10年黒組生徒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/16 01:45 UTC 版)
東 兎角(あずま とかく) 声 - 諏訪彩花 / 演 - 島﨑信長、江口拓也、木村良平 本作の主人公。出席番号1番。15歳。学校を装った暗殺者養成組織「私立17学園」から「ミョウジョウ学園」10年黒組に送り込まれた暗殺者。 青色のショートカットが特徴の、冷ややかな顔立ちをした少女。半袖のシャツに青色のネクタイとスカートを着用している。 常に無表情で他者との馴れ合いを好まない性格。臭いに敏感で、悪意や殺気などの「嫌な臭い」を鋭く感じ取れる。 黒組にはカイバの命令によって参加しているだけであり、希望する暗殺報酬は無し。暗殺対象の晴と寮で同室となり、交流をするうちに彼女に惹かれていく。そして晴の唯一の守護者として、11人の暗殺者と戦う決意をする。 暗殺者の名家「東のアズマ」の本家の跡取りとして生まれる。「兎角」という名前は「ありえないもの」という意味で、一族の頭領である祖母によってつけられた。 幼いころから暗殺の技術をたたき込まれてきており、得物であるナイフは投擲術で17学園の生徒を戦慄させる腕前であり、戦闘技能も優れている。しかし、実際に殺人を経験したことはなく、幼い頃のある出来事が原因で殺害直前になると手が震えてしまうという暗殺者として致命的な欠点がある。 出席番号が1番という理由で仮の寮長に任じられていたが、香子がクラスの長になりたがった際に、早々とその役割をおしつけた。 終盤では、晴を守りたいという思いが彼女の女王蜂能力に操られたことが原因ではないかと疑問に思い、自分の意志だと証明するため、あえて晴の暗殺を決意、同時に晴を暗殺しようとしていた鳰を倒したあと、晴を殺害しようとする。 原作では晴の胸を拳銃で撃つが、晴がいない未来を想像することができず、絶望して自殺を図ろうとする。しかし晴の説得により自殺を思いとどまり、晴を病院に運んだ後は勝者の報酬として「晴を自分のものにする(同時に自分も晴のものになる)」ことを百合に要求。17学園に帰還後、カイバ先生からミョウジョウ学園の卒業証書と「期限なしの宿題」を受け取って、以後は晴と暮らすことになった。 アニメ版では晴の心臓にナイフを突き立て、晴を守りたい思いは本心だと確信したが、深手を負った晴を抱きしめながら初めて涙を流した。幸いにも、晴は一命を取り留めており、晴の卒業式の後は以前と同じように、仲睦まじく歩く姿が描かれている。 単行本1巻末のキャラクター設定によると、身長は160センチくらい。胸のサイズはBカップくらい。好きな食べ物はカレーで「完全食」と主張している。 一ノ瀬 晴(いちのせ はる) 声 - 金元寿子 / 演 - 岡本信彦、代永翼、柿原徹也 本作のもう一人の主人公。出席番号13番。15歳。黒組の暗殺対象であり、ほかの生徒の出席番号が五十音順なのにもかかわらず、一番後ろの出席番号を割り振られている。一人称は「晴」。 赤茶色でツインテールのようなくせ毛の髪型が特徴の少女。半袖のYシャツに黄色のベストを身につけ、紺色のスカートを着用している。 明るく天真爛漫な性格。クラスメイト達から命を狙われていることを知った上で、それでも笑顔を絶やすことなく仲よくしようと接する、芯の強い心の持ち主。 プライマー一族の末端の家庭に生まれ、本人の思うがまま、あるいは無意識のうちに人を引きつけ操ることのできるカリスマ性を持っている。それゆえに、自身が生きていては困る人間がおり、生まれた頃から命を狙われているため、身体に傷痕が多数残っている。その過程で母親や兄弟は死去しており、「自分を守るために死んだ」と兎角に伝えている。