8050問題とは? わかりやすく解説

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8050問題

読み方:ハチマルゴーマルもんだい

ひきこもりの子をもつ家庭高齢化し、50代中高年のひきこもりの子80代の後期高齢者さしかかった親が面倒見ケース増えている、という社会問題のこと。

いわゆるひきこもり」は一般的には10代20代若者問題として捉えられがちだが、ひきこもり問題顕在化した198090年代から30年ほど経た現在、当時ひきこもり世代社会に出る機会逃したまま今なおひきこもり続け50代になろうとしている、という例が少なくない見られている。生活は以前同様に親に頼ることになるが、親も仕事退職しており家計厳しくなる一方、また体力衰えはじめ面倒を見切れなくなり親子ともに世間から孤立しがちになると指摘されている。

なお「8020」は「80歳までに20本以上の歯を残そう」という健康維持運動であり8050問題とは特に関係ない

はちまるごまる‐もんだい【八〇五〇問題】

読み方:はちまるごまるもんだい

80代の親と、引きこもりの状態にある50代の子からなる世帯抱える、さまざまな問題。無収入世帯となり困窮するほか、要介護となった親と社会的に孤立した子が、どちらも公的支援受けられずに死亡するなどの例もある。八十五十(はちじゅうごじゅう)問題


8050問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/04/08 13:32 UTC 版)

日本の人口ピラミッド

8050問題[1](はちまるごーまるもんだい[2]、はちぜろごーぜろもんだい、はちじゅうごじゅうもんだい)は、2010年代以降の日本に発生している中高年引きこもりに関する社会問題。長年引きこもる子供とそれを支える親の高齢化による問題であり、背景には在宅介護、親子の共依存扶養義務などが存在する[3][4]

概要

命名者は、大阪府豊中市社会福祉協議会所属のコミュニティ・ソーシャルワーカーの勝部麗子である[5]

引きこもりの若者が存在していたが、これが長期化すればも高齢となり、収入や介護などに関する問題が発生するようになる。これは「80代の親と50代の子」の問題であることから「8050問題」と呼ばれるようになった[6]。親子で社会的孤立の状態に陥っていることが多く、このまま高齢化が進めば「9060問題」になると言われる[7]

「8050問題」の子世代は、バブル崩壊後やリーマン・ショック[8]就職難にあった就職氷河期世代であり、就職活動の失敗や、就職後の勤務先の倒産リストラ雇用ミスマッチハラスメントパワハラセクハラなど)を受けて退職後の転職活動に失敗した者も多い。しかし彼らが若い頃に政府は「自己責任」「親が面倒を見るべき」として棄民のように切り捨てた(「自己責任」は2004年〈平成16年〉新語・流行語大賞のトップテン入りしていたが、当時は社会としてまだ問題視されていなかった)ため、彼らが生活保護を取得するようになると一気に社会保障費が増大することが問題とされている[9]

また、就職氷河期世代は「団塊ジュニア」「ポスト団塊ジュニア」の世代とも重なるため、約1,700万人と数が多いことも「8050問題」が深刻化する理由となっている[10]。「孤立は本人の努力不足からくる」と蔑視する自己責任論や、子や配偶者から「育て方が悪いからこうなった」と責任転嫁するような[5]社会風潮も、困窮者が相談しづらく孤立化することに追い打ちをかけている[11]

歴史

1980年代から1990年代まで、いじめなどによる不登校が問題視されていた。その後、2003年の日本労働研究機構による「ニート」という用語の日本国内への紹介に端を発する形で、一部の引きこもりに対しては2000年代から継続的に大規模な調査が実施されるようになった。しかし日本では「15歳から34歳まで」という定義により、若年層のみの問題であるように捉えられてきた。しかし2010年代に入り、引きこもりから立ち直れなかった者や、引きこもりを抱える家族が全国的に高齢化して猶予が無くなり、外部機関への相談が増えてきたことから、それまで調査の網に掛からなかった中高年層の実態が明らかとなった。

内閣府2018年、40歳から59歳までの引きこもりを対象とした初の実態調査を行った。従来までは引きこもりの問題は若者特有の問題であるとして調査されていたものの、中高年の実態を把握して支援に役立てるとした。そして2018年度の予算案に調査費として2,000万円を計上した[6]

