十二支の戦士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 00:31 UTC 版)
順番は「子」から「亥」に至る干支の一般的な記順に基づく。名前は「十二支の戦士」としての名前 / 本名の順。 寝住(ねずみ)/ 墨野 継義(すみの つぎよし) 声 - 堀江瞬 「子」の戦士。3月3日生まれ。身長170センチ。体重55キロ。欲しいものは『夢が欲しい』。肩書きは『うじゃうじゃ殺す』。A型。 戦士最年少で、プロテクタースーツを着た銀髪の高校生。細身の剣を武器にする。基本は寝ており妙に達観した性格だが、チーズを食べている時だけはテンションが上がる。学校ではクラスメイトに挨拶されるが、すぐそっぽを向かれる。しかし、「君には夢も希望もないのかい?」と言う女の子(声 - 本泉莉奈)とは会話を交わす仲。学校の成績は悪くはないが賢いわけでもない。戦闘能力はあまり高くなく、後述する能力の可能性の中では庭取や異能肉との交戦に当たって逃げ回った挙句に殺されている。 確率世界に干渉し百通りの分岐を同時に実行し、一つを真実として確定する能力『ねずみさん(ハンドレッド・クリック)』を使用する。またシミュレートといっているが、実際は自身が知り得ないはずの情報を取得でき、相手も自分に対して既視感を覚えたりする。ある前提のもとに百回試して無理そうであればその前提自体を放棄することで101番目の可能性とすることができる。能力自体は非常に強力であるが、そもそも彼自身の能力が他の面子に比べてさして高くないのが問題であり、百回試しても不可能なものは不可能である。さらに、試行の過程で受けた苦痛や恐怖といったものは全て蓄積されてしまう上に脳の過負荷で普段から眠気に苛まれている。また、百回試してもダメだった時の絶望感への恐怖もあり、彼自身じゃんけんくらいにしか使えない能力と認識している(このため、「試行回数を千に増やす」という願いは放棄した)。達観した性格も、様々な分岐を試してきたことから正解や正しい道という概念を否定するようになったため。 百通りの分岐の中で唯一生き残った、作中で描かれた世界を確定し、第十二回十二大戦に優勝した。なお、終章でのドゥデキャプルとの問答の様子や作中で迂々真が篭城した金庫内に出現したのも「ねずみさん」による擬似的な人海戦術でバリケードの隙間を探し出したという回想から、実際には百通りの分岐の中でもことあるごとに能力を使用している。 「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」では99通りの願いの候補を試した後、願いを叶える権利を持っていたことを忘れるために願いを行使した。これは、彼が人の感情を無碍にできるほど無粋でもなければ人のために尽くせるほど献身的でもなく、適当な願いに飛びつくほど強欲でもなければ願ったものを途中で投げ出せるほど諦めがいい訳でもなく、叶えた後のことを考えられない無計画でもなければ有意義な願いの叶え方を思いつけるほど賢くもないという彼の「質」によるもの。結果、さしたる希望も志もない自分が、希望や志のあった者たちを葬ってまで叶える願いとして選出できなかった。そして、決まった願いは「99の願いを忘れさせたい」と心を叫んだ。それ以降は、学校では願っても無いように満ち足りた顔をして寝に来るようになる。泳げない。 『十二大戦対十二大戦』では開始時点で自身が勝利したはずの記憶を有しており、「ねずみさん」を酷使したことで発生した致命的なバグのような分岐と推測している。破局を予感しつつも十二支の戦士同士の戦闘を回避できる好機と捉えていたが、しかし実は本人は大戦が開始される前に殺害されフレンド・シープに成り代わられていた。 失井(うしい)/ 樫井 栄児(かしい えいじ) 声 - 梅原裕一郎 「丑」の戦士。2月2日生まれ。身長181センチ。体重72キロ。欲しいものは『助けが欲しい』。肩書きは『ただ殺す』。 