ネグレクトとは? わかりやすく解説

ネグレクト

英語:neglect

ネグレクト(neglect)とは、幼児高齢者障害者などの社会的弱者に対する保護養育義務果たさず放棄放任することである。とりわけ日本では「ネグレクト」は児童虐待一種養育放棄育児怠慢監護放棄)を指す意味で用いられることが多い。高齢者介護放棄などもネグレクトに該当する。「高齢者虐待防止法」では「養護者・養介護施設従事者等からの虐待」が高齢者虐待該当する定義されている。

英語の neglect は、ラテン語語源とし、もともとは怠慢粗略無視軽視意味する

児童虐待の防止等に関する法律」(通称児童虐待防止法」)では、児童虐待を「身体的虐待」「性的虐待」「保護の怠慢拒否」「心理的虐待」の4種類分けて定義している。このうち保護の怠慢拒否」がネグレクトに該当する定義と解釈されている。

児童虐待防止法第2条第3号規定は以下のとおりである。
児童心身正常な発達妨げるような著し減食又は長時間放置保護者以外の同居人による前二号又は次号掲げ行為と同様行為放置その他の保護者としての監護著しく怠ること。

児童に対するネグレクトは、児童の健康、衛生健全な発育損なう。適切な親子関係対人関係構築できないまま成長することで、人格形成重大な悪影響が及ぶことも懸念される。ネグレクトと同時に暴力的な虐待が行われている可能性危惧される

ネグレクトは、経済的困難疾患といった物理的要因によって保護困難になるパターン(=消極的ネグレクト)と、そういった物理的問題理由はないが保護放棄するパターン(=積極的ネグレクト)の2種類大別される

さらに、ネグレクトの内容により、「身体的ネグレクト」「情緒的ネグレクト」「医療的ネグレクト」「教育的ネグレクト」といった区分設けられることもある。

身体的ネグレクトは、家に閉じ込めたり長時間ひとりきりにしたり、必要な食事与えなかったりすること。

情緒的ネグレクトは、愛情遮断するなどして、子どもが必要とする情緒的欲求応えないこと。

医療的ネグレクトは、病気かかって病院に連れて行かなかったり予防接種受けさせなかったりすること。

教育的ネグレクトは、子供意思に反して学校行かせない(通学させない、または入学させない)こと。

自動車中に子供放置してパチンコ興じた愛人しけこんだりするような行為は「身体的ネグレクト」に該当する

ネグレクト(を含む児童虐待)の行為主体について、改正前の児童虐待防止法」は保護者をのみ対象としていたが、2004年平成16年)の改定により、保護者同居人がネグレクトを黙認している状況もネグレクトに該当する規定された

保護者による児童のネグレクトが発覚し子供の死傷が確認された場合保護者刑法に基づき処罰対象となる。

第三者がネグレクトを発見した者は、児童福祉法第25条規定に基づき福祉事務所もしくは児童相談所に通告する義務がある

医療関係者などは児童虐待防止第5条に基づきネグレクト(児童虐待)の早期発見努めるよう義務づけられている

どこからをネグレクトと判断するかは、児童虐待防止法の定義に基づき子どもの状況保護者状況生活環境等から総合的に判断するべきとされる

厚生労働省は「親の意図の有無に関わらず子供が有害と思うことを虐待とする」考え方支持しているため、仮に親自身はの一環捉えていたとしても、子供にとって有害であればネグレクトと判断されることは十分にあり得る

2020年4月施行され通称体罰防止ガイドライン」では、「宿題をしなかったので晩飯抜き」「いたずらの罰に長時間正座させる」「存在否定するようなことを言う」といった行いは、体罰該当するとしている。必ずしも虐待・ネグレクトとなる。

ネグレクトの問題世間的に大きく取り上げられきっかけ事件として、2010年大阪2児餓死事件あげられる母親当時3歳の娘と1歳息子閉じ込めるように50日間放棄し餓死させた。逮捕前日勤務先の上司から「異臭がする」との連絡を受け子供の死亡確認しているが、そのまま交際相手遊び行きホテル宿泊していた。この事件を元にした映画書籍幾多にも及ぶ。

2004年岸和田中学生虐待事件暴行による身体的虐待含まれているが、虐待発覚恐れて中学三年生長男軟禁した事例である。長男食事取れないほど衰弱し自力で歩行できず、ブルーシートの上に排泄物垂れ流すような状態だった。長男餓死寸前発見され救出されたが、知能著し低下身体障害などの後遺症残った

