田樂とは? わかりやすく解説

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でん‐がく【田楽】

読み方:でんがく

初め民間農耕芸能から出て平安時代遊芸化され芸能田植えのときに、田の神祭って歌い舞ったのが原形で、鎌倉時代から室町時代流行専業田楽法師出た能楽のもとである猿楽(さるがく)との関係が深い。鼓・腰鼓・笛・鈸子(どびょうし)・ささらなどを奏しながら舞う田楽踊りと、高足などの散楽系の曲芸のほか、物真似芸や能なども演じた。現在では民俗芸能として各地に残る。

民俗芸能で、田遊び田植え踊りなど田に関する芸能総称

田楽法師」の略。

田楽豆腐」「田楽焼き」の略。「木の芽—」《 春》「枸杞(くこ)の垣—焼くは此奥か/漱石

田楽返し2」の略。


でんがく 【田楽】


田楽

作者森鴎外

収載図書灰燼 かのように森鴎外全集 3
出版社筑摩書房
刊行年月1995.8
シリーズ名ちくま文庫


田楽

読み方:デンガクdengaku

青竹削って作った二叉フォーク状のものに、方形切った豆腐刺して火で炙る。別に山椒の芽を擂り、赤味噌または白味噌混ぜたものを作って置き、これを豆腐表面塗ったもの

季節

分類 人事


田楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/29 06:30 UTC 版)

東京・王子田楽(2014年)

田楽(でんがく)は、平安時代中期に成立した日本伝統芸能。楽と躍りなどから成る。「田植えの前に豊作を祈る田遊びから発達した[1]」「渡来のものである」などの説があり、その由来には未解明の部分が多い。

概要

もともと耕田儀礼の伴奏と舞踊だったものが仏教や鼓吹と結びついて一定の格式を整え、芸能として洗練されていった[2]。やがて専門家集団化した田楽座は在地領主とも結びつき、神社での流鏑馬相撲、王の舞などとともに神事渡物の演目に組み入れられた[2]

中世以来、各地に伝わる民俗芸能の田楽をまとめると、共通する要素は次のようになる[2]

  • びんざさらを用いる
  • 腰鼓など特徴的な太鼓を用いるが、楽器としてはあまり有効には使わない
  • 風流笠など、華美・異形な被り物を着用する
  • 踊り手の編隊が対向、円陣、入れ違いなどを見せる舞踊である
  • 単純な緩慢な踊り、音曲である
  • 神事であっても、行道のプロセスが重視される
  • 王の舞、獅子舞など、一連の祭礼の一部を構成するものが多い

歴史

文献史料に残された田楽と、今日に伝わる郷土芸能の田楽には開きがあり、時期によってその中身に変化があったと考えられる[2]。田楽の文献史料では992年の『和泉大鳥社流記帳』が最も古いとされるが、史料的にやや疑問がある。次いで古い記録には、998年の『日本紀略』に京都松尾神社の祭礼で山崎の津人が田楽を演じたという記録がある。

平安時代

平安時代に書かれた『栄花物語』には田植えの風景として歌い躍る「田楽」が描かれており、大江匡房の『洛陽田楽記』によれば、永長元年(1096年)には「永長の大田楽」と呼ばれるほど京都の人々が田楽に熱狂し、貴族たちがその様子を天皇にみせたという。平安後期には寺社の保護のもとに田楽座)を形成し、田楽を専門に躍る田楽法師という職業的芸人が生まれた。

草創期の田楽は御霊会との結びつきが強く[2]、仏事に演じられる舞楽に対して卑俗な演芸と見られていた様子が、比叡山の教円座主の若い頃のエピソードとして『今昔物語』に「近江国矢馳郡司堂供養田楽語第七」として残されており、当時の田楽の様子も活写されている。

鎌倉・室町時代

鎌倉時代にはいると、田楽に演劇的な要素が加わって田楽能と称されるようになった。鎌倉幕府執権北条高時は田楽に耽溺したことが『太平記』に書かれており、室町幕府の4代将軍足利義持増阿弥の芸を好んだことが知られる。田楽ないし田楽能は「能楽」の一源流であり、「能楽」の直接の母体である猿楽よりむしろ高い人気を得ていた時代もあった。

田楽は、大和猿楽の興隆とともに衰えていったが、現在の(猿楽の能)の成立に強い影響を与えた。能を大成した世阿弥は、「当道の先祖」として田楽から一忠(本座)、喜阿弥(新座)の名を挙げている。

近世以後

江戸時代には一部の故実家や国学者が関心を向ける程度で、芸能としてはほぼ忘れ去られた存在となっていたが、大正末から戦後にかけて興った芸能史・民俗芸能研究とそのフィールドワークの結果、日本各地の神事祭礼のなかに残された田楽の記録が集積された。

郷土芸能

現在までに、びんざさらを使う躍り系の田楽と、擦りささらを使う田はやし系の田楽とに分かれてきた。躍り系の田楽には、豊穣を祈念するものと、魔事退散を祈念するものとがある。

文化財指定

2009年現在、以下の24件が民俗芸能の田楽の分類で、重要無形民俗文化財に指定されている(指定日 都道府県)。このうち秋保の田植踊および那智の田楽ユネスコ無形文化遺産に登録されている。

脚注

  1. ^ 「年中行事事典」p508 1958年(昭和33年)5月23日初版発行 西角井正慶編 東京堂出版
  2. ^ a b c d e 西岡 1994, pp. 149–184.

参考文献

  • 西岡芳文「田楽:その起源と機能を探る」『職人と芸能』、吉川弘文館、1994年、 ISBN 464202705X

関連項目



田楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/15 05:18 UTC 版)

上鴨川住吉神社神事舞」の記事における「田楽」の解説

踊手栗皮色の千早着て御幣紙垂の束を結びつけたガッソウを頭にかぶる。笛と大太鼓合わせて締太鼓びんざさら、鼓やチョボ銅ばつ)を持った踊手跳躍しながら踊る。

※この「田楽」の解説は、「上鴨川住吉神社神事舞」の解説の一部です。
「田楽」を含む「上鴨川住吉神社神事舞」の記事については、「上鴨川住吉神社神事舞」の概要を参照ください。

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