醤油 大豆以外を主原料とする醤油系調味料

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醤油

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/15 16:31 UTC 版)

大豆以外を主原料とする醤油系調味料

大豆以外の食材を発酵させた醤油に近い見かけ・用法の調味料が日本の国内外にある。伝統食品として古来作られてきたもの(前述の「起源」参照)以外に、醤油とは違った味やコクを持つ商品として復活・開発する企業もある。比較的有名なのは魚醤で、このほかに大豆以外の穀物から作る穀醤、椎茸などキノコ・野菜から作る草醤、鶏モツなどを用いた肉醤などがある。一例として、まるはら(大分県日田市)は『和名類聚抄』を参考に大豆以外を原料とした調味料を4種類をブレンドした商品を販売している[72]。また、のだみそ(愛知県豊田市)は2020年11月1日から、コオロギを主原料に醸造した「こおろぎ醤油」の販売を開始した。

キッコーマンでは大豆・小麦のアレルギーにより醤油を利用できない顧客向けとして、えんどう豆で濃口醤油の味を再現した製品を販売している。

各国の醤油

日本のものの普及

健康食として日本食が世界各地で好まれるようになってから、日本の製品が世界各地で手に入れることができるようになった。現在発展途上国を中心に100か国以上の国に輸出されており、生産は年14万キロリットルにも達する。大手メーカーでは現地生産も行っている。

類似する調味料

瓶詰めの生抽

アジアの他の国々にも醤油に似た調味料が存在する。英語では産地や種類にかかわらず "Soy sauce" と呼ばれている。

醤油(中国
中国大陸においては大豆由来の醤は既に前漢代の遺跡から出土しており、後漢時代になると文献上にも現れる。北魏代6世紀の文献には「豆醤」「清醤」についての製法が残されている[73]。11世紀の宋代の文献には「醤油」(チャンユー)の表記も見られる[74]。また、既に後漢時代にはたまり醤油が利用されていたが、その利用は極めて限られていた。一般化したのは明代に入ってからとされる[75]。現代中国の「醤油」(標準中国語酱油 (jiàngyóu))は、低塩固体発酵法という速醸法で作られるものが多い。この「醤油」は加温による着色が著しく、日本の醤油とは異なる。近年は日本の醤油メーカーの技術指導によって、日本式の醤油の製造も増えている[76]。日本の中華料理のレシピでは単に「しょうゆ」とのみ記述され、日本の醤油で代用する場合がほとんどである。中国料理における醤油の用途は、香りや味より色づけに重点を置いているため、色調は濃い。カラメル糖蜜などを加え、どろっとしてマイルドな「老抽」、塩が立って色が淡めの「生抽」がある。
蔭油(台湾
醤油は原材料に大豆のほか小麦や塩を加えている。1895年日本統治時代以前の台湾では「蔭油」が製造されていた。蔭油は黒豆など原材料の豆に塩をまぜて自然発酵させたもので、小麦やもろみは使用しない[77]。台湾の蔭油は閩南地方(中国福建省南部)伝統のものだが、現在は台湾の一部でつくられているものの[78]、台湾でも中国大陸でもこの製法をほとんど行わなくなった。
カンジャンを満たした甕
分離したカンジャンとテンジャン
カンジャン(韓国
韓国では「カンジャン」(간장、塩辛い醤の意)は日本のものと比較して色調が黒くされ、韓国人の使用法は主に他の調味料とブレンドし、合わせ調味料のヤンニョムとして利用する用途で用いる。家庭で作る伝統的な製法としてのカンジャンはチョソンカンジャン(朝鮮カンジャン)・チェレシッカンジャン(従来式カンジャン)と呼ばれており、メジュ (味噌玉)をの中で塩水と発酵させることで液体部分がカンジャン、固体部分をテンジャンとして利用していた[79]。現代の韓国で市場に流通しているカンジャン製品の製造法は、日本統治下の時期に導入された製法のウェカンジャン(倭醤油)・ケリャンカンジャン(改良醤油)が多くを占めている。売上高としてはジンカンジャン(陣カンジャン、ホナプカンジャン(混合醤油)とも)が最も多く、ヤンジョカンジャン(醸造醤油)、スープ用であるクッカンジャン(汁カンジャン、伝統的製法で作られている)が続く[80]
ケチャップマニス(左)とケチャップアシン
ケチャップマニスとケチャップアシン(インドネシアマレーシア
インドネシアやマレーシアでも、歴史的に大豆を原料とした液体調味料が使われている。代表的なものとして「ケチャップマニス」(Kecap manis, manis=「甘い」)、「ケチャップアシン」(Kecap asin, asin=「塩辛い」)が用いられている。ケチャップマニスは、物性的には、色調が黒く、甘辛くどろっとした調味料である。ケチャップアシンは、比較的色が薄く、塩が立つさっぱりした調味料である。
トヨ(フィリピン
フィリピンではトヨと呼ばれるソイソースが全世帯の30 %ほどで使用されている。
シーユー(タイ
タイでは一般的に魚醤である「ナンプラー」がよく使われているが、大豆から作られた「シーユー」も、炒め物の味付けなどに使われる。甘味がある「シーユー・ダム」と、辛口の「シーユー・カオ」が一般的。
ショーユ(ハワイ
かつて日本人が多く移民し、現在も日系人が多数在住しているハワイでも独自のものが生産されている。日本の醤油の系統に属する味ではあるが、大豆の風味が薄くさらっとした塩味になっている点が特徴である。メーカーとして1946年創業のアロハ醤油がある。
シジャウ(ペルー
ペルーにおいても日系人が多数在住しており、日本のものを模した醤油が作られている。カラメルにより色がつけられており、日本の醤油と比べるとドロッとした調味料である。ペルー大手の醤油メーカーとして1957年創業のキッコー社がある。(日本のキッコーマンの商標に類似しているが、直接の関係はない。)