1988年巣鴨子供置き去り事件は、母親が4人の子供を自宅置いて別の男性同居していた事件だが、母親は月に数万金銭的な援助行っていた。当時14歳の長男7歳3歳の妹と赤子次男面倒を見ていたが、発見当初には次男白骨死体死亡していた。子供全員出生届出されておらず学校にも通っていなかった。また発見され時に三女がいなかったが、長男とその友人に暴行を受けて死亡していた。

ネグレクト【neglect】


ネグレクト

読み方ねぐれくと

 幼児児童高齢者障害者などに対し、その保護世話養育介護などを怠り放任する行為のことをいいます身体的精神的性的虐待とならぶ虐待のひとつであり、日本では特に子どもへのネグレクト、「育児放棄」を指すことが多いようです近年では高齢者に対して世話介護怠るネグレクトも増加しており、それぞれ児童虐待防止法」(平成12年施行)「高齢者虐待防止法」(平成18施行)にも明確に定義されています。
 ネグレクトはその状況により、物理的に問題がないのに保護放棄する積極的ネグレクトと、知識・経済力の不足や疾患のために保護できない消極的ネグレクト分けられますが、基本的には、保護者の意識対象向かっていない状態といえます。子どもの場合、成長必要不可欠な食物与えない予防接種病気の治療受けさせない、情緒的ケアをしない、1人長期間放置する学校行かせないなどがあり、幼少時期にこういったネグレクトにさらされた場合適切な親子関係築かれいために将来人格形成などに重大な影響及ぼと言われています。
 なお、ネグレクトや虐待を受けている可能性がある子どもを発見した場合医師看護師の場合はただちに地域児童保護局に届けることが義務づけられており、また、された側が負傷死亡した場合には、ネグレクトをした者が刑法により処罰対象となります


ネグレクト neglect

全体 ★☆☆☆ 60歳以上 ★☆☆☆

凡例

  1. 育児放棄
  2. 無視
  1. ネグレクト育児放棄による虚弱食生活乱れによる肥満など表面化しない虐待受けた児童行き場ほとんどないのが実情だ。
  2. 最も民主政治根本にかかわる問題についてネグレクト無視してしまっている。
意味説明
  1. 親などが,保護者として行わなければならない乳幼児児童養育を,放棄すること
  2. 取り合わ無視すること

1. 介護放棄 世話の放棄


ネグレクト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 18:03 UTC 版)

ネグレクト: neglect)は、セルフケアができない弱者の世話をする責任がある保護者が責務を怠たることによって加害者となる行為。  児童虐待障害者虐待高齢者虐待患者虐待のひとつ。子供に対するネグレクトは育児放棄英語版(いくじほうき)、育児怠慢(いくじたいまん)、監護放棄(かんごほうき)とも言う。また、ペット飼育放棄(しいくほうき)に対しても指すことがある[1]保護者が特定の宗教的理念に基づく治療拒否や非科学的なモノを信じるなどし、適切な医療を受けさせないことは医療ネグレクトと呼ばれる。日本では2012年(平成24)4月施行の民法改正で親権停止制度が導入され、子供に科学的医療を受けさせない親に対して、家庭裁判所による親権停止が可能になった[2]


注釈

  1. ^ 学校教育法第18条では、学齢児童・生徒が、病弱発育不完全その他やむを得ない事由のために就学困難と認められた場合、保護者の申請により教育委員会の決定で、就学義務を猶予または免除することができると規定されている。

出典

  1. ^ 動物の遺棄・虐待は犯罪です: 堺市ホームページ
  2. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ),デジタル大辞泉. “医療ネグレクトとは” (日本語). コトバンク. 2022年3月24日閲覧。
  3. ^ 『現代英和辞典』研究社、携帯版第10刷、1983年、P856。
  4. ^ 平成20年度社会福祉行政業務報告厚生労働省
  5. ^ 外務省海外安全ホームページ 安全対策基礎データ アメリカ合衆国
  6. ^ “7歳児を一人で公園に行かせた米女性逮捕、「過度な制限」と批判も”. ロイター (ロイター通信社). (2014年8月1日). http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPKBN0G02QR20140731 2014年8月1日閲覧。 
  7. ^ 緘黙の少女―親権代行者の記録(八塩弘二、雅粒双書、2002年)


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