その比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 04:21 UTC 版)
「国境会戦 (朝鮮戦争)」の記事における「その比較」の解説
韓国軍は戦車を有さないうえに、有効な対戦車火力にも欠けていた。各歩兵連隊は6門の57mm対戦車砲を有し、また各歩兵小隊に2門の2.36インチ(60mm)対戦車ロケット弾発射器(M9/M9A1「バズーカ」)が配されていたが、これらはのちに、北朝鮮軍のT-34戦車に対しては事実上無力であることが分かった。このため、機甲火力については、北朝鮮軍の優位はまったく隔絶したものであった。 砲兵火力についても、質・量ともに大きな格差があった。砲兵連隊の装備については、韓国軍は有効射程6,525mの105mm榴弾砲M3型を15門装備する程度であったのに対し、北朝鮮軍は有効射程11,710mのM1938 122mm榴弾砲を12門、有効射程11,260mのSU-76 76mm自走砲を12門、有効射程13,090mのM1939 76mm野砲を24門、計48門の火砲を装備していた。北朝鮮軍ではさらに各歩兵連隊にM1938 76mm山砲が4門配備されていたので、これを含めると1分間の投射弾量比は1:10で北朝鮮軍師団の圧倒的優位であった。また迫撃砲についても、60mmの軽迫撃砲で韓国師団の81門に対し北朝鮮師団は108門、80mm級の中迫撃砲で韓国師団の36門に対し北朝鮮師団は81門、口径100mm超過の重迫撃砲については、韓国師団がアメリカ製4.2インチ(107mm)重迫撃砲を一切保有していなかったのに対して北朝鮮師団は18門のソ連製120mm重迫撃砲を有していた。山がちな朝鮮半島の地形を考慮すると、迫撃砲における差は極めて重大である。
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