気功とは? わかりやすく解説

き‐こう【気功】

読み方:きこう

中国古来自己鍛練法。呼吸法と体操によって体内気血循環をよくし、病気予防健康維持を図るもの。気功療法


気功 Qi Gong/Chi Gung/Chi Kung


気功

【仮名】きこう
原文qigong

中国伝統的な心身運動瞑想一種で、平衡感覚柔軟性筋力、および健康全般改善するために、意識的に呼吸しながら、精神集中してゆっくりと正確な動作を行うもの。

気功

歴史と沿革


通慧功創始者、于永昌

気功は中国古来の「気」と伝統医学基づいて発祥した健康法一つで、さまざまな流派分かれそれぞれさらに細分化されています。このページでは、医家気功という流派の中の「通慧功(つうけいこう)」を紹介します日本では主に、国際気功協会普及活動行っている気功法です。

 ● 「気」とは
五大流派
医家(学)気功 古代医学者たちによってつくられた気功
道家気功 老子発足させた気功
儒家気功 孔子とその弟子たちにはじまる気功
仏家気功 仏教方々発展させた気功
武家気功 武術に関係の深い気功

「気」の流れる道が経絡です。中でも特に重要なのが、十二臓腑から左右に一本ずつ手や足の指先まで走る十二経絡です。人間生まれてから死ぬまで、この経絡の中を「気」が流れ全身巡ってます。しかし、どこかの経絡が詰まると、「気」が流れて行けなくなりその先組織器官気虚状態に陥り、局部滞っている状態になります。すると、痛みやしびれ、重い、冷たいなどの症状表れてます。例えば、気虚状態が肩に起こると肩こりに、腰に起こると腰痛に、心臓起これば狭心症心筋梗塞といったぐあいに、さまざまな病気になるというわけです。中国医学あらゆる治療法漢方鍼灸按摩・気功など)はすべて滞っている経絡通し病気治すものです。通慧功は、この中医学原理基づいて十二経絡流れる順に従って創り出されたもので、健康や長寿達成する効果が高いといわれています。


通慧功の概要

通慧功は医家気功であり、性(脳、人間性道徳品性)の能力の向上と、命(健康、長寿)の達成という二つの目的をもっています(双修の功法)。道家内丹派気功の修行法に基づき中国医学臓腑経絡ツボなどの理論や「気」の人体観とを合わせて中国医師気功家である于永昌(うえいしょう)師によって創りだされた気功法です。初級から上級まであり、年齢性別問わず誰でも簡単に練習でき、効果早く表れるといわれています。


永昌師は中国代々医学・気功養生修行武術家系に生まれ幼少の頃より父親から武術と気功(主に道家内丹派気功)、中国医学漢方鍼灸按摩など)を学び15歳より民間医として医療活動始め大学医学部通じて医師資格取得しました一方で20代以降中国気功の五大流派の中の医家気功を発展させよう創出修正繰り返し、通慧功としてまとめました


通慧功の分類と体系

通慧功は、主体功法(通慧功の中心功法)と対症功法特別な目的と効果達成する功法)から成り立ってます。

主体功法
入門功法: 十二臓腑一つひとつに対応し、その臓器強め
中級功法: 十二臓腑十二経絡つなげて強め
上級功法: 完全な内修功法

対症功法
太極功、八卦功、益寿功: 臓腑強めとともに全身筋肉、筋、骨を強化し全体若さを保つ
智功: 脳を活発にして知力能力高め
周天功: ガン癒す
明目功: 眼の気功
舒肩功: 肩こり癒す
美化脂功: 痩身

*通慧功について、より詳しい内容方法などは協会ホームページご参照ください



気功

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/27 09:04 UTC 版)

気功(きこう)は、中国伝統の民間療法、代替治療である。

中国での状況

中国では中医学経絡理論などと結びついて、健康法として太極拳と同様公園などで広く行なわれてきた。それまで呼び名が様々で統一されていなかったところを中華人民共和国建国後の1957年北戴河の国営気功療養院院長だった劉貴珍が『気功療法実践』を著し、これが各国で翻訳されて「気功」という統一された名が世界的に定着した[1][2][3][4][5]。一定の医療効果を上げてきた医療健康面での功績のために、布教活動が禁止されている中国の中でも、気功と言えば宗教的な色彩のものでも容認される傾向が生まれ、1980年代以降、新しい宗教気功が次々と現れた。その結果中国国政府は「中国気功科学研究会」を設立して国家統制を図り[6]中国共産党に都合のよくない中功(中華養生益智功)や法輪功を禁止し[7][8]1999年の法輪功事件に至った。

