二つの次元の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/08 14:43 UTC 版)
ここではルベーグ被覆次元を dim で表すと、任意の位相空間 X に対して dim X = 0 ⟺ Ind X = 0 {\displaystyle {\text{dim}}\,X=0\iff {\text{Ind}}\,X=0} が成立する。 ウリゾーンの定理によれば、X が可算基を持つ正規空間ならば dim X = Ind X = ind X {\displaystyle {\text{dim}}\,X={\text{Ind}}\,X={\text{ind}}\,X} が成立する。このような空間 X はちょうど、可分かつ距離化可能である(ウリゾーンの距離化可能定理)。そして、ネーベリング=ポントリャーギンの定理によれば、そのような空間が有限な次元を持つことは、それが適当な次元のユークリッド空間に通常の位相を入れたものに同相となることによって特徴付けられる。メンガー=ネーベリングの定理 (1932) によれば、 X がコンパクト可分距離空間で次元 n を持つならば、X は 2n + 1 次元のユークリッド空間に部分空間として埋め込める(ゲオルク・ネーベリングはカール・メンガーの弟子で、ネーベリング空間と呼ばれる、少なくとも n + 1 個の座標が無理数であるような点からなる R2n+1 の部分空間を導入した。これは次元 n の空間の埋め込みに対する普遍性を持つ)。 X が距離化可能であることのみを仮定すると ind X ≤ Ind X = dim X {\displaystyle {\text{ind}}\,X\leq {\text{Ind}}\,X=\dim X} が成立する(ミロスラフ・カテトフ)。また X がコンパクトハウスドルフ空間とすれば、 dim X ≤ ind X ≤ Ind X {\displaystyle \dim X\leq {\text{ind}}\,X\leq {\text{Ind}}\,X} が成立する(P.S.アレクサンドロフ)。これらの不等式の不等号はいずれも真の不等号となりうる。例えば、ウラジミール・V・フィリポフは二つの帰納次元が相異なる空間を構成した。 可分距離空間 X が不等式 Ind X ≤ n を満足する必要十分条件は、空間 X の任意の閉部分空間 A と連続写像 f: A → Sn に対して、連続的な拡張 f: X → Sn が存在することである。
※この「二つの次元の関係」の解説は、「帰納次元」の解説の一部です。
「二つの次元の関係」を含む「帰納次元」の記事については、「帰納次元」の概要を参照ください。
- 二つの次元の関係のページへのリンク