長身長髪で闘牛士の衣装を着ており、角のように見える部位があるが本当の角かは不明。細身の割には大食漢で、禁酒をしている。5歳の頃から戦場に出ていた。使用武器は量産品のサーベル「牛蒡剣(ごぼうけん)」。語尾に「だがね」とつけることが多い。 能力はなく、わけがわからないと喩えられるほど純粋に強く、「皆殺しの天才」と称されている。その戦闘力たるや、腕を骨ごと容易く両断し、サーベルの刺突で頭蓋骨を貫通させることができるほど。ただし、斬撃に特化したスペックであるため、これを無効にするような特性持ちには弱い。 正しいことをただ正しく行うことを信条としており、過去に妬良と出会ったことで信条を完成させているが、戦いに巻き込まれた一般人と誤解しており、再会した後も面影を感じはしても気付いていない。 十二大戦開始直後に憂城の能力に気付き、憂城が殺すよりも先に自身が他の戦士を殺すことで憂城の手駒の増加を防ぐように立ち回る。妬良と手を組み、憂城と交戦し彼を自死に追いやる。死体となった憂城と戦闘を続けるが、憂城の体内に潜んでいた砂粒に抑え込まれ膠着状態に陥り、憂城や砂粒の死体ごと自身を吹き飛ばすという寝住に賛同し、「醜怪送り」の爆発に巻き込まれ消滅した。 『十二大戦対十二大戦』では、戦士達の前で名乗った直後に、寝住に擬態していたフレンド・シープに首を撥ねられ殺害された。 妬良(とら)/ 姶良 香奈江(あいら かなえ) 声 - 五十嵐裕美 「寅」の女戦士。1月1日生まれ。身長154センチ。体重42キロ。欲しいものは『正しさが欲しい』。肩書きは『酔った勢いで殺す』。 トラ耳のカチューシャにトラ柄のブラジャーとパンツ、サイハイブーツを身につけている。友達とショッピングに行っては最後は飲み会になり、いつも酔ってばかりいる。 威圧感を消し自身を弱く見せる技量に長ける。酔拳の使い手であり、はいつくばって獣のような体勢から攻撃を行う。 元々は真っ直ぐな性格だったが、社会の矛盾や歪みを許容できず自ら折れて曲がった過去を持つ。当初は空手スタイルの武術使いであったが、この頃から酒に溺れた果てに現在のスタイルを得た。失井とは曲がった時期に出会っており、心の師として仰いでいた。 憂城との戦いで致命傷を負い「死体作り」の対象下に置かれないように失井の手で殺されることを望み、死亡した。 『十二大戦対十二大戦』では、ドクター・フィニッシュを非戦闘要員と誤認したため、ルック・ミーに気を取られた隙きを突かれ安楽死させられた。 憂城(うさぎ) 声 - 岡本信彦 「卯」の戦士。戦士の名以外、ほとんどのパーソナリティが不明。欲しいものは『お友達が欲しい』。肩書きは『異常に殺す』。 筋肉質な肉体をしており、バニーガールの男性版とでもいうべき上半身裸にホットパンツとサスペンダー、巨大なウサギの尻尾の飾りとうさ耳カチューシャを付けている。両腕に持った大鉈「三月兎」と「白兎」を武器にする。 殺した相手と本人に曰く「お友達」になれる(使役できる)能力『死体作り(ネクロマンチスト)』の使い手。操られた死体はバラバラになってもそれぞれの破片が自律行動を行う。この状態でも各人の特殊能力は使用可能。使役する死体が殺した相手にも能力の効果は及ぶが、知能を持たない死体による殺害では手段をコントロールできず使役不可能な状態にしてしまう可能性があると理解してからは、とどめは自分で刺すことにしている。弱点は火であり、死体を焼かれると能力が解除される。また、凍らされたり骨だけにしたりすると動く事はなくなる。逆にそれ以外では切り刻もうがミンチにしようが動ける範囲であれば動くことができ、失井にとってはひたすら相性が悪い。また、急速再生するといった能力はないため、身動きが取れないほど細切れにされると単独での活動再開には時間がかかってしまう(再生できない訳ではない)。生首状態の断罪・弟の視界を参考にしたかのような描写があるが、感覚共有が可能なのかは不明。 死体を操る汎用性の高さからトリッキーな戦法を使うが、死体は彼にとってあくまでも「友達」であり、捨て駒にするような使い方はできない。