その活動とは? わかりやすく解説

その活動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/04 20:31 UTC 版)

ジャコモ・ラウリ=ヴォルピ」の記事における「その活動」の解説

ラウリ=ヴォルピは、(デビュー当時、ルビーニを名乗った事実示されるとおり)19世紀前半ロッシーニベッリーニオペラ、特にその中でも超高音域を要求される役柄(たとえば『ギヨーム・テル』、『清教徒』など)において秀でていた。1929年スカラ座ローマ歌劇場、ナポリ・サン・カルロ劇場パリ・オペラ座連続して行われた『ギヨーム・テル』の初演100周年記念公演アルノルド役を歌って絶賛されたほか、『清教徒』のアルトゥーロ役では、ベッリーニ原譜記されたとおりの旋律歌ってハイFの音を出すなど、ラウリ=ヴォルピにしか演奏の質が保障できないテノール役も存在した。彼は自叙伝誤解』第6章で、1919年デビュー時歌ったこの最高音Fについて、「ルビーニの時代賞賛されたようなある種ファルセットではない」と語る一方、「胸声voce di petto=chest voice」だったとは断言していない。仮に男声がこの音高いわゆる胸声」で発しうるとしても、当然ながら、伝統的なイタリア・オペラでの使用不可能である。したがってラウリ=ヴォルピが誇った高音域は、今日ファルセット」と通称される様々な発声方法のうちの一つ演奏されたと推測できるが、彼自身は、それが19世紀前半テノール歌手用いた特殊なファルセットとは別物だと考えてたらしいラウリ=ヴォルピはコントラルト的なテノール歌手としてデビューしたとはいえ今日では一般に重い声が必要と信じられている役、たとえば『アンドレア・シェニエ』の主役1923年以降)、『アイーダ』ラダメス役(1924年以降)、『トゥーランドット』のカラフ役(1926年以降)、『イル・トロヴァトーレ』のマンリーコ役(1927年以降)、『道化師』のカニオ役(1928年以降)、『オテロ』の主役1942年以降)などでも、その知的な作品解釈と、本来の歌唱様式則した演奏において、他のテノール歌手たちの追随を許さなかった。 ラウリ=ヴォルピは舞台裏でもプリマ・ドンナならぬプリモ・ウォーモ、あるいはディーヴォとして振舞ったとする風説流布し、その高慢な態度共演者舞台関係者への毒舌報酬へのこだわり(「ジーリよりも1セントいいから多くギャラをくれ」とメト経営陣要求した等々)が、真偽のほどは別として語り伝えられている。ジーナ・チーニャマリア・カラスのような共演女性歌手自分よりも賞賛されたので以降共演拒否したとの噂、メトでは皇帝然として君臨していたトスカニーニ衝突したというエピソードなど伝説事欠かないこのような言い伝えが現在も残る理由には、次の二つ考えられる第一にムッソリーニ個人的にラウリ=ヴォルピを高く評価したが、ファシスト政権イタリア国民の声代表する歌手としてジーリ公認したので、ラウリ=ヴォルピはそのライヴァルと見なされて組織的な中傷差別待遇受けたこと。第二に、ラウリ=ヴォルピが歌の技量教養両面において、ジーリのみならず他の全ての同僚たちら抜き出ていたため、多く人々が彼への羨望嫉妬抱いていたこと、である。 上述のごとく、ラウリ=ヴォルピは大学法学専攻したほどのインテリで、これは20世紀前半オペラ歌手には稀有経歴であった今日イタリアでは、大卒オペラ歌手自体はさほど珍しくない)。彼はその並外れた教養批評精神文筆発揮し自叙伝誤解』L' equivoco(1938年)、日記式の随筆率直に言えばA viso aperto(1953年)、オペラ歌手評論歌手対比列伝』Voci parallele(1955年)、歌唱哲学論『生ける水晶』Cristalli viventi(1948年)とその改作である『人声神秘』Misteri della voce umana1957年)、またスペイン内戦取材した純粋小説雄々しき大地La prode terraなどを著した。うち『歌手対比列伝』はプルタルコスの「対比列伝」に示唆得て、様々の時代オペラ歌手の声を2人ずつ比較するというユニークな評論形式とっている。

※この「その活動」の解説は、「ジャコモ・ラウリ=ヴォルピ」の解説の一部です。
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