法輪功事件以後、集団で気功をすることの規制が厳しくなり、95年以降中国国内の気功団体は一部を除き皆解体させられ、現在の中国では治癌功法として知られる郭林新気功など一部の公認グループを除いて公園で気功をしているのを見なくなった。中国では現在、健身気功という政府公認の気功を編集している。

近代中国気功の成り立ちとして、中国人・因是子が日本調和道岡田式静座法などを評価、研究した事を以って、日本から多大な影響を受けたとする向きもあるが、個人の研究を中国気功全体にあてはめるのは、拡大解釈に過ぎると言える。

流派は2000以上あるという。

世界医学気功学会

世界医学気功学会は気功が発祥した中華人民共和国の政府から世界で唯一認められている医学気功の振興と研究のための学会である。1989年11月16日に設立された。全世界で20数カ国の気功師と気功を研究する医師や科学者、気功の愛好者が参加している。本部は中国北京 北京中医薬大学内にある。

1993年、中国人の気功師による施術中に患者が死亡する事故が連続、この気功師は逮捕され有罪判決を受ける[9] [10] [11]

日本・台湾の状況

日本台湾では中国と交流が深く、気功各派の自由な交流があり、武術、健康法や民間体育、各国の伝統療法、現代の臨床心理療法などとも結びつきながら、様々に深化発展している。

気功の分類

気功は、主に体内に「気」を循環させ「気」の質やコントロールする能力を高める内気功と、身体に必要な「良い気」を外から体内に入れ、身体に合わない「悪い気」を体外に排出させるなど「気」の積極的な交換を行って患部等を癒やす外気功とに大別される。ある種の気功師による外気功は、ときに超能力的なものとして捉えられる場合もある。中国では気功は自分で実践する「内気功」が主体で、外気功(ヒーリングに類似)は補助である。日本に気功が知られ始めた頃、中国の気功師がメディアで外気功を盛んに行っていた影響もあり、日本では「気功=外気功」という誤解が残っている[12]

内気功は、身体を動かすことで気を循環させる動功と、身体は動かさずに体内の気を循環させる静功に分類される。中国で実践されている気功の種類の多くは「動功」である[注 1]

美容や病気の治癒も含めた健康面に関する気功を軟気功、護身術など相手を倒したりするものを硬気功と分類するのは日本独自のものである。中国において軟気功、硬気功という言葉はなく、軟功と硬功という言葉しかない。軟功は体を柔軟に柔らかくすることを目的とした気功、硬功は体を強く固くする目的の気功であり、それが日本で誤解されて伝わり広義の意味で用いられるようになった。

他に、法術(祝由十三科)と分類される気功法がある。これは、古くは巫術とよばれ、道教仏教など宗教でも利用されてきた、「気の情報」を読み取り、または変化させることで病気の治癒や問題の解決を行う気功である。

気功が発祥した中国では数千種類の気功法が存在するといわれており、その練功法についても、体操呼吸法イメージ・トレーニング瞑想のようなもの、それらを併せたようなものなど、気功によって多種多様である。

気は目には見えないが何らかの働きのあるものととらえることができる。伝統中国医学では気血と言えば、具体的に体を巡っているものと考えられ、西洋医学血液血管を巡るのと同様に気は経絡を巡るものと考えられている。鍼灸治療はそうした気血の巡りをよくすることに主眼がある。気功の気は、明らかにこうした中医学の「気」のニュアンスを強く持っている。実際には、気は体内に、ある変化として感覚されるものを指すことが多い。そうした気の感覚のことを気感という。また、気は伝わる性質を持つ。例えば人から人へと瞬時にある状態が伝わる。そうした現象を利用して外気治療などが行われることがあるが、あくびや笑いが伝染するように、そうした気の現象は日常生活の中に常にある。また、公園で樹木と向き合ったり、海辺で波を感じたりしながら、自然界の気と交流することも気功ではよく行われている。気功の修練を積んだものは、気を目視することができるようになるという[要出典]

気とは

気功の気に限らず、中国由来の風水針灸、按摩などの気の定義は全て陰陽五行思想に由来する。故に気とは何かという問に対しては第一に陰陽五行の理論に準ずるべきである。

その定義に基づけば気はこの世の全てのエネルギーの総称であり、またそのエネルギーを集めたり散じさせる力もまた気であると定義できる。

催眠、療養と気功

気功による治療、外気功は暗示による催眠効果、偽薬効果であるという主張する向きもある。しかし、外気功による幾つかの実験では被験者の視界の外、つまり被験者に気付かれない所から外気功を行なっても気功の効果があったという事例もある[要出典]イメージ・トレーニング、自己催眠の自律訓練法トランスパーソナル心理学と気功は共にある種の感応現象を利用して無意識の変化を促すという部分で非常に近い面がある。

