アンチョビとは? わかりやすく解説

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カタクチイワシ科

(アンチョビ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/14 00:32 UTC 版)

カタクチイワシ科
カリフォルニアカタクチイワシ Engraulis mordax の群れ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: ニシン目 Clupeiformes
亜目 : ニシン亜目 Clupeoidei
: カタクチイワシ科 Engraulidae
学名
Engraulidae Gill1861
英名
anchovy
スペインのオイル漬けアンチョビ

カタクチイワシ科(学名: Engraulidae)は、ニシン目に属するの一つ。総称的にアンチョビ英語: anchovy)と呼ばれる。イタリア語アッチューガ acciuga (複数形はアッチューゲ acciughe)、フランス語アンショワ anchois

食用以外に肥料飼料としても使用され、状に加工したものは魚粉フィッシュミールとよばれる。煮干し魚醤も生のアンチョビを使って作られることがある。

なお、日本における「アンチョビ」とは、通常は「塩漬けアンチョビ」を指す。

分類

上顎骨の後端が眼の位置よりもずっと後ろまで伸びるためが大きい。これは、ウルメイワシ科やニシン科マイワシなど)との顕著な違いである。吻(口先)はややとがり、下顎よりも前に突き出ていることが多い。顎の歯の発達は種によってさまざまである。カタクチイワシ亜科は体が細長い円筒形に近く、外見はイワシに似る。エツ亜科はそれほどイワシに似ておらず、高く立った特徴的な背びれを持つ。背に青みがかった、いわゆる青魚である。腹側は銀色である。

約20種の淡水産種が知られ、南アメリカを中心に分布する。ニシン科とは異なり、本科魚類の化石種は極めて少数しか知られていない。ほとんどはプランクトン食だが、一部に魚食性種がある。

エツ亜科

エツ亜科 Coiliinae は約6属50種を含む[1]。腹鰭の前後に稜鱗をもつ。臀鰭が長く、エツ属では尾鰭と連続する。

カタクチイワシ亜科

カタクチイワシ亜科 Engraulinae は約11属100種を含む[2]。腹部の稜鱗は腹鰭の前方のみにある。臀鰭は短い。ほとんどの種は南北アメリカ大陸の沿岸に分布する。

漁獲

FAO調べ、2005年[5]

順位 和名 英名 学名 千トン
1 ペルーアンチョビ anchoveta Engraulis ringens 10,215
8 カタクチイワシ Japanese anchovy Engraulis japonicus 1,639
28 ヨーロッパカタクチイワシ European anchovy Engraulis encrasicolus 381
46 ミナミアフリカカタクチイワシ southern African anchovy Engraulis capensis 286

世界的にはペルーアンチョビ(アンチョベータ)が非常に多い。乱獲により減少しているが、それでも、種別の統計で2位のスケトウダラ(279万トン)に数倍の差を空けて1位である。日本で主に漁獲されるのはカタクチイワシである。

利用

塩蔵アンチョビ

塩蔵アンチョビをのせたピンチョス(右)
右上に見えるのが塩蔵アンチョビ。そこに黒オリーブ、にんにくを加え、オリーブ油で和えれば、南仏風の万能ソース「アンショイアード」(anchoïade)ができる。

塩蔵品は、三枚におろして内臓を取り除いた小魚を塩漬けにして、冷暗所で熟成及び発酵させたものである。オリーブオイルを加え、缶詰瓶詰にする。主にイタリアスペインモロッコで生産されている。

缶詰には、三枚におろした身肉をそのまま平らに並べたフィレー・タイプのものと、その身肉をケッパーの実を芯にして渦巻状に巻いたロール・タイプのものがある。ペースト状にしてチューブに入れられた製品もある。

塩蔵アンチョビはヨーロッパの料理によく用いられる。19世紀までは高級なため、富裕層や貴族以外は食べられなかった。そのまま、あるいはペースト状にして食べるほか、サンドイッチカナッペの具としたり、ピザパスタプッタネスカなど)、サラダシーザーサラダなど)の味付けに用いたりもする。この他にも、アンチョビを用いる料理にはヤンソンの誘惑バーニャ・カウダがある。欧米のウスターソースにもアンチョビが含まれている。

なお、アンチョビと似た加工食品に「オイルサーディン」があるが、アンチョビは 「塩漬けにしたカタクチイワシ」で非加熱であるのに対して、オイルサーディンは、「油漬けにしたサーディン)」で加熱したものである。アンチョビの方がはるかに塩辛く、オイルサーディンよりも小さな魚を用いて作られる。また、オイルサーディンは頭と内臓を除くだけで、三枚にはおろさない。オイルサーディンもまた高級なため、富裕層や貴族以外は食べられなかった。

イカン・ビリス

マレーシアではインドアイノコイワシ属やタイワンアイノコイワシ属の小魚をゆでて塩漬けにしたあと、乾燥させた食品「イカン・ビリス(ikan bilis)」がサンバルの材料として、また、かりかりに揚げてナシ・ルマッのおかずやパンの具にして日常的に食べられている。同様のものをインドネシアでは「イカン・テリ(ikan teri)」という。

煮干し

日本の田作(カタクチイワシの煮干し)

日本ではカタクチイワシを塩ゆでした後、素干ししたものを煮干しなどと呼び、食用や出汁を取るためによく利用する。

刺身

日本では漁獲量のほぼ100%が加工用として出荷され、鮮魚が市場に出回ることは少ないが、取れたての物は刺身でも食べられる。青魚独特の脂があって美味である。

脚注

  1. ^ Coiliinae in fishbase”. 2015年3月4日閲覧。
  2. ^ Engraulinae in fishbase”. 2015年3月4日閲覧。
  3. ^ Engraulis capensis in FAO”. 2015年3月4日閲覧。
  4. ^ “Engraulis capensis”. World Register of Marine Species. 2015年3月4日閲覧.
  5. ^ Ⅰ.世界の漁業・養殖摘要”. 2015年3月4日閲覧。

関連項目


アンチョビ(アッチューガ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/07 09:37 UTC 版)

マクラ」の記事における「アンチョビ(アッチューガ)」の解説

マクラは南隣のチェッレ・ディ・マクラとともに、アンチョビ(イタリア語では「アッチューガ」acciuga)の塩漬け知られている。古くら行商人として生活を立ててきたこれら山間村の人々は、イタリア北部の諸都市にアンチョビを広め役割担った伝説によれば、かつらを作るための毛髪ジェノヴァ売り行った行商人が、アンチョビを仕入れて帰り道売りさばき、大儲けをしたのがきっかけとされている。「塩漬けのアンチョビ」には、塩に課される高い関税免れる抜け道という側面持っており、富裕な人々によって買われたばかりでなく、塩の不足する山間部貧しい人にも経済的な調味料として利用された。マクラ公式サイトによれば北イタリア広がったマクラ出身者はアンチョビを扱うことから各地商売起こしたといい、第二次世界大戦後スーパーマーケットという業態確立するとともにアンチョビが普及することにも彼らの役割があったという。

※この「アンチョビ(アッチューガ)」の解説は、「マクラ」の解説の一部です。
「アンチョビ(アッチューガ)」を含む「マクラ」の記事については、「マクラ」の概要を参照ください。

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