10式戦車
別名:ヒトマル式戦車、陸上自衛隊10式戦車
陸上自衛隊で2010年に制式化された戦車。三菱重工業が製造を手がける純国産の主力戦車である。
10式戦車は1世代前の「90式戦車」と同じ口径の主砲を搭載しており、同等かそれ以上の火力・防御力を維持しながら、90式戦車と比べて1割以上の軽量化に成功している。車体も小型化・軽量化されたことで、運搬車による輸送がより容易になっている。
10式戦車の特徴の一つとして、軍用の高度情報処理システム「C4I」が国内で初めて搭載された点も挙げられる。C4Iにより、部隊の統制や、戦車同士で敵の情報の収集・共有などが可能になる。
10式戦車は2012年1月に静岡県の陸上自衛隊富士学校に配備された。2012年8月26日に実施された富士総合火力演習では実弾による射撃訓練が行われ、一般にも公開された。この演習には海上自衛隊の哨戒機P-3Cなども参加している。
関連サイト:
新戦車報道公開 - 防衛省 技術研究本部
【10式戦車】(ひとまるしきせんしゃ)
陸上自衛隊に採用されている第4世代主力戦車。
74式戦車・90式戦車の後継として2002年に試作を開始、2009年12月に制式化された。
2010年度予算から調達が開始され、2011年度より富士教導団戦車教導隊などから順次配備される予定。
最大の特徴は、陸上自衛隊の戦闘車両としては初めて搭載されたC4Iシステム。
「ReCs」を介して他の戦車や普通科(歩兵)部隊と情報・指揮系統を共有し、一体化した作戦行動が可能である。
将来はこれに加え、航空科が装備するOH-1観測ヘリコプターやAH-64D戦闘ヘリコプターとも連携し、これらの機が得た情報も入手できるようになると言われている。
攻撃、防御、機動性等の基本的な性能は、全て前作の90式と同等かそれ以上を目標としており、攻撃面では、90式戦車で培った技術を生かした高い目標捕捉能力と命中精度を持つ射撃統制システムと、同じ口径ながら90式より高威力の国産120mm滑腔砲を装備しており、90式より攻撃力が上昇している。
また、防御面では交換が容易な新開発のモジュール化された複合装甲を採用しており、軽量化に成功しながら90式以上の防御性能を達成している。
更に、周辺警戒用に車体の四隅に全周囲を監視できるセンシング装置を装備、車輌構造は対赤外線ステルス性能の向上を図っている。
機動性は砲安定性の向上にも寄与する電子制御のサスペンション、新開発のエンジンと無段階変速機を用いた小型軽量化・高応答性と高効率化を両立したパワーパック、新型履帯によってバックでも70km/hで走行可能な高い機動性を達成した。
旋回半径も90式の半分程度と言われており、小回りが利くため市街戦での対ゲリラ戦に対応した形となっている。
車体は90式戦車より小型軽量で、74式戦車と同じく73式特大型セミトレーラによる輸送が可能。
主な配備部隊
スペックデータ
乗員 | 3名(車長、砲手、装填手) |
全長 | 9.42m |
全高 | 2.30m |
全幅 | 3.24m |
全備重量 | 約44t |
懸架方式 | 油気圧式アクティブサスペンション |
エンジン | 水冷4サイクルV型8気筒ディーゼルエンジン(出力1,200ps/2,300rpm) |
最大速度 | 70km/h |
装甲 | 複合装甲(正面要部)/増加装甲(砲塔側面) |
兵装 | 日本製鋼所製44口径120mm滑腔砲×1門 12.7mm重機関銃×1挺(砲塔上面) 74式車載7.62mm機関銃×1挺(主砲同軸) |
製作 | 三菱重工業 |
派生型
10式戦車
10式戦車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 15:26 UTC 版)
日本が開発した次期主力戦車。90式の後継に当たる。(厳密には74式戦車の置換用に開発されたので90式戦車の後継でなく74式戦車の後継となる)
※この「10式戦車」の解説は、「自動装填装置」の解説の一部です。
「10式戦車」を含む「自動装填装置」の記事については、「自動装填装置」の概要を参照ください。
固有名詞の分類
- 10式戦車のページへのリンク