「不老不死」とは? わかりやすく解説

「不老不死」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 16:11 UTC 版)

ベニクラゲ」の記事における「「不老不死」」の解説

生物学における不老不死」も参照 普通のクラゲ有性生殖の後に死ぬが、前述通りベニクラゲ類は再びポリプへと戻ることができる。成熟個体触手収縮や外傘の反転サイズ縮小などを経て再び基物に付着ポリプとなる。生活環逆回転させるこの能力動物界では大変稀であり、これによりベニクラゲ類は個体としての寿命による死を免れている。当然ながら、個々ベニクラゲ食物連鎖において常に捕食される可能性があり、本種の全ての個体が死を免れている(永遠に生き続ける)ということ意味するものではない。 有性生殖能を獲得するまでに発生進んだ個体クラゲ類ではクラゲ)が未成熟の状態(クラゲ類ではポリプ)に戻る例は、後生動物としては本種と軟クラゲ目のヤワラクラゲ (Laodicea undulata) でのみ報告されている。動物におけるこのような細胞の再分化分化転換 (transdifferentiation) と呼ばれる論理的にはこの過程制限はなく、これらのクラゲ通常の発生分化転換繰り返すことで個体が無限の寿命持ち得ると予想されている。そのため、「不老不死(のクラゲ)」と称される場合もある。ただしこれは、老化現象起こらないわけではなく若い状態に戻るだけなので、より厳密にいえば若返りである。ちなみに腔腸動物ポリプ老化現象寿命認められないことは珍しくなく、むしろ大多数の種で老化寿命はないであろう思われている。 この現象地中海産のチチュウカイベニクラゲ(T. dohrnii)で発見され1991年学会発表されてセンセーション起こしたその後各地追試されたが、地中海産のものでしかこの現象見られなかった。しかし、鹿児島湾採集され個体同様の能力を持つことが2001年かごしま水族館確認された。 2011年若返り回数世界記録は、京都大学瀬戸臨海実験所久保田信准教授による9回であったが、その後2012年12月15日発売雑誌久保田信准教授は「10回も若返らせることに成功した」と発表した。 さらに、久保田信准教授は、公益財団法人かずさDNA研究所との共同研究により世界で初め次世代シークエンサー用いた分子生物学解析論文2016年公表した。その論文では、クラゲを針で突いて人為的に若返らせて、4つステージ:(I)クラゲ未成熟個体、(II)針で突いて団子状になったもの、(III)団子状態から根を生やし始めたもの、(IV) 若返ったばかりのポリプ、を用意してそれぞれのステージからメッセンジャーRNA (mRNA) を全て抽出し次世代シークエンサー用いて配列解析している。取得した配列断片解析した結果各ステージ特異的に発現する遺伝子機能遺伝子群の推定成功しクラゲ個体では他のステージ比べて多く種類遺伝子多岐に発現していること、ポリプへの若返り途中過程では、異化二次代謝触媒活性DNA結合などの機能を持つ遺伝子多く発現していることなどが判明した若返りのしくみを解明するための基礎的な情報となると期待できる

※この「「不老不死」」の解説は、「ベニクラゲ」の解説の一部です。
「「不老不死」」を含む「ベニクラゲ」の記事については、「ベニクラゲ」の概要を参照ください。

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