醤油の製造法

醤油麹(豆麹と麦麹)

基本的な製造法(本醸造・こいくちしょうゆ)

現在、国内で生産されているものの大半が本醸造であり、またこの濃口醤油が大半を占める。「本醸造」の条件は、大豆、麦、米等の穀物を蒸煮し、麹菌を用いて作成した麹に、塩水または生揚げを混合して発酵・熟成させたものを指す。麹に、蒸した米や甘酒を添加したり、分解を促進するための、セルラーゼ等の酵素を添加することも許されている。ただしプロテアーゼを除く[81]JAS特級の条件には「本醸造であること」という項目も含まれているため、特級醤油であれば常に本醸造醤油である。

以下に近代的な製造工程の例を示す。

  • 原料工程
    大豆(または脱脂加工大豆)は浸水し、膨潤したところで圧力をかけて蒸煮する。小麦は焙煎し、割砕して荒い粉末状にする。加熱条件には留意する。これは、生の大豆タンパク質が最終工程に残ると製品(加熱時)の濁りにつながり、小麦の生デンプンは、一般的な醤油酵母では資化できないためである。
  • 製造工程
    1. 製麹(せいきく)工程: 蒸煮大豆と割砕小麦を約1:1で混合したものに種麹を加えて混ぜ、高湿度下で3 - 4日程度培養を行い醤油麹を作る。麹菌には、主にショウユコウジカビが用いられ、ニホンコウジカビが使用されることもある。
    2. 仕込工程(前期): 醤油麹に水を加え、麹の塊を崩して混合しながら醸造タンク(または、木桶)に移送することを「仕込工程」と呼び、麹と塩水の混合物をもろみと呼ぶ。麹由来の酵素により蛋白質アミノ酸に、デンプン質はに分解される。
    3. 仕込工程(中期): もろみ内にて微生物による発酵が起きる。まずは乳酸菌テトラジェノコッカス属、Tetragenococcus halophilus)により乳酸が作られもろみ全体が酸性に傾く。次に、耐塩性酵母(Zygosaccharomyces rouxii)により、アルコール発酵が起きる[82]。香りの成分の多くはこの工程で発生する。
    4. 仕込工程(後期): 「後熟工程」とも呼ばれ、香り・味を熟成させる工程。活発な発酵は行われず、アミノグリコシド反応等の、比較的静かな反応が続く。この時期にはCandida属酵母による香気成分の生成が行われる[82]。淡口醤油の場合、仕込工程の末期に甘酒や米麹を添加することがある。
    5. 圧搾工程: 合成樹脂等丈夫な素材で作られた「圧搾布」にもろみを包んで加重し、固体と液体を分離する。液体が「生揚げ醤油」、固体が「醤油粕」である。この際、主に大豆由来の油脂が分離して液面に浮かぶ。これを「醤油油(しょうゆあぶら)」と呼ぶ。醤油油は微生物による分解や酸化のため、食用油脂としての利用はできない。また、醤油粕も利用価値が低いことから、メーカーは処分に苦慮することが多い。なお圧搾技術の未熟だった昔においては、醤油粕に塩水を入れて混ぜ、醤油を再度抽出して搾ること(番醤油)も行われていた[83]
    6. 火入工程: 圧搾工程で得られた生揚げ醤油には、醸造工程で含まれた各種酵素などのタンパク質が多く含まれている。これを加熱すると、タンパク質は熱変性して不溶化し、沈殿する。また、製品に焦げた臭い(焦げ香)をつけ、微生物を殺す。一般的にはプレートヒーター等を用い、熱がかかりすぎないように留意する。熱履歴が高い場合は製品の色が黒色を呈し、焦げ香が強くなりすぎることになる。
