さくら‐じま【桜島】
桜島(鹿児島県)
1117m 北緯31度35分19秒 東経130度39分17秒 (御岳) (世界測地系)
1060m 北緯31度34分38秒 東経130度39分32秒 (南岳) (世界測地系)
概 要
桜島は姶良(あいら)カルデラ(南北17km、東西23km)の南縁部に生じた安山岩~ デイサイ ト(SiO2 57~ 67% )の成層火山で、北岳、中岳、南岳の3 峰と権現山、鍋山、引ノ平などの側火山からなり、人口が密集する鹿児島市の市街地に近接している。有史後の山頂噴火は 南岳に限られるが、山腹や付近の海底からも噴火している。「天平」「文明」「安永」「大正」 「昭和」の大噴火はすべて山腹噴火であり、多量の溶岩を流出した。また、火砕流や泥流 の発生もあった。桜島は東西10km、南北8km、周囲40km の島であったが、1914 年(大正3 年)の大噴火で山腹から流出した溶岩により大隅半島と陸続きになった。現在は東西 12.2km、南北9.5km、周囲52km の不規則な楕円形である。南岳山頂火口は1955 年(昭和30 年)10 月の爆発以来今日まで長期間にわたって活発な噴火活動を続けており、噴出物(火山 ガス・火山灰・火山礫・噴石など)や爆発時の空振、また、二次災害としての土石流などに より各方面に被害を及ぼしている。南岳山頂火口から2km 以内は立ち入り禁止となってい る。
最近1万年間の火山活動
約1.1 万年前から新期の北岳が活動を始め、約4500 年前に活動を停止した。約4000 年 前頃には南岳が活動を開始し、現在に至っている(小林,1999,井村ほか,1999)。
記録に残る火山活動
- 1999(平成11)年 爆発
- 前半は総じて穏やかな火山活動が続いていたが、7 月から 噴火活動が活発になった。3 月10 日に火山性地震が群発し、その後1 週間にわたり 噴火活動が活発になったが、その後は7 月中頃まで比較的穏やかな活動が続いた。5 ~ 7 月にかけてA 型地震が10~ 20 回/月に増加し、7 月下旬から噴火活動が活発にな った。特に10 月30 日夜から31 日朝にかけて火山性地震の群発があり、その後は活 動レベルの高い状態が続いた。12 月10 日5 時00 分の爆発では火柱1000m、多量の噴 石を4 合目まで飛散する爆発が発生し、黒神町の県道一帯に最大径4~ 5cm の火山礫 が落下した。幸い爆発が早朝であったため、人や車の通行がなく火山礫による被害は 報告されていない。この年12 月の爆発回数は88 回と歴代2 位を記録するなど、活発 な状態は翌年2 月中頃まで続いた。なお、年間の爆発回数は237 回。火山活動による 被害は発生していない。
- 2000(平成12)年 爆発
- 前年に引き続き2 月中頃まで噴火活動が活発であった。3 月以降は比較的穏やかな活動が続いたが、10 月7 日16 時42 分の爆発で噴煙を火口 上5000m 以上あげ、桜島町袴腰付近で最大径3~ 4cm 火山礫により車のガラス35 台以 上を破損した他、ビニールハウスのフィルム等が破れる被害があった。また、強い東 風のため、鹿児島市中部から北部にかけて大量の降灰があり、北埠頭周辺では直径2 ~ 3mm の火山礫も飛散した。噴火活動は10 月中旬から11 月上旬にかけて一時期やや 活発になった。年間の爆発回数は169 回。
- 2001(平成13)年 爆発
- 年間を通してやや活発な火山活動が続いた中で、8 月は1 ヶ月間 に44 回の爆発があり、一時的に火山活動が活発になった。年間の爆発回数は110 回。 火山活動による被害は発生していない。
- 2002(平成14)年 爆発
- 比較的静穏であった。年間の爆発回数は59 回とここ10 年で2 番 目に少ないなかで4 月上旬と11 月中旬に噴火活動がやや活発化した。火山性地震、 火山性微動は少ない状態で経過した。火山活動による被害は発生していない。
- 2003(平成15)年 爆発
- 比較的静穏であった。年間の爆発回数は17 回。山頂噴火を始め た1955(昭和30)年以降では、1955 年(6 回)、1971(昭和46)年( 10 回)に次ぐ少ない 1 年だった。11 月中、下旬と12 月31 日にA 型地震が増加した。火山性地震、火山性 微動は総じて少ない状態で経過した。火山活動による被害は発生していない。
- 2004(平成16)年 爆発
- 比較的静穏であった。年間の爆発回数は11 回で、前年より少なく なった。A 型地震がやや多い状態が続いたが、火山性地震、火山性微動は総じて少な い状態で経過した。
- 2005(平成17)年 爆発
- 比較的静穏であった。年間の爆発回数は12回で、山頂噴火を始めた1955(昭和30)年以降でも、1955年(6回)、1971(昭和46)年10回、昨年11回に次ぐ少なさであった。12月9日に発生した爆発では少量の噴石が7合目まで飛散した。A型地震は2月まで月回数30回以上と多い状態であったが、その後は少ない状態で経過した。B型地震は11月と12月にやや増加したが、長期的には少ない状態であった。火山性微動は7月と12月にやや多く発生した。GPSによる地殻変動観測では、2月まで島内の観測点間の距離の伸びが比較的大きくなる傾向がみられたが、その後は鈍化している。長期的には姶良カルデラの膨張によるとみられる東西方向のわずかな伸びの傾向が続いている。
