ウルトラ忍法帖
ウル忍
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 10:54 UTC 版)
鶴亀の国を守る正義の忍者組織。ゾフィーを頭領(通称「お頭」)、マンをリーダーとしている。詰所はゾフィーの屋敷(初期はウルトラの里)で、会議や緊急招集などでメンバーが集まる。主な任務は基本的に朧党から、鶴亀の国を守る事だが、これ以外にも市中見回りや犯罪の取り締まり、朧党以外の悪の組織との戦闘を行ったりもしている。また、連載初期では、海外の事件にも出動している。一度マンがネオ朧党の首領となって、ウル忍を裏切った際には他にも裏切り者が続出するほどの事態に発展しているが、基本的にメンバー同士の信頼関係は高い。若い頃のゾフィーの夢だった、「自分が才能を認めた者を集め、忍者組織を作る」事が結成理由となっている。 マン 主人公。ウル忍の実質的リーダーでバカ忍者。頭は空だが、武芸は洗練されており、投げた手裏剣を全て一発で敵の急所に当てるなど、忍者としての実力は高い。第1話から最終話までほぼ全話出演。かつては捨て子だったが、任務実行中のゾフィーに拾われ忍者へと成長する。年齢は30歳くらいで、つるかめ7年12月17日生まれのギョウ座。干支はかものはし。給料は月給2万5,000円。 ふざけてばかりでセブンやゾフィーに叱られてばかりだが、シリアス編では生真面目な面が描かれることもある。 体術、火炎忍法、馬鹿忍法などが得意で、スペシウム光線で敵を倒すこともある。頭は閉開式になっており脳が異常に小さく計算ができない。一度脳が耳から流れ出たり、脳が爆破されてしまったことがあったが、脳が無くなっても本人に異常は無いどころか、逆に無い方が頭が良くなる。カラータイマーは炊飯器になっており、原案とは違い、取り外しても命に関わる事はない。短気で喧嘩っ早い上に強い。いつも拾い食いをしているが、何を食べても腹はなんともなく、むしろ腐ったものが好きらしい。拾い食いをする癖を利用され、罠だと気付かずに落ちている物(主に腐った饅頭)を食べて、それが事件につながる事も多かった。友や恩人に対する情は誰よりも深く、仲間を傷つけたり裏切ったりした相手に対しては、激しい怒りをぶつける。 「ウル忍かわら版」という記事ページにおいて、「本名はハヤタ=マン。年齢不詳」と紹介されていたが、作品本編内では一度もその名で呼ばれたことはない。また初期の回や忍者免許試験の際には「ウルトラマン」と呼ばれていた。 2度忍小の先生になった。1度目は廊下で立ち小便をしてクビになった。また、冥府羅州が異空間に取り残された時はネオ朧党の首領となり、悪行と贅沢の限りを尽くし遂にはウル忍を壊滅させ、冥府羅州だけでなく他の敵組織も成し得なかった日本征服を完了してしまう。しかしマンが首領である事に不服を抱いた忍獣達が反発して組織は分裂状態になる。やがて組織同士がぶつかり合う全面戦争に陥り収拾がつかなくなるが、冥府羅州が帰還した事で朧党は再び一つにまとまった事でササヒラー達は去ってしまい、同様に裏切ったエース達にも逃げられた事でネオ朧党は消滅。何食わぬ顔でウル忍に戻ろうとするが、この時ばかりはゾフィーの怒りも頂点に達して、ウル忍をクビになり居候先だったお頭の屋敷からも追い出されてホームレス状態となったが見かねたティガの計らいとササヒラーの友情に免じて復帰が許され、お頭と和解を果たした。 最終話で長年の激闘が原因で心臓が弱りきっていた事が発覚する。後述の医者、杉田卵白から戦う事を止められた状態で、流れ者の忍獣に誘拐されたティガを助ける為に戦い、勝利して無事救出するが、その戦いの末に心臓が限界に達して命を落とす。しかし悲しみのあまり暴走した21の超能力を受けて復活、さらに心臓も以前より強靭な物となった。そして駆けつけた仲間や朧党の面々から手荒い祝福を受けながら復活した喜びを分かち合い、読者に向けて別れの挨拶をした所で物語は締めくくられた。 セブン マンの相棒で尻拭い的存在。幼い頃に「一番強くなりたい」という理由でゾフィーの元を訪れ忍者の道へ進む。修行時代はマンのライバル的存在で仲は悪かったが、ある事件によって深い友情が芽生えた。技術に秀でる。