またそれ故「晴は笑うために生まれてきた」「晴は泣いたりしない」と自分に言い聞かせており、兎角からは「呪い」と称されている。 前述の経緯から荒ごとには慣れており、特別な戦闘技術はないが、身体能力は高く、機転も非常に利く。また毒や睡眠薬などの薬物に対しても耐性がある。 ミョウジョウ学園の理事長である百合とは同じ一族で親戚筋にあたるが、面識はない。 原作終盤では自らの女王蜂能力を否定し、自分を殺すことでしか納得できない兎角を笑顔で受け入れ、胸を拳銃で撃たれる。その後自殺しようとする兎角に対し、涙を流しながら自らの全てをかけて「兎角を自分のものにする」ために言葉を繰り出し、踏みとどまらせる。直後に意識を失うが、重要な臓器を傷つけていなかったためミョウジョウ学園の医療技術で一命をとりとめた(百合は強運としているが、鳰は兎角が銃下手だからとしている)。回復後は黒組でただ一人卒業式を迎え、兎角と仕事をしながら暮らしている。 アニメ版では、テストでクラス内一位をとっている(本来一位であった香子が結果発表前に脱落したためであり、実際は二位)。女王蜂能力について知らされたときは半信半疑だったが、最終回で兎角が自らを殺そうとしたことで、兎角と自分の家族が本心から自分を守ろうとしていたことを確信。その上で死を拒絶し、生きるために兎角をナイフで殺そうとして逆に胸を刺され、意識を失う。しかし肋骨にチタンが入っていたことで心臓に刃がいたらず一命を取り留め、黒組でただひとり卒業式を迎える。その後、退学した黒組のクラスメイト達に卒業証書を渡すため、兎角とともに学園をあとにする。 単行本1巻末のキャラクター設定によると、身長は160センチくらい。胸のサイズはCカップくらい。誕生日は1月1日。 走り 鳰(はしり にお) 声 - 南條愛乃 / 演 - 野島健児、吉野裕行(2回目以降) 出席番号10番。黒組には開講初日より参加している一人であり、暗殺者。一人称は「ウチ」。 ボリュームのある金髪のミディアムヘアとアホ毛が特徴の小柄な少女。半袖のブレザーに、赤いリボンとスカートを着用している。また、長袖のシャツと黒いタイツを着用しており、人前では素肌をさらさない。 語尾に「〜っス」とつけて話し、ノリが軽く人懐っこい性格。その一方で、不気味な笑顔を浮かべるなど邪悪な一面があり、兎角からは「腐った海の臭いがする」と評されている。他の黒組生徒からも信用されておらず、馴れ馴れしい態度や言動で疎まれることが多い。暗殺を煽るような言動も多く、伊介や春紀の怒りを買っている。 黒組唯一のミョウジョウ学園出身であり、晴の暗殺を取りしきる「裁定者」の任を学園側から与えられており、「裏オリエンテーション」と称して生徒へ暗殺のルール説明、予告票の配布、黒組主催者である百合への状況報告を行っている。 天涯孤独の身らしく、ミョウジョウ学園の理事長である百合に拾われた過去がある。彼女には心酔しており、非常に忠実。 原作版において、幼少期の鳰と百合との生活が描かれており、黒組開始前に葛葉の名を隠すと同時に百合の走狗となる意味を込めて「走り」と名字を改めている。 正体は呪術師を輩出してきた「西の葛葉」の一員。体には呪力を高めるための鳳凰のタトゥーが彫られており、普段素肌を隠しているのはこのため。原作においては、百合の力になりたいがために刺青を施すことを望んだとされている。 終盤にて、苦悩する晴を気遣う素振りをみせる。その目的は呪術の力で晴に自分を兎角と錯覚させ、晴を殺害することであり、晴をミョウジョウ学園の地下の「墓所」に案内して計画を実行しようとする。しかし、兎角の乱入によって彼女と交戦になり、力及ばずにナイフで刺されて敗北。最終回では新しく11年黒組のオリエンテーションを行っている。 アニメ版では、授業中ほとんど居眠りしており、テストでは犬飼伊介に次いで下から二番目(ただし伊介は白紙で提出していたため、真面目に受けた生徒のなかでは実質最下位)。