二つの目的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 06:11 UTC 版)
二つの目的、つまり、拳銃とライフルの両方に使う弾薬のコンセプトは、西部開拓時代からすでに一般的だった。たとえば、.44-40ウィンチェスター弾(英語版)の「高速」なライフル用のロードは、マグナム・ロードの先駆けになった。ほかに、.32-20ウィンチェスター弾(英語版)や.38-40ウィンチェスター弾(英語版)などもあった。 .44-40ウィンチェスターのような、二つの目的に使う過去の弾薬は、使用者がライフル用に設計された「高速」バージョンを拳銃に装填した場合、メーカーに対して問題を引き起こした 。しかし、.44マグナムは当初リボルバーの弾薬として設計されたのでこのような問題はなく、SAAMI(英語版)の仕様に準拠した弾薬ならば、.44マグナムのどのような拳銃やライフルからでも発射できる。 ライフルまたはカービンの弾薬としての.44マグナムは、コンパクトで軽量にまとめることができるにもかかわらず、狩猟の際に中型の獲物に対して十分な威力を持っている。1969年、スターム・ルガーは最初の.44マグナム口径のカービンとして、ルガー.44カービンを発表した。レバーアクションのマーリン M1894(英語版)、ルガー・ディアフィールド、および、その他の多くの銃がこの口径で販売されている。カービンはリボルバーよりも非常に銃身が長いので、同じ弾薬でもリボルバーに比べて非常に高い速度で発射できる。ルガー・ディアフィールドによる多くの弾薬の試験の結果、240-グレーン (16-グラム)弾頭は100ヤード (91 m)先で1,300 ft/s (400 m/s)を超える速度を発揮することが判明したが、これはリボルバーの銃口初速に相当する。遅燃性の発射薬は、長短どちらの長さの銃身でも最高の性能を発揮できる。例えば、240-グレーン (16-グラム)の弾頭は、リボルバーでは1,500 ft/s (460 m/s)、カービンでは1,625 ft/s (495 m/s)の速度を発揮するとされている。
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