第1話からほぼ出ていたが、タロウ、エースが登場すると次第に出番が減少するようになり、レオが登場して以降長らく登場しなかったが、寿の3巻で再登場して今に至る。 冷静沈着でマンのバカさには困り果てているが、やや天然じみたところもあり、たまにマンに突っ込まれたりもする。基本的にクールで大人びているが、血の気の多い一面も持つ。マンが敵側に寝返った時は友情から攻撃できないと無抵抗になるが、調子に乗ったマンに攻撃されブチ切れたことがある。こうなったらマンでも敵わない。時にはワイドショットやアイスラッガーで敵をやっつける。 長年を重ねたケガの影響で、ときどき右腕が痺れてくる。それが原因でウル忍を辞したがシリアス編ではウル忍と共闘することもあり、超では右腕の痺れもリハビリを行い回復しつつあるようだ。今は「やきとりの鳥七」の店主。家族は妻のくノ一アミアと息子の21(ツーワン)。年齢はマンと同じくらいで、アミアから「30歳にもなって」と言われたことがある。店主として再登場した後はレギュラー扱いになった。 商売に関してはシビアで、金がないからと、マンの来店を門前払いしてしまうこともある。 マンがネオ朧党首領になった時は、仲間達がどんなに慌てても「仕事が忙しい」と不干渉を貫いていた。しかし冥府羅州を異空間から呼び戻すために21の力を借りる局面になると、寝起きの機嫌の悪い21を起こす役割を引き受けた(その後、暴れた21にボロボロにされ、救急車で運ばれた) マン同様「ウル忍かわら版」にて「本名はダン=セブン。年齢不詳」と紹介されていたが、やはり本編中では一度も呼ばれておらず、『疾風』第1話の初登場時では「ウルトラセブン」と名乗っていた。原作同様カプセル怪獣も所有しているが、使用したのは連載初期のみ。なお忍者免許は毎年マンが更新しているため免許自体は失効していない。 ゾフィー ウル忍の頭領で、ウル忍メンバーからは「お頭」と呼ばれている。左目に眼帯をかけているが、その下の目は実は健在。若い頃に捨て子だったマンと任務中に出会い、その時に身体能力の高さと精神力の強さから素質を見いだした事から保護し、忍者へ育てた。そうした経緯から普段は些細なことで喧嘩をしながらも親子のような絆で結ばれている。 常識的な人物で、血の気の多いマンやセブンを宥めたりマンのバカにはほとほと困り果てているが、実際は自分も同等に短気でバカ。連載初期から移動費を要求したマンに、手裏剣だけでなく誤って財布を投げてしまったり、ある作戦では先に潜入した仲間と合流した際の合言葉を忘れてしまう等、どこか抜けている点があった。忍者としては一流だが戦闘は苦手で、朧党の忍獣に重傷を負わされたり、ウル忍2軍との直接対決ではあっさり敗退している。レストラン「ゾフィール」も経営していたが、後に経営状態が悪化。「鶴亀城のピンチ」と誤魔化してメンバーの給料を勝手にピンハネして経営を維持しようと企んだが、将軍の証言によりピンハネがバレてしまいウル忍たちから袋叩きに遭って結局店も潰れた。元々スケベな部分はあったが、輝編以降は巨乳大好きの要素が強調されるようになった。人望は薄いが部下に対する思いやりは持っており、シリアスな長編では頭領に相応しいリーダーシップを発揮する。虓魔王編では敵に捕らえられ、虓魔王の体に取り込まれ人質にされてしまうが、不屈の精神力を見せて檄を飛ばした事で挫けそうになったマン達の闘志を呼び戻した。眼帯を外し髭を剃った素顔はマンにそっくりである。前述のウル忍かわら版によれば、本名は「ゾ=フィー」。 タロウ マンの弟分。忍者小学校に通っており、学園の生徒会長を務める。疾風の2巻で初登場。 本人曰く「忍者より医者のほうが儲かるから」という理由で「傷治療」「麻酔注射」などの医術が得意。年齢は10歳。幼い頃は泣き虫で甘えん坊で腹黒さと残酷さを持っていたが、次第にウル忍唯一の常識人となり、作中で欠かせないツッコミ役に落ち着いた。将軍の隠し子の疑惑もある。疾風シリーズではマンたちには敬語で話していたが、今は普通にため口で話している。素顔は角と背丈以外はセブンそっくりであり、挫流鈍に角を食べられてしまった時はマンにセブンに間違われた。虓魔王との戦いの際、炎鬼キリエロイドによって殺されてしまったが、21の力で甦った。 レオと共に小学校ではモテモテらしい。給料は月給2万円。 エース 貧乏な渡世人で、長屋に住む。