兎角が晴を刺す場面を目のあたりにし、泣き崩れる兎角をあざ笑いながら力尽きるも一命は取り留めており、晴の卒業式の日に白い花を手向けた。 公式ガイドブックのキャラクター設定によると、身長は152センチ。胸のサイズはDカップ。好きな食べ物はメロンパン。 犬飼 伊介(いぬかい いすけ) 声 - 浅倉杏美 / 演 - 浪川大輔(初回、3回目)、諏訪部順一 出席番号2番。黒組に開講初日より参加している生徒の一人であり、暗殺者。一人称は「伊介」「あたし」。原作では語尾にハートマークをつけて話す。 ヘソ出しで露出度の高い服を着た妖艶な美少女。ピンク色のロングヘアーで、サイドの髪を縦ロールにしている。 好戦的な性格で、素手による暗殺を好む。他、ナックルダスターナイフと、2連発の小型拳銃を使用していた。 やる気のなさそうな発言が多いが、暗殺者としての修羅場は潜ってきている。また、「邪魔な相手はさっさと殺してしまえばいい」と考える残忍な性格でもある。 幼少の頃、実母にネグレクトされて弟が死亡し、自分も死にかけていたが、隣室の住人だった犬飼恵介がその母親を殺害したことで救われ、彼の養女となって暗殺稼業に関わるようになったという過去をもつ。「伊介」という名前はその際に恵介から与えられたもので、男のような名前ではあるが本人は格好いいと気に入っている。 恵介のことは「ママ」と呼んで慕い(恵介のパートナーであり「パパ」と呼ぶ男性もいる)、それらの家族を大切に想っている。そのため、望む暗殺報酬は「両親に別荘を建てるための金」。 恵介ら家族を大切にしている一方、家族以外の人間に対しては冷徹な人物ではあるが、同室の春紀のみには暗殺に向かう際には寂しげな表情を浮かべたり、彼女にマニキュアをあげようと思うなど、他の黒組生徒とは違う感情を抱いているような描写があり、最終的には恋人関係となった。 暗殺対象が晴と目星をつけると開講より二日目の放課後、「裏オリエンテーション」より前に晴を殺害しようとするが、晴を救出にきた兎角に撃退される。しかし、兎角が殺人の経験がない「暗殺処女」で人を殺すことができないことを知る。 首藤涼が黒組から去った後、真夜と手を組み兎角と交戦。兎角の人を殺せない弱点を突いて戦闘を優位に進め、彼女を殺害寸前まで追いつめるが、弱点を克服した兎角に敗北し脱落した。敗北後、純恋子に「慰め」を意味するアイスランポピーの花を置かれ、鳰により机の上には「母への愛」を意味する赤いカーネーションが飾られていた。 原作・アニメともに最終話では、恵介や「パパ」とともにビーチを満喫していた。 公式ガイドブックのキャラクター設定によると、身長は160センチ+ヒール10センチ。胸のサイズは「最大」とのこと。ソーシャルゲームに載っているメモによると、偏差値45の学校出身とのことで年齢は19歳(首藤涼を除けば黒組最年長)。授業中は堂々と寝ていることが多く、アニメ版ではテストでも名前を書いただけで提出し、クラス最下位になっている。 番場 真昼(ばんば まひる) / 番場 真夜(ばんば しんや) 声 - 大坪由佳 / 演 - 神谷浩史(初回、3回目)、中村悠一 出席番号12番。黒組には開講初日より参加している生徒の一人で、暗殺者。左目付近に縦に走った傷痕がある。 銀色ないし白色の髪をポニーテールにした少女。セーラー服を着ており、右足に黒いニーソックス、左足には短めの白い靴下を着用している。寮では、和服を着ている。 二重人格者であり、昼は大人しい「真昼」、夜は凶暴な「真夜」に入れ替わる。また、互いの人格は会話ができる。 「真昼」は気弱な性格で、ぎこちない敬語を使い小声で話す。裁縫が得意。また、真夜にダイエットを強いられており、そのために純恋子の食事やお茶会の誘いを断る羽目に陥っている。 