    7. 清澄・濾過工程: 沈殿除去、珪藻土濾過や精密濾過などを用い、含まれる変性タンパク質など不溶性固形分を除去する。完成品の濁りは品質的には製品事故となる。ここで生揚げ醤油は、「火入醤油」と、沈殿分・濾過除去された分の「澱」(おり)とに分けられる。火入れをせず精密濾過で酵母その他異物を取り除いたものが広く市販されている生醤油(なましょうゆ)である[注釈 14]
    8. 詰工程: 火入醤油に適切な成分調整を加え、容器に詰めて製品とする。
しょうゆの製造工程
原料としての大豆
脱脂加工大豆」が多く用いられる。これは、醸造用加工大豆と呼ばれることもあるが、一般的には大豆を原料にヘキサンを溶剤として大豆油を抽出した際の副生産物(大豆粕)である。残留ヘキサンの毒性は神経毒であるが、ヘキサンは減圧・加熱により容易に揮発し、脱脂加工大豆には残留しないので醤油醸造には全く影響がないばかりか、大豆の油脂成分は本質的に醤油の醸造に必要ないため、かえって好都合である。もちろん大豆油メーカーも大豆油・大豆粕からヘキサンを回収し再利用しているため、脱脂加工大豆の安全性に問題はないとしている[84]。製品の一括表示内に原材料「大豆」と表示されているものは、無加工の大豆である丸大豆を使用していることを表し、脱脂加工大豆が使用されている場合は「脱脂加工大豆」と表示される。原料に丸大豆を使用する場合、仕込工程の説明のように、丸大豆には未処理の油が大量に含まれているため、これらの油分は仕込工程中に分離して、もろみの上に浮かんで油の層を作る。
丸大豆醤油を支持する製造者は、
  • 油脂の層によりもろみの酸化が防げる」
  • 「油脂から分解されたグリセリンが風合いを変える」
等の主張がある。一方、分析および官能試験では有意な差がないという意見もあり「丸大豆だから美味しい」とは一概に言えず、議論が発生する。
ヒゲタ醤油の元技術者によれば、脱脂加工大豆で仕込んだ場合は、丸大豆で仕込んだ場合より、うま味を呈するグルタミン酸の産生が多い[85]。また、脱脂加工大豆で仕込んだ醤油の方が、丸大豆醤油と比べ、香りが豊かである[85]。一方、丸大豆醤油は、油の分解により生じたグリセリンを多く含み、その甘みが味をまろやかにし、グルタミン酸が少ないという欠点をカバーする[85]
酵素添加による速醸法
仕込工程初期に酵素剤を添加することで醸造期間を短縮する技術がある[86]。しかし、この場合は醤油業中央公正取引協議会の業界基準により、製品表示に「天然」「生」等の用語を利用することができない。

混合醸造方式・混合方式

混合醸造方式、混合方式ともに、塩酸で原料処理を行い、水酸化ナトリウム中和して得られたアミノ酸液を利用している。2004年(平成16年)のJAS(日本農林規格)の改正に伴い、旧名「新式醸造」のうち混合先がもろみのものが「混合醸造方式」となり、混合先がもろみではなく生揚げ醤油のものと旧名「アミノ酸添加法」が「混合方式」と変更された。現在の醤油生産は、本醸造がその多くを占めるが、アミノ酸液には独特の香りと味があり、特にそれが好まれる地域において混合醸造・混合方式も残っている。