また、寝住と意気投合した分岐の存在や 『十二大戦対十二大戦』において対十二星座の戦犯の共闘に賛同したことなど、生きた人間とのコミュニケーションが不可能というわけでもない。 失井と妬良の即席タッグと交戦し「生きている人間同士が信頼を結べる」という憂城にとってあり得ない光景を見たこともあり、殺される寸前に自殺を選び、自身の能力の対象下に自身を置くことで死体となった後も脱落することなく十二大戦を継続する。自殺直後の段階で失井によって細切れにされるも、砂粒を操作して筋線維や小腸、歯といった人体のパーツを使って無茶苦茶な設計を無理矢理体を修復した上で、奇襲のために砂粒をその内部に潜ませた。かくして奇襲は成功し、失井を押さえつけることに成功するが無茶な計画のために崩壊した体を修復している隙に寝住が回収した必爺の「醜怪送り」によって消滅した。 『十二大戦対十二大戦』では、戦士達の前で名乗った直後に寝住に擬態していたフレンド・シープによって殺害された。 断罪兄弟(たつみ きょうだい)兄 / 積田 長幸(つみた ながゆき) 声 - 江口拓也 「辰」の戦士。11月11日生まれ(戸籍上)。身長164センチ。体重58キロ。欲しいものは『何も欲しくない』。肩書きは『遊ぶ金欲しさに殺す』。 「巳」の戦士(剛保)とは双生児で容貌がほとんど同じ。声を発し一人称を言わなければ、他人から容易に識別できない(長幸は自分を「俺様」と呼ぶ)。なお、断罪の家は十二大戦で候補者を二人擁立することで勝率を上げるスタンス。 金の折り合いがつけばどんなことも引き受ける戦犯に近い戦士であり、その姿勢から戦争裁判にかけられたこともあるが、バロン・スーにより無罪と判決されている。悪事で稼いだ金を慈善事業に使い込むという『遊び』を、退廃的に楽しんでいる。 空の上に留まる通常技『天の抑留』を使用する。武器は氷冷放射器「逝女(ゆきおんな)」。 実の弟が死んでも平然としている非情な性格だが、弾劾裁判の際には弟を庇う形の発言をしており、またアニメ版では弟の危機に駆けつけたり、十二大戦においてどちらか一人しか生き残れないことに少なからずショックを受けたような様子を見せたことから兄弟としての情は多少なりともあった模様。 空の上から十二大戦の経過を観察していたが、憂城が状況を把握するため断罪兄弟・弟の頭を空の上まで投げ上空俯瞰しようとしたことで発見され、同じように空の上まで投げられた憂城に殺された。体を上下に切断されてしまうが、自身の能力で上半身は浮遊状態で参戦する。 『十二大戦対十二大戦』では、バロン・スーから事前に情報を得ており、戦犯に近いこともあり寝返りも可能と楽観視していた。自分達に敵意を見せるダブル・マインドと遭遇し交戦するも、事前にマペット・ボトルに「逝女」の液体水素を抜かれ、遠距離から放たれたウンスン・サジタリの矢によって殺害された。 断罪兄弟(たつみ きょうだい)弟 / 積田 剛保(つみた たけやす) 声 - 鳥海浩輔 「巳」の戦士。10月10日生まれ(戸籍上)。身長164センチ。体重58キロ。欲しいものは『金が欲しい』。肩書きは『遊ぶ金欲しさに殺す』。 「辰」の戦士(長幸)の双子の弟であり、彼のことを「お兄ちゃん」、「兄君」、「兄貴」などと呼んでいる。「辰」の戦士(長幸)と瓜二つの風貌。 多数の爬虫類を飼育しており、育成ブログを公開している。死亡したペットは火で炙った後に食べて供養する。 周囲の状況を地面からの振動によって把握できる能力『地の善導』の使い手。武器は火炎放射器「人影(ひとかげ)」。 床下で何かの作業中だった砂粒に気を取られている隙に憂城によって大戦が始まる前に殺されていた。首を切断されてしまっているが、自身の能力によって移動中の存在を追跡することは可能。持っている武器を含め、終始他のメンバーにいいように使われている。 『死体作り』の能力で動かされる。この状態で妬良と対峙した際には、彼女に燃料タンクを奪取されていたために蛇拳の構えをとっていた。 