一方「真夜」は一人称が「オレ」で、男のような荒々しい口調で話す。テンションが高く独特なノリで、真昼とは対称的に社交的な性格であり、ターゲットの晴とも気さくに会話をし、「真夜ちゃん」と呼ばれている。真昼のことを大切に想っており、彼女の望んでいることを代行している。また、殺人も真昼の望みを受けて真夜が行っている。武器は、巨大な工事用ハンマー。ラバー・ダックがお気に入りで、入浴時には大量に湯船に入れている。 望んでいる暗殺報酬はなく、晴の殺害それ自体を目的としている。 幼少時にある男に監禁され、衰弱し怯える姿の写真を撮られ続ける虐待を受け、その恐怖から別人格である「真夜」が誕生し、その男を殺害。殺人の罪悪感から逃れるために、誘拐犯を殺したナイフを「聖遺物」として所持するようになり、以降は聖遺物を集めるために殺人を犯すようになる。顔の傷は、誘拐犯を殺害した際にできたもの。 朗読劇版では、母親によって地下室に半年もの間監禁され、そのときに裏の人格である「真夜」が生まれたという過去が語られていた。 伊介と手を組み晴を襲うも、視聴覚室に逃げ込んだ晴を追いつめたところで、裏切った伊介に映写機で強い光を浴びせられ、幼少時のトラウマがフラッシュバックして錯乱(アニメ版では錯乱中に伊介に蹴り倒されて気絶)し、脱落。その身柄は彼女に好意を抱いている純恋子にもらい受けられる。伊介同様、敗北後は純恋子にアイスランドポピーの花を置かれ、机の上には「固い絆」を示すアサガオ(アニメ版では「妖艶」を意味するユウガオと、「絆」を意味するヒルガオ)が飾られていた。 原作では最終的には真昼・真夜ともに純恋子のメイドとなる姿が、アニメ最終話の後日譚では「ひとりでも大丈夫」と真夜に話しかける真昼の姿が描かれていた。 公式ガイドブックによると、身長は158センチ。胸のサイズはBカップ。また、初期設定ラフでは顔の傷は真夜がつけたものであるという旨の記載が存在している。 寒河江 春紀(さがえ はるき) 声 - 内村史子 出席番号6番。黒組開講初日の放課後に寮に現れた生徒で、暗殺者の一人。ポッキーをよく口にしている。 赤い癖っ毛の髪をポニーテールにした少女。着崩した制服を着ている。スカートは赤色。オシャレ好きで、ヘアピンなどのアクセサリーを多く身につけている。 明るくサバサバした気さくな性格で、孤高な兎角や伊介に対しても好意的に接している。ただ、春紀の家族の話をもちだした鳰には不機嫌になるなど、家族について干渉されることには嫌悪感をみせている。 伊介と同室であり、彼女の要求で「伊介さま」と呼んでいるが、畏れや敬意はない。 晴のことは暗殺対象とわかっていても、自分の境遇と重ねあわせているため、若干の同情を覚えている。また、兎角が晴に惹かれていることを感づいている。 貧しい家の長女で、多くの弟妹と病気の母親がおり、家族を養っていくために暗殺稼業に手を染めている。 兎角に身体能力は高いと評されており、右手首のシュシュに仕込んだワイヤーを主武器とし、ガントレットを装備してのパンチ・キック主体の格闘技も交えた接近戦が得意。 望んでいる暗殺報酬は、「家族が一生困らずに生きていける金」。しかし、心の奥底には、すべてから解放されて自由になるという密かな願望もある。 三番目に予告票を提出し、夜の体育館にて晴を暗殺しようとしたところ、駆けつけた兎角と交戦するも圧倒され、照明装置崩落の罠を作動させて自分もろとも兎角と晴を圧死させようとしたが、失敗に終わる。重傷を負ったが一命は取り留め、敗北を認めて黒組から去る。脱落後の彼女の机には、「家族の愛」を意味するバーベナの花が飾られている。 最終話の後日譚では、暗殺稼業から抜けて建設現場で働いており、原作では伊介と恋人になったことが、アニメ版では大検をめざしている姿が描かれている。 