ソフトスパゲッティ式めんとは? わかりやすく解説

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ソフトスパゲッティ式めん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/18 03:07 UTC 版)

ソフトスパゲッティ式めん
コンビニ弁当のソフトスパゲッティ式めん
別名 ソフトめん
発祥地 日本
誕生時期 1960年代
提供時温度 常温
主な材料 強力粉食塩
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ソフトスパゲッティ式めん[1][2](ソフトスパゲッティしきめん)は、日本学校給食向けに開発されたである。通称は「スパうどん[2]」または「ソフトめん[2](ソフト麺)」。

原料と製法

ソフトスパゲッティ式めんはうどんのようにも見えるが、うどんとは原料や製法が異なっている[2]

原料

一般的にうどんの原料は中力粉薄力粉である(うどんの項目を参照)。それに対し、ソフトスパゲッティ式めんには強力粉パンコムギ学名: Triticum aestivum)が用いられている。加えてソフトスパゲッティ式めん自体が学校給食向けに開発されたものであることから、市販品でなく学校給食で出されるものには学校給食用強力粉(学校給食用小麦粉の一種)が用いられている[2]。これは学校給食用小麦粉品質規格規程に基づき、強力粉にビタミンB1ビタミンB2を栄養素として添加・強化したものである[2]

製法

ソフトスパゲッティ式めんは、強力粉に食塩水を加えて混捏し、麺にした後に一度蒸して表面を糊化させた上で茹でることにより製造している[1][2]。そのため、うどんや素麺に比べて伸びづらく、消化が良い。また表面が糊化し、かつ中がやわらかいため、うどん用途にもスパゲッティ用途にも適する。

歴史

1960年代の学校給食の主食メニューはパンのみ提供されていたが、当時の給食用パンは美味しくなかったことから児童から不評を受け、これに端を発する給食嫌い(給食離れ)が進行していた。しかし、アメリカ小麦の輸入と消費を維持するという大前提から米飯は導入されなかったため、主食メニューを増やすべくパンの材料を利用しての開発が行われた[3]

そして東京都が1965年に学校給食に採用すると、ソフトスパゲッティ式めんは他の地域でも採用され始めた[4]。県単位での提供地域は中部周辺に多く、滋賀県・福井県より西には島根、岡山、鹿児島県しかない。これについては、西日本ではうどんやラーメンといった既存麺類の食文化が根強いことから、ソフトスパゲッティ式めんが普及しにくかったのではないかとの見方もある[3]

採用地域においては、自校給食の場合でも各地の製麺業者による生産品が蒸し上がった状態で納入される。しかし、出荷の際に40分ほどの時間をかけて90度の蒸気殺菌を行うなど他の麺類に比べて調理に手間がかかることから、業者には敬遠されてきた[3][4]。また、少し遅れて導入された米飯給食や他の麺類の採用により、採用地域においても学校給食の献立から姿を消しつつある。東京都では、2015年に学校給食会において「規格外」とされ、定番メニューから除外された[3][4]

しかし、子供の頃にソフトスパゲッティ式めんを味わってきた世代には懐かしさからまた食べたいと望む声が多いため、スーパーマーケットなどで入手可能な市販品(記事冒頭の写真画像のようなコンビニ弁当など)という形での流通もある[3]。また、学校の教室風の店内演出とともにソフトスパゲッティ式めんやその他の給食メニューを提供する外食店も見られる[5]。『思い出の給食』アンケートでは、関東地方で常に上位に位置している[6][7]

著名なメーカー

関連項目

脚注

  1. ^ a b 生めん類の表示に関する公正競争規約” (PDF). 全国公正取引協議会連合会. 2019年9月17日閲覧。 “小麦粉に水を加えて練り合わせ、製めんし表面糊化した後加工したもの”
  2. ^ a b c d e f g 『丸善食品総合辞典』丸善 p.214 1998年
  3. ^ a b c d e みんな大好き!懐かしの「ソフトめん」 今どうなってる?”. NHK NEWS WEB. 2018年9月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月5日閲覧。
  4. ^ a b c 懐かしの給食“ソフト麺”が存続の危機、“ミルメーク”は47都道府県で愛され中”. 週刊女性PRIME (2017年10月27日). 2020年11月16日閲覧。
  5. ^ ソフトめん:「昭和」の人気給食、消える? | 毎日新聞”. 毎日新聞社 (2016年11月5日). 2022年5月5日閲覧。
  6. ^ 好きだったメニューは、「カレー」と「あげパン」 思い出の〝学校給食″アンケート”. 三菱電機エンジニアリング (2009年8月24日). 2009年9月10日閲覧。
  7. ^ 思い出の給食メニュー、あげぱんVSソフト麺”. oriconグルメ. オリコン (2007年3月9日). 2009年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年9月10日閲覧。
  8. ^ 家庭で給食気分! 東洋水産が「給食大好き!ソフトめん」を8/29に発売 - ニコニコニュース
  9. ^ 名古屋グルメ あんかけスパ2食:商品情報:寿がきや株式会社”. www.sugakiya.co.jp. 2020年11月5日閲覧。
  10. ^ 名古屋グルメ 鉄板イタリアン2食:商品情報:寿がきや株式会社”. www.sugakiya.co.jp. 2020年11月5日閲覧。

外部リンク


ソフトスパゲッティ式めん(ソフトめん)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 10:07 UTC 版)

日本の学校給食」の記事における「ソフトスパゲッティ式めん(ソフトめん)」の解説

1960年代パン主体給食に対して製麺業界が開発した。袋に入っている柔らかい麺をカレーミートソース等に入れ食べる。全国的に見れば普及地域偏りがある。東京都では2015年学校給食会において「規格外」とされ、定番メニューからは既に外れている。

※この「ソフトスパゲッティ式めん(ソフトめん)」の解説は、「日本の学校給食」の解説の一部です。
「ソフトスパゲッティ式めん(ソフトめん)」を含む「日本の学校給食」の記事については、「日本の学校給食」の概要を参照ください。

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