『十二大戦対十二大戦』では、兄と同様にマペット・ボトルとウンスリ・サジタリによる遠隔攻撃(タンクの燃料蒸発と遠的)で殺害された。 迂々真(ううま)/ 早間 好実(そうま よしみ) 声 - 緑川光 「午」の戦士。9月9日生まれ。身長230センチ。体重150キロ。欲しいものは『才能が欲しい』。肩書きは『無言で殺す』。 スキッドが付いた手甲と兜を身につけた、屈強な筋肉男。寡黙でほとんど喋らないが、いい声らしい。趣味はボトルシップ。 上記の出鱈目な攻撃力を誇る失井の斬撃を何度も受けてもかすり傷程度という、人体では考えられない強度の防御術『鐙』を使用する。少なくともコンクリートよりは固い。かつて軍隊に入っていたが、あと一歩のところで敗れ去り、肉体改造を行って現在の姿になった。その能力は自身を支える柱であり、弱い自分を隠す鎧でもある。 比較的後ろ向きなメンタリティであったためか、砂粒の和平提案に賛成する。開戦後は同じく賛成派だった失井を探すも、もはや手を組む価値はない状況と判断した彼に襲撃される。斬ることしかできない失井に対して比較的有利な性能であるが、防御に徹していないと破られてしまうのか、結局敗走する羽目になった。鐙を破られたことで心が折れ銀行の金庫室に隠れていたが、寝住を追った断罪兄弟・弟の火炎放射により酸素を奪われ窒息死した。そのせいで憂城の『死体作り』の能力で動く事はなかったが、後に憂城の指示で侵入してきた砂粒によって獣石を回収される。 『十二大戦対十二大戦』では、ルック・ミーに倒されるが防御術により死亡までは至らず、ドクター・フィニッシュによって操り人形にされ必爺と交戦させることで処理された。 必爺(ひつじい)/ 辻家 純彦(つじいえ すみひこ) 声 - チョー 「未」の戦士。8月8日生まれ。身長140センチ。体重40キロ。欲しいものは『時間が欲しい』。肩書きは『騙して殺す』。 最年長でヒゲを生やし、笠を被っている。若い頃から髪から角が生えていた(婿養子であるため、未の家柄とは無関係)。第九回大戦の優勝者であり、「孫の顔が見たい」という願いをかなえ、その孫(声 - 田中あいみ)の代わりに二度目の参加をした。元武器商人で商売のため戦場に赴くうちに戦士としての素質が露わとなり、得意客だった辻家家に婿入りした過去を持つ。超火力の自作爆弾「醜怪送り」を扱う。当初、開始時点の集合場所でいきなり使用して勝負をつけるつもりだったが、殺意に気付いた砂粒が会場を崩落させたことで失敗した。 老いにより戦士としての技量は失っているが長年の経験を活かして立ち回り反則行為も平然と行う。そのため戦士の中では唯一獣石を飲み込まず、ヒゲに隠していた。大戦では獣石を飲み込んでいないことをアドバンテージに参加者の中位ランカーの誰かと結託しようと探し廻っていた。この際、獣石が体外にあるのは「分子結合をコントロールすることができる(=他の人間からも石を取り出せる)」と説明するつもりだった。その途上に妬良と出くわし交戦、妬良の力量を大会参加者最下位と見誤り殺害された。彼の死体から醜怪送りを回収できたことで、寝住は憂城を倒せたのは妬良の功績と語っている。 「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」の回想では、寝住に願いを問われ「不老不死」と答えている。 『十二大戦対十二大戦』では、操り人形となった迂々真を燻り殺すために「醜怪送り」を使い果たし、サー・カンサーに降参し殺害された。 砂粒(しゃりゅう)/ 柚木 美咲(ゆうき みさき) 声 - 早見沙織 「申」の女戦士。7月7日生まれ。身長150センチ。体重40キロ。欲しいものは『平和が欲しい』。肩書きは『平和裏に殺す』。 メガネとヘッドフォンがトレードマーク。尻尾が生えている。失井と憂城に並んで実力ランキングトップ3に挙げられるほどの凄腕の戦士であるが、彼女自身は争いごとを好まない究極の平和主義者。お菓子作りが趣味。同棲中の恋人(声 - 安達勇人)とはもう5年の付き合いになり、そろそろ結婚を考えている。 