弟たちからは「はーちゃん」と呼ばれている。 公式ガイドブックの設定資料によると身長は167センチ、胸のサイズはBカップ。 生田目 千足(なまため ちたる) 声 - 三澤紗千香 出席番号9番。黒組開講初日の放課後に転入してきた女生徒。 オールバックにした紅色の髪が特徴。長身で男装の麗人然とした中性的な少女。白いシャツに黒い上着を身につけ、長ズボンを履いている。 桐ヶ谷柩と同室で、学園内の道に迷っていた彼女と出会い、その身を案じて、以降「桐ヶ谷が迷わないため」という理由でいつも手をつないでいる。 レイピアを武器とする剣士であり、自身の信じる正義に適った依頼のみ受けつける、悪人退治専門の暗殺者。黒組参加の目的は、恩師の娘を殺害した「エンゼルトランペット」と呼ばれる暗殺者を探して討つことであり、晴を暗殺する意思はない。 その凛々しい容貌や立ち居振る舞いから、学園祭での演劇『ロミオとジュリエット』では主役のロミオ役に起用される。 しえな脱落後にエンゼルトランペットの正体が柩と気づき、仇討ちの正義と彼女への愛情との間に苦しみ、最終的には学園祭の舞台上で柩をナイフで刺すが、彼女への想いから後を追う。 アニメ版では、しえなが毒によって重症を負った時間帯に兎角と晴が体育館に行くのを目撃したことから、晴が「エンゼルトランペット」であると誤解し、討ち果たすために守護者である兎角と対決。しかし、その最中に柩から「自分こそがエンゼルトランペット」であると告白を受ける。その後、舞台上で彼女に短刀を突きつけるが、柩への想いから手を動かせずにいたところ、柩がその短刀を取って自身を刺し、茫然としたところを鳰より柩の願いを告げられ彼女を追うように毒を呷る。 脱落後は入院(アニメ版では転校)したとされており、机には「愛情」を意味する赤いバラが飾られていた。 最終話の後日譚で一命を取り留めたことが判明し、アニメ版では柩に対する想いに迷いながらも、彼女に手を差し伸べる姿が描かれていた。 公式ガイドブックによると、身長は171センチ。胸のサイズはFカップ。 桐ヶ谷 柩(きりがや ひつぎ) 声 - 内田愛美 出席番号4番。千足とともに、黒組開講初日の放課後に寮へやってきた生徒。一人称は「ぼく」。身長は152センチ。 水色の髪をツーサイドアップにした小柄な少女で、クマのぬいぐるみを持ち歩いており、初対面の際は千足や兎角から小学生と間違えられていた。 方向音痴であり、ミョウジョウ学園に向かう途中で道に迷っていた際千足に助けられ、それ以降は彼女を強く慕っている。優しく繊細な千足の本質を見抜いており、その女性的美点を褒め称えては千足を赤面させている。 前述の可憐な容姿から、学園祭での黒組演劇『ロミオとジュリエット』では、ヒロインのジュリエット役を担当した。 その正体は、毒殺を専門とする暗殺組織「ダチュラ」のエースである暗殺者「エンゼルトランペット」であり、千足の探していた仇でもある。 望む暗殺報酬は無く、「所属組織に任せる」としている。 学園祭の準備の最中、しえなが千足に憧れる素振りを見せたことから彼女に嫉妬し、予告票を提出する直前のしえなを襲撃して倒す。その物音を聞きつけて現れた兎角と晴に予告票を提出。学園祭当日、千足に問いつめられたことで自身がエンゼルトランペットと認め、その上で千足に本物と偽物の短刀を手渡して自分を許せるのなら偽物の、許せないなら本物の短刀を劇の心中シーンで使うように告げる。結果、千足は本物の短刀で柩を刺し、彼女の選択を受け入れて倒れた。 アニメ版ではしえなとの確執は描かれておらず、上記の劇中を利用して暗殺実行をするための罠を仕込むために夜の楽屋に忍び込んでいたところをしえなと遭遇し、計画の邪魔になった彼女を倒したことになっている。