混合醸造方式
原料に塩酸を添加すると加水分解してアミノ酸液が得られる。これを水酸化ナトリウムで中和し、もろみとともに仕込み熟成を経る方法を「混合醸造」と呼ぶ[87]
混合方式
生揚げ醤油(もろみを搾った液)に、アミノ酸液を混合して製品とする手法。熟成の有無は問わない。

添加物

保存料
一般的に、防黴効果の高い安息香酸ナトリウムまたはパラオキシ安息香酸ナトリウムを使用する。高付加価値商品では安息香酸を添加しない製品もある。
アルコール(酒精)
保存料として安息香酸を利用しない場合、アルコールの防黴作用を利用することがある。アルコールを添加して防黴作用を持たせる場合は、安息香酸を添加した場合と比較し、品質保持期間は短くなる傾向にある。
甘味料
一般的に、甘草ステビア果糖ブドウ糖液糖サッカリン等が使用される。塩の辛さをやわらげ、マイルドな味わいとなる。
カラメル色素
カラメル色素は黒色を呈色させる場合に添加する。また、独特の甘さと香りも追加される。
調味料(アミノ酸等)
グルタミン酸ナトリウム核酸系調味料を添加して、うまみを強化する場合がある。「調味料(アミノ酸等)」と表記される。

使用器具

かい棒
醤油や酒などを作る際、樽内をかき混ぜるために使用する棒のことを指す。

販売形態

卓上用の醤油入れ

ガラス瓶、ペットボトル容器、タレ瓶(主に弁当用の小型プラスチック容器)、プラスチック製パック(主に弁当用)などの形で販売されている。卓上用の製品の場合、容器がそのまま卓上用の醤油入れとして用いることができるようになっているものもある。

保存

少量のアルコールと塩分を多く含む発酵食品であるために、冷暗所において品質の劣化は遅い。ただし開封後は、極力酸素を避けて密封し、冷蔵保存することが望ましい。酸素存在下で放置すると、揮発性成分が揮発して香りが減少するほか、特に防黴剤として安息香酸が含まれない場合は、液面に酵母(産膜酵母)が白く膜状に繁殖する[88] ことがある。そのため醤油側に空気が入らなくても注げる容器がワインのBag-In-Box(略してBIB)を応用して商品化されている。

このような産膜酵母の実態は、醤油の主発酵酵母と同種のZygosaccharomyces rouxiiであり、いわゆる「醤油に生えるカビ」である。害は無いが香りは悪くなり、糖を消費するため味も劣化する。さらに、酸化によりメイラード反応が進み、色は黒くなる。なお、醸造期間にも劣化は平行して進行するため、単純に「長期醸造」が高品質というわけではない。

メーカー

日本国内の醤油メーカーは、日本各地に存在する。大正時代には1万社以上[89]、1980年代には2,000社以上存在したが[90]、年々減少傾向であり、1990年代に2,000社を切り[90]2000年代中盤では約1,500[90][91] - 1,600社[89][92] 程度となっている。これは、価格が低迷している上、大手メーカーの地方進出に加え、副製産物の廃棄コストや設備の維持費高騰のため、地方の零細・小規模メーカーが廃業を続けているためである。なお、現存する最も古いメーカーは、室次(福井県福井市)である。

商品としてはコモディティ化が進んでおり、他の食品と比較して利益は一般的に低い。その一方で、年々、衛生面での要求は厳しくなり、廃棄物に対する規制は強くなっている。特に、エネルギーコストが必要な製麹工程、人的・場所的コストが必要で、醤油油や醤油粕などの廃棄コストが必要な仕込工程を省略し、全工程を独力で行わない製造者が増加している。製麹工程までを外部に依存するケース、仕込工程までを行わずに大手生産者より生醤油を購入し、火入・詰工程を行うケース、OEMスーパー生協などのプライベートブランドとして大手製造者に発注するケースがある。また、協業組合として複数の生産者が、製麹・仕込工程までを行う工場を作るケースもある。地方の中小メーカーの存在は、地域の食文化に密接に関係するもののため、文化保全の意味も含めて、「残って欲しい」と惜しまれている[要出典]