三人の仙人水猿(声 - 大川透)岩猿(声 - 斧アツシ)気化猿(声 - 中博史)の下修行につき、破壊した岩を砂に変える、液体を操る等、物質の三相を操る「仙術」を持つが禁忌として封印している。 自身が持つ力を争いに使わず和平の為に使用したことによりこれまで数多の戦争と内乱を和解に導いてきた。成功の裏にあるたくさんの失敗による争いで生まれてくる負の犠牲を全て飲み込んでなお綺麗事を述べるなど心も強い。ただ、 『十二大戦対十二大戦』での異能肉の回想ではその活動初期においては戦争を止めるため「交戦する両国の指導者を殺害する」などの強引な手段を取っていた様子が描かれている。 十二大戦開始早々必爺が放った殺気を感じ取り、参加者を守るためタワーの床を崩壊させた。その後寝住と共に行動し排水路で身を隠していたが、憂城に場所が割れて地上に出されたことにより交戦。彼が和平協定に賛成だったこともあり、あくまで無力化のための制圧を目的に戦うも、実は枝に断罪・弟の頭部を設置した木の所まで誘き出されており、それによって背後からの攻撃を看破されていることに気付かなかっため、一瞬の不意を突かれ憂城に敗北し、成り果てのゾンビになってしまう。なお、開始前に床下で何かをやっていたようだが、詳細は不明。バラバラになった憂城の死体をパーツとしクリーチャーのような姿へ組み立て、その中へ隠れた(漫画では全裸で)。敗北する前、寝住に「もしも私が死んで『死体作り』に操られるようなことがあったら、君が私を殺して」と何処か悲しげな顔で頼んだ。 『十二大戦対十二大戦』では、サー・カンサーと交渉を行うも停戦協定は成り立たず勝利条件を明確にする交渉に移ろうとした瞬間に、ドクター・フィニッシュの毒で毒死した。 庭取(にわとり)/ 丹羽 遼香(にわ りょうか) 声 - 佐倉綾音 「酉」の女の子戦士。6月6日生まれ。身長153センチ。体重42キロ。欲しいものは『自分が欲しい』。肩書きは『啄んで殺す』。 緑髪にニワトリのトサカの髪留め、羽毛のマントを羽織り、服装はブラジャーとショーツのみと露出度が高い格好をしている。非力であることを自覚しており、自分を守るためなら何でもすることを厭わない「強かさ」の持ち主。ストレスを感じると温泉に行く。使用武器は鋤「鶏冠刺(とさかざし)」。露出度の高い恰好は、返り血対策。 あらゆる鳥類と意思疎通する能力『鵜の目鷹の目(うのめたかのめ)』により戦死者の遺体などの餌を提供することと引き換えに鳥類の協力を得ている。これにより広範囲の情報収集が可能となっている。アニメでは死体の骨を鳥に回収させることで証拠の隠滅なども行っていた。 幼少期より凄惨な虐待を受けて育ち、15歳の時に両親を殺害した過去を持つ。また、それにあたって以前の記憶を全て喪失する。その後丹羽家に引き取られ、戦士として育てられていった。他人に対して「状況の構成要素」という考えの持ち主で関心が無いに等しい。 怒突を騙し一時的に手を組んで、「ワンマンアーミー」を施させた直後に殺害。「死体作り」で動く異能肉を鳥葬で始末した後、鳥の総数の減少及び満腹から能力の実行レベルが下がったことで戦線から一時離脱した際、寝住と遭遇し彼に連れられ砂粒と再会。実は「ワンマンアーミー」のせいで破綻していたメンタルが正常な状態となっており、その状態で砂粒と会話したことで価値観が揺さぶられ動揺してしまう。交渉は断ったものの動揺している最中に失井に出くわし、砂粒を守るため失井と戦い両目を貫かれ、敗れ去った。その後、自らの死体を鳥類に食べられることを決意した。 『十二大戦対十二大戦』では、「鵜の目鷹の目」により戦犯達の動きを監視し、応用で逃亡にも使用している。砂粒が殺害されたことで一人での逃走を決め、怒突を騙し「ワンマンアーミー」を施させた。また怒突の指導や「ワンマンアーミー」の精神への影響でピトフーイを対象の体内に侵入させ毒殺する新技「百舌鳥の毒」を開発している。置き土産としてウンスリ・サジタリを殺害し、海を泳ぎ逃走を図るが、マペット・ボトルの能力が海にまで及ぶとは思い至らず溺死した。 