カーネーションとは? わかりやすく解説

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カーネーション【carnation】

読み方:かーねーしょん

ナデシコ科多年草。高さ2090センチ線状対生し、とともに白み帯びる。夏に花をつけ、花色は赤のほか白色などがあり、八重多く栽培されるが、本来は5弁花。南ヨーロッパ西アジア原産で、江戸時代渡来母の日シンボルとする。オランダ石竹(せきちく)。オランダなでしこアンジャベル。《 夏》「灯を寄せし—のピンクかな/汀女」

カーネーションの画像

カーネーション 【carnation 英】


カーネーション

作者森内俊雄

収載図書夢のはじまり
出版社福武書店
刊行年月1987.1
シリーズ名福武文庫


カーネーション

作者壺井栄

収載図書壺井栄全集 6
出版社文泉堂出版
刊行年月1998.4


カーネーション

作者重松清

収載図書日曜日夕刊
出版社毎日新聞社
刊行年月1999.11

収載図書日曜日夕刊
出版社新潮社
刊行年月2002.7
シリーズ名新潮文庫


カーネーション

作者川村慶子

収載図書インカの花―川村慶子小説集
出版社知加書房
刊行年月2004.4
シリーズ名新・現代詩選書


カーネーション (オランダ石竹)

ナデシコのほかの用語一覧
タカネツメクサ:  高嶺爪草
ツメクサ:  浜爪草  爪草
ナデシコ:  カーネーション  ディアンツス・アルピヌス  ディアンツス・グラキアリス  ディアンツス・グラチアノポリタヌス

カーネーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/15 15:07 UTC 版)

カーネーション
カーネーション
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: ナデシコ科 Caryophyllaceae
: ナデシコ属 Dianthus
: カーネーション D. caryophyllus[* 1]
学名
Dianthus caryophyllus L.
和名
オランダナデシコ
英名
carnation

カーネーション(英: carnation、学名: Dianthus caryophyllus L.[3][* 2])は、ナデシコ科ナデシコ属多年草日本での別名にオランダナデシコジャコウナデシコ(麝香撫子)、オランダセキチクなど多々あり。

原産地と名前の由来

原産は、南ヨーロッパおよび西アジア地中海沿岸と言われている[5]。カーネーションという名前の由来には諸説あり、肉(ラテン語:carn)の色の花[6]という説や、ウィリアム・シェイクスピアの時代に冠飾り (coronation flower) に使われてこれが転訛した[6]などの説がある。

歴史

ルドゥーテのカーネーションの植物画

地中海沿岸から西アジアの原産ゆえ、古くから可憐な花容を愛された。イスラム世界では、バラチューリップと並んで愛好された植物である[7]イスラム教では偶像崇拝が禁止されているため、モスクなどの装飾には人物および動物表現が忌避され[8]アラベスクという幾何学模様や草花の文様が使用された[9]。このアラベスクの意匠に、カーネーションの花はしばしば使用されている[7]

17世紀にはイギリスオランダで300種以上の品種が見られ[6]フローリスト(園芸愛好家)たちによって栽培され、大きく進展を見た。18世紀を通じて品種が増え、やがて「ショウ・カーネーション」が生まれ、これが19世紀の主流となった。この花の特徴は花弁の縁の鋸歯がなくなり、花弁の配置を幾何学的な整形に近づけたもので、現代のカーネーションとは異なっている。この時代にはまだバラ品種改良もそれほど進んでおらず、カーネーション、オーリキュラチューリップは時代の先端を行く園芸植物であった。

19世紀中頃になるとフランスでの育種が進み、1840年にダルメイスが「パーペテュアル系」を作出すると、さらに1857年にはやはりフランスで「マルメゾン系」が誕生した。これらが現代の営利用カーネーションに繋がっている。

母の日にカーネーションを贈る風習は、1907年5月12日米国のアンナ・ジャーヴィスが亡母に白いカーネーションを供えたことに始まる[10][11]

日本でのカーネーション導入の背景

日本には江戸時代初期以前に輸入され、アンジャベルまたはアンジャ(: anjelier、tuinanjelier)と呼ばれた。享保年間に出版された『地錦抄録』(1733年)には、正保年間にオランダからカーネーションが伝来したと記述されているが、この時は日本国内に定着しなかった。寛文年間に再伝来した際には14種の品種が紹介され、この時期に書かれた『花壇綱目』にも「あんしやべる」の名で記録されている。宝暦年間の1755年に著された『絵本野山草』には、ナデシコなどとともに紹介されている。

その後、1909年明治42年)に米国シアトルに在住していた澤田(名不明)が帰国の際に「ホワイト・エンチャントレス」「ピンク・エンチャントレス」「ヴィクトリー」「ローズ・ピンク・エンチャントレス」など他にも2-3の品種を持ち帰ったが、栽培法に精通しなかったために生産化には至らなかった。後に土倉龍治郎が近代的栽培技術や体制を構築し、新しい品種を生み出して日本にカーネーションを定着させ、この業績によって「カーネーションの父」と称されるようになった[12][13]。土倉は犬塚卓一と共に1936年昭和11年)、名著『カーネーションの研究』(修教社書院)を上梓している。

現在、カーネーションはキクバラと並ぶ生産高を誇る花卉植物であり、ハウス栽培で周年供給している。しかし、最も需要が伸びるのは母の日の5月前後である。また、切り花のイメージが強いが最近では鉢植えの品種も普及している。

