リベンジポルノ
英語:revenge porn
元恋人への復讐や腹いせを目的に、相手のヌード写真などの卑猥な姿をインターネット上にばらまく行為。
恋人または配偶者という親密な関係だったからこそ許せたような極めてプライベートな姿がインターネットで不特定多数が閲覧できる状態にされることで、リベンジの対象となった側は深刻なダメージを受ける。一旦出回った画像を回収することは事実上不可能に近い。
リベンジポルノはかつて合意の上で撮影された画像であるため、従来の法体制ではプライバシーの侵害を問えないとされる。
2013年10月に米国カリフォルニア州はリベンジポルノを規制する法を施行している。
日本では2013年10月に東京三鷹市でストーカー殺人事件が発生したが、容疑者と被害者は元恋人の関係であり、事件発生直前に容疑者はリベンジポルノを行っていたことが報じられている。。
関連サイト:
SB-255 Disorderly conduct: invasion of privacy - California Legislative Information
リベンジポルノ
英語:revenge porno
恋人や配偶者と別れた男性が、交際当時に撮影していた相手の性的な写真や動画を、復讐(リベンジ)あるいは腹いせのような目的で、無断でインターネット上に公開する(ばらまく)、という行為のこと。米国を中心に2010年代前半頃から顕在化してきた社会問題。2013年10月に、米国カリフォルニア州で初めてリベンジポルノを禁止する法律が制定され、違反者には懲役最大6か月と1000ドルの罰金が課せられることになった。
リベンジポルノにおいてばらまかれる画像や動画は、裸の写真であったり、性行為に及んでいる場面の写真であったりする。当然ながら当事者の女性にとっては絶対に他人に見せることなどできない姿である。それがウェブ上で不特定多数の目に触れる環境に晒される。リベンジポルノの対象となった女性は深刻な精神的苦痛を受けることになる。
日本では、リベンジポルノは刑法第175条(わいせつ物頒布等)、刑法第230条(名誉毀損)、あるいは「ストーカー規制法」などに抵触する可能性が高い。
2014年には「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(通称「リベンジポルノ対策法」)が成立・公布され、画像をウェブ上にアップロードした者だけでなく、画像の拡散に荷担した者も罪に問えるようになり、画像の削除の手続きも容易になっている。
リベンジポルノ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/09 19:29 UTC 版)
リベンジポルノあるいは復讐ポルノ(ふくしゅうポルノ)とは、元配偶者や元交際相手などの性的画像や動画[注釈 1]を、復讐や嫌がらせ目的で被撮影者の同意なしに公表する行為[5][6][7]。
注釈
出典
- ^ “リベンジポルノ等の被害を防止するために”. www.npa.go.jp. 2023年3月14日閲覧。
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- ^ 『リベンジポルノ』 - コトバンク
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- ^ 株式会社インプレス (2024年6月7日). “未成年の性的コンテンツ拡散を防ぐ ~アメリカの「Take It Down」が日本語に対応/画像や動画のハッシュ値のみを各種プラットフォームで共有して拡散を制限”. 窓の杜. 2024年6月9日閲覧。
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- ^ 警察庁. “プライベートな性的画像を勝手に公表することは犯罪です!!”. 2016年6月1日閲覧。
- ^ “一般社団法人セーフライントップページ”. 一般社団法人セーフライン. 2015年8月28日閲覧。
- ^ “なぜ警察の摘発は進まないのか(7)” (2023年3月3日). 2023年3月14日閲覧。
- ^ “子どもの性的動画200本超、アプリ内で裏取引/Google・Appleは今も無視(6)” (2023年1月12日). 2023年3月13日閲覧。
- ^ “映画「リベンジポルノ」公式サイト”. 2014年12月15日閲覧。
- 1 リベンジポルノとは
- 2 リベンジポルノの概要
- 3 概要
- 4 各業界の対応
- 5 リベンジポルノを題材とした作品
リベンジポルノ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 06:36 UTC 版)
「ステイシー・プラスケット」の記事における「リベンジポルノ」の解説
2017年7月、プラスケットの議員事務所の元スタッフ2名が、プラスケットと夫のヌード写真やビデオを違法に公開したことに関連した罪で起訴された。起訴状によると、修理に出していたプラスケットのiPhoneから写真や動画をスタッフがコピーし、フェイスブックのアカウントを使って公開したとされる。
※この「リベンジポルノ」の解説は、「ステイシー・プラスケット」の解説の一部です。
「リベンジポルノ」を含む「ステイシー・プラスケット」の記事については、「ステイシー・プラスケット」の概要を参照ください。
リベンジポルノ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 00:20 UTC 版)
「三鷹ストーカー殺人事件」の記事における「リベンジポルノ」の解説
Aは7月22日に米国のアダルト動画・静止画共有サービスサイトであるXVideosでBのニックネームにちなんだハンドルネームで自分の投稿スペースを作成し、10月2日から10月6日にかけて交際中に所有していたBの性的な画像や動画をアップロードした。殺害前の時点でBとBの父親は、Bの性的画像等がアップロードされていることは知っており、このことを知ったBの父親は「女優の夢が絶たれたばかりか、もう娘は日本で普通に暮らすことはできない」と思ったが、Bは父親を心配させまいと「もうこれ以上のことはしないだろうから、せいせいした」と気丈に振る舞っていた。 さらにAは、10月5日から10月8日の殺害直後に逮捕されるまで、短文投稿サイトや電子掲示板の復讐を扱うスレッド、地域掲示板の三鷹市に絡むスレッドで、三鷹で怨恨殺人を示唆するコメントなど被害者であるBとの関連を示唆しながら、自分がアップロードした米国のアダルト動画・静止画共有サービスサイトのURLを投稿した。殺人事件がメディアで大きく報道されるにつれて、Aのネット投稿に気づいたネット住民によってBの性的な画像や動画がダウンロードされ拡散した。 大手メディアは事件発生当初は被害者Bの実名報道をしつつもBの性的な画像や動画が拡散していることは報道しなかったが、一部メディアが報道しており、やがて大手メディアでも本事件を報道する際に本件をリベンジポルノであるとして紹介するようになり(その際には被害者Bを匿名報道するようになった)、リベンジポルノが社会問題として認識されるようになった。国会でもリベンジポルノが問題視され議論されるようになり、2014年11月19日にリベンジポルノへの罰則を盛り込んだリベンジポルノ被害防止法が成立した。
※この「リベンジポルノ」の解説は、「三鷹ストーカー殺人事件」の解説の一部です。
「リベンジポルノ」を含む「三鷹ストーカー殺人事件」の記事については、「三鷹ストーカー殺人事件」の概要を参照ください。
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