【対戦車砲】(たいせんしゃほう)
第一次世界大戦において出現した戦車に対抗すべく、戦車の装甲を撃ち抜き、撃破、破壊する事を目的に使われる砲。
車輌や人力で牽引するため機動力は低く、戦法は基本的に待ち伏せである。
当初、高初速の徹甲弾を小銃にて発射していたが、次第に重防御になっていく戦車にあわせて、大口径化、高初速化していき、その結果対戦車砲が生まれた。
第二次世界大戦中は、敵戦車に対する対抗手段のひとつとして活躍した。
戦争が激化してゆく中、成形炸薬弾を使用する軽量な無反動砲や対戦車ロケットが開発される。
これら、成形炸薬弾を使用する砲や発射機は目標までの距離や弾速に関わらず一定の貫通力を持つ利点があったが、弾道が不安定なため命中精度に難があり、対戦車砲を置き換えることは出来なかった。
しかし戦後、技術の進歩により誘導弾が開発される。
対戦車ミサイルは大きさははさまざまだが、同威力の対戦車砲より軽い上に、命中精度も高く、多くの物は成形炸薬弾を使用していたため距離による貫通力の低下が無かった。
初期の対戦車砲にくらべ重く、巨大になった対戦車砲は撃破するべき戦車の装甲が進化に追いつけなくなり、軽量で扱いやすい対戦車ミサイルへ置き換えられていった。
ただ、完全に消えたわけでもない。
戦車に搭載された砲は敵戦車の撃破を主目的とするのであり、戦車砲は現代も残る対戦車砲の一種であろう。
関連:FLAK
(37mmPak35/36)
対戦車砲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 01:06 UTC 版)
対戦車砲(たいせんしゃほう)とは、対戦車兵器として使用される大砲である。
注釈
出典
- ^ 大砲と装甲の研究(Pak38)
- ^ Pak40/2を搭載した対戦車自走砲(2号戦車車台)、 Pak40を搭載した対戦車自走砲の例(2)(Sd.Kfz.251車台)、Pak40/3を搭載した対戦車自走砲(LT-38車台)、大砲と装甲の研究(Pak40)
- ^ 大砲と装甲の研究(Pak43/41)
- ^ 大砲と装甲の研究(45mm対戦車砲M1942)、45mm対戦車砲を搭載した対戦車自走砲の例
- ^ 大砲と装甲の研究(ZIS-2)、 ZiS-2を搭載した対戦車自走砲の例、ZiS-2を改良したZiS-4を搭載した戦車
- ^ 大砲と装甲の研究(ZIS-3)、ZiS-3を搭載した対戦車自走砲の例(2)(ソ連軍)、ZiS-3を搭載した対戦車自走砲の例(3)(ルーマニア軍)
- ^ 「第1回陸軍技術研究会、兵器分科講演記録(第1巻)」21頁。
- ^ 「第1回陸軍技術研究会、兵器分科講演記録(第1巻)」23頁では押収されたラ式37mm対戦車砲の1937年製の弾丸と概ね同等とされており、同資料においては「タングステン」弾を他国の同種の弾丸と同等のものとして各種の計算を行っている。
- ^ 6ポンド対戦車砲を搭載した対戦車自走砲の例
- ^ 17ポンド対戦車砲を搭載した対戦車自走砲の例(1)、17ポンド対戦車砲を搭載した対戦車自走砲の例(2)
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