カーネーションの市町村別生産額は、長野県[14]愛知県が高い[15][16]

国内生産量と、中華人民共和国コロンビアなどからの輸入量は2012年時点でほぼ同程度である。農研機構は国内のカーネーション栽培を支援するため、見た目の美しさや切り花にした後の日持ち、萎凋細菌病への耐性などを増す品種改良を進めている[11]

2013年には、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)花き研究所などがカーネーションのゲノム解読に成功したと発表した[17]。従来ない色や病気に強い品種の開発に応用できると期待されている。

栽培

毎年4月頃から花鉢が流通し始める。日当たりがよく、乾燥した気候を好む。

開花期は4月中旬から6月頃。開花中は、花がら摘みをこまめに行う。終わった花を切り取る事で、新たな花芽が上がってくる。また、咲き終わった茎は切り戻す。わき芽やこれから芽吹く節を確認し、これを残すように切る。

植え付け、植え替えは春か秋に行う。根詰まりは、蕾の不開花や下葉の枯れ上がりの原因になるので、一回り大きな鉢に植え替える。

増やしたい場合は、挿し芽を利用する。適期は6月または9月から10月。1か月ぐらいで発根するのでポットで育苗し、摘心して芽数を増やす[18]

食用品種

観賞用のほか食用品種(食用カーネーション)もある[19]

主な品種

母の日ギフト用にディスプレイされたカーネーションの様々な品種

切り花

  • マルメーゾン種(malmaison)
  • ボーダー種(boarder)
    • グルナダン種(grenadin)
    • ファンテジー種(fantaisie)
    • マーガレット種(marguerite)
    • シャボー種(chabaud)
  • パーペチュアル種(perpetual)
  • ムーンダスト - カーネーションに青い色はなかったが、オーストラリアフロリジーン社がサントリーと共同での遺伝子組換えにより、青いカーネーションを作出した。

ガーデンカーネーション

セキチクとの交配種で、セキチクの強健さをカーネーションに取り入れており、庭植えが可能である。半耐寒性の秋まき一年草として扱われ、9月にタネをまくと、翌年の5月から6月にかけて開花する。ジャイアント・シャポー、アンファン・ド・ニースなどの品種があり、佛花や切り花用に作られているが、日本の風土ではやや栽培しにくく、あまり普及していない。

各国の文化

脚注

注釈

  1. ^ 『BG Plants 和名−学名インデックス』ではカーネーションの学名を Dianthus caryophyllus x D. plumarius としていて[1]D. caryophyllus をオランダナデシコとしている[2]
  2. ^ Dianthus 属は種間交雑が容易であり、現在栽培されているカーネーションは品種改良のため選抜、交配が繰り返されてきたものと考えられている。このことから、1原種の学名をあてることが不適当との指摘がある[4]
  3. ^ カーネーションが国花であることを知っているホンジュラス国民は少ない[20]

出典

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Dianthus caryophyllus x D. plumarius カーネーション”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年6月15日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Dianthus caryophyllus L. オランダナデシコ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年6月15日閲覧。
  3. ^ 『日本の野生植物』 (1999)、p.41
  4. ^ 武田 (2002)、p.6
  5. ^ 武田 (2002)、p.3
  6. ^ a b c 武田 (2002)、p.5
  7. ^ a b 桝屋 (2009)、p.85
  8. ^ 桝屋 (2009)、pp.8-9.
  9. ^ 桝屋 (2009)、pp.84-85.
  10. ^ 意外と知らない? 母の日の起源・由来、「カーネーション」を贈る理由”. ALL About (2024年5月10日). 2025年6月15日閲覧。
  11. ^ a b 母の日に色鮮やかなカーネーション−農研機構、今も続く“地道”な品種改良”. 日刊工業新聞電子版 (2016年5月2日). 2025年6月15日閲覧。
  12. ^ 『森と近代日本を動かした男』田中淳夫 著 洋泉社 2012年
  13. ^ 『カーネーション生産の歴史』社団法人 日本花き生産協会 2009年
  14. ^ 愛知県 カーネーション一位は長野県、二位愛知県
  15. ^ 西尾市産業部農林水産課 (2012年6月4日). “西尾市の花き産業”. 西尾市. 2017年4月25日閲覧。
  16. ^ 西尾市産業部企業誘致課, ed. (2015-04-10), “4 本市の農畜水産業の現状と課題” (PDF), 農業副都心構想整備計画(案), 西尾市, p. 15, https://web.archive.org/web/20170425210112/http://www.city.nishio.aichi.jp/index.cfm/10,37933,c,html/37933/20150309-134255.pdf 2017年4月25日閲覧。 
  17. ^ カーネーションの全ゲノム解読に成功、農研機構、2013年12月18日、2019年6月17日閲覧
  18. ^ カーネーションの育て方・栽培方法”. みんなの趣味の園芸. NHK出版. 2025年6月15日閲覧。
  19. ^ 食用花類 Edible flowers”. 農林水産省. 2022年2月23日閲覧。
  20. ^ 愛知県国際交流協会著 - 『ホンジュラス共和国』 (PDF) 、p.7,p.8、 2013年5月閲覧

参考文献

関連項目

外部リンク


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