疾風の4巻で初登場。最初は行き倒れていたところを冥府羅州に救われ(冥府羅州の持っていたポテトチップスを半ば奪い取った)、彼に「ウル忍が悪の組織」と吹き込まれたため、ウル忍の敵として登場。その後、真相を教えられたこととマンに焼肉を奢られたことで、ウル忍の仲間となった。以降はマンを「アニィ」と呼び慕うようになった。得意技は剣術の「無宿殺法」。一人称は「あっし」で登場初期は語尾に「〜でござんす」と付けて喋っていたが、途中から「〜でやんす」にかわった。 タクワン、梅干が大好物。貧乏でも働くのは嫌い。マンと同様一桁の計算が出来ないほどに頭が悪い。じゃんけんのライバルにエースキラーがいる。27歳。血液型はO型。マン曰く「普段はただのアホな貧乏人だが、本気を出せばオレ(マン)に匹敵する実力者」。荒神流との最終決戦では、遅れて参戦したもののウル忍の窮地を救う活躍を見せた。これがウル忍の反撃の契機となりマンからも「エースがくりゃあ百人力」と言われた。里帰りの回の台詞から身寄りはいない様子。 正確にはウル忍ではなく、アルバイト料(タクワン10本と梅干30個の現物支給)をもらっている協力者という立場。また、剣術の腕は誰にも負けないものの、忍者ではないため光線技は使えるが忍術の心得が無く、メンバー総出で将軍に化けた際には、一人「あっしは忍法使えないでやんす」と嘆いていた。一方で虓魔衆に洗脳され、マンやセブンと同士討ちを行ってしまったり、ネオ朧党の首領となったマンに慰められウル忍を裏切ったりと一員となった後も、敵として登場した事も度々あった。 梅干を「梅子」と名付けて娘としてかわいがっており、タロウの頼みで新入生のいない忍小に入学させた。しかし、その日の夜に誤って食べてしまった。しかも、食べてしまったことにも気付かず、翌朝、うんこと一緒に種だけが出てきて初めて気付く始末。 かなりの偏食家(異食の方が正しいとも言える描写も有る)で、ごはんや味噌汁、漬物に砂糖を山盛りかけて食べたり(歯磨きでも歯磨き粉と一緒にまぶすしまつ)、ふすまを破いてしゃぶしゃぶにして食べたり、ゴミを集めて食べたりしている。また、マンがネオ朧党の首領に就いた時は焼肉であっさり寝返り、ネオ朧党の大幹部に就任。その後は地位を利用して各地のおいしいものを食べ歩いたが、タクワンと梅干しが無いと食事をした気がしないらしく、何を食べる時も常にタクワンと梅干しを添えていた(本人曰く「根っからの貧乏人」)。ネオ朧党の消滅直後は「ほとぼりが冷めるまで旅に出る」と言って姿を消してしまう。マンやレオと違いお頭との和解の描写は無く、再登場した際には関係が修復されていた。 全日本貧乏友の会に所属しており会員番号は4649番で、本人は「ヨロシクと呼べる」という理由で気に入っている。一度は火の不始末から自身が住む長屋が全焼してしまい、家も着る物も全て失った超貧乏になってしまうが、その時は川原に穴を掘ってサバイバル生活を送る事で生き延びていた。 レオ マンのもう一人の弟分。10歳。給料は月給2万円。初期はレオ吉と呼ばれていた。疾風の5巻のコミックス最終話で初登場。 ウル忍で一番すばやい。ウル忍になる前は義賊の「ねずみ小僧」だった。アストラという弟がいる。アストラが病気になったが貧乏で医者に見せられないで死んでしまい、この世から貧乏をなくすために義賊になったと言っていたが、真っ赤なでたらめであった。本当はアストラも死んでおらず、好きで泥棒をしている大泥棒であり大嘘つきのお調子者でもある。他人の技を盗んで使える盗術が得意。 タロウとは同期でクラスメートでもある。学校では図書委員を任されている。タロウと同様に炎鬼キリエロイドによって殺されてしまったが、21の力で甦った。 パンツはブリーフ派。嫌太売須との泥棒勝負でパンツを抜き取られ晒されてしまう。しかしレオは嫌太売須の脳味噌を抜き取って勝利した。マンが朧党の首領になった時は、面白そうだからと寝返って幹部になった。冥府羅州が復帰してネオ朧党が崩壊するとマンを見限り再びウル忍に戻る。この時は反省文を書いてゾフィーに謝罪の意思を見せたのでクビになる事はなかった。 ティガ マンを慕う8歳の少年忍者。寿の第2巻に初登場。マンのことを「先生」と呼んで慕う。 マジックが得意で、当初はティガマジックを駆使して活躍したり迷惑を掛けることが多々あった。