調味料
(味付け から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/18 13:16 UTC 版)

調味料(ちょうみりょう、英: Seasoning[1])は、料理の調味に使う材料。調理の際に用いられる場合と料理を食べる段階で用いられる場合がある[2]。
基本調味料
調味料には、塩、酢、砂糖のようにほぼ世界的に用いられるもののほか、その地域に特有の調味料も数多くある[3]。日本では醤油や味噌などが基本調味料に含まれる[3](調味料のさしすせそも参照)。
調味料の分類
単一調味料と複合調味料
調味料は単一調味料と複合調味料に分けられ、単一調味料の成分には、鹹味料(かん味料)の食塩、酸味料の酢酸やクエン酸など、甘味料の砂糖やぶどう糖など、苦味料のカフェインなど、うまみ料のグルタミン酸ナトリウムなどがある[4]。また、複合調味料にはソースや魚醤などがある[4]。
天然調味料と化学調味料
天然調味料は分解型調味料(植物性たんぱく質由来のHVP、動物性たんぱく質由来のHAP、酵母エキスなど)、配合型調味料(肉エキス型とHVP型)、抽出型調味料(動物性肉エキスと植物性肉エキス)、風味調味料(鰹節や昆布など)、醸造型調味料(味噌、醤油、味醂、食酢など)に分けられる[4]。
特に発酵の工程のある味噌、醤油、酢、味醂、魚醤などは発酵調味料とも称される[5]。
化学調味料にはL-グルタミン酸ナトリウム(MSG)を主体とするうま味調味料があり、 これに核酸系調味料(IN及びGN)を配合した複合調味料も含まれる[4]。
性状による分類
物質の状態による分類では、固形タイプ[7]、粉末タイプ、液体タイプ、ペーストタイプ、半固体状のもの(マヨネーズなど)[6]、他にジュレなどもある。
味覚との関係
塩はしょっぱさを与えるものであるが、甘いものに混ぜて甘味を増加させるためにも使用される。例えば、スイカに食塩を少量かけて食べることで甘味をより強く感じられる。このように異なる味があるときに一方の味がもう一方の味を強めることを、「味の対比効果(あじのたいひこうか)」という[8]。
電気的な刺激で味を知覚させる研究も行われている[9]。
日本料理における調味料の位置付け
前近代における伝統的な日本料理は、「醤油」と「味噌」といった二大万能調味料があったことで新しい味付けをする試みはあまり成されなかった[10](味噌を万能とする表現は『本朝食鑑』にもある)。これは日本料理の特徴が、四季の多様な食材に頼っていたことにもより、食材に手を加えない(食材本来の味を包丁の切り方でいかに引き出すか)といったこだわりも、豊富な食材がある大前提で成立したものとされる[11](日本料理の海外進出が難しいのも、旬の食材頼りにある[11])。
調味料の種類
- 砂糖 - 黒砂糖
- 塩 - 海塩、岩塩
- 酢 - 柚子
- 醤油
- 魚醤(しょっつる、いしる、ナンプラー、ニョクマム⇒柑橘類・酢・砂糖・ニンニク・唐辛子を加えてたヌクチャム)
- 味噌 - (米味噌、豆味噌、麦味噌)
- 醤・ひしお - 豆板醤、XO醤、芝麻醤、豆豉醤、甜面醤、沙茶醤、コチュジャン
- タレ、垂味噌
- めんつゆ(醤油+みりん+出汁)
- 土佐酢(醤油+柚子+みりん+出汁、ポン酢(醤油+みりん+出汁+柑橘類+お酢)
- 割下
- 出汁
- 酒 - 日本酒、煎り酒、料理酒
- みりん
- コショウ
- 一味唐辛子
- 七味唐辛子
- ウスターソース(中濃ソース、濃厚ソース、とんかつソース)
- ケチャップ
- オイスターソース
- サンバルソース
- チリソース(タバスコ)
- チャツネ(インドなど)
- マスタード
- マヨネーズ
- 油脂、ラー油
- 香辛料、ハーブ
- カレー粉
- うま味調味料
- タンパク加水分解物
地方独特の調味料
脚注
注釈
出典
- ^ プログレッシブ和英辞典(コトバンク)