内閣府からは2019年3月時点で、中高年の引きこもり人口は61万3千人も存在し、そのうち70%以上は男性であるとの調査結果も発表されている。この他の年代の引きこもりも算入すると、日本は「引きこもり100万人時代」を迎えていると言える[12]

2020年代には、事態が更に深刻化し「9060問題」が本格化することが確実視されており[13]、全国的に孤立死一家離散一家心中、親の死体遺棄、生活保護や福祉給付金の受給増加、公営住宅の不足などが想定されることから、「8050問題」に対する迅速な対応が求められている。

8050問題が顕在化した事件の例

行政による支援

「8050問題」をはじめ、介護や貧困など複合的な課題を抱えている家庭を支援するため、令和2年通常国会において社会福祉法が改正され「重層的支援体制整備事業」が創設された。同事業は市町村が主体となる「任意事業」であり、厚生労働省は「地域住民の複合・複雑化した支援ニーズに対応する、断らない包括的な支援体制を整備する」ものと説明した[19]

脚注

  1. 8050問題』 - コトバンク
  2. 平成29年度 事業実施報告書”. 社会福祉法人志摩市社会福祉協議会. 2019年4月23日閲覧。
  3. 高齢化で「8050」から「9060」問題へ”. 産経ニュース (2021年11月16日). 2021年11月16日閲覧。
  4. 深刻化する「8050問題」の実態と対策!介護の現場で起こっている新しい問題とは レオパレス21、2019年2月7日
  5. 1 2 “【8050の実像-中高年ひきこもり61万人】(上)「お前のせいで」母と子、十数年の葛藤”. 産経ニュース. (2019年5月13日) 2019年5月30日閲覧。
  6. 1 2 「8050問題」とは?中高年ひきこもり、初調査 40~59歳対象”. 産経ニュース (2018年1月1日). 2018年8月14日閲覧。
  7. 高齢化で「8050」から「9060」問題へ”. 産経ニュース (2021年11月16日). 2022年7月15日閲覧。
  8. NHK #こもりびと 「8050問題」支える親に募る不安”. 日本放送協会 (2018年11月26日). 2018年11月26日閲覧。
  9. 橘玲 (2020年3月19日). 打つ手なしの絶望、「40代のロスジェネ男」はこれだけ人手不足でも雇われない 連載:橘玲のデジタル生存戦略(6)”. FinTech Journal. 2022年8月21日閲覧。
  10. ひきこもる就職氷河期世代。ひきこもり100万人時代、中心は40代。家族が苦悩する「お金問題」”. Business Insider Japan (2019年4月9日). 2022年8月21日閲覧。
  11. 社説[8050問題]「助けて」言える社会に”. 沖縄タイムス (2020年9月21日). 2022年8月22日閲覧。
  12. ひきこもり100万人時代、「8050問題」はなぜ起きたのか”. デイリー新潮. 2019年6月16日閲覧。
  13. 支えているのは80代の高齢者!推定61万人以上といわれる「中高年のひきこもり」その実態とは?”. FNNプライムオンライン. 2019年6月15日閲覧。
  14. 82歳母親と52歳引きこもり娘が孤立死、顕在化する「8050問題」とは”. ダイヤモンド・オンライン (2018年3月8日). 2018年8月14日閲覧。
  15. なぜ、90歳近い両親を手にかけ冷蔵庫に入れたのか【福岡地裁公判・60歳被告の肉声】”. 西日本新聞 (2025年8月17日). 2025年8月16日閲覧。
  16. 【福岡・両親殺害】「背景に介護の8050問題」ひきこもり35年次男に届かなかった支援(池上正樹) - エキスパート”. Yahoo!ニュース. 2026年3月8日閲覧。
  17. 約束の携帯電話買ってもらえず、包丁の峰で70代母親を何度も…逮捕の49歳息子「腕と肩は叩いたが、腰は叩いてない」”. 北海道放送 (2021年12月24日). 2012年12月25日閲覧。[リンク切れ]
  18. 〈船橋・殺人未遂〉「長男を包丁で刺した」…暴力にたえかねた父親(76)の顔には大きなアザ、親族は事件直後「ボケ老人がやっちまった」 | 集英社オンライン | ニュースを本気で噛み砕け”. 集英社オンライン (2025年8月12日). 2026年3月8日閲覧。
  19. 重層的支援体制整備事業における具体的な支援フローについて”. 厚生労働省. 2025年12月21日閲覧。

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