カラメル色素とは? わかりやすく解説

カラメル色素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/21 22:26 UTC 版)

カラメル色素で着色されたコーラ

カラメル色素(カラメルしきそ)は天然、あるいは人工的に造られた食品用着色料の一種である。

用途

褐色の液体、もしくは噴霧乾燥により粉末化された製剤であり、水に溶けやすい油脂有機溶媒には溶けない。pHの変化に対して安定している特性を持つ[1]。主な用途は食品の着色で、香り苦味コク味をもたらす役割もある。用途別の需要は飲料20 %、醤油19 %、ソース10 %、菓子7 %、タレ5 %の順に大きく[2]医薬品化粧品三温糖ペットフードなどにも使用される[3]日本の法令上、昆布類、食肉、鮮魚介類海苔類、類、野菜ワカメ類には使用できないが、これらを使った加工食品に関しては、食品の風味や保存性を損なわないことを条件に使用が認められている。

成分

カラメルの構造(推定)

炭水化物の加熱により生じる複数種の化合物からなる混合物[4]であるが、メカニズムは完全には解明されておらず、重合したフランや4分子脱水したグルコース[5]が含まれると考えられている。副生成物として、4-メチルイミダゾール2-アセチル-4-テトラヒドロキシブチルイミダゾールが含まれることがある[4]

製造

砂糖グルコースなどの糖類、デンプン加水分解物を原料とし、キャラメル化により製造される。欧米では古くから家庭でカラメルが手作りされてきたが、19世紀に入ると商業生産されたカラメルが菓子やビールなどに使われるようになった。日本には明治初期にドイツから輸入され、間もなく国内でも生産されるようになった[1]。着色料の中では最も使用量が多く、日本国内の総需要量の80%以上を占める[6]。製造時の亜硫酸化合物およびアンモニウム化合物での処理の有無により、カラメルIからカラメルIVの4種類に区分される。

カラメル色素 E番号 亜硫酸化合物 アンモニウム化合物 一日摂取許容量(ADI)
カラメルI
caramel I (plain)
E150a 不使用 不使用 (設定なし)
カラメルII
caramel II (caustic sulfite process)
E150b 使用 不使用 0-160mg/kg/day
カラメルIII
caramel III (ammonia process)
E150c 不使用 使用 0-200mg/kg/day
(固形物換算0-150mg/kg/day)
カラメルIV
caramel IV (sulfite ammonia process)
E150d 使用 使用

日本では1952年に日本カラメル工業会が組織され、池田糖化工業、昭和化学工業、仙波糖化工業、森田フードシステムの4社が加盟している[1]

脚注

[脚注の使い方]

カラメル色素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/15 04:37 UTC 版)

2-アセチル-4-テトラヒドロキシブチルイミダゾール」の記事における「カラメル色素」の解説

本物質は食品用着色料であるカラメル色素に含まれる欧州食品安全機関では、THI免疫毒性に関する知見得られたとして2011年カラメルIII(E150c)中の基準値を10mg/kgに設定した台湾衛生福利部は2013年11月25日に、カラメル色素の区分天然食用色素から食品添加物改めカラメルIII中の基準値を25mg/kgに設定した

※この「カラメル色素」の解説は、「2-アセチル-4-テトラヒドロキシブチルイミダゾール」の解説の一部です。
「カラメル色素」を含む「2-アセチル-4-テトラヒドロキシブチルイミダゾール」の記事については、「2-アセチル-4-テトラヒドロキシブチルイミダゾール」の概要を参照ください。

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