- ^ 暮らしの図鑑編集部『暮らしの図鑑 調味料の味わい 楽しむ工夫×基礎知識×毎日使いたい調味料120』翔泳社、2022年、140-141頁。
- ^ a b 暮らしの図鑑編集部『暮らしの図鑑 調味料の味わい 楽しむ工夫×基礎知識×毎日使いたい調味料120』翔泳社、2022年、141頁。
- ^ a b c d 高橋 雅弘、田崎 龍一「4 調味料とは」『分析化学』第23巻第8号、日本分析化学会、1974年、965-970頁。
- ^ “「和食」の特徴 4 味わい”. 農林水産省. 2025年8月18日閲覧。
- ^ a b [PDF] 1-0317 調味料及び香辛料類 - 文部科学省
- ^ 固形ブイヨンは日本農林規格では「乾燥コンソメ」という名称になっている[6]。
- ^ 『大人も知らない?続ふしぎ現象事典』2023年、マイクロマガジン社、p.92
- ^ “味の素「電気調味料」発表 皮膚への電気刺激で減塩食を“しょっぱく”するネックバンド型デバイスなど開発へ”. ITmedia NEWS. 2024年9月14日閲覧。
- ^ 石毛直道 他共著 『文化と人類』 朝日新聞社 1973年 pp.208 - 209
- ^ a b 石毛直道 他共著 『文化と人類』 p.209
関連文献
- 大久保洋子「江戸の調味料」『日本調理科学会誌』第47巻第4号、日本調理科学会、2010年、233-235頁、doi:10.11402/cookeryscience.47.233。
関連項目
- 容器
- カスター (調味料入れ)
- ソルトセラー
- ソルトピッグ
- 調味料シェーカー
- マサラ・ダバ
外部リンク
味付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/09 09:10 UTC 版)
スパゲティなど、パスタ類をゆでる場合、濃いめの塩水を使う。これは、これらが塩味を含んでいないので、ゆでる際に味付けをするためである。他方うどんやそうめんは真水でゆで、元々含まれる塩分を流し出す。野菜を茹でる際などにも食塩水を使う。これには、沸点上昇によってより高い温度で加熱できる効果があるなどの説があるが間違いであり、薄く塩味をつけることが実質的な目的である。水の沸点上昇は1リットルの水に対して1モルの溶質あたり約0.515 K と小さいため、概算で1リットルの水に対して大さじ4杯の食塩を加えるごとに、沸点が約1度ずつ上がる計算になり「高い温度」が期待できるほど食塩を加えたら、ほとんどの料理は塩辛くなりすぎる。したがって、通常料理に使う食塩濃度では、沸点上昇による調理への影響はないと考えて良い。
※この「味付け」の解説は、「食塩水」の解説の一部です。
「味付け」を含む「食塩水」の記事については、「食塩水」の概要を参照ください。
「味付け」の例文・使い方・用例・文例
- それは煎餅と言い、米から作ります。米をひいて粉にして焼きます。そして醤油で味付けをします。
- 味付けは比較的シンプルな物が多かったので、食材そのものの味を堪能できた。
- 味付け海苔
- 私はシンプルな味付けが好きです。
- これは何で味付けされているのですか?
- 塩は味付けに使われる。
- やはり、ここのタイ料理の味付けは、日本人好みにしてあるんだね。
- このお料理は、パリのエスプリを意識して、味付けしてみました。
- カレーで味付けしたチキン[卵].
- ソースをタマネギで味付けする.
- 缶詰の味付け肉.
- 近ごろはたいていの雑誌がセックスと暴力で味付けされている.
- よく味付けされた料理
- スープは辛く味付けされた
- 辛く味付けされた卵
- 蒸し焼きされたチキンは味付けされたグレービーで料理されたチキンである
- 香辛料の混合物で風味付けられたもの
- 風味付けをする
- 香辛料で味付けされ、強い風味を添えられている特性
品詞の分類
- 味付けのページへのリンク