十二支の家族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 17:47 UTC 版)
「フルーツバスケットの登場人物」の記事における「十二支の家族」の解説
本作品ではキャラクターの性格形成の上で幼児期の体験などに焦点を当てることが多い。 物の怪憑きの実親の多くは、子に対して「過保護型」と「拒絶型」に分かれる傾向にある。また、物の怪憑きが生まれた家、また物の怪憑きを養育している者は(実の親でなくても)本家から多額の金を貰っている。 草摩 藉真(そうま かずま) 声 - なし / 井上倫宏、町井美紀(7歳頃) / 森川智之、七瀬彩夏(幼少期) 草摩一族の一人。夾が尊敬する武術の師匠で、養父。 母親が亡くなり、父親からも放棄された夾を養子として引き取る。猫憑きであったことから亡き祖父を拒絶していた。そのことを現在も悔やんでいて、懺悔もあり夾を引き取ることにした。しかし、懺悔の念以上に夾を本当の子供のように愛している。 透の夾に対する気持ちに気付いた時、祖父の伴侶(藉真の祖母)のように猫憑きに対する同情や哀れみからの感情ではないのかと不安になっていた時期もあったが、それが違うと分かってからは透と夾の関係を温かく見守っている。 料理が壊滅的に不得手で、その上読書をしながら行ったりもし、「今日はなんとなくできそうな気がする」という考えを起こしては失敗している。妙なところでアバウトな一面を持つ。 藉真の祖父 声 - なし / 菅谷勇 / 小形満 藉真の祖父。夾の前の猫憑きであり、家族や一族に阻害され、酷い扱いを受けていた。死後は草摩の外に設けられた墓で眠る。 夾の父 声 - なし / 井上和彦 / 松本忍 「拒絶型」。自己中心的で無責任な性格の持ち主で、自分の至らなさを棚に上げ妻の死の要因を息子に責任転嫁し、自分は何一つ悪くないと彼の全てを拒絶し続けた。なお、妻の自殺の直接の原因は、「化け物の父」と周囲から扱われることに耐えかねた彼が、妻と息子に拒絶する言葉を投げつけたこと。 根本的に「弱い」人で、不安をすべて他人に押し付けなければ自分を保てず、押し付けてもなお不安が残るという人物。 『another』においても改心する事は無く、夾やその家族とは相変わらず不仲である。夾の息子で孫のはじめとは特に折り合いが悪いらしく、彼からは「あんな奴家族じゃない」と蛇蝎の如く忌み嫌われている。 夾の母 声 - なし / 長沢美樹 / 湯屋敦子 元々は「過保護型」。夾が「化け物」呼ばわりされるのを防ぐべく、彼を人目のつかない場所にしばしば隠そうとしていた。息子への愛情は有していたが、彼が物の怪憑きであることからは眼を背け続けた。周囲からの重圧や夫の冷たい発言に精神を病み、耐え切れず自ら命を絶つ。 由希と綾女の母 声 - 大原さやか 鼠憑きを産んだことで一族の中でも優遇され、豪遊三昧の毎日を送っている。由希への愛情は希薄であり、本家への貢物程度にしか考えていなかった。しかし進路相談の三者面談以降は態度を改め、親らしい言葉をかけるようになっていった。かなり若々しい容姿をしている。 なお綾女に対しては、実の息子でありながら悲鳴を上げて取り乱すほどに苦手としている。夫も同様らしい。 潑春の母 後姿のみ登場。性格を覗わせる描写は、潑春が学校で暴れた件で呼び出しを受けた際の、彼の「親は笑うか」という発言のみ。作者曰く、「良い親とはいえない」とのこと。紫呉の母親と仲が良いらしく、由希の回想シーンで一緒にお茶をしていた。 杞紗の母 声 - なし / 寺田はるひ(現・七緒はるひ) / 遠藤綾 十二支の親として「過保護型」になる例とされていた。娘への愛情が深すぎる故に、彼女が失語症に陥った際には心労から鬱状態となっていたが、娘共々透の言葉に癒された。以降は元気にしている姿がところどころで見られる。燈路の母と仲が良い。キャラクターランキングでは、燈路の母を抜いて上位に入っている。 紅葉の両親 声 - なし / 仲尾あづさ(母)、関俊彦(父) / 本田貴子(母)、柳田淳一(父) 母親はドイツ人。息子が物の怪憑きであることに耐えられず、紅葉を「拒絶」してしまい、心を病む。「産まなければ良かった」の言葉を残し、はとりにより記憶を隠蔽されるときには「一番の後悔はあの生き物を体から出したこと」と言っていた。