学園祭当日、罠を兎角に見破られて計画が失敗に終わると、千足に自身が「エンゼルトランペット」であることを告白する。使命と柩への想いから仇討ちを躊躇う彼女の手を取って、自らの胸を短刀で貫かせて微笑みながら倒れる。その直後、柩の願いは「千足との平穏な暮らし」だったことが鳰から告げられた。 脱落後、表向きはしえな、千足と同時に入院(アニメ版では転校)したとされ、机には「無邪気」を意味する白い薔薇が飾られていた。 後日譚にて生存していたことが判明し、千足と和解している姿が描かれている。 ソーシャルゲーム『悪魔のリドルAK』のキャラクタープロフィールによると、胸のサイズはAカップ。公式ガイドブックの初期設定では「まったいら」とされている。 剣持 しえな(けんもち しえな) 声 - 山田悠希 出席番号5番。開講二日目の授業より黒組に参加した生徒のひとり。一人称は「ボク」。 三つ編みのおさげをしたボサボサ髪が特徴で、眼鏡をかけている少女。ブレザーの制服を着ている。 まじめな性格であり、いじめなどを忌み嫌っている。舞台好きで演出にうるさく、学園祭の演劇では監督として熱心に演技指導を行っていた。 学園祭の準備をする傍らで、千足と柩の暗殺者としての技量を分析するなど、如才ないようにみえるが、柩の技量に関しては正しく見極めることができず(携行武器無しと分析したが実際には誤りだった)、また眼鏡を予備も含めすべて紛失する(この一件は同室の乙哉が故意に行った可能性もある)などドジな一面をもつ。また、演劇の練習を通じて千足の清廉さに惹かれて密かに慕っていた。 かつては学校で酷いいじめを受けており、その悩みを相談していたネット上の友人から、いじめられっ子同士で相互に復讐殺人を行う組織「集団下校」を紹介され、そこに所属している。「集団下校」への帰属意識は非常に強く、望んでいる暗殺報酬は「組織で決める」としている。 学園祭の前日に晴の台本を盗みだし、夜の楽屋で予告票を入れようとしたところ柩と遭遇。千足に憧憬の念を抱いていたことや、彼女が千足につけいっていると非難したことで柩の怒りを買い、毒針銃で撃たれて昏倒する。翌日、毒で重症となって入院することとなり、黒組から脱落した。脱落後の彼女の机には「復讐」を意味するアザミの花が飾られていた。 アニメ版では、黒組参加の理由・成功報酬や千足への憧憬については語られず、柩に倒された理由は彼女の晴暗殺の計画の邪魔になったためとされている。 最終話の後日譚では、「このままじゃ終われない」とネットカフェからミョウジョウ学園のサーバーにハッキングをかけ、黒組の真意を探ろうと奮起していた。また、原作最終巻で脱獄してきた乙哉と再会するワンカットが描かれている。 公式ガイドブック掲載の初期設定によると、胸のサイズはBカップ。 なお、黒組の中で唯一エンディングテーマが流れなかったキャラクターである。 武智 乙哉(たけち おとや) 声 - 沼倉愛美 出席番号8番。開講二日目の授業より、黒組に参加した生徒。身長は165センチ。 紫色の近い黒髪のポニーテールが特徴の少女。縦模様の制服に赤いネクタイを身に着ている。黒いタイツを履いている。 快活な性格で、晴のことを「晴っち」と呼んで友達になりたがる素振りをみせる一方、しえなのおさげを切りたがったり、真昼が持っていた晴の手製ストラップを取り上げようとするなど、若干のいじめっ子気質。 その正体は「21世紀の切り裂きジャック」と称される「シリアルキラー」で、美しい女性ばかりをターゲットにし殺人行為を繰り返している。刑事に追われ、黒組には半ば逃げ込むように参加しているため、希望する暗殺報酬は「一生安心して殺人を続けられるシリアルキラー保険」。 殺人にはハサミを用い、被害者を少しずつ切り刻んで殺害することで性的快楽を得ている。また、生け花が得意。 