怒突(どつく)/ 津久井 道雄(つくい みちお) 声 - 西村朋紘 「戌」の戦士。5月5日生まれ。身長177センチ。体重52キロ。欲しいものは『勝ちが欲しい』。肩書きは『噛んで含めるように殺す』。 イヌというより、オオカミのような見た目でイヌ耳と尻尾が生えている。能力は噛みつき技『狂犬鋲』を隠れ蓑とし、体内で調合した毒を感染させる『毒殺師』。また体内で解毒剤も生成することが出来、獣石の解毒剤も生成していた。また毒は毒でも「殺さない毒(ドーピング)」も可能であり、庭取は彼が持つ秘薬「ワンマンアーミー」を狙っていた。 普段は保育士として働いており、働きぶりは真面目で子ども達や保護者達からの評判は良い。料理もできる様子。社会的モラルから外れ一般的社会では生きていけない子供を殺害することに後味の悪さを覚え、素質のある子供を適切な組織へ流すことを本業としている。その為、自身を戦犯に近い戦士と自覚し責任を感じている。 十二大戦では当初地下で身を潜め、数が少なくなった終盤で行動を移そうと考えていた。しかし庭取に見つかり彼女に誘われ、庭取を利用し尽くして殺すつもりで手を組んだ。「歩く死体」となった異能肉と遭遇し、庭取に戦わせるために「ワンマンアーミー」を注入する。策を思案している隙を突かれ、目的を達成した庭取に顔を潰されてしまい死亡する。 実は娘(義理)がいる。かつて間違って変態に売り飛ばしてしまった少女であり、売却先を直々に襲撃して救出した。彼女もまた社会不適合者なのかなど、何を以て「間違い」なのかは不明。映像化に当たって、寝住からはこの身の上話を聞いた上で「生き返らせたくない面子」の一人に数えられていることが判明した。 『十二大戦対十二大戦』では、かつて自身が商品として売り渡した教え子のドクター・フィニッシュとゴー・トゥ・ヘヴンが戦犯側にいたため戦いに消極的となっていた。自身に「ワンマンアーミー」を多重投与しようとする素振りを見せたドクター・フィニッシュを止めようと麻酔を施そうとするが、意図せず異能肉の射戦を塞ぐ形となり彼女の銃弾により死亡した。 異能肉(いのうのしし)/ 伊能 淑子(いのう としこ) 声 - 日笠陽子 「亥」の女性戦士。4月4日生まれ。身長176センチ。体重60キロ。欲しいものは『愛が欲しい』。肩書きは『豊かに殺す』。 左目尻に泣きボクロ、両耳にイノシシのキバのピアスをつけている。本来、参加権を持っていたのは妹だったが、彼女を殺害して(アニメでは自殺に追い込んで)権利を奪っている。彼女の父親(声 - 楠見尚己)は前回の第十一回十二大戦の覇者。使用武器は機関銃「愛終(あいしゅう)」・「命恋(いのちごい)」。弾切れなく機関銃を乱射し続ける能力『湯水のごとく(ノンリロード)』の使い手。 ミスをするとすぐさま鉄拳制裁をする虐待的なまでに苛烈な教育方針を持つ父親に技術を叩き込まれ、一方で母から超がつくほど溺愛されてきた。相反する両者の期待を公平に応えた結果、ドレッシーな服装だが、両手に機関銃を持っておくという現在のスタイルになった。 十二大戦開始直後、憂城と交戦。断罪兄弟・弟の気配に気付けず、後ろから羽交締めされてしまい、憂城に腹を一突きされ敗れる。死体を利用されるが、庭取の呼び寄せた鳥類の群れと交戦。能力で多数の鳥を撃ち落とすも最終的に「鳥葬」され、肉片も残さずに消滅した。 「どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い」の回想では、寝住に願いを問われ「35億人のイケメンに囲まれたハーレム」と答えている。 『十二大戦対十二大戦』では、砂粒が死亡したことを受け、本心では彼女に友情を感じていたことを自覚し意思を継ごうとする。図らずも怒突を殺害してしまったことで生じた隙を突かれ、ドクター・フィニッシュの投擲した真空管注射器により血液を失い死亡した。
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