タッチセラピー

ニューヨーク大学看護学教授のデローリス・クリーガーが中国から伝わる「気功」を基本にタッチセラピーを開発し、手術の補助手段として用いた。タッチセラピーの創始者であるクリーガーは、セラピューティック・タッチの効用を実証したことに対して1998年度のイグノーベル科学教育賞を受賞[13]、受賞式典は欠席 [14] [15]

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ 站樁功(たんとうこう)のような中間的なものも存在する。

出典

  1. ^ 気を知らなければ―気功入門・立禅のすすめ 東京図書出版会 (2002/06)
  2. ^ Voigt, John (Autumn 2013). "The Man Who Invented "Qigong"" . Qi: The Journal of Traditional Eastern Health & Fitness. 23 (3): 28–33.
  3. ^ Otehode, Utiraruto (2009). "The Creation and Reemergence of Qigong in China". In Ashiwa, Yoshiko; Wank, David L. (eds.). Making religion, making the state: the politics of religion in modern China. Stanford, Calif.: Stanford University Press. pp. 241–265. ISBN 978-0-8047-5842-0.
  4. ^ Despeux, C. (1997). Le qigong, une expression de la modernité Chinoise. In J. Gernet & M. Kalinowski (eds.), En suivant la Voie Royale: Mélanges en homage à Léon Vandermeersch. École Française d'Extrême-Orient. pp. 267–281.
  5. ^ Chen, Nancy N. (2003). Breathing Spaces: Qigong, Psychiatry, and Healing in China. Columbia University Press. ISBN 978-0-231-12804-9.
  6. ^ Palmer, David A. (2007). Qigong fever: body, science, and utopia in China. Columbia University Press. p. 59. ISBN 978-0-231-14066-9.
  7. ^ Ownby, David (2008). Falun Gong and the future of China. Oxford: Oxford University Press. ISBN 978-0-19-532905-6. p.161-174
  8. ^ Penny, Benjamin (1993). "Qigong, Daoism and Science: some contexts for the qigong boom". In Lee, M.; Syrokomla-Stefanowska, A.D. (eds.). Modernisation of the Chinese Past. Sydney: Wild Peony. pp. 166–179. ISBN 978-0-86758-658-9.
  9. ^ カール・セーガン『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』青木薫訳、新潮社、1997年9月20日、34頁。ISBN 4-10-519203-5 
  10. ^ カール・セーガン『人はなぜエセ科学に騙されるのか』 上巻、青木薫訳、新潮社、2000年11月、49頁。 ISBN 4-10-229403-1 
  11. ^ カール・セーガン『悪霊にさいなまれる世界 「知の闇を照らす灯」としての科学』 上巻、青木薫訳、新潮社〈ハヤカワ文庫NF356〉、2009年7月、51頁。 ISBN 978-4-15-050356-7 
  12. ^ 中国ネット書店最大手「中国図書網(www.bookschina.com)」で気功(中国の簡体字で气功)、あるいは台湾の「三民網路書店(www.sanmin.com.tw)」(台湾の繁体字で氣功)で検索しても、外気功を主とした書籍が検索結果に表示されることはない。2016年7月21日閲覧。
  13. ^ ロバート・L・パーク『わたしたちはなぜ科学にだまされるのか――インチキ!ブードゥー・サイエンス』栗木さつき・訳、主婦の友社、2001年4月20日。 ISBN 4-07-228921-3 
  14. ^ ロバート・L・パーク『わたしたちはなぜ「科学」にだまされるのか』栗木さつき・訳、主婦の友社、2007年10月。 ISBN 978-4-07-258980-9 
  15. ^ マーク・エイブラハムズ『イグ・ノーベル賞 大真面目で奇妙キテレツな研究に拍手!』福嶋俊造・訳、阪急コミュニケーションズ、2004年3月。 ISBN 4-484-04109-X 
  16. ^ 「このジュース甘くな~れ」ハンドパワーで被害多発のアースハート、被害者による集団訴訟第1陣が結審 カルト新聞、2013年12月13日
  17. ^ ハンドパワーに「裏付けなし」 福岡の会社に賠償命じる朝日新聞デジタル 3月28日
  18. ^ A Close Look at Therapeutic TouchLinda Rosa, BSN, RN; Emily Rosa; Larry Sarner; Stephen Barrett, MD

外部リンク


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