黒組生徒の中で最初に予告票を提出。植物園にて晴を呼びだして殺害しようと試みるも、兎角に妨害され交戦するが、晴に麻酔作用のある毒花を嗅がされて昏倒。そのまま時間切れとなり、目覚めた後に鳰より黒組退学を告知された。 退学後は、彼女の机の上に「人生の楽しみ」を意味するヤマユリが飾られていた。 アニメ版では、冷静かつ狡猾な側面が強調されており、謀略を用いて晴の拉致を行う独自展開があるほか、武器として刃が分離可能な巨大なハサミを利用して兎角を殺害寸前まで追いつめている。脱落後は、刑務所に収監されることになる。 アニメ版第10話にて晴に対する執着心から脱獄。金星寮に忍び込んで晴の命を狙おうとしたところを純恋子に拘束され、彼女が主催するお茶会に強制参加させられる。兎角と純恋子の交戦中に、自力で拘束をとき、純恋子の左腕を負傷させるも返り討ちに遭い、さらに鳰にみつかって再度の退場となり、ふたたび刑務所に収監された。 最終話の後日譚では、何年かあとの仮釈放の日を夢みて、大人しく雑役に勤しむ姿が描かれていたが、原作最終巻で脱獄してしえなと再会するワンカットが描かれている。 公式ガイドブック掲載の初期設定によると、胸のサイズはDカップ。 首藤 涼(しゅとう すず) 声 - 安済知佳 出席番号7番。開講二日目の授業から、黒組に参加した生徒。一人称は「ワシ」または「涼」。身長は155センチ。 髪をショートカットにし、達観した老人のような口調をする少女。黒色を基調とした制服を着ている。ネクタイとスカートはピンク色。 同室の香子を黒組参加初日より気に入っており、暗殺者に不向きな彼女のことを常に気にかけている。香子脱落後は、彼女から委員長・寮長の跡を継いでいる。香子の髪を触るのが好きなのか、原作の扉絵等のカラーイラストでは彼女の髪を触っていることが多い。 体を動かすことが趣味であり、詰め将棋も得意。風呂好きでもある。 肉体が老いず長命となる「ハイランダー症候群」という病を患っており、作中の回想シーンから明治時代から生きていたことが窺われるが、正確な年齢は不明。本人もすでに覚えていない。誕生日は7月14日。 かつては武雄という名の年下の恋仲の男性がいたが、自身は老いることなく武雄だけが先に成長し、やがては他の女性を選んで自分の元から去られた過去がある。そのため、希望する暗殺報酬は「病を治して普通に年を取って死ぬこと」。 ミョウジョウ学園の室内プールを貸切にして黒組のメンバー全員を誘い、香子が置き土産として残した首輪型の時限爆弾を晴の首に装着して、施設内に隠された4ケタの解錠パスワードを探させるデスゲームを始める。ゲーム中に仕込んだ罠で兎角と晴を追いつめるが、最終的には晴にパスワードを見破られて首輪を外され、自らの敗北を認めて黒組を去る。脱落後の彼女の机には、「恋の宣言」を意味する赤いチューリップが置かれていた。 後日譚では、武雄の墓参りに来ており、過去に囚われず、今を生きることを決意している。加えて原作最終巻では彼女の家と思しき場所で傷ついた香子を看病するシーンが描かれている。 ディオメディア発行設定資料集によると、胸のサイズはCカップ。 神長 香子(かみなが こうこ) 声 - 佳村はるか 出席番号3番。開講二日目の授業より黒組に参加している暗殺者。 ツインテールにした黒髪が特徴で、眼鏡をかけている少女。青い服に白いスカートを身につけている。 頭脳明晰で、勉強が好きな秀才。授業態度の悪い春紀や伊介を制する、規律正しい性格。募ってもいないのに黒組委員長に立候補し、仮の寮長であった兎角から寮長の役目も押しつけられた。 同室の涼に対しては、自分が脱落した際に彼女に委員長・寮長の後を継がせたり、彼女の武器として首輪型の時限爆弾を残したりと、それなりに信頼を寄せていた。 