ラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/13 01:44 UTC 版)
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       種類
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     国有企業 | 
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| 業種 | 軍需産業, 航空宇宙 | 
| 前身 |  HEMED,EMET, ラファエル・アーマメント・ディベロップメント・オーソリティー  | 
    
| 設立 | 1948年 | 
| 本社 | 、 | 
| 製品 |  ミサイル その他各種兵器、電子機器など  | 
    
| 売上高 |   | 
    
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       利益
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      588,000,000 新シェケル (2023年)  | 
    
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       従業員数
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     約6,000人 | 
| 子会社 | RDC (RAFAEL Development Corporation) | 
| ウェブサイト | rafael.co.il | 
ラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズ(Rafael Advanced Defense Systems Ltd、(ヘブライ語: רפאל - מערכות לחימה מתקדמות בע"מ, )は、イスラエルの軍事・防衛関連企業である。ラファエル社などと表記される事も多い。
ラファエル・アーマメント・ディベロップメント・オーソリティー(RAFAEL Armament Development Authority Ltd)の名称でも知られる。
"ラファエル"の名称は、ヘブライ語の"Authority for the Development of Armaments" - רשות לפיתוח אמצעי לחימה の頭文字を繋げた語になっている。
元々イスラエル軍、イスラエル政府に従属する兵器開発部門であったが、2002年に株式会社化された[1]。その後もイスラエルの国有企業として国防省と協力し、各種兵器の開発を行っている。
概要
ラファエル社の起源は1948年、第一次中東戦争時に編成されたイスラエル国防軍の技術部門(Science Corps, ヘブライ語の頭文字をとってHEMEDと呼ばれた)である。1952年にダヴィド・ベン=グリオン首相はScience Corps(HEMED)を二つのグループに分割する事とし、純粋な科学技術研究を行う部門をHEMEDとして継続させ、兵器開発を行う部門をResearch and Design Directorate(ヘブライ語の頭文字をとってEMETと呼ばれた)として分離した[2]。
その後1954年に再度ベン=グリオン首相により、Research and Design Directorate(EMET)から Authority for the Development of Armaments(RAFAEL)に改名され[3]、1958年にはRafaelと表記されるようになった[4]。
1990年代前半、ラファエル部門は損失を計上しており、このことから株式会社化して業務内容を改善させる事となった。2002年にラファエル・アーマメント・ディベロップメント・オーソリティー(RAFAEL Armament Development Authority Ltd)として株式会社化されたが、同時に国有企業でもあるという状態となっている。
2007年に、ラファエルの社名はラファエル・アーマメント・ディベロップメント・オーソリティーからラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズ(Rafael Advanced Defense Systems Ltd)に変更された。
製品
対空ミサイル
- シャフリル - 空対空ミサイル。
 - パイソン - 空対空ミサイル。
 - ダービー - 空対空ミサイル。
 - バラク - 艦対空ミサイル。イスラエル・エアロスペース・インダストリーズとの共同開発。
 - SPYDER 地対空ミサイルシステム - パイソン、ダービーの地上発射システム。
 - アイアンドーム - カッサームロケット弾迎撃用 防空ミサイルシステム。
 - ダビデ・スリング - 対弾道ミサイル用迎撃ミサイルシステム。2015年に実戦配備。デービッドスリング、ダヴィズスリング等とも表記される。別名"スタナー"、"マジックワンド"とも呼ばれる。
 
対地/対戦車ミサイル
- ラズ - イスラエル初の国産対地・対艦ミサイル。後にIAI製ガブリエル対艦ミサイルに発展した。
 - ポップアイ - 空対地ミサイル。アメリカ軍ではAGM-142として採用。
 - スパイス - 空対地式、誘導爆弾システム。
 - スパイク - 地対地、対戦車ミサイル。
 
その他
- SIMON ライフルグレネード - ドア破砕用ライフルグレネード(小銃擲弾)。
 - MATADOR - 個人携帯式の対戦車ロケットランチャー。
 - ブレイザー ERA - 戦車、装甲戦闘車両用の爆発反応装甲。イスラエル・ミリタリー・インダストリーズとの共同開発。
 - Armor-Shield-R - ブレイザーの改良型ERA。アメリカ陸軍のM2/M3ブラッドレイに装備されている。
 - Armor-Shield-P - 車両用パッシブ式増加装甲。アメリカ海兵隊のAAV7に装着される増加装甲キット(EAAK)として採用されている。
 - トロフィー APS - 戦車、装甲戦闘車両用のアクティブ防護システム
 - ライトニング - 航空機搭載用の照準ポッド。アメリカ軍ではAN/AAQ-28として採用。
 - AN/ASW-55 - ポップアイ (AGM-142) 制御用の航空機搭載ポッド。
 - スカイシールド - 航空機搭載用ジャミング/ECMポッド。
 - ラファエル・オーバーヘッド・ウェポン・ステーション - 装甲戦闘車両用のRWS(遠隔操作式兵装ステーション)
 - サムソン RCWS - 装甲戦闘車両用のRWS(遠隔操作式兵装ステーション)
 - タイフーン - 艦艇搭載用のRWS(遠隔操作式兵装ステーション)
 - トール - サムソン RCWSと共通の架台にレーザー照射装置を搭載したレーザー兵器。IEDの無力化に使用される。
 - ゼーブ装輪装甲車 - Hatehof社との共同開発。フォード F-550 ピックアップトラックの車台をベースに装甲車体を搭載した装甲兵員輸送車。
 - ゴラン装輪装甲車 - プロテクテッド・ヴィークルズ社との共同開発。アメリカ海兵隊のMRAPプログラム カテゴリーIIの車種の一つに選定された。
 - プロテクター USV - 無人水上艇(USV, Unmanned Surface Vehicle)。ミニ・タイフーンRWSを装備する。
 - C-PEARL - 艦艇または航空機搭載用の電波探知装置。
 - アイアンビーム - 高出力レーザーにより航空機やミサイルの迎撃を行う防空兵器。
 - カルメル - 開発中の装軌式小型装甲戦闘車両。2019年に技術デモンストレーター車両を製作したが、IAIが開発事業者に選定された。
 
脚注・出典
- ^ Dun & Bradstreet: Rafael Company Profile[リンク切れ]
 - ^ The bomb is the basement, page 43
 - ^ The bomb is the basement, page 113
 - ^ Merdor, Monaya M. (1982). "Science Corps (Hemed)". IDF in Its Corps: Army and Security Encyclopedia (ヘブライ語). Vol. 17. Revivim Publishing. pp. 17–19.
 
- The bomb in the basement, Michael Karpin, Ed Simon & Schuster. ISBN 978-0-7432-6595-9
 - ラファエル社 公式サイト
 
関連項目
- イスラエル国防軍
 - イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ - 略称IMI。
 - イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ - 略称IAI。
 
外部リンク
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