【液冷エンジン】(えきれいえんじん)
内燃機関の分類のひとつ。
レシプロエンジンやロータリーエンジンのうち、冷却機構に液体を用いるもの。
水溶液を用いる「水冷式」と、粘度の低い油脂を使う「油冷式」に細分される事もある。
燃焼室の周囲に空間を設け、冷却液を循環させる事で冷却を行う。
熱を持った冷却液は熱交換器(ラジエーター)で冷やされ、再び循環する。
小型化が容易で、気圧や気温の影響を受けにくく、運用の安定性に優れる。
反面、液体を密閉する必要性から冷却機構が複雑になり、整備性を大きく犠牲にする。
加えて、衝撃や被弾などを受けると冷却できなくなって故障を誘発する危険性が高い。
液冷エンジン
空冷式エンジンに対して、冷却液によってエンジンの発熱部分からの熱を奪う方式のエンジン。冷却液としては、水、水とエチレングレコールなどの混入液があり、自動車でもまれにオイルが使用されるごとがある。液冷エンジンの冷却システムはラジエーターを用い、大気中に放熱する。空冷式に比べ、冷却システムは複雑になるが、エンジンの温度制御が容易になり、エンジン各部の温度が安定する。これにより出力性能、排気性能、耐久性、エンジンオイルの劣化防止などに対して有利である。
同義語 水冷エンジン反対語 空冷エンジン
液冷エンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/12 00:42 UTC 版)
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液冷エンジン(えきれいエンジン)は、一般に水冷エンジンと呼ばれるものの他、水以外による液冷のエンジン(発動機)も含む総称である。環境温度が氷点下になった場合の凍結トラブルの防止や、金属の腐蝕の防止のために冷却水(クーラント)にジエチレングリコール等を混入するのは自動車等でも一般的であるが、普通は主成分が水であるため、水冷と称するのが普通である。なお、エンジン以外、たとえば電気機器の冷却等では、導電性がある水を嫌って、油冷などとすることはごく一般的である。冷却水(クーラント)にジエチレングリコールを混入させたことから純粋な「水」冷と言えないとして、主に航空機業界で使用された。[要出典]
エンジンでは、エンジンオイルを冷却するオイルクーラーはごく一般的な装備であるが、エンジン自身の冷却にオイルを使用する手法があり、油冷エンジンと呼ばれることがある。また「液冷」とは称さないことが多いが、一例としては筒内ガソリン直噴式ではそのガソリンの気化による冷却効果がある[注 1]。
油冷エンジンとしては、第二次大戦中のアメリカの戦闘機にそのような装置があった ものをヒントとして、二輪車のエンジンに応用[要出典]したものがスズキのSACS(Suzuki Advanced Cooling System)である。これはシリンダーヘッド内部に潤滑用とは別に大量のエンジンオイルを噴射して冷却を行うもので、1985年に発売されたスズキ・GSX-R750で初めて採用された。
「空冷エンジンとするかどうかは議論の分かれている。」などとするものがいるが、ここで述べているような油冷方式で主に冷却されるピストンなどは、(舶用のような超大型でもない限り)構造上水冷や、外気に触れさせて空冷にすることなどはほぼ困難であり、一般に冷却などで適宜複数の手法を併用するのは当然[注 2]であるから「空冷エンジンとするかどうかという議論」自体が議論のための議論以上のものではないと思われる。議論が必要な場合があるとすれば、レースや入札などの競争(コンペティション)のルールが影響するといった場合ぐらいであろう。
脚注
注釈
出典
液冷エンジンと同じ種類の言葉
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