後にダイナの道場に入門してからは空手で戦うことが多くなる。登場初期は「ズッコケが下手」という理由でなかなかマンに認めてもらえなかった。 努力家だが幼さから気合が空回りする事も多く気配読みがあまり得意でなく、超が付くほど泣き虫。気が小さいが考え込みまくることで「よーし、へっちゃら」と逆境を乗り越える。マンがクビになった際は他のメンバーが見放していた中でティガ一人だけは心配しており、ホームレスになった時も差し入れをしたり居候させるなどしていた。輝以降は特技を余り発揮せず、忍獣に倒されてしまったり人質にされたりと、未熟な面が強調されるようになってしまった。マンやタロウと活動する事が多かったためなのか、登場回数は先に登場したゾフィー、レオよりも多い。 本誌掲載時、初登場回の扉ページに「主役交代」というコピーが付いていたが、実際は主役はマンのままだった。 原作のようなタイプチェンジ設定はない。 つるかめ25年11月17日生まれの射手座。好物はチョコレート。干支はハムスター?。給料は月給1万5000円。 ダイナ ティガの空手の師範。寿の3巻で初登場。「荒神流」の六代目。初期は「ダイナ流」を名乗っていたが、後に「真・荒神流」と改める。マンに「隙が1つも無い」と言わしめるほど(逆にダイナから見ればマンは隙だらけ)だが、一方で人質を取られた際に何の策も無しに正面から敵の誘いに乗るなど、「正々堂々すぎる」とも言われる。 セブンには昔、世話になったことがある。シャドーという、共に修行したことのあるライバルがいた。 当初は門下生がティガしかいないせいで貧乏であり、生活費に苦慮する姿が描かれていたが、荒神流との戦いの後は門下生が増え、生活も改善された模様。 本作における真面目キャラであるが、効くわけが無いのに花粉に突きや蹴りで対抗したせいで鼻水を流したり、美女の巨乳を必死に見ないようにしていたところを倒されるといった情けない一面も。特に花粉の件は荒神流編直後だった事もあり、ティガにまで「先月までは格好良かったのに…」と嘆かれていた。マン曰く「真面目すぎるのが弱点」。 ティガ同様タイプチェンジ設定はないが、単行本の表紙などを見る限りストロングタイプのようである。気功のような技を会得しているが、ソルジェント光線やフラッシュサイクラーなどの光線技は使用できない。しかし第100話で他のメンバーと共に光線を出している描写が1コマだけある。 虓魔王編以降しだいに出番が減ってゆき、第100話では最近の出番の少なさを嘆いていた。輝ではさらに出番が無く、朧党とのサッカー対決以降は最終回まで登場しなくなってしまう(怨霊党では戦いに参戦していた事がセブンの口から説明された)。 ガイア 異世界のウル忍。『超』の1巻で初登場。仲間や両親が虓魔王という闇の存在に殺され、その魔王を追ってウル忍の世界に来た。マン達と共に、虓魔衆と戦った後は、ゾフィーに仕える事になるが、後述のようにぞんざいな扱いを受ける事もあり、ウル忍が給料をもらう時も登場しなかった。 虓魔王編からの登場ということもあり、かなり真面目。虓魔王編直後はただのギャグ演出に大真面目に反応して恥を掻いたりと、それまでのシリアスな作風との落差に付いて行けず、「僕はギャグ漫画に向いていない…」と嘆いていた。それ故に作者のみどーに存在を忘れられることも多く、万蔵さんのラーメン屋の手伝いにも呼ばれず、土壇場でラーメン屋の窮地に訪れるだけなど、扱いがぞんざいであった。ダイナ同様、真面目すぎるのが弱点とされる(美女の巨乳に迫られた時はパニックに陥ってダイナ共々倒されてしまった)。 同じく真面目キャラのダイナと気が合ったようで、虓魔王を倒した後は彼の道場に居候しており、荒神流剛武館で指導員をしているらしい(輝の最終回)。 21 セブンとアミアの息子。1歳ぐらい(?)。虓魔王すらも恐れる強大な超能力の持ち主であり、赤子だがかなり強く、シリアスな長編ではその秘められた不思議な力が逆転に繋がる事が多い。寝起きが悪く機嫌を損ねると周囲を破壊するほどの被害を与える念力を発揮する。
※この「ウル忍」の解説は、「ウルトラ忍法帖」の解説の一部です。
「ウル忍」を含む「ウルトラ忍法帖」の記事については、「ウルトラ忍法帖」の概要を参照ください。
- ウル忍のページへのリンク