桜島の地質学・考古学的知見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 16:51 UTC 版)
桜島は比較的新しい時代において頻繁に噴火を繰り返してきたため、噴出物が積み重なった地層(土層) は考古学における鍵層として利用される。桜島を起源とする土層として17層が確認されており、新しい順にP1からP17の記号で表される。特にP13およびP14は上野原遺跡の年代測定において重要な役割を果たした。比較的新しい噴火による噴出物はボラと呼ばれ、主として大隅半島に分布している。 桜島を起源とする地層の一覧P1(Sz-Ts): 大正ボラ。1914年(大正3年)の大正大噴火による噴出物。 P2(Sz-An): 安永ボラ。1779年(安永8年)の安永大噴火による噴出物。 P3(Sz-Bm): 1471年(文明3年)の文明大噴火による噴出物。 P4: 764年(天平宝字8年)の噴火による噴出物と考えられている。 P5: 約5600年前 (?) の噴火による噴出物。 P6: 約3800年前 (?) の噴火による噴出物。 P7: 約5000年前の噴火による噴出物。 P8: 約6500年前の噴火による噴出物。 P9: 約7500年前の噴火による噴出物。 P10: 約7700年前の噴火による噴出物。 P11: 約8000年前の噴火による噴出物。 P12: 約9000年前の噴火による噴出物。 P13: 約10600年前の噴火による噴出物。 P14(Sz-S): 約12800年前、北岳の噴火による噴出物。桜島サツマ火山灰と呼ばれ、半径約80 kmの範囲に分布する。 P15: 約24000年前の噴火による噴出物。 P16: 約25000年前の噴火による噴出物。 P17: 約26000年前の噴火による噴出物。 桜島のマグマは地下100 km以上の深部から供給されている。マグマはまず鹿児島湾の姶良カルデラ中央の地下10 kmの巨大なマグマ溜まりに供給された後に、火口直下5 kmにあるマグマ溜りに移動して噴火に至っているとされている。各マグマ溜りの容積は噴火によって多少の変動があるが、噴火があってもマグマの増加分を消化できておらず、マグマ溜まりは増大傾向にある。
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