車輌構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 07:33 UTC 版)
「プジョー・205ターボ16」の記事における「車輌構造」の解説
ボディ構造は、当初、キャビンとフロントセクションを堅牢なモノコック構造とし、後部は鋼管パイプフレームとモノコック構造とを組み合わせた高剛性シャシとしたが、後期のエボリューション2モデルでは、さらに車重を削るため、後部は完全なパイプフレーム構造となったほか、エアロダイナミクスにも注力され、フロントスポイラーやカナードのほか、巨大なリアウィングが装着されるのが特徴である。 ボディカウルに関しては、ロードカーはキャビンのみがスチールであるが、応力の掛からない他部位は全てFRPとなっている。ワークスカーは、モノコックとフレームを除き、内装をはじめ、ボディー全体がケブラーによって成形されている。 サスペンションはストロークを充分に取ったダブルウィッシュボーンサスペンションで、コンペティションカーながらフランス車らしく例外的に乗り心地は良好であった。 エンジンは当初、アルピーヌ・A310で実績のあったPRVのV6 2.5Lユニットを搭載する予定があったが、結局、自社のXU1.6L鋳鉄ユニットをベースにボアxストロークを拡大し、ターボ過給した1,775ccオールアルミ製のXU8Tユニットを搭載した。これは、大排気量の重い自然吸気エンジンより、コンパクトなエンジンを過給したほうが総合的な車重削減には有利であったためであり、1,775ccという排気量も、過給器係数の1.4を掛けても2.5Lクラス(最低車輌重量900kg)に収まるようにするために設定されたものであった。 エンジンは助手席後部側にオフセットして横置きに配置され、反対側には空冷式インタークーラーとシトロエン・SM用をベースとしたトランスミッションが置かれた。初期のエボリューション1では、リアのホイールアーチ付近にはリアクオーターウィンドウから冷却風が導かれるように設計された2基の巨大なオイルクーラーが設置されたが、後期のエボリューション2では1個に減らされ、代わりにブレーキ冷却用のダクトが設置されて後2輪に配分された。 エンジン出力はライバルと比較して控えめで、200台の市販車はデチューンされて200PSという平凡なスペックであったが、ワークスのエボリューション1では、わずか1tに満たない車重で350PS、エボリューション2では450PSを搾り出した。その強力な馬力はステージの路面状況によってブースト圧の調整を受け、1986年のサンレモラリーの第1ステージでは3barの過給圧から540PSを出すに至っている。その強大な出力はビスカスカップリング式4WDシステムによってフロント:リア=35:65の割合で4輪に配分された。
※この「車輌構造」の解説は、「プジョー・205ターボ16」の解説の一部です。
「車輌構造」を含む「プジョー・205ターボ16」の記事については、「プジョー・205ターボ16」の概要を参照ください。
- 車輌構造のページへのリンク