都道府県別の生産量では、2018年の統計でキッコーマン(野田市)、ヤマサ、ヒゲタ(いずれも銚子市)等の大手が存在する千葉県が約34 %[93][94]、ヒガシマル(たつの市)が存在する兵庫県が約16 %[93][94]と上位2県で半数を占めている。

メーカーの名称は縁起の良い「亀甲(きっこう)」に由来する「キッコー○○」、醤油・味噌が寺院で造られていたことにちなむ「ヤマ○○」の商標名が各地に多い。

ハラール認証

醤油醪の発酵において、味噌と同様、アルコール発酵も同時に起きる。また仕上げにアルコールを少量加えるのも一般的な製法である。日本食の国際化を受け、イスラム文化圏への食品・食材の輸出・ムスリム向けの食事提供の必要から、超低アルコール発酵プロセスによる醤油醸造が試みられ、ハラール認証を受けた醤油が数社から製品化された[95]。なお、一般社団法人ハラル・ジャパン協会認証のハラールしょうゆはマレーシア政府イスラム法(ファトワ)委員会の「しょうゆを含む果物、ナッツ、シリアルなどにおいて、製造時に発生する自然発酵したアルコール成分はナジャス(イスラム法において不浄なもの)ではないとする。」の見解をもとに、自然発酵したアルコール成分であればハラール認証の際に使用を認める、として、醸造用アルコール他、一切の添加物を含まないしょうゆにハラール認証を与えることとした。このため旧来の製法によるアルコールその他添加物を使っていない無添加しょうゆのいくつかが、ハラル・ジャパン認証のハラールしょうゆ認証を受けている[96]


注釈

  1. ^ 紀元前8世紀頃の『周礼』で、「醤」という漢字が初めて使われた。
  2. ^ 醪は一回しか搾るのではなく、搾り粕に食塩水を混ぜて醤油を抽出し再び搾ること(番醤油)は、圧搾技術の未熟だった昔においてはしばしば行われていた[32]
  3. ^ 当初は大都市および近郊都市に限り配給が行われることとなっており、具体的な対象地域は東京市、神奈川県の7市、愛知県の6市、大阪府の7市1町、京都市兵庫県の8市21町村であった。割当量は年齢を問わず関東地方では1人3.5合/月、関西地域では4.5合/月となっていた。
  4. ^ 醤油業界側は醸造醤油が日本人の食生活においていかに重要な地位を占めているかを強調したが、GHQは当時の窮迫した食糧事情から、どちらが援助物資を有効に活用できるかを判断したのであった。
  5. ^ 85 - 90 ℃で、45 - 50時間の処理[35]
  6. ^ 醤油業界のミセス・アップルトンへの評価は従来大変厳しいものであったが、後の調査で彼女は醸造醤油の良き理解者であり、当初の配分比率も上司の強い指示に抗しきれず提案したものであったようである。再度の上申は、彼女の日本の伝統的な醸造醤油への深い理解と思い入れによるものであったと考えられる。また「私がおいしいと思うのですもの、アメリカはもちろんヨーロッパの主婦だって、使ってみればしょうゆの素晴らしさがわかると思うの」と、自らも醤油でステーキソースを作り客にふるまうほどの愛用者であった。
  7. ^ 消費者の8割が新製造法の醤油を支持した。
  8. ^ 醤油醸造協会の正田文右衛門(正田醤油)とアミノ酸業界の大内鋼太郎(味の素)。
  9. ^ なお、価格については1950年以降もしばらくの間、最上品の四社(ヤマサ醤油キッコーマンヒゲタ醤油丸金醤油)の製品は、一律旧公定価格の1割7分高(一斗樽中身640円)とする自粛価格の設定が行われた。
  10. ^ 野田醤油は新式2号、NK式タンパク質処理法だけでなく、新式1号という技術も無償公開している。これら技術に共通することは小規模の醤油蔵でも容易に適用できることである。伝統の醤油醸造が生き残れるように、出来る限り伝統を守れるよう各種特許を公開し続けたのである。
  11. ^ 野田醤油が発明した新式2号醤油製造法がこれ。
  12. ^ 諸味を搾ったままの生揚げ醤油(きあげしょうゆ)のこと(後述)。
  13. ^ 当時公文書には小書き仮名を用いなかったため。その後、一般的表記である「しうゆ」に変更された。
  14. ^ 生揚げ醤油を単に濾過しただけの生醤油も、一部では市販されている。

出典

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