児童養護を目的とするNPOを装った暗殺者養成機関「クローバー・ホーム」出身であり、暗殺には爆弾や拳銃、アニメ版ではそれに加えナイフを用いる。 過去に慕っていた女性の先輩暗殺者を自分のミスで死なせたことで深い心の傷を抱えている。希望する暗殺報酬は「暗殺者を辞めること」。 図書室にて仕掛けた爆弾を起動させて、晴の暗殺を実行に移すが、爆発音を聞いて駆けつけた兎角に阻まれ失敗。自分の敗北を認めてミョウジョウ学園から立ち去る。彼女の去った後の机の上には「また会う日を楽しみに」を意味する彼岸花が飾られている。 単行本1巻巻末の原作者コメントによると、胸のサイズはAカップ。身長は161センチ。アニメ版ではテストではクラス内1位だったが、解答用紙が返却された時には既に脱落していたため、晴がくり上げで1位となった。 アニメ版第4話のアイキャッチにて、暗殺者としては劣等生であり、「黒組」については所属組織が重要な仕事と捉えていないため、香子が派遣されたことが明かされている。 最終話の後日譚では、暗殺者を辞めることを決意して「クローバー・ホーム」から逃走し、追っ手を倒しながら闇の中へ消えていった。原作ではその後、涼と再会を果たし彼女に看病されている。 英 純恋子(はなぶさ すみれこ) 声 - 荒川美穂 出席番号11番。最後に黒組へ転入をした。一人称は「私(わたくし)」。身長は163センチ。誕生日は8月13日。 オレンジ色のストレートロングヘアが特徴で、凛とした雰囲気の少女。ピンク色の服に白いベストを着ており、黒色のニーソックスを履いている。 明治維新より急成長をとげた財閥「英コンツェルン」の令嬢であり、ミョウジョウ学園の校長からは「英様」と呼ばれて敬語で話されているほか、専用の机や椅子が用意されているなどの特別な待遇を受けている。 同室である真昼(および真夜)に惹かれており、彼女に話しかける際にはたびたび頬を赤らめる。また、強い光や暗闇に怯える真昼を守ろうとし、真昼の敗北後は彼女の身柄をもらい受けることを鳰に宣言する。 謙虚な立ち振る舞いで、学園長やクラスメイトに対して一生徒として接するよう要求する一方、学園祭の衣装の裁縫を任された際は「自分にはふさわしくない仕事」といって途中で投げだすという我侭な一面もある。紅茶好きであり、ブレンドしたお茶を真昼に勧めている。 晴と同様、幼少のころから幾度も命を狙われており、瀕死の重傷を負った際の手術で四肢を失ったほか、身体の一部も機械化され、義手を銃器アタッチメントに交換することも可能な人間離れした力を持つサイボーグとなった。 同じように生き延び続けてきた晴に対抗心を持っており、希望の暗殺報酬は、女王蜂の力をもつ晴を打ち倒して「最強の女王になる」こと。その願いの関係上、晴が自らの手で倒すに値する相手か見極めるために、裁定者の鳰を除くほかのクラスメイト全員が敗北するまで傍観を決め込んでいた。 百合目一とは幼少期からの知人であり、幼少の頃に晴の話を聞いて対抗意識を持った純恋子に黒組に参加するよう勧めている。 自分と鳰を除く全生徒が脱落後、「お茶会」と称して晴を呼びだし、自身の目的を告げて予告票を提出。同行した兎角(アニメ版では逆襲を狙った乙哉とも同時に戦闘をする)を圧倒的な強さで戦闘不能に追い込み、脅威の不死身さで晴を追いつめるが、彼女の決死の逆襲で高所から転落させられ敗北した。 原作最終話では、真昼をメイドとして侍らせながら過ごす姿が描かれており、アニメ最終話の後日譚では、女王の座に対する執着心は失せたようで、新しい義肢のテストも断り、料理を始めてみようかと思案する穏やかな表情が描かれている。 ディオメディア発行設定資料集によると、胸のサイズはCカップ。
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