- 2006(平成18)年6月まで 爆発
- 6月4日に南岳山頂火口とは異なる南岳東斜面の昭和火口で新たな噴火が始まった。
<「概要」、「最近1万年間の火山活動」、「記録に残る火山活動」については日本活火山総覧(第3版)(気象庁編,2005)及び最近の観測成果による。>
火山観測
気象庁では,南岳火口の西北西 4.5kmの地点A,北西 2.3kmの地点B,南南西 3.1kmの地点C,東南東 3.6kmの地点D,北東 4.4kmの地点Eに地震計を,また空振計4点,GPS3点,傾斜計1点,遠望カメラ2点をそれぞれ設置し,桜島の火山活動の監視・観測を行っています。
2006(平成18)年6月4日に南岳山頂火口とは異なる南岳東斜面の昭和火口で新たな噴火が始まったことから、今後の火山活動の推移を的確に把握するため、監視体制を強化することとしました。GPS4点(引ノ平,有村,二俣,浦之前),地震計2点(有村,二俣),空振計1点(有村),傾斜計1点(二俣)を7月末までに設置しました。
火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や,火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回,上旬に公表します。
桜島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/23 23:59 UTC 版)
桜島(さくらじま)は、日本の九州南部、鹿児島県の鹿児島湾(錦江湾)北部に位置する東西約12km、南北約10 km、周囲約55 km、面積約77 km2[1]の火山。鹿児島県指定名勝[2]。
- 1 桜島とは
- 2 桜島の概要
桜島 (曖昧さ回避)
(桜島 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/18 15:50 UTC 版)
桜島(さくらじま)… 日本の火山、地名、鉄道(路線・駅・列車名)、施設名などで使用。
- 1 桜島 (曖昧さ回避)とは
- 2 桜島 (曖昧さ回避)の概要
桜島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 13:55 UTC 版)
24時間運航の桜島フェリーで行き来できる。以前は大正溶岩の跡と展望台ぐらいしかスポットが無かったが、近年は桜島港の横の「桜島レインボービーチ(人工海岸)」や「恐竜公園」ができ、家族連れでも楽しめるようになった。また2006年3月には赤水採石場跡地(長渕桜島コンサート跡地)に『叫びの肖像』も完成、長渕剛のファンを含め、音楽を愛する若者達の来訪も増えている。国立公園内のため周辺の景観に配慮した桜島限定の溶岩色をしたローソンやファミリーマートもあり、観光に訪れた人たちがよく写真に納める姿が見られる。
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桜島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 16:38 UTC 版)
都市へ火山灰を日常的に降らせる活火山の例として、鹿児島市街に近い桜島がある。夏季は東よりの風に乗って鹿児島市方面で降灰し、冬季は西よりの風に乗って大隅半島での降灰が多いと言われるが、風向きは変化し易いので、周辺地域では一年中降灰が見られる。そのため、鹿児島地方気象台では、桜島上空の風のデータをもとに降灰の予報も出している。 また、空気中に漂う火山灰もあるため、雨の日には灰混じりの雨が降り、色の薄い洋服を着ていると雨に当たった部分が黒ずんでしまう。このような地域性のため、鹿児島市の中心部の商店街ではアーケードが非常に発達している。更に、鹿児島市内には「火山灰集積所」が随所にあり、火山灰を処分するための「克灰袋」が配布される。降灰時は洗濯物を外に干さないのが一般的である。
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桜島(大阪市此花区)
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「日本の人名地名一覧」の記事における「桜島(大阪市此花区)」の解説
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桜島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 15:52 UTC 版)
相手をフィッシャーマンキャリーで担ぎ上げ、前方に軽く投げた後、自分は剣山の形でしゃがみ込み相手の腹に膝を突き刺す技。技名は出身地の鹿児島名物桜島火山より。
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