記憶をなくして以降は幸せに暮らしている姿を見せる。記憶隠蔽後、紅葉のことを「紅葉ちゃん」と呼ぶ。 父親は妻を助けるために言わば紅葉を家族の輪から見捨てることを選んだものの、紅葉も妻をも受け入れ続け、二重生活のような形で両者と共に存り続けている。 『another』では紅葉に家業を継がせたことが明らかになった。 草摩 モモ(そうま モモ) 声 - 田中沙耶 紅葉の8つ年下の実妹で、普通の人間として誕生。たどたどしい喋り方をする。透のアルバイト先のビルで、母にそっくりである紅葉に出会ってから彼のことが気になっている。ありさの探している人物が紅野であることを確かめるために、透が草摩家本家に訪れた際、ある条件と引き換えに彼女を本家の「中」に案内する。その条件とは「紅葉に『お兄ちゃんになってほしい』と伝えること」。 紅葉同様、会わないようにと父から言い含められているが、時折「中」に忍び込んでは紅葉がヴァイオリンを弾いているのをこっそりと見ている。 『another』では紅葉の妹であることが周知されており、父のあとを継いだ紅葉の補佐をしている。 はとりの両親 共に故人。父は彼同様一族の主治医。両親とも厳格だったとのこと。 依鈴の両親 声 - 緒乃冬華(母)、加藤将之(父) 両親とも回想シーンに登場。幼い頃は幸せな家庭を演じていたが、それを疑問に思った依鈴のふとした一言でその仮面を脱ぎ捨て、以後は彼女に虐待を加えるようになった。ほどなくして娘から隔離されたが、現在も「中」で暮らしている。 草摩 五月(そうま さつき) 声 - 高橋美佳子 燈路の母。十二支の親の中で唯一名前が判明している人物。出産直後、抱き上げて羊に変身した燈路に対し、「羊大好き!」と言い放った驚異の人物。それ以後も深い愛情を持って息子を育てていった。しかし、極めて天然な危なっかしい人物であるため、かえって息子は「自分がしっかりしなくては」と今のような幾分口が過ぎる性格になったとのこと。 その後、第二子「日向(ひなた)」も出産。夫(声 - 野島健児)はほとんど出番がないが、幸せそうに二人で並んで話している姿が見られる。 草摩 日向(そうま ひなた) 作中で生まれた燈路の妹。十二支が全員生まれているため、普通の人間として誕生。作者曰く「ブラコンになると思う」。 『another』に成人した姿で登場。車で志岐を草摩家の別荘に送り届ける役目を担った。本人に自覚は全くないが一族に知れ渡るほどのスピード狂であるらしい。また、酒乱である。 利津の母 声 - なし / 山本順子 / 小島幸子 息子よりも先に登場。息子同様に加害者妄想が強く、些細なことで取り乱し叫びながら謝罪する癖がある。優秀な人物であることが多い物の怪憑きでありながら、その才能を発揮出来ずにいた利津のために、若い頃から頭を下げ続けてきたことがその原因と思われる。夫も同様に、息子のために頭を下げ続けてきた。 目の下の隈と乱れた髪から病弱さが目立つが、息子同様、どこか根っこのところでは逞しさを感じずにはいられない人物。一族の保養施設でもある旅館の女将をやっているが、前述の通り病弱なので経営は従業員に任せている。しかし、柱にすがるほど無理をして出てきた時には透たちが驚くほどの逞しさ(と恐ろしさ)が感じられた。 モデルは前作『翼を持つ者』に登場した女の幽霊。それきりの登場ではもったいないとリニューアルしての登場。作者はあの半狂乱を見たら「全力で逃げるか、腰を抜かす」と証言している。 紅野の両親 両親が回想シーンで一度だけ登場。楝と晶の結婚に関しては、「二人が幸せなら」と肯定的だった。紅野が成人してからは疎遠だったらしい。 紫呉の両親 声 - 仲村かおり(母) 料亭での宴の出席者として登場。母親は由希の回想シーンで顔が明かされている。息子とは疎遠の様子。紫呉は母親似。 楽羅の母 声 - 木村亜希子 「過保護型」寄りらしく、娘を心配する姿が見られる。楽羅が幼かった頃はそれなりに家庭が荒れていたようだが、今現在は物の怪憑きとしては珍しく幸せな家庭らしく、実親に虐待され実家から離された依鈴を預かっている。
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