頭にディスプレイされる様々な種類のパスタ

パスタは大きく分けると2種類に分類でき、マカロニに代表される小型のショートパスタとスパゲッティに代表される麺状のロングパスタがある。他に団子状や板状のものもある。

イタリアには地方独特のものも含め650種類ものパスタがあると言われており、毎年のように新しい種類が発表されている。乾燥パスタが多く市販されているが、家庭で生パスタを手打ちすることも出来る。

語釈

イタリア語 pasta はいくつかの異なる意味を持っている。いずれも英語: paste(ペースト)、フランス語: pâté(パテ)や、英語 pastry(ペイストリー)、フランス語 pâtisserie(パティスリー)、イタリア語 pasticceria(パスティッチェリーア)などと同じ語源をもち、俗ラテン語pasta(パスタ。生地、練りもの)に由来するものである。

  1. イタリア料理主食の一つである、小麦粉などを主体とした練り物(生パスタ)、およびそれを乾燥した製品(乾燥パスタ)を指す。より厳密には、パスタ・アリメンターレ: pasta alimentare, 「食用の pasta」の意)と呼ぶこともある。日本語の「」に近い用法だが、細長い形状にこだわらない点が異なる[注 1]うどん蕎麦も、イタリア語話者から見れば「日本の pasta」ということになる。
  2. やや広義の用法として、菓子類も含め、小麦粉を使ったいわゆる粉物の生地全般を指す。各種のパンピザフォカッチャ、各種ケーキ類やマルチパンなど、さまざまな生地を含む。俗ラテン語の原義に最も近い用法。なお中国語における「麺」も広義ではこの意味の用例がある。
  3. とくに菓子類において、生地を焼いて出来上がった製品の種類を指す場合がある。
  4. 派生義として、食品以外のものも含め、ペースト状の製品や物質全般を指す用法がある。日用品の例としてパスタ・ダッチューゲ(: pasta d'acciughe, アンチョビのペースト)、パスタ・デンティフリーチャ(: pasta dentifricia, 練り歯磨き)など。

日本語や英語などでの用法は上記 1. に近く、加えて 1. のパスタを使った「パスタ料理」を単にパスタと呼ぶことも多い。本項ではこれらの用法にもとづいて解説している。

なお、類語としてパスタシュッタ (: pastasciutta) があり、上記 1. とほぼ同じ意味で使われたり、乾燥パスタの別名などとされることがあるが、これは本来、「スープパスタ以外のパスタ料理」を指す言葉である。 スープパスタ(パスタ・イン・ブロード、: pasta in brodo)が最も一般的なパスタの献立であった時代に、パスタをスープに入れる代わりにソースをかけて食べる食べ方を明示的に「パスタ・アシュッタ」(: pasta asciutta, 乾いたパスタ)と呼んで区別した名残りなのだという[1]

歴史

パスタづくり(14世紀)
『少年とスパゲッティ』ユリウス・モーザー画、1808年

イタリア半島におけるパスタの歴史は大変古い。チェルヴェーテリにある紀元前4世紀エトルリア人の遺跡からは現在のものとほぼ同じ形態のパスタを作る道具が出土している[2]。古代ローマ時代にはラガーナ (lagana) というパスタがあったが、現在のように茹でて食べるものではなく、焼いたり揚げたりして食べた。

その後パスタは、ミルクなどと共に茹でられて食べられていた。1000年頃からチーズと共に食べられ、13世紀神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世砂糖をかけて食したのを始め、金持ちはシナモンなどの香辛料をかけていた[3]

現在と同じような食べ方をしている事を記録している最古の書物は、1224年8月2日付のジェノヴァの公正証書ベルガモの医師ルッジェーノが患者の羊毛商人ボッソにあてた文章)である。

現在見られるような乾燥パスタが普及したのは、16世紀半ばにナポリで飢饉に備えるために保存食が必要になったことがきっかけであったとされる。だが同時に、この普及は民衆にパスタを日常的に食べる機会を与えたともいい、それまで打ち立ての麺の旨さを味わえた富裕層以外にも、「ご馳走」としてではなく賞味できるようになった[4]

18世紀初めまでは、スパゲッティは民衆の食べもので、チーズだけをかけて手でつかみ、頭上にかざして下から食べるものであった。1770年代、庶民の風俗を深く愛したナポリ国王フェルディナンド2世が宮廷で毎日スパゲッティを供することを命じ、この時にスパゲッティを品良く食べるため、からみやすいように先が4本のフォークが考案されたと言われる。

1554年、医者であるアンドレア・マッテイオーリがトマトを使ったソースを作る試みをした。17世紀末、料理人アントニオ・ラティーニのスペイン風トマトソースがきっかけとなり、パスタをトマトソースで食べる食べ方が普及した[3]

1995年10月25日に、イタリアローマで第1回世界パスタ会議が開催されたことを記念して、毎年10月25日が世界パスタデーに制定された。EUやイタリアパスタ製造業者連合会などが合同でパスタの販売促進キャンペーンを行っている[5]




注釈

  1. ^ 細長い形状にこだわらないという点では、むしろ中国語の「」(簡体字「」)に非常に近いと言える。
  2. ^ 日本では、本来のオオムギの意味と区別するために「オルゾ・パスタ」または「オルゾー・パスタ」といった呼び名も見られる。

出典

  1. ^ Emily Wise Miller - A Food Lover in Florence
  2. ^ Schwartz, Arthur. Naples at Table. Harper Collins, New York, 1996. p.128
  3. ^ a b c 池上俊一『パスタでたどるイタリア史』岩波ジュニア新書
  4. ^ 石毛直道『世界の食べもの 食の文化地理』P234 講談社学術文庫。
  5. ^ 10月25日は世界パスタデー”. 2014年10月25日閲覧。
  6. ^ 澁川祐子『ニッポン定番メニュー事始め』彩流社、41頁。
  7. ^ DECRETO DEL PRESIDENTE DELLA REPUBBLICA 9 febbraio 2001, n. 187
  8. ^ 「パスタは食べても太らない」──カナダ研究 2018年4月4日 Newsweek
  9. ^ Schwartz, Arthur. Naples at Table. Harper Collins, New York, 1996. p.134
  10. ^ Schwartz, Arthur. Naples at Table. Harper Collins, New York, 1996. p.93-95
  11. ^ Anne Bianchi. From the Tables of Tuscan Women. Ecco, Hopewell, New Jersey, 1995
  12. ^ a b c 大阪あべの辻調理師専門学校著『パスタプロの隠し技』光文社、2000年。ISBN 4-334-97285-3P.20-23




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