い‐か〔‐クワ〕【異化】
読み方:いか
[名](スル)
1 《dissimilation》音変化の一種。同じ音、あるいは調音上類似している音が一語の中にあるとき、一方が別の音に変わる現象。「ナナカ(七日)」が「ナヌカ」または「ナノカ」、「ボノーニア」(地名)が「ボローニア」となるなど。
2 生物が外界から摂取した物質を体内で化学的に分解して、より簡単な物質に変える反応。これによってエネルギーを得る。カタボリズム。異化作用。⇔同化。
3 心理学で、差異の著しい二つの性質や分量を接近させることで、その差異がさらにきわだつこと。
4 ロシアフォルマリズムの手法の一。日常的で見慣れた題材を異質なものに変化させること。シクロフスキーらの提唱した語。
5 ⇒異化効果
異化
異化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/31 06:32 UTC 版)
異化(いか、 ロシア語: остранение, ostranenie[1])は、慣れ親しんだ日常的な事物を奇異で非日常的なものとして表現するための手法。知覚の「自動化」を避けるためのものである。ソ連の文学理論家であるヴィクトル・シクロフスキーによって概念化された。
- ^ 提唱者のシクロフスキーは後にстранный(奇妙な)という言葉にすべきだったと述懐している。佐藤千登勢は、ロシア語にостранить(脇によける)という動詞があることを挙げ、異化には「奇妙なものにし、位置をずらす」という意味を読み込んでいる (佐藤 2006年) p.22
- ^ (佐藤 2006年) p.23
- ^ 松原明訳「手法としての芸術」『フォルマリズム : 詩的言語論』p.25
- ^ (桑野 1979年) p.426
- ^ ソシュールは実際に話されている言葉(パロール)でなくその体系(ラング)こそが言語学の扱う対象だとした
- ^ (佐藤 2006年) p.27
- ^ (大石 1988年) p.433
- ^ a b (佐藤 2006年) p.8
- ^ 坂倉千鶴訳「言葉の復活」『フォルマリズム : 詩的言語論』1988年、pp.13-19
- ^ (桑野 1979年) pp.97-100
- ^ (佐藤 2006年) pp.27-28
- ^ 一方で佐藤は、厳密な定義そのものが自動化をもたらすものであり、それは異化の思想と反するものだとも述べている (佐藤 2006年) p.33
- ^ 松原明訳「手法としての芸術」『フォルマリズム : 詩的言語論』1988年、p.26
- ^ (大石 1988年) p.432
異化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 06:05 UTC 版)
異化(異化作用)とは外部から取り入れた高分子量の有機物あるいは無機物を水やアンモニアなどの単純な低分子まで分解し、その過程でエネルギーを得てATPを合成する代謝である。現生する生物は地球上に存在するほとんどの有機化合物を代謝できると言われているが、異化代謝系が各々に存在しているわけではなく、代表的なATP生成機構に最終的には集約されていく。それらの機構とは発酵、呼吸、光合成の3つである。光合成はカルビン - ベンソン回路が含まれる場合は同化反応となりうるが、光化学反応においては、NADPHおよびATPが生産されるために異化反応に分類される。またATP合成を主たる目的とした循